2015/02/25

プラスチックがサンゴの餌に、豪研究者が警告


( 2015.02.25 )

● プラスチックがサンゴの餌に、豪研究者が警告! 


 オーストラリア北東部沖の世界最大のサンゴ礁、豪グレートバリアリーフのサンゴが海に漂流する小さなプラスチック片を餌としており、消化されないプラスチックがサンゴや他の海洋生物の健康に重大な害を及ぼすとの懸念を指摘している。

 オーストラリアの科学者たちが24日、学術専門誌「マリーンバイオロジー」に発表した論文によると、グレートバリアリーフから採取したサンゴをプラスチックで汚染された水に入れたところ、サンゴが海洋プランクトンを食べるときとほとんど変わらない勢いでプラスチックを食べたという。

 豪州・ジェームズ・クック大学のミア・フーゲンブーム氏は「グレートバリアリーフにおいて、微小プラスチック(マイクロプラスチック)による海洋汚染が拡大すれば、サンゴの小さな胃腔内は消化できないプラスチックでいっぱいになってしまい、悪影響が及びかねない」と警告している。

 マイクロプラスチックとは、5ミリ以下のプラスチックの微粒子を指し、研究者たちは今回「一つ一つのサンゴ個体(ポリプ)の奥深くに、消化組織に包まれて存在する」プラスチックを確認し、消化されないプラスチックが原因で通常の餌の消化能力が低下する可能性を懸念している。

 論文の共著者・キャサリン・ベリー氏によれば、研究チームがグレートバリアリーフ沿岸のサンゴ礁に近い海から採取した海水からは、ポリスチレンやポリエチレンを含むマイクロプラスチックが少量確認され、海洋生物や食物連鎖に悪影響を及ぼす恐れが高まっている。



● 「グレートバリアリーフ」海域の港湾工事に、世界自然保護基金(WWF)が警告

 問題となっている計画は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているグレートバリアリーフ海洋公園の海域に、石炭積み出し港の拡張工事で発生するしゅんせつ土砂を投棄するというもの。

 豪政府は今年1月、海洋公園内への投棄については禁止命令を出したが、海洋公園周辺の島々や港、湖、河川などは投棄禁止の対象に含まれていない事から、環境保護活動家らは、土砂の投棄によってサンゴや海藻が窒息するほか、土砂から流れ出る有毒物質や有機物が流れ出て海洋の汚染・富栄養化が進み、グレートバリアリーフに著しい損害を与えると警鐘を鳴らしている。

 世界自然保護基金(WWF)の委託をうけ、コンサルタント企業「ダルバーグ・グローバル・ディベロップメント・アドバイザーズ」が今回まとめた報告書では、港湾拡張工事はサンゴ礁海域で行われ、5100万立法メートルもの土砂が海底から掘り起こされると指摘。これにより、サンゴ礁に「壊滅的な被害」が及ぶ恐れがあると述べている。

 また、既存の港湾施設は3分の1が使用されておらず、クイーンズランド州沿岸で石炭積み出し港を拡張する必要はないと断じた。

 ユネスコは既に、土砂投棄計画を受けてグレートバリアリーフの「危機遺産リスト」登録を検討すると豪政府に警告。 今月初めまで「危機遺産リスト」登録の決定を保留し、豪政府がグレートバリアリーフの保護対策を提出するのを待っていたが、グレッグ・ハント豪環境相は、先週、「グレートバリアリーフが危機遺産登録されるいわれはないと明確に説明した」報告書を、豪政府がユネスコに提出したと語った。

 クイーンズランド州政府が導入した保護対策には、優先港湾区域外での新造・拡張工事の今後10年間の禁止などが含まれていると言われるが、これでグレートバリアリーフ海域の環境が守られるのだろうか?










2015/02/01

マダガスカルでペスト、感染拡大!


( 2015.02.01 )

● マダガスカルでペスト、死者40人 WHOが感染拡大を懸念! 


 アフリカ南東部のインド洋に浮かぶ島国マダガスカルで伝染病のペストが流行し、世界保健機関(WHO)の専門家らが感染拡大の懸念を示している。 

 WHOによると、同国では昨年11月からペストの流行が始まり、年末までに少なくとも119人の感染が確認され、40人が死亡したと言う。

 マダガスカルでは、最近発生した洪水で数万人が避難し、大量のネズミが移動したとみられ、今後、感染が拡大する恐れもあると指摘した。 特に、人口が密集する首都アンタナナリボのスラム街で感染が広がっていて、同市内では昨年末までに少なくとも20地区で患者が確認されている。

 ペスト菌は、ネズミなどからノミを媒介として人間に感染、欧州では14世紀に「黒死病」と呼ばれたペストの大流行で約5000万人が死亡したとされる。