2017/10/21

マダガスカルでペストが流行!


( 2017.10.20 )

● マダガスカルでペストが再び流行、WHOが感染拡大を懸念! 


 世界保健機関(WHO)は20日、アフリカ南東沖の島国マダガスカルでペストが流行し、これまでに94人が死亡したと明らかにした。
 1100人以上に感染の疑いがあり、WHO当局者は、抗生剤130万錠を現地に送ったと説明した上で「感染例はさらに増える恐れがある」と警告した。

 マダガスカルでは1980年以降ほぼ毎年、ペストが流行。ただ、今回は首都アンタナナリボを含む都市部で猛威を振るっている点で、例年とは異なるという。




( 2015.02.01 )

● マダガスカルでペスト、死者40人 WHOが感染拡大を懸念! 


 アフリカ南東部のインド洋に浮かぶ島国マダガスカルで伝染病のペストが流行し、世界保健機関(WHO)の専門家らが感染拡大の懸念を示している。 

 WHOによると、同国では昨年11月からペストの流行が始まり、年末までに少なくとも119人の感染が確認され、40人が死亡したと言う。

 マダガスカルでは、最近発生した洪水で数万人が避難し、大量のネズミが移動したとみられ、今後、感染が拡大する恐れもあると指摘した。 特に、人口が密集する首都アンタナナリボのスラム街で感染が広がっていて、同市内では昨年末までに少なくとも20地区で患者が確認されている。

 ペスト菌は、ネズミなどからノミを媒介として人間に感染、欧州では14世紀に「黒死病」と呼ばれたペストの大流行で約5000万人が死亡したとされる。












2017/09/15

イエメンのコレラ感染者、世界最悪レベルか!


( 2017.09.15 )

● イエメンのコレラ感染者、世界最悪レベルか!


 赤十字国際委員会は13日、内戦で悲惨な人道的状況下にあるイエメンでコレラの感染者数が年末までに85万人に達する恐れがあると警告した。

 イエメンではサウジアラビアが支援する政府と、首都サヌアを掌握するイスラム教シーア派の反政府勢力との間で紛争が2年以上続いてインフラが崩壊。世界最悪レベルのコレラのまん延を招いている。
 ここ数か月、コレラ感染拡大の勢いはやや衰えているが、抑え込むまでにはほど遠い状態。

 国際赤十字・当局は「7月時点では年末までの感染者が60万人に達すると懸念していたが、現在すでに感染の疑いがあるのが64万7000人に上っている」と語った。
 その上で最悪の場合、年末までに85万人に達すると指摘し、感染拡大を抑えられていない。封じ込められないでいると述べている。

 WTO・世界保健機関によると今月、イエメンでのコレラによる死者が2065人に達したと発表している。











2017/08/16

韓国でも殺虫剤汚染タマゴ、出荷全面停止へ


( 2017.08.16 )

● 韓国産鶏卵からも殺虫剤成分 政府、全養鶏場を検査


 韓国産の鶏卵から15日までに殺虫剤フィプロニルの成分が検出され、農林畜産食品省は同日午前0時から全ての養鶏場で鶏卵の出荷を中止させた上で、全養鶏場の検査を始めた。

 同省や聯合ニュースによると、フィプロニルは犬や猫のノミやダニを駆除するために使用される。人間が大量に摂取すると、内臓に悪影響を与える恐れがあり、鶏への使用は禁止されている。

 フィプロニルはオランダなど欧州の養鶏場で相次いで使用が確認され、欧州連合(EU)欧州委員会は、汚染された疑いのある鶏卵や加工食品が域内10カ国以上とスイス、香港で流通した恐れがあるとしている。

 韓国では今回、残留農薬の一斉検査中にソウル近郊、京畿道南楊州市の養鶏場から検出された。さらに別の養鶏場からは、フィプロニルとは別の殺虫剤の成分が基準値を上回って検出された。

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 今般、韓国国内でもフィプロニルが鶏卵から検出されたことがニュースで伝えられると、鶏卵だけでなく鶏卵を材料とするパン・菓子・マヨネーズなどの食品全般に対して消費者が不信感を抱き、波紋が広がっている。

 全国で約400店舗を抱える「Eマート」「ホームプラス」「ロッテマート」などの大手スーパー3社は15日、全店舗で一斉に鶏卵の販売を中止した。一日平均で鶏卵約100万個を販売するEマートは同店147店舗と系列ディスカウントストア「トレイダーズ」11店舗に陳列された鶏卵を同日午前、一斉に撤去した。

 大手スーパー関係者は「問題になっている農家の『殺虫剤に汚染された鶏卵』を取り扱ったことはないが、消費者の不安を考慮して当面は販売しないことにした」と説明した。

「CU」「GS25」「セブンイレブン」などの大手コンビニも全国3万店舗で鶏卵の撤去を開始した。CU関係者は「15日午前から陳列台の鶏卵と、鶏卵を材料に作った弁当などを撤去している」と語った。昔ながらの市場や一部の小規模商店では鶏卵製品を販売していたが、購入する人はほとんどいなかった。一般市民は「家にある鶏卵は捨てた方がいいのか」など、情報を求めて混乱した。韓国のり巻きなどを売る飲食店では「卵を入れないでほしい」と注文する客が増えた。

 韓国・農林畜産食品部(省に相当)の金瑛録(キム・ヨンロク)長官は同日、関係機関対策会議を開き、「すべての韓国内採卵鶏農場(1456カ所)の鶏卵出荷を中止させた」と述べた。当初は採卵鶏3000羽以上を飼育している農場のみ出荷停止としたが、これを拡大適用したものだ。

 これまでの検査で、鶏に対する使用そのものが禁止されているフィプロニルが検出された事例は、京畿道南楊州市内のマリ農場1カ所だけだ。この農場では6日にフィプロニルを散布してから14日の検査結果が出るまで少なくとも約15万個の鶏卵が出荷されたものと推定されている。別の殺虫剤で発がん物質の「ビフェントリン」も京畿道広州市のウリ農場で残留許容基準を超えた数値が検出された。全羅北道淳昌郡の農場でもビフェントリンが検出されたが、基準値を下回っていた。

 農林畜産食品部は殺虫剤検査で適合と判定された農場にのみ検査証明書を発行し、鶏卵の出荷を許可する予定だ。不適合と判定された農家は出荷禁止を続け、6カ月間にわたり2週間おきに検査を実施、該当の農場主を畜産物衛生管理法違反の疑いで告発する方針だ。

 金長官はまた、鶏卵の需要があるため「採卵鶏20万羽以上を飼育している大型農場(47カ所)に対する検査をきょう(15日)中に完了させる。あす(16日)からは通常の約25%を流通させられるようにしたい」と述べた。












2017/08/13

欧州で殺虫剤汚染の鶏卵


( 2017.08.13 )

● 欧州で鶏卵に殺虫剤=17カ国・地域に波及


 オランダやベルギーなどの養鶏場から欧州を中心に出荷された卵から殺虫剤フィプロニルが検出され、消費者の間で不安が強まっている。

 欧州連合(EU)欧州委員会によると、汚染の疑いのある卵や加工品の出荷先は、英、フランスなどEU15カ国に域外の香港、スイスを加えた17カ国・地域に及び、各国で数百万個の卵が回収される事態となっている。

 フィプロニルはノミやダニの駆除に使用されるが、人が大量に摂取した場合、腎臓や肝臓に悪影響を与える恐れがある。ただ現時点で健康被害の報告はなく、EUや各国当局は「少量では健康への影響はない」と説明している。

 EUは、畜産などでのフィプロニルの使用を禁止しており、オランダの当局は汚染問題に関与した疑いで養鶏関連企業の幹部2人を拘束した。 



( 2017.08.12 )

● 香港でも発見 欧州から影響拡大


欧州の養鶏所から出荷された卵が殺虫剤に汚染されていた問題で、欧州委員会は11日、汚染された卵が欧州連合(EU)に加盟する15か国の他、香港とスイスでも見つかったことを明らかにした。

 同委員会の報道官によれば、殺虫剤「フィプロニル」による汚染卵の問題に見舞われているのは、ベルギー、オランダ、ドイツ、フランス、スウェーデン、英国、オーストリア、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、デンマークのEU諸国。さらにEU非加盟国のスイス、そして香港が加わった。

 また、フィプロニルを違法に使用したと確認されたことからベルギー、オランダ、ドイツ、フランスの養鶏場が閉鎖されたという。他の国々はこの4か国から卵を輸入していた。

 同委員会はまた、EU加盟国の関係閣僚らがこの問題について議論するため、来月26日に会合を開く予定だと明らかにした。

 問題が公になった今月1日以降、欧州内のスーパーマーケットからは数百万個の卵および卵製品が回収されている。




( 2017.08.11 )

● 欧州で卵に殺虫剤混入 食品不安10カ国に広がる


 デンマーク家畜食品局は10日、殺虫剤の成分が混入した20万トンのゆで卵製品がデンマークで販売されていたと発表した。

 同局は発表文で、問題の20万トンの卵は主にカフェテリアやカフェ、仕出し業者へ販売されたと述べた。

欧州で殺虫剤フィプロニルの成分が混入された卵が発見されたのはデンマークで10カ国目。最近では、ルーマニアやルクセンブルグでも同じ殺虫剤の成分が卵から検出されている。

 フィプロニルを大量に摂取すると、人の腎臓や肝臓、甲状腺の機能を損なうおそれがある。

 だが、デンマーク家畜食品局は冷静を保つよう呼びかけ、ダナグ・プロダクツの卵を消費しても人体へのリスクはないと述べた。

 同局は、「オランダ国内で実施された分析でフィプロニルが卵から検出されているが、健康への害はない」とした上で、「成分は違法であるため、ダナグ・プロダクツは顧客から卵を回収しなければならない」と述べた。

 問題の卵の大半はオランダで生産されたが、ベルギーやドイツでも生産された。

 オランダとベルギーの当局による合同捜査で、会社名をチックフレンドと地元メディアに報じられたオランダの会社の幹部2人が逮捕された。

 オランダ検察によると、同社に対しては自社の養鶏場でフィプロニルを使用した疑いがかけられている。

 検察は発表文で、ベルギーの供給者と「ベルギーの供給者と結託した」別のオランダの会社も捜査していることを明らかにした。

 EU規制はフィプロニルの食品業界での使用を禁止している。

 AFP通信によると、ベルギーの捜査当局は複数箇所で捜索を実施し、26の個人と企業を容疑者として特定した。

 ベルギーでは、約6000リットルの「禁止製品」が押収された。

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● 英国の店頭から卵サンドイッチを回収


 英食品基準庁は、約70万個の卵が殺虫剤が含まれている可能性のあるオランダの養鶏場から英国に輸入されたと公表した。前回の公表数は2万1千個だった。しかし、健康へのリスクになる可能性はほとんどないと述べた。

 ただ、サンドイッチやサラダなど卵が使われた11商品がスーパーマーケットから回収された。

 オランダは欧州最大の卵の生産国で、卵や卵を使った食品の世界最大規模の輸出国。

 毎週数百万個もの卵を生産する約180カ所の養鶏場が一時的に閉鎖され、さらなる検査が実施されている。

 フィプロニルは赤ダニの駆除に使用されたと考えられている。

 殺虫剤混入の問題は今月初旬にドイツでスーパーマーケットのアルディが店頭から全ての卵を回収したことを受けて、明るみに出た。

 その後、ベルギー当局者が今年6月に殺虫剤混入について知っていたものの、不正行為に関する捜査のため情報を公開しなかったことが明るみに出た。

 一方、ベルギーはオランダがこの問題について2016年の11月から知っていたと非難した。オランダ当局はこれは否定している。



( 2017.08.08 )

● 殺虫剤汚染の卵、英仏にも流入 欧州で影響拡大


 欧州で殺虫剤に汚染された卵の被害が拡大する中、英仏両政府は7日、汚染された卵が国内に流入している恐れがあると明らかにした。オランダでは多数のニワトリが殺処分される可能性も出てきている。

 この汚染問題をめぐっては、ベルギー当局が6月時点で、人体に害を与える恐れのある殺虫剤のフィプロニルが卵などから検出されたことを把握していたものの、公表していなかった。当局は公表しなかった理由について今後、情報を徹底的に開示していくと明言している。

 ベルギー当局は7月20日に初めて欧州委員会に汚染問題を報告。以来、同国をはじめ、ドイツ、オランダでは多数の卵がスーパーマーケットの売り場から回収され、スウェーデン、スイスの小売業者も同様の措置を講じている。

 欧州委員会は7日、殺虫剤汚染が疑われる卵はドイツ経由でフランスと英国にも流入したことが確認されたと発表。同委員会の報道官は記者団に対し、すべての卵のトレーサビリティー(生産・流通過程の追跡可能性)を確保しているため、スウェーデン、スイス、フランス、英国の各国に検査を委ねたいとした。

 英食品基準庁(FSA)は、国内での流通状況を緊急調査しているとしながらも、流通した卵の数は非常に少なく、消費者に健康被害が出る可能性は極めて低いと説明。具体的な数字は挙げていないが、汚染卵は年間輸入量の0.0001%だと述べた。

 フランス政府は、オランダから輸入されたフィプロニルに汚染されている卵が中西部の食品加工場2か所で見つかったと発表。ただ同国農業省は、汚染された卵が既に出荷されたかどうかについては即答できないとしている。



( 2017.08.02 )

● 卵から殺虫剤成分か 180の家禽農場が休業に オランダ


 オランダで、多数の卵などに毒性のある殺虫剤の成分が含まれているとみられることが分かり、全国約180の家禽(かきん)農場が休業に追い込まれている。当局が1日、明らかにした。

 オランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)によれば、殺虫剤のフィプロニルとみられる成分が「卵、ふん、鶏肉」のサンプルから検出され、7月26日以降、180の家禽農場が休業している。オランダからドイツに輸送中だった約100万個の卵も国境で回収されたという。

 検出された殺虫剤は、チックフレンド(Chickfriend)というドイツ企業のものとみられ、ニワトリに寄生する厄介なシラミの一種を駆除するために使用された。鶏肉など食用の家畜への殺虫剤の使用は禁じられている。

 AFPの取材に応じたNVWAの広報担当者は、現在、影響を受けた農場数の概算を出しており、600のサンプルについて分析を進めていると明らかにした。一方、ANP通信は、影響を受けた農場は全国でおよそ1000軒に上ると伝えている。

 世界保健機関(WHO)によれば、フィプロニルを大量に使用した場合の毒性は「中程度」で、人の腎臓、肝臓、甲状腺に悪影響をもたらす恐れがある。


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フィプロニルとは

 「フィプロニル(英:fipronil)」は、バイエルクロップサイエンス (de:Bayer CropScience) の前身であるローヌ・プーランが開発したフェニルピラゾール系殺虫薬の1つ。
 神経伝達物質であるGABAの作用を阻害することによりノミ、ゴキブリ、アリ、アルゼンチンアリ、シロアリなどの駆除に使用される。遅効性の毒物であるため、混ぜたエサを摂食した昆虫が致死するまでに巣やコロニーに戻る時間余裕があることが特徴である。ゴキブリやアリの場合、その死骸やフンを摂食した巣の仲間にまで効力を発揮するため巣の集団全体へその効果が広がっていく。







2017/08/12

フィリピンで初の鳥インフル発生


( 2017.08.12 )

● フィリピンで初の鳥インフル発生


 フィリピン政府は11日、同国で初めてH5型の鳥インフルエンザが発生したと発表した。ただし、人間への感染は報告されていないという。

 エマヌエル・ピニョル農相によると、首都マニラの北サンルイスで確認された感染した家禽(かきん)から1キロ以内にいるすべてのニワトリ、アヒル、ウズラの処分が即座に命じられたという。

 一方、保健当局は感染した家禽に接触した農場の従業員らの健康状態を監視しているという。

 ピニョル農相は、感染した家禽はH5亜型のA型鳥インフルエンザウイルスで陽性反応が出たと述べた。









2017/07/17

インドの「母なるガンガー」、汚染で死の淵に


( 2017.07.17 )

● インドの母なる川ガンジスが、汚染で死の淵に!


 インドの聖なるガンジス川は、雪氷で覆われたヒマラヤ山脈のきれいな水を水源としている。だが、急成長する都市や産業拠点を流れる過程で、また大勢のヒンズー教徒が利用する中で、水は汚染され、有害なヘドロと化してしまった。

13億人を超えるインド人口の約8割を占めるヒンズー教徒にあがめられ、流域に暮らす住民4億人の水源として重宝される「母なるガンガー」は、長年にわたる政府の浄化に向けた取り組みにもかかわらず、死にひんしている。

 2つの川が合流してガンジス川となる小さな町デバプラヤッグの若き僧侶、ロケシュ・シャルマさん(19)は、川岸で祈りをささげるヒンズー教徒を先導する一族の4代目だ。

「どこか他の場所に移り住むことなど、考えたこともない。デバプラヤッグは私にとって天国だ。母なるガンジス川のほとりで生まれたことを幸せに思う」とシャルマさんは語る。傍らでは僧侶や信者が詠唱しながら、川の水をボトルに詰めたり、流れの早い川で沐浴(もくよく)したりしている。

多くのインド人は毎日沐浴し、神像に祈りをささげる。沐浴により、この世で犯した罪が清められると考えられている。人々は川の水を飲み、農作物の栽培にも利用している。

だが、全長2525キロのガンジス川がインド北部の人口密集地域へと流れていくにつれ、本来のきれいな水は、はるかかなたの記憶となる。そのような地域では大量の水がくみ上げられ、川の健全な流れを阻害している。

北部の工業都市カンプールの橋の下では、ガンジス川の水は暗灰色に変化している。
産業廃棄物と汚水が下水溝から流れ込み、川の表面には多くの泡が浮いている。

近くでは、皮なめし工場の作業員たちが、化学薬品に漬かった水牛皮を大きなドラム缶に詰めている。汚れた不良品は川に捨てられている。
同国のモディ政権は、さらに多くの下水処理施設を建設し、400以上の皮なめし工場をガンジス川から離れた場所に移転させると約束している。だが、30億ドル(約3400億円)が投じられるこの浄化計画は、予定よりひどく遅れている。

主要な各都市からガンジス川に毎日流される下水は推定48億リットルだが、その4分の1も処理されていない。
こうした悲惨な状況をガンジス川流域で最も痛感しているのは、ヒンズー教徒にとって一大聖地である「バラナシ」だろう。

ここでは、信心深い学生たちがヨガを行ったり、巡礼者たちが精神を清めようとする光景が見られる。川岸では、家族によって火葬が行われ、魂が天国に行き輪廻転生から解脱できるよう遺灰がまかれている。

沐浴場では、ガンジス川をきれいに使うよう信者を促す祈りをささげる礼拝僧の声が夕暮れ時の熱気を満たしている。
「ガンジス川の水は、以前はとてもきれいで飲むことができた」と語るのは、58歳の船頭アニル・サーヘニーさんだ。「今では沐浴もできない」

ガンジス川はベンガル湾に向かって南下するにつれ、さらに多くの村や膨張する都市を通過し、川幅も広くなる。

人口1400万人強の主要都市コルカタでは、そびえ立つごみ山のそばで人々は沐浴し、歯を磨いている。郊外の川岸ではレンガが窯で焼かれ、工場が建ち並ぶ。

下流では、乗客ですし詰めのフェリーがサガール島へと出発する。ガンジス川が海と合流するポイントにあるこの島は、ヒンズー教徒の巡礼で人気の場所だ。

「私たちの周りで起きていることを思うと悲しくなる。ガンジス川は毎日汚れているのに、誰も気にしない。母なるガンジスの子どもでもだ」と、カーペットと真ちゅう製品で栄えるガンジス川流域都市ミルザプールの僧侶アショク・クマールさん(66)は語る。

「ガンジス川は私たちの母だ。死んでしまったら、どのような未来も存在しなくなる」







2017/06/11

韓国で鳥インフル、生きた鶏の流通を全面禁止!


( 2017.06.05 )

● 韓国:鳥インフル、5日から生きた鶏の流通を全面禁止!


 韓国・農林畜産食品部は4日、「今月2日に済州道で「鳥インフルエンザに感染の疑いあり」として届けられた鶏を詳しく調べたところ、今年の冬に全国で流行したH5N8型の鳥インフルエンザに感染していたことが分かった」と発表、韓国政府は感染拡大を防ぐため、5日午前0時から全国(韓国国内)の全ての市場などで生きた鶏の流通を全面的に禁止した。

 韓国では、新たに「済州市」、「全羅北道・群山市」、「慶尚南道・梁山市」、「京畿道・坡州市」、「釜山市機張郡」の5カ所でも鳥インフルエンザの感染が確認され、今回のウイルスが強い感染力を持つ高病原性のものかについては現在確認中としている。


 韓国・農林畜産食品部は今回の感染経路について、「全羅北道・群山」のある烏骨鶏(うこっけい)飼育農場が最初の感染源になったと推測している。
 この農場は先月末に烏骨鶏およそ4000羽を今回感染が確認された済州道など4カ所に出荷していた。
 このうち「済州市涯月邑」の2カ所の烏骨鶏農場に、500羽ずつ出荷され、そのうちの1カ所からさらに別の農場へ売却されたうちの5羽が飼育中に死んだことから、この農場が済州市庁に届けた。
 また、この鶏を転売していた「済州市涯月邑」の烏骨鶏農場でも300羽が死んでいたが、管轄自治体への届けを怠っていたとみられる。
 さらに最初の感染源とみられる「全羅北道・群山」の烏骨鶏飼育農場でも、鶏が突然死んだため獣医に見せたが、鳥インフルエンザではなく別の病気と言われたため届けはしなかったという。


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 韓国では昨年の秋以降、H5N8型・鳥インフルエンザの感染拡大により200万~300万羽もの鶏が殺処分されていて、4月4日以降はウイルスによる感染が確認されなかったため、5月31日付で鳥インフルエンザ警報の段階を4段階のうち2番目に高い「警戒」から最も低い「関心」へと2段階引き下げたばかりであったが、今回の感染確認により一気に非常体制に入った。

 韓国政府は、今月3日付で警報段階を再び「警戒」に引き上げるとともに、今回済州市などで発生した鳥インフルエンザが、強い感染力を持つ高病原性ウイルスであることが今後確認されれば、最も高い「深刻」へと直ちに警戒を引き上げることにしている。








2017/05/15

中国発「バナナラッシュ」から見えた、一帯一路構想の果て!


( 2017.05.15 )

● 中国発「バナナラッシュ」で、ラオスが得たカネと代償!


 2014年に中国人投資家がラオス北部の静かな村にやってきたときのことを振り返り、村長(59)は笑顔を浮かべる。 ぼろ儲けができた、と村長は語った。

 彼ら(中国人投資家)は村人に、1ヘクタールあたり最高720ドル(約8万1800円)で土地を借りたいと申し出たという。ほとんどが長年休耕地だった場所で、バナナを栽培したいとのことだった。

 貧しいラオスにおいて、それは気前の良い話だった。「彼らは金額を告げ、これで満足かと尋ねた。私たちは、いいでしょうと言った」

 さらに、川沿いで道路アクセスの良い土地は、少なくとも倍の賃料で借り上げられた。


 その3年後、中国がもたらしたバナナブームは、ほとんどの村人の生活を変えた。だが、全員が笑顔でいる訳ではない。

 中国人は、ラオス北部に雇用をもたらし賃金も上がった。だが一方で、農園を殺虫剤と農薬漬けにしてしまったと専門家は指摘する。

 ラオス政府は昨年(2016)、バナナ農場の新設を禁止した。農薬の大量使用で労働者が健康を害し、水源が汚染されていると政府系研究機関が報告したことを受けての措置だ。

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中国は、アジアと欧州を結ぶ新シルクロード経済圏構想「一帯一路」の恩恵を自賛しており、その推進を狙って今年(2017)5月14~15日に北京で同プロジェクトの国際首脳会議を開く。

 中国は、「一帯一路」の経済圏構想で、自国投資家(中国系の企業も含む)に市場を開放するよう周辺国に要請している。これは、ラオスの貧しい村人にとっては、何かを得る代わりに別の物を失う「代償」を意味するようだ。

 バナナブームは、同構想が発表された2013年以前に始まったものだが、中国はすでに、ラオスでの農業開発をプロジェクトの一部とみなしている。

 「中国の投資で、私たちの生活は良くなった。食べ物も、生活の質も改善した」と、村長は言う。
 だが、彼や彼の隣人も、農園では働かないことにしている。 さらに、農薬の散布が行われているあいだは、決して農園に近づかないし、近くの川は、農園から流出した農薬で汚染されている可能性があるため、釣りをするのもやめた。

 中国人農園オーナーや管理者の一部は、ラオス政府による農園の新設禁止処置に不満を表明した。土地の賃貸契約が切れた後、バナナの栽培ができなくなるからだ。
彼らは、農薬使用は不可欠で、農園で働く人々がそのために健康を害しているということはないと主張した。

 あるバナナ農園の管理者は「農業をやるには、肥料や農薬が必要だ」と言う。彼の農園を所有するのは、ラオスでバナナ栽培を手掛ける最大手の中国企業だ。
 「私たちが来て開発しなければ、この場所はただのはげ山のままだった」。農園労働者が丘の急坂を登り、一束30キロのバナナを粗末な選果場へと運んでいく様子を眺めながら、彼はそう語った。

 中国外務省の耿爽報道官は11日の定例記者会見で、ラオスの中国系バナナ農園を巡る具体的な問題は承知していないとした上で、これを「一帯一路」構想と関連づけるべきではないと述べた。
 「原則的に、われわれは海外投資や事業を行う中国企業に対し、現地の法律や規則を尊重し、社会的責任を果たし、現地の環境を守るよう義務付けている」と同報道官は述べた。

 中国国営メディアによると、人口650万人を抱える内陸国ラオスにおいて中国は最大の投資国であり、総額67億ドル(約7621億円)に上る760件以上の投資プロジェクトを手掛けている。
 この影響が強く感じられるのは、中国資本がショッピングセンターを建設し、高級ホテルを運営する首都ビエンチャンだけではない。何十年ものあいだ目立った変化がなかった農村部にもその影響は及んでいる。

 中国人のバナナ投資家が、本国(中国本土)の土地不足のため、国境を越えてラオスに流れ込み始めたのは、2010年頃だったと現地の人々は記憶している。その多くが、この国で人口が最も少なく、面積も狭いボーケーオ県に向かった。

 その後の数年間で、ラオスのバナナ輸出は10倍に跳ね上がり、同国にとって稼ぎ頭の輸出品となったが、その大半が中国に送られている。

 国内で多くの土地所有者でもあるラオ族にとって、中国系農場は、自分で土地を耕作して得るよりも多額の賃料を支払ってくれた。

 さらに、モン族やカム族のような高地に住む貧しい少数民族にとっても、バナナラッシュは、労働の機会とより良い賃金を意味した。
 収穫期には、一日10ドルかその倍を手にすることができる。2015年の平均年間所得(世界銀行調べ)が1740ドルのラオスでは、相当な高給だ。
だが同時に、彼らは最も大きな農薬リスクにさらされている。

 中国系農園は主に、キャベンディッシュという種類のバナナを栽培している。消費者に人気だが、病気にかかりやすい。
 モン族とカム族の労働者は、成長するバナナの株に殺虫剤をまき、「パラコート」などの除草剤を使って雑草を駆除する。 「パラコート」は、欧州連合(EU)やラオスを含めた他の地域でも使用が禁止されており、中国では段階的に使用を減らしている。
 さらに、中国への輸送中に傷まないよう、収穫されたバナナは防かび剤に浸される。

 バナナ農園で働く人々のなかには、体重が落ちて虚弱になったり、皮膚病を患っている人がいる、とラオス北部を拠点に活動する非営利団体「開発知識の結束連合会」が指摘する。

 同団体は、その啓発活動の一環として、労働者に農薬使用の危険性についての知識を広めている。「私たちにできるのは、労働者の意識を高めることだけだ」と語る。
 これは困難な活動だ。使用されている農薬のほとんどは中国かタイから輸入されており、使用方法や注意事項はこれらの国の言葉で書かれている。
 仮にラベルがラオ語で書かれていたとしても、モン族やカム族には字が読めない人もいるため、理解できない。
 さらに、もう1つの問題は、労働者の生活環境が化学薬品に近いため、飲み水や生活用水が化学薬品に汚染されていることだとも指摘する。

 一方で、こうした「代償」を受け入れると話す人もいる。農薬のことは心配だが、高い賃金があれば、子供を学校に行かせたり、よい食べ物を買うことができるという。

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ラオス政府がバナナ栽培における農薬使用を取り締まっても、有害な化学物質が全て締め出されることになる保証はない。

 生産量が増えてバナナの価格が下落したため、中国人投資家のなかには、ほかの作物に切り替えた人もいる。その中には、多くの農薬を必要とするスイカも含まれる。

  ラオス・ボーケーオ県のバナナ農園の最大2割がバナナ栽培をやめたと推測され、より安価な労働力を求め、ミャンマーやカンボジアに移転した同業者もいるという。
 バナナ農園を共同所有する人の中には、ラオスの環境への影響は、すべての途上国が歩かねばならない道であり、地元の人は中国人に感謝すべきだ、「彼らは、『なぜわれわれの生活が改善したのだろう』とは考えない。天の恵みで、生活が自然に改善すると思っているんだ」と語る。


 まるでハゲタカの様に食い散らかし、化学薬品に汚染され不毛の大地と化した後は、次の獲物を探し飛び去って行く投資家たち、そこには金儲けだけが唯一の倫理観もない。

 長い未来を見れば、「すべての途上国が歩かねばならない道」であってはならない、あって良い訳がない。











2017/03/24

国内の鳥インフルエンザ(H5型)2年ぶり拡大か?


( 2017.03.24 )

● 宮城、千葉の養鶏場で鳥インフルウイルスが検出!


 宮城県と千葉県は24日、県内の養鶏場でそれぞれ毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。

 宮城県栗原市の養鶏場・約22万羽と、千葉県旭市の養鶏場・約6万8000羽で、両県はそれぞれ、自衛隊の協力を得てウイルスが検出された養鶏場の鶏全てを対象に殺処分を始めるなど、感染拡大防止に必要な対応を取った。
 今冬の国内農場での鳥インフル感染は、両市の養鶏場を合わせて計12件となった。

 宮城県と千葉県はそれぞれ、感染が確認された養鶏場から半径3キロ以内の区域で鶏や卵の移動を禁止するとともに、3~10キロ以内で域外への搬出を禁じた。



( 2017.03.13 )

● 中国から持参した生肉から、鳥インフル検出!


 中国からの渡航者が日本に持ち込もうとして没収された鳥肉から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されていたことが農林水産省動物検疫所などへの取材でわかった。
人に感染する可能性は低いが、野鳥などを介してニワトリなどの家禽(かきん)に感染する恐れがある。検疫で没収される畜産物は全体の一部とみられ、専門家は対策強化の必要性を訴える。

 調査は世界的に鳥インフルの流行が近年続いていることから、動物検疫所と北海道大学が共同で初めて実施。2015年6月~今年2月に羽田空港など全国9カ所の空港や港で渡航者の荷物から没収されたニワトリやアヒルの肉や卵など228検体を調べた。その結果、中国の上海、アモイ、香港から成田、中部の各空港に持ち込まれたニワトリとアヒルの生肉3点から、高病原性鳥インフルエンザのH5N1亜型とH5N6亜型のウイルスが見つかった。両ウイルスは中国などで人への感染が確認され死者も出ているが、死んだニワトリなどに濃厚接触したことが原因とみられている。また、中国や台湾、ベトナムから成田、羽田、関西、中部の4空港に持ち込まれたニワトリやアヒルの生肉9点からも低病原性のウイルスが検出された。

 検出されたH5N6とH5N1のウイルスをニワトリとアヒルに感染させると、約9割のニワトリが3日目までに死亡。死んだニワトリの血液を調べると、全身でウイルスが増殖しており、強毒性と確かめられた。遺伝子解析により、中国で流行するウイルスと近縁であることがわかった。

 海外からの肉類の持ち込みは家畜伝染病予防法に基づき、検査証明書がない限り認められていないが、日本で生活する人が帰省した際に本国から持ち帰ったり、土産で持ち込まれたりすることがあるという。さらに日本は現在、中国やベトナム、台湾など鳥インフルの発生が報告される国・地域からの家禽の肉、卵などの輸入を停止している。

 大槻公一・京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長によると、国内で流行する鳥インフルエンザは渡り鳥によって運ばれると考えられており、「携行品で持ち込まれる可能性は想定されていない」と指摘。持ち込まれた肉が屋外に捨てられ、野鳥が触れたり、生肉に触れた人が農場や動物園に行ったりして感染が広がる恐れがあるという。

 一方、海外から渡航者は急増しており、検疫所で没収された畜産物は、中国からを中心に15年は約6万2700件(約83トン)に上り、11年と比べほぼ倍増した。調査にあたった北大の迫田義博教授(ウイルス学)は「すべてを検疫で見つけるのは難しく、今回見つかったのは氷山の一角とみられる。季節に限らず常に持ち込まれているという前提で、防疫対策を進める必要がある」と言う。




( 2017.02.07 )

● 足立区で死んだ野鳥から鳥インフルウイルスが検出!


 東京都によると、今月3日、足立区の住宅街で死んでいる野鳥のオナガガモが見つかり、遺伝子検査をしたところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表、毒性の強い高病原性の疑いもあり、今後、北海道大学で確定検査を行なう。

 都は、周辺の養鶏農家などに野鳥と接触させない対策を徹底するよう改めて注意喚起を行う。



( 2017.02.04 )

● 佐賀県でも鳥インフル感染 養鶏場のニワトリ6万9000羽を殺処分!


 熊本県は4日、杵島郡江北町の養鶏場の鶏から毒性が強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が確認されたと発表、約6万9000羽の殺処分を開始した。

 同県内の高病原性鳥インフルエンザウイルスの鶏への感染は、2015年1月以来2例目となった。

 佐賀県によると、4日午前10時ごろ、江北町上小田の養鶏場から「死亡する鶏が増えた(40羽が死亡)」と県に通報があり、簡易検査したところ、検査した7羽(死亡した鶏5羽と生きている鶏2羽)すべてから陽性反応が出たため遺伝子検査を実施、H5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された。

 佐賀県は、感染が確認された養鶏業者の飼育する鶏、約6万9000羽(感染が確認された鶏舎:約4万羽と約1Km離れた鶏舎:約2万9000羽)を殺処分および埋却処分するために佐賀県知事は、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。
 県と農協の職員計約250人と自衛隊員50人の合計約300人が、3交代、24時間体制で2養鶏場の約6万9000羽の殺処分、埋却処分が行われる。

 尚、国の対応指針によると感染の拡大を防止するために、24時間以内に殺処分を、72時間以内に埋却処分するという目安が示されていて、一刻も早く埋却処分することと、車や人の移動などによるウイルスのさらなる感染拡大を防ぐことが重要と言われている。

 このため県では、発生農場から半径3キロ圏内にある4養鶏場約5万8000羽の鶏や卵の移動の制限、3~10キロ圏内の12養鶏場約9万8000羽の圏外への搬出を制限し、さらに畜産車両向けに幹線道路や農協支所など11カ所、一般車両向けに5カ所の消毒ポイントを設置する。

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今冬、国内の農場で鳥インフルの感染が確認されたのは新潟、青森、北海道、宮崎、熊本、岐阜の6道県での事例に続き、10件目となる。



( 2017.01.25 )

● 宮崎県の養鶏場で2例目となる鳥インフル感染 約16万8400羽を殺処分!


 宮崎県は24日、同県木城町の養鶏場で大量の鶏が死んでいるのが見つかり、簡易検査の結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表し、その後の遺伝子検査の結果でH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認されたと発表。

 同県内の高病原性鳥インフルエンザウイルスの鶏への感染は、今冬2例目となった。

 これにより宮崎県は25日未明、計約16万8400羽の殺処分を始めるとともに、半径3キロ圏内にある6農場に鶏や卵などの農場の外への移動を禁じたほか、半径3~10キロ圏内の140農場には圏外への持ち出しを禁じる措置を取った。

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 今冬、国内の農場で鳥インフルの感染が確認されたのは新潟、青森、北海道、宮崎、熊本の5道県での事例に続き、9件目となる。



( 2017.01.19 )

● 石川県加賀市でも野鳥から鳥インフルエンザウイルスが!


 石川県は18日、加賀市で見つかった野鳥ヒシクイの死骸からA型鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。
県内で鳥インフルエンザウイルスが検出されたのは初めて。今後、感染力の高い高病原性鳥インフルエンザかどうかの確定検査を進めている。

 県によると、15日午前8時半ごろ、加賀市の片野鴨池の水辺で近くの施設の職員が死骸を発見。県の簡易検査では陰性だったが、国立環境研究所の遺伝子検査では陽性だった。 環境省は半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。



( 2017.01.15 )

● 岐阜県の養鶏場で鳥インフル感染 約8万羽を殺処分!


 岐阜県によると14日朝、岐阜県山県市の養鶏場で、大量のひなが死んでいると県中央家畜保健衛生所に通報があり、遺伝子検査の結果、 「H5亜型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認されたと発表した。

 岐阜県は15日、養鶏場で飼育している鶏約8万羽全ての殺処分を指示、県職員らと岐阜県知事による派遣要請を受けた自衛隊員ら延べ約650人により、3交代、24時間体制で作業を実施。 16日未明までに養鶏場で飼育している鶏約8万羽全ての殺処分を完了する予定。

 さらに、17日までに殺処分した鶏の埋却や鶏舎の消毒など全ての防疫措置を終える見通しである。


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 今冬、国内の農場で鳥インフルの感染が確認されたのは新潟、青森、北海道、宮崎、熊本の5道県での事例に続き、8件目となる。



( 2016.12.27 )

● 熊本でも鳥インフル感染確認、約10万7千羽殺処分!


 熊本県は27日、県北部にある南関町の養鶏場で死んでいた鶏から、毒性の強いH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。

 熊本県によると、26日夕方に南関町の養鶏場から約50羽が死んでいるのが見つかった。 簡易検査の結果、7羽のうち5羽が陽性反応を示したため、遺伝子を調べる詳しい検査を行っていた。

 この養鶏場で飼育されている約10万7000羽をすべて、27日早朝から殺処分し、地中に埋める作業や消毒などの処理を急ぐ。

 今冬、国内の農場で鳥インフルの感染が確認されたのは新潟、青森、北海道、宮崎の4道県での事例に続き、7件目となる。


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 農水省などによると、日本では、卵や肉を食べたことが原因で、鳥インフルエンザにヒトが感染した例は報告されていない。
 ただし、中国では近年、毎年のように鳥インフルエンザが家禽(鶏や鴨・あひるなどの飼育鳥類)から人間に感染する事例が報告されていて、さらに人から人に感染するウイルスに変異する懸念が深まっている。



( 2016.12.20 )

● 宮崎県川南町の養鶏場でも感染確認、約12万羽殺処分!


 県によると、同養鶏場より、19日正午すぎに約100羽が死んでいるのが見つかり通報があり、鶏を宮崎家畜保健衛生所で詳細検査した結果、高病原性鳥インフルエンザウイルス「H5型」を検出した。

 宮崎県川南町の養鶏場の鶏から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたことを受けて同県は、20日午前3時から、飼育する約12万2千羽の殺処分を始めた。

 県は同日、殺処分のため県が出動を要請した自衛隊員や県職員など800人弱を投入。 同日中に殺処分を完了させ、72時間以内に埋却や鶏舎消毒などの防疫措置を実施する方針。

 九州の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されたのは今季初めて。

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 宮崎県では2011年1~3月に高病原性鳥インフルエンザが発生し、約102万羽を殺処分。2014年12月にも延岡、宮崎両市で約5万羽を処分している。



( 2016.12.17 )

● 北海道清水町の養鶏場でも鳥インフルエンザが確認!


 12月16日、北海道清水町の採卵養鶏場で、約30羽の鶏が死んでいるのが見つかり、このうちの死んだ5羽と生きている2羽を簡易検査した結果、全てで陽性反応が出たため、遺伝子検査を実施したところ、高病原性鳥インフルエンザウイルス「H5亜型」が検出されたと発表した。

 北海道庁は、ただちに対策本部を設置、17日より感染が確認された採卵養鶏場の鶏、約21万羽の殺処分を行うことを決定した。



( 2016.12.14 )

● 動物園休園相次ぐ…酉年のイベントもピンチ!


・ 名古屋市の東山動植物園で12日、死んだコクチョウ3羽から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)検出、感染が確認された。

・ 秋田市の大森山動物園は、死んだコクチョウから簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たため、11月16日から休園にした。


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 環境省によると、H5N6型ウイルスが確認されたのは12日現在で、野鳥が11道県55例、家禽(かきん)が2県4例。 野鳥は11月以降、過去最も速いペースで見つかっており、更なる監視が必要としている。



( 2016.12.08 )

● 水戸で保護されたコブハクチョウからも鳥インフルエンザ感染確認!


 環境省は、今月8日に水戸市で保護されたコブハクチョウなどが確定検査の結果、高病原性の鳥インフルエンザに感染していたと発表した。
これで、11月以降に、国内で確認された高病原性の鳥インフルエンザの感染は64件に上り、過去最多だった2010年から2011年のシーズンの62件を上回った。

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 環境省は、すでに、国内の警戒レベルを最も高い「3」に引き上げていて、新たに、全国の都道府県に対して、監視の強化と情報の迅速な共有を求めた。
環境省は、過去に最も感染が広がった2010年から2011年のシーズンでは感染のピークは2月だったことから、今後、さらなる警戒が必要だとしている。



( 2016.12.03 )

● 青森で2例目となる鳥インフルエンザ発生!


 青森県は2日夕、青森市内で食用アヒル約4800羽を飼育する農場で、高病原性鳥インフルエンザが発生したと発表した。

 青森市では2例目となり、最初に発生した農場から直線距離で約350メートル離れた系列農場で、県は同日夜、再び県職員を動員して殺処分作業を始めた。

 2日午前10時10分ごろ、農場経営者から、飼育しているアヒルのうち5羽が死に、ほかのアヒルも全体的に衰弱していると県に通報があり、。  青森家畜保健衛生所(同市)が死んだ3羽、衰弱した1羽について鳥インフルエンザウイルスの簡易検査をしたところ、4羽とも陽性を確認。国は発生農場について、
(1)1例目の農場と距離が近い
(2)餌の業者が同じ
などから疫学的に関係があるとして、防疫指針に基づいて高病原性鳥インフルエンザと判断、その後の遺伝子検査でウイルスの種類が「H5亜型」と判明した。

 これを受け、県は職員70人以上を動員して処分作業に着手。国の判定から24時間後に当たる、3日午後1時35分までの殺処分終了を目指す予定だが、昼夜をとわず連日の対応に職員の疲労も隠せない。

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 1例目の発生を巡っては、殺処分したアヒル1万8360羽を1日夕に地中に埋め終えた。 その後、畜舎内にあった排せつ物などの処分を進めているところで、さらなる感染拡大がけねんされる。



( 2016.12.01 )

● 上越市も鳥インフル確認、鶏23万羽を殺処分! 


 新潟県は30日夜、上越市の養鶏場でも死んでいた鶏から、毒性の強いH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表し、この養鶏場で飼育している約23万羽は全て殺処分されることになる。

 新潟県によると、上越市の養鶏場では11月29、30日に合わせて約100羽が死亡、簡易検査で7羽中6羽が陽性反応を示したことから、遺伝子を調べる詳しい検査を行った。
米山隆一新潟県知事は12月1日午前の殺処分開始に備え、国に自衛隊の派遣を要請した。

 今冬に養鶏場、農場で鳥インフルの感染が確認されたのは、青森市、新潟県関川村に続き3カ所目となった。

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 鳥インフル感染が分かった関川村の養鶏場では飼育していた約31万羽のうち、30日午後6時時点で9万6560羽を殺処分。24時間態勢で処分を進めている。

 当初は鶏を処分後、地中に埋める作業を12月2日までに終える計画だったが、必要な資材が届かないことなどから大幅に遅れている。米山知事は30日夜、記者団に作業の遅れを認め、「4日には済ませる」と述べた。
農水省は同時に2カ所で殺処分を行う新潟県へ支援チームの派遣準備を急いでいる。

 一方、青森市は30日、食用アヒルの感染が見つかった農場近くで、殺処分したアヒル約1万8360羽を地中に埋める作業をほぼ終えた。順調に進めば、12月1日夜に農場の消毒を含む処理作業が完了する。



( 2016.11.29 )

● 国内2年ぶり、青森のアヒル農場で鳥インフル感染、約1万6500羽の殺処分!


 青森県は28日、青森市内のアヒル農場で、高病原性鳥インフルエンザの感染が、確認されたことから、感染の拡大を防ぐため、飼育されている全約1万6500羽の殺処分を開始した。
 農場で飼育される鳥への感染が確認されたのは、国内で約2年ぶり、また新潟県内の養鶏場でも、同様の鳥インフルエンザが疑われる事例が発生した。

 青森市で鳥インフルエンザ発生が確認されたのは、「フランス鴨」と呼ばれるアヒルを飼育する農場で、10羽が死亡し、死んだアヒルと生きているアヒルの5羽ずつに簡易検査を実施した結果、9羽が陽性反応を示したため、遺伝子検査を行い、感染を確認した。

 農水省は28日夜に対策本部を開催、感染が確認されれば、農場から半径3キロ以内を立ち入り制限区域に、3~10キロを鳥や卵の移動を制限する区域に指定する方針を確認した。
 感染ルートを調べるため、29日に専門家の調査チームを現地に派遣する。

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・ 鳥インフル、新潟でも確認、31万羽の殺処分着手か!

 新潟県によると、県北部の関川村にある約31万羽を飼育する養鶏場の一角で同日朝、約20羽が死亡。 午後にさらに約20羽が死んだため、県に届け出た。 簡易検査を実施したところ、5羽中5羽が陽性だった。 遺伝子を調べる詳細な検査を行っているが、農林水産省は死亡数などの状況から、鳥インフルエンザの可能性が高いとみている。



・ 2016年・国内の鳥インフルエンザによる殺処分状況

(2017年03月24日現在)
鳥インフルエンザ・感染地域
件 数
殺処分数
北海道
(1件)
(21万羽)
 ・清水町:養鶏場 (12/16)
21万羽 
青森県
(2件)
(約2万2千700羽)
 ・青森市:あひる (11/28)
約1万8千羽 
 ・青森市:あひる (12/02)
約4千700羽 
新潟県
(2件)
(約55万羽)
 ・関川村:養鶏場  (11/29)
約31万羽 
 ・上越市:養鶏場  (11/30)
約24万羽 
宮崎県
(2件)
(約29万400羽)
 ・川南町:養鶏場  (12/20)
約12万2千羽 
 ・木城町:養鶏場  (01/24)
約16万8千400羽 
熊本県
(1件)
(約10万7千羽)
 ・南関町:養鶏場  (12/20)
約10万7千羽 
岐阜県
(1件)
(約8万羽)
 ・山県市:養鶏場  (01/14)
約8万羽 
佐賀県
(1件)
(約6万9千羽)
 ・江北町:養鶏場  (02/04)
約6万9千羽 
千葉県
(1件)
(約6万8千羽)
 ・旭市:養鶏場  (03/24)
約6万8千羽 
宮城県
(1件)
(約22万羽)
 ・栗原市:養鶏場  (03/24)
約22万羽 
合   計
12件
約161万7千100羽 

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● 家禽/飼育類    ★ 野鳥類  


(農林水産省資料抜粋:鳥インフルエンザに関する情報)


(参考情報)

農林水産省ページ
 ・ 鳥インフルエンザに関する情報
 ・ 平成28年度国内発生事例について
 ・ 

環境省ページ
 ・ 高病原性鳥インフルエンザに関する情報

厚生労働省ページ
 ・ 鳥インフルエンザについて







2017/03/22

ブラジル食肉業者、鶏肉安全基準で不正!


( 2017.03.22 )

● 日本、ブラジル鶏肉の食肉不正で21施設輸入停止へ


 ブラジルの食肉加工会社が衛生基準を満たさない食肉などを国内外に販売していた疑惑をめぐり、日本政府は21日、捜査対象となっている21施設から出荷された鶏肉などの輸入を一時停止すると発表した。「別途通知があるまで、輸入手続きを保留する」としており、輸入再開時期は未定。

 ブラジル政府は20日、21施設からの輸出を停止したが、このうち1社1施設が日本向けに鶏肉を輸出していた。日本が輸入する鶏肉の約8割はブラジル産が占めている。
 輸入の停止措置は、既に中国や欧州連合(EU)、チリ、メキシコ、スイスなどが発表しており、さらに広がる可能性がある。


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● ブラジルの食肉業者、安全基準で不正


 ブラジルで、複数の大手食肉加工業者が検査官に賄賂を贈るなどして、安全基準を満たさない牛肉などを国内外で販売していたことが明らかになったと、地元メディアが伝えた。21施設で不正が発覚しており、日本の厚生労働省は21日夜、捜査対象となった業者からの食肉輸入を保留するよう全国の検疫所に通知した。

 ブラジル当局やメディアによると、食肉偽装や汚職の疑いで、少なくとも30人が逮捕。3施設が操業停止処分になったという。




( 2017.03.19 )

● ブラジルで食肉不正問題、緊急閣議招集へ


 ブラジルのミシェル・テメル大統領は19日、世界有数の食肉生産国で国内外に広く鶏肉などを販売している同国において、食肉の安全性をめぐり不正問題が発覚したことを受け、緊急閣議を開くと発表した。

 2年間にわたる警察の捜査によって17日、公衆衛生検査官数十人が賄賂を受け取り、衛生基準を満たさない食品を消費に適しているとして承認していたとの不正が明らかになった。

 不正に関わったとされる多数のブラジル企業は18日、自社製品は安全だと主張したが、国民の不安は高まるばかりだ。この食肉偽装スキャンダルは、ブラジルなどの南米諸国が加盟する南部共同市場(メルコスル)が欧州連合(EU)との貿易協定締結を進めているさなかという微妙な時期に発覚した。

 ブラジル農牧省によると、当局は17日、12以上の食肉加工業者を強制捜索し、逮捕状27枚を取り、食品大手の「ブラジル・フーズ(BRF)」の鶏肉加工場1か所と、「Peccin」の食肉加工場2か所を閉鎖した。

 また、別に21か所の加工場で捜査が進められているほか、農牧省はこの不正問題に関与した当局者33人を免職処分にした。

 当局は、衛生基準を満たさない食品が見つかった場所について言及していないが、南部クリチバでの記者会見で、腐った肉の悪臭を隠すために「発がん性物質」が使われていた事例もあったと述べた。

 この問題では、BRFだけでなく、同じ食品大手のJBSなども捜査の対象となっている。


 ブラジルは少なくとも世界150か国に鶏肉などの食肉を販売しており、この不正問題は同国にとって深刻な懸念事項となっている。









2017/03/18

中国、鳥インフル蔓延で中国発の新型インフルも!


( 2017.3.18 )

● FAO、中国に鳥インフル対策強化求める!


 国連(UN)の食糧農業機関(FAO)は17日、今年に入り鳥インフルエンザによる死者が多数出ている中国に対し、感染拡大を封じ込め、ウイルスを撲滅する対策を強化するよう求めた。

 現在、中国の東部および南部を中心に流行しているH7N9型の鳥インフルエンザは、最近の変異によって鳥類にとってさらに致死性が高まっている。FAOは、中国の周辺国もH7N9型のウイルスにさらされる「高い危険性」があるとして警告している。

 またFAOは、同型のウイルスが野鳥によって欧州や米大陸にも運ばれる可能性があるとも警告しており、流行を抑えるための中国の対策が予想されたほど機能していない状況に困惑していると述べた。

 中国は先月、H7N9型の鳥インフルエンザによる同国内の死者は今年1月だけで79人に上ったと発表。感染者は3人に1人に近い割合で亡くなっていることが明らかになり、人への感染が初めて確認された2013年以降で最も死者の多い流行となっている。




( 2017. 2.17 )

● 鳥インフル、中国で感染者急増 家禽市場の閉鎖相次ぐ!


(CNN) 中国でH7N9型鳥インフルエンザの人への感染が急増し、各地で生きた家禽類を販売する市場が閉鎖されている。

中国国営新華社通信は、今年に入って少なくとも6省で人のH7N9型感染が報告されたと伝えた。 中国国家衛生家族計画委員会によると、人への感染は昨年12月から急増し、同月は106人の感染が確認され、20人が死亡した。今年1月の感染者は192人、死者は79人に増えている。

世界保健機関(WHO)中国支部も、1月はH7N9による死者が過去最多になったことを確認した。

中国衛生当局によれば、2月6日から12日にかけては61人が鳥インフルエンザに感染し、うち7人が死亡した。

国営メディアによると、四川、湖南、浙江の各省など感染が確認された地域では、ウイルスの拡散を防ぐために生きた家禽(かきん)類の取引を停止した。

感染者の数は、2015年12月から16年2月の間に確認された総数の4倍を超えている。16年1月の死者は5人にとどまっていた。

WHOでは考えられる原因として、今シーズンはインフルエンザの流行が始まるのが早く、家禽類の感染率が高まっていると指摘したが、確固とした結論は出せないとした。

ただ、ウイルスが制御不能な状態に陥っているわけではないとWHO担当者は述べ、「現時点で持続的な人から人への感染を裏付ける証拠はない」と説明。前年までと同様、感染者は家禽類と接触したことが分かっているといい、「今後も警戒を続ける」と話している。



( 2017. 2.15 )

● 中国、鳥インフルエンザのヒトへの感染拡大!


 中国で鳥インフルエンザのヒトへの感染拡大が止まっていない。
1月には200人近くが感染し、そのうちおよそ4割が死亡したことがわかった。

 中国の国家衛生計画出産委員会の発表によると、中国で1月に「H7N9型」の鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認された人は192人に上り、そのうち79人が死亡したということです。
 前の月と比べて感染者が倍近く、死者は4倍近くに上っていますが、当局は「鳥との接触で感染したもので、ヒトからヒトへの感染は確認されていない」としている。
 首都・北京でも2月に入って今シーズン初の感染者が確認されていて、今後、渡り鳥が北へ帰るのにあわせて感染がさらに拡大することが懸念されている。

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 中国では、鳥インフルエンザが猛威を振るっているなかで、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザ出現の危機が迫っているとの専門家の懸念が高まってきている。

 1月23日、ジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の執行理事会で、マーガレット・チャン事務局長は、新型インフルエンザの危機を訴えた。

「世界はパンデミックの兆候を見逃してはならない」

 これは、昨年末から今年にかけて、アジアや欧州など40カ国近い国で鳥インフルエンザウイルスの感染が発生していることを受けての異例の声明である。

 鳥インフルエンザの問題は、人類の新型インフルエンザに対する脅威につながることを知っている人は多いだろう。

 本来、鳥から鳥にしか感染しない鳥インフルエンザウイルスは、型の異なるウイルスと交雑するとウイルスの一部が入れ替わる「遺伝子再集合」を起こすことが知られている。 ヒトからヒトへ感染する変異を遂げると、新しいウイルスに対する免疫を持っていないヒトは、重症に陥る危険性が高いのだ。

 過去には全世界で死者が2千万人とも4千万人ともいわれる1918年のスペインかぜを始め、57年のアジアかぜも、68年の香港かぜも、そして2009年のH1N1の世界的流行(パンデミック)も、こうして生まれた。

 WHOが危機感を募らせるのは、複数の型の鳥インフルエンザウイルスが、現在世界中に蔓延しているからだ。

 日本のH5N6型ウイルスに加えて、欧州ではH5N8型が流行を拡大させている。中国では、これに加えてH7N9型もはびこっており、この複数のウイルス蔓延が、新たなパンデミックを生む要因になると専門家の間で指摘されている。


( 2017. 1.15 )

● 中国、ローストダック販売の男性 鳥インフルで死亡!


 中国・河南省の永城市で、ローストダックの販売に携わっていた36歳の男性が鳥インフルエンザに感染し、その後死亡したと、国営新華社通信が14日、同省保健当局の情報として報じた。

 男性は沿岸部の浙江省でローストダックを販売していたが、昨年のクリスマス後に高熱とせきの症状で体調を崩し、1月に入ってから出身地の永城に帰郷したが11日に死亡したという。

 新華社によると、14日には隣接する湖北省でも今年に入ってから初の人への鳥インフル感染が確認されている。 感染者は38歳の男性で、鶏肉を扱う市場で感染したとみられ、現在重体だという。

 中国当局によれば、今年に入ってから確認された人への鳥インフル感染は国内の7つの省・地域とマカオで計十数人となっている。 




( 2016.12.22 )

● 中国で、今季2人目の「H7N9型」・鳥インフル感染を確認!


 中国・福建省厦門の思明区で18日、44歳の男性が「H7N9型」の鳥インフルエンザに感染していることが確認され、今シーズンに人への感染が確認されたのは中国で2人目となったことを新華社が21日、伝えた。

 思明区の感染予防センターによると、男性は入院中だが、状態は安定しているという。 地元当局は、22日以降の家禽(かきん)類の販売中止を命じた。

 この他にも香港では今週、高齢男性の鳥インフルエンザへの感染が確認されている。

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 韓国と日本でも鳥インフルエンザの鳥への感染が拡大し、この1カ月で多くの鳥が殺処分されている。



( 2016.11.23 )

● 中国・湖南省で、「H5N6型」・鳥インフルで女性死亡!


 新華社電によると、中国湖南省の衛生当局は21日、湖南省邵陽市の47歳の女性が鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)に感染し、20日に死亡したと明らかにした。
 女性は発病前、死んだ鳥と接触があったといい、18日に入院していた。女性の周囲の人に異常はない。

 H5N6型は、鳥に対して毒性が強いH5型の一種で、人への感染は珍しく、中国では昨年12月に江西省で死亡した男性がH5N6型に感染していたことが確認されている。




(鳥インフルエンザウイルスの人への感染)


 人のインフルエンザの原因になるウイルス・「ヒトインフルエンザウイルス」と、鳥インフルエンザの原因になるウイルス・「鳥インフルエンザウイルス」では、感染対象となる「宿主」(動物)が異なるため、一般的には鳥インフルエンザウイルスがヒトに直接感染する能力は低く、また感染してもヒトからヒトへの伝染は起こりにくいと考えられている。
 しかし大量のウイルスとの接触や、宿主の体質などによってヒトに感染するケースも報告されている。

 ヒトインフルエンザウイルス自体、水鳥の鳥インフルエンザウイルスが何らかの過程で変異して生まれたものだと考えられている。 そのため、鳥インフルエンザから新型インフルエンザが発生する危険性も指摘されている。

 実際、ヒトに感染するタイプのウイルスは、水鳥が起源の鳥インフルエンザウイルスがブタに感染し、ブタの体内でウイルスが変異(交差)したことにより、ヒトへの感染能力を持ってしまったという仮説が、遺伝子 (RNA) 解読による進化系統分析で裏付けされたという研究報告がなされている。

 これまで、ヒトにはヒトインフルエンザ、鳥類には鳥インフルエンザのみが感染すると見られてきたが、近年、ヒトに感染する高病原性鳥インフルエンザ (HPAI) が現れた。

 ヒトからヒトへの感染拡大は確認されていないが、近年は、毎年のように鳥インフルエンザウイルスの感染が広域化、長期化していることから、豚やヒトが感染する事例も多くなり、これらの感染した鳥インフルエンザウイルスが豚やヒトの体内で突然変異する危険性も高まっていると考えられている。

 ただし、2007年11月から12月には、江蘇省南京市の父子が感染し、子が死亡した。 父子は家禽類との接触歴はなく、父親は子から感染したものであり、中国で初のヒトからヒトへの感染事例が報告されている。

 多くのウイルス学者らは、ヒト新型インフルエンザの発生が15-20年の周期で起きる可能性をすでに1980年代後半から示唆しており、最後の新型インフルエンザ発生にあたる1977年の「ソ連かぜ」から20年後に発生した香港鳥インフルエンザ・ウイルスが、新型のヒトインフルエンザ・ウイルスへと変化して全世界に大流行する危険性を指摘している。

 世界保健機関 (WHO) も、香港1997年型の発生直後から、鳥インフルエンザの監視体勢を強化しており、2005年には世界各地で流行している鳥インフルエンザが、いつ突然変異で新型ヒトインフルエンザになって世界的な大流行(パンデミック)を起こしてもおかしくないと警告している。
 
 そうなった場合、世界で最大で5億人が死亡するという試算もされている。



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 中国では、2013年1年間に中国本土と香港で144人以上の感染が確認され、このうち48人が死亡していて、2014年には、1か月足らずで感染者が100人を超え、前年を上回るペースで拡大している。

 ただし、公表された感染者数は「氷山の一角」で、実態はもっと多いいのではないかと指摘する関係者もいる。 また、これまで「H7N9型」は、人から人への持続的な感染はないとされてきたが、中国メディア・「新華網」は、限定的な人から人への感染が起きているとも報じていた。


 世界保健機関(WHO)によると、2003年以降、H5N1の感染者は628人に上り、374人が死亡、致死率は約60%といわれているが、2013年では感染例38件、そのうち24人が死亡したとされている。











2017/02/20

大気汚染まん延する中国のジレンマ!


( 2017.02.20 )

● 大気汚染まん延する中国、データ公開めぐるジレンマ!


健康を害する大気汚染との「闘い」において、中国政府はジレンマに陥っている。汚染排出者に責任を取らせるためには汚染データを公開しなければならないが、政府の公式発表ではない独立機関からの悪いニュースがあまりにも多ければ、社会不安を招きかねないからだ。

中国政府はデータの収集方法を大幅に改善しており、その情報公開も進め、虚偽報告を取り締まっているが、その一方で、携帯端末向け人気アプリや携帯型計測装置による、未公認ないし不正確なデータが広まることを懸念している。

この矛盾したアプローチには、中国の政治改革の方向性をめぐる、より幅広い議論が反映されている。学界出身のトップが率いる環境保護部(MEP)は、独立した監視機構と法の支配に基づく現代的な規制制度の創設を望んでいる。だがそうなると、安定性を最優先に考える共産党政権の機嫌を損ねる可能性がある。

またデータ捏造をめぐる複数のスキャンダルもあり、政府は代替的な情報源が汚染レベルを伝えることで公式統計に対する国民の信頼感が損なわれ、「環境は改善されている」との政府メッセージが揺らぐことを懸念している。

北京のアップルストアで販売されている携帯型の汚染測定装置「レーザー・エッグ」を製造するオリジンズ・テクノロジーのリアム・ベイツ最高経営責任者(CEO)によれば、中国当局は、市民による大気汚染測定を何ら問題視していないという。ただ、その測定結果が公開されることを嫌がっているだけだ、と同CEOは語る。

「基本的に(中国は)非公式な情報源からのデータ公開は違法だとしている。私の知る限り、研究目的でのデータの収集や、処理、利用については問題はない」とベイツCEOは言う。

中国政府は、データの精度が主な懸念点だと主張する。

2014年、中国政府は、米国大使館や領事館が提供する大気汚染データは政府公式データと食い違っている懸念があるとして、携帯電話用の汚染計測アプリで、それらのデータを使わないよう命じた。最近では、政府が提供するものよりも詳細な国内大気汚染状況を提供しようとしたアプリが捜査の対象になっている。

個人による「風説ビジネス」と政府が表現する最近の例では、中国南西部の成都で男性1人が5日間警察に拘束された。地元メディアによれば、この男性は中国版ツイッターの微博に、成都は「2000年の歴史で最悪のスモッグ」に見舞われていると警告したという。

また規制当局は、ある大気汚染監視アプリが、成都が世界で3番目に大気汚染のひどい都市であることを示すデータを12月に提供し、風説を広めたとして告発している。

中国の環境監視機関は人手不足に悩んでおり、環境基準の実施に向けて市民参加を得ることに熱心だが、当局は、ソーシャルメディア主導での化学工場やゴミ焼却工場、核燃料処理施設に対する抗議が、現実の抗議行動を誘発することを恐れている。

「一般的に、省などのレベルでは、公式統計以外の情報源について全面禁止を試みることはないだろうとの希望がある。しかし彼らが本当に心配しているのは、こうした発信者が非科学的な情報を示すことだ」。そう語るのは、透明性向上を訴える非政府組織の公共環境研究センター(IPE)の馬軍所長だ。

「これは、今日のモバイル・インターネットとソーシャルメディアの時代における課題だ」

MEPからのコメントは得られなかった。

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<取り組みにばらつき>

馬所長によれば、環境保護部の主導で公的な情報公開は進んでいるが、まだばらつきがあり、国家発展改革委員会などの機関では取り組みに遅れが見られ、一部の地方政府は「消極的で抵抗している」という。

中国は依然として、地球温暖化につながる二酸化炭素排出量についてのデータを提供しておらず、コメ栽培地域における食品不祥事に続く難しい問題である重金属汚染についても、不完全な数値しか示していない。汚染による健康上の影響に関する、扱いの厄介なデータについても、無料公開を認めることには消極的である。

たとえば、企業がスタッフの配置を決定する際に参考にしようと思っても、汚染による健康上の影響を調べられるようなデータベースは存在しない。

中国のメディアはスモッグと死亡率の相関関係について、1952─53年の冬のロンドンにおける死亡者数の多さなど、海外での研究を引用するが、これに相当するような国内研究はほとんどない。

先月、冬季特有の大気汚染が中国北部の大半を覆うなかで、衛生部は国営メディアに対し、スモッグとガンの発症を結びつけるデータは何もなく、有害な微小粒子状物質(PM2.5)が人間の健康に与える影響について結論を下すには時期尚早であると語った。

ただし、他国の研究者はその影響を示す証拠があると言う。

「疾病対策センターはその種のデータを持っている」と汚染と健康の関係を研究するヘルス・エフェクト・インスティチュートのダン・グリーンバウム氏は語る。

複数の海外研究には、中国では汚染のせいで早死にする人が年間100万人以上にも及んでいる可能性があると示唆している。

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<市民の不信感>

多くの国に比べて大気汚染データのリアルタイム公開という点で先行しているにもかかわらず、中国はまだ公式統計に対する市民の疑念を克服できていない。

最近のデータ偽装も足を引っ張っている。

昨年、北西部の都市・西安にある観測所の職員が、排出物の測定数値を低下させるため、装置に細工をしていたとして告発された。

中国政府は統計データに関する不正に対しては断固たる態度で臨むと約束しており、実に1436カ所もの地方測定所を中央政府の統制下に置いた。また地方政府のデータの精度をチェックするために衛星画像も活用している。

一方で、自力測定によって法的なグレーゾーンに踏み込むことを辞さない個人もいる。「エア・マターズ」と呼ばれる携帯電話用アプリは900万人の登録ユーザーを抱えているが、公式データを当局とは違う形で処理したとして、少なくとも1つの地方政府とトラブルに陥っている。

政府自身も、民間市民によるデータを利用し始めている。

IPEが開発したアプリでは、ユーザーが汚染状況を現場から報告できるようになっているが、環境保護部はこのアプリからの情報を公式の報告プラットフォームに提供している。

IPEの馬所長によれば、水質汚染の監視は、測定装置のコストが高いためいっそう難しいという。

彼ら(規制当局)は、データを公開するからには正確なものにしたいと考えている。次の課題は、第三者測定サービスを提供する資格を誰に与えるか見極めることだろう。

今後、情報が完全非公開になることはないと思うが、しかし当局は、より統制のとれた形で情報の公開を進めたいとも考えているだろう。








2017/01/31

中国発の新型インフルが現実になるリスク高まる!


( 2017.1.31)

● 中国で高病原性が蔓延


 確かに今季の流行は、いくつもの点で従来とは異なっている。例えば、発生の時期だ。

 致死率の高い高病原性鳥インフルエンザウイルスに限って言えば、日本で79年ぶりにウイルス感染が見つかったのは、年が明けた04年1月中旬、山口県の養鶏場でだった。06~07年のシーズンも、10~11年も、ほとんどが渡り鳥の飛来からしばらくたった年明けに感染が広がった。

 ところが、今回の鳥インフルエンザの出現は、16年11月下旬から12月にかけて立て続けに七つの養鶏場に及んだ。

 京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター長の大槻公一教授は、出現時期の変化をこう読み解く。

「ウイルスが蔓延している中国からシベリアへ帰る渡り鳥によって、高病原性ウイルスがシベリアの営巣地を汚染している可能性が高い。だから翌年、シベリアから日本に渡り鳥が飛来して、すぐに野鳥に感染してウイルスが広がったのではないか」


 元々、鳥インフルエンザはシベリアに常在するウイルスで、渡り鳥であるカモの腸管に宿っている。カモは無症状で南方に飛来し、そこで鳥の間で感染を繰り返すうちに病原性を身に着けたウイルスに変異する。中国南部で生きたままの家禽を売り買いするライブ・バード・マーケット(生鳥市場)が、ウイルスの変異の温床と目されている。その中国で蔓延した高病原性のウイルスが、シベリアをも汚染しているというのだ。

 大槻教授の推理を裏付けるように、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」が、青森県と新潟県の養鶏場のウイルスを分析したところ、15年に中国で流行したH5N6型のウイルスを先祖に持つものであることが明らかになっている。中国に定着したウイルスの子孫が、渡り鳥を経由して日本に出現したことになる。

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●韓国は殺処分3千万羽


 日本では、今年1月24日までに九つの養鶏場で感染した鶏やアヒルが見つかり、約130万羽が殺処分された。野鳥などへの感染も深刻で、1月25日現在で18道府県186件(フンや水検体も含む)に達する。

 韓国は、さらに深刻だ。16年11月以来、3千万羽を超える家禽が殺処分されている。これは韓国内の家禽の5分の1に相当し、卵や鶏肉の不足が社会問題に発展している。韓国で猛威を振るうウイルスもまた、日本と同じ中国が先祖だ。

 とはいえ、自然界の出来事なので、中国の責任を追及するわけにもいかないのではないか? ところが、鳥インフルエンザウイルスの研究に長年従事している北海道大学の人獣共通感染症リサーチセンター統括の喜田宏特任教授に疑問をぶつけてみると、意外な答えが返ってきた。

「いや、中国の責任じゃないとは言っていられない」

 喜田教授が指摘するのは、中国が家禽を対象として奨励している鳥インフルエンザのワクチンだ。
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● ワクチンが変異を促進


 日本では、鳥インフルエンザウイルスの感染が明らかになった養鶏場では、その養鶏場の鶏すべてを殺処分することが家畜伝染病予防法によって定められている。財政的な補填は国からなされるものの、養鶏場の経営者には風評被害や殺処分という大きな負担がのしかかる。ワクチンで防疫したほうが合理的だとの要望が日本の養鶏関係者から噴出したこともある。
 だが、それを頑なに拒否し、殺処分による摘発・淘汰を貫いたのが、当時、農林水産省の家きん疾病小委員会の委員長だった喜田教授だ。

「ワクチンを接種した場合、家禽はウイルスに感染しても発症することはないが、少量ながらウイルスを排泄する。知らないうちにウイルスを蔓延させてしまう」

 それだけではない。ワクチンによって抗体を持った鶏のなかで、ウイルスの変異が促されてしまうというのだ。

 農水省のホームページには、中国政府が各自治体に向けて発したワクチン施策についての文書が掲載されている。ワクチン接種を推奨し、その費用は国や地方行政が補助することが明記されている。

 喜田教授は、家きん疾病小委員会の委員長だった07年ごろ、国際獣疫事務局(OIE)に対して、中国、ベトナム、エジプトなどのワクチン使用を抑えるよう意見具申した。その結果OIEは、まずは殺処分などの摘発・淘汰の原則を優先するよう指導したが、中国だけはワクチン優先策を変えていないようだ。

 鳥インフルエンザの蔓延が新型インフルエンザのパンデミックの危機を招き、その一因が中国のワクチン政策にあるとしたら、中国の責任は重大だ。

 1月22日、ショッキングなニュースが舞い込んできた。香港衛生防護センター(CHP)が、旅行シーズンの春節を前に警告を発する文書を流したのだ。

 これによると、中国本土では今季、16年末までにH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染した人が112人に達しただけでなく、今年1月には111人が新たに加わるなど急増しているという。かつてない異常事態に中国本土を訪れた旅行者へ生鳥市場などには近づかぬよう注意を促している。

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● イヌやネコへの感染も


 中国では13年以来、H7N9型の感染者が累積で1千人近い。死亡率は4割前後と言われているが、今季の感染者は、かつてない勢いで増えている。

 世界中の鳥インフルエンザ情報を集めて掲載しているサイト「パンデミックアラート」によると、日本で流行していH5N6型鳥インフルエンザウイルスも、中国では14年以来、17人の感染者がいて、うち9人が死亡している。

 ただ、喜田教授によると、本来ヒトには鳥インフルエンザウイルスを受け入れる受容体がないので、感染した人は、のどなど上部気道に鳥型の受容体を持つ特異体質の人に限られる、と分析する。確かに感染例をみると、感染した家禽をさばいたり調理したりする濃厚接触者が大多数を占めていて、ヒトからヒトへの感染例は親きょうだいや子どもなど同じ遺伝子を持つ近親者がほとんどだ。

 だが、安心はできない。ウイルス遺伝子の特定部分が少し変異するだけでヒトへの感染を獲得する可能性も指摘されている。

 日本でも野鳥の被害が深刻だが、海外ではイヌやネコへの感染も確認されている。死んだ鳥やフンには近づかないことだ。飼っているネコやイヌが死んだ鳥に触れないよう気をつける必要がありそうだ。










2017/01/14

韓国・鳥インフル感染農場で10万羽分の鶏肉が出荷


( 2017.01.14 )

● 韓国・鳥インフル感染農場で10万羽分の鶏肉が出荷! 


京畿道(キョンギド)安城(アンソン)のある農家から鳥インフルエンザ感染の疑いが申告される1週間前に食用の鶏10万匹が出荷されたことが確認された。

京畿道鳥インフルエンザ災害安全対策本部によると、安城のある農家から9日、出荷のために検査中の鶏に感染が疑いがあるという申告があった。その後の精密検査の結果、11日に感染が確認された。この農場では25万羽の鶏が飼育されていた。

問題はこの農場から申告があった1週間前の2、3日の2日間、10万羽の鶏が忠清北道鎮川(ジンチョン)の食肉処理場に出荷され、流通したということだ。農林畜産食品部の鳥インフルエンザ緊急行動指針は「鳥インフルエンザの疑いが申告されれば、7日以内に出荷された家禽類は全量回収して焼却しなければならない」としている。京畿道は出荷された鶏を全量回収する方針だ。

対策本部は10万羽出荷前の昨年12月末に安城の農場で鳥インフルエンザ検査を実施したが、当時はウイルスが検出されなかったと説明した。農場主が故意に申告を遅らせたのではないという意味だ。また、人体感染事例がないため食べても問題にはならないと伝えた。全量回収は家禽類間の2次感染を防ぐためだと説明した。

キム・ソンシク京畿道動物防疫衛生課長は「今月初めに忠清北道鎮川の食肉処理場に行った車両にウイルスが付いて鳥インフルエンザに感染したと推定される」とし「現在まで出荷された鶏の40%ほどを回収した」と話した。続いて「出荷された鶏の流通経路を追跡し、全量回収に取り組んでいるが、冷凍保管でない場合は普通3日間で市場ですべて消耗し、全量回収は事実上難しいとみている」と伝えた。

農家が申告直前に鶏と卵を無断搬出したことは以前にもあったが、出荷されたのは今回が初めて。昨年11月25日、世宗市(セジョンシ)のある農家が産卵鶏10万羽と卵を搬出した翌日に鳥インフルエンザが疑われると申告し、問題になった。

農林畜産食品部の関係者は「該当農家が鶏を出荷した時点から申告した日まで6-7日間の差がある」とし「搬出された鶏が鳥インフルエンザに感染していたかどうかは確実でなく、疫学調査を同時に行っている」と話した。




( 2016.12.25 )


● 韓国の鳥インフル、家禽類殺処分2500万羽超える! 


  高病原性鳥インフルエンザ拡散にともない殺処分された家禽類が2500万羽を超えた。農林畜産食品部は24日午前0時を基準に、殺処分されたり殺処分予定の家禽類が2548万羽に上ったと明らかにした。このうち採卵鶏は1695万羽で、全飼育規模の24.3%を占めた。