( 2020.04.01 )
● 武漢肺炎でイギリスの13歳少年、死去 国内最年少
イギリス・ロンドンの病院で30日、新型コロナウイルスの感染症(武漢肺炎)にかかった13歳の少年が死亡した。同国においてこれまでで最も若い新型ウイルスの死者とみられている。
亡くなったのは、ロンドン南部ブリクストンのイスマイル・モハメド・アブダルワハブくん。ロンドンのキングス・コレッジ病院が死去を発表した。
家族によると、イスマイル君に健康上の問題となる基礎疾患はなかったと言う。26日に呼吸困難などの症状が出て入院し、27日に検査で武漢肺炎(COVID-19)にかかっていることが確認された。人工呼吸器を使用し、医師によってこん睡状態に置かれていたという。
家族は「途方もない悲しみ」にくれているとする声明を、遺族の友人が発表した。
イギリスの新型ウイルスによる死者は現地時間30日午後5時現在、1789人となっている。前日より381人増えており、1日あたりの死者数としては最多を記録した。
BBCのニック・トリグル健康担当編集委員は、10代が新型ウイルスで深刻な状態に陥るのは珍しいと指摘する。
「症状が出た人の0.3%しか病院での治療を必要とせず、0.006%しか亡くならない。つまり、この年代では3万人に2人が生き残れないことになる」
「しかし、この痛ましい事案のように、実際に起こることだ」
イスマルくんの姉が教員として勤めるロンドン南西部のマディナ・コレッジでは、葬儀費用の募金が始まった。
募金に関するウェブページに掲載された声明は、イスマイルくんが「武漢肺炎(COVID-19)の高い感染力のため、家族の誰もそばにいない」状況で亡くなったとした。
BBCのリチャード・ウェアリー健康担当副編集長は、武漢肺炎(COVID-19)では、子どもは大人に比べて致死率はずっと低く、症状も軽い場合が多いと説明。子どものほうが高リスクのインフルエンザとは反対だとする。
また、子どもの免疫システムは未熟で過剰反応しやすいが、新型コロナウイルスに対してはそうした傾向がみられないという。
理由は明らかではないが、一説として、子どもは大人と違い、より穏やかな他の種類のコロナウイルスにさらされたことがないからだとする見解もあるという。
専門家たちは、イスマイルくんの死去を重く受け止めるべきだと訴える。
キングス・コレッジ・ロンドンの臨床講師ナタリー・マクダーモット博士は、「COVID-19(武漢新型肺炎)では慢性的な基礎疾患があると悪化しやすいとされているが、健康に問題のない若者でもこの感染症で亡くなるケースを耳にしている」と指摘。背景を探ることが大事だと強調した。
インペリアル・コレッジ・ロンドンで感染症とウイルス学を研究するヴァネッサ・サンチョ=シミズ博士は、「今回のケースがどれだけ極めて珍しいとしても、身近な人に起これば統計上の数字など意味をもたなくなる。このパンデミック(世界的流行)では自分さえよければいいという考えは全く受け入れられない」と述べた。
レディング大学准教授のサイモン・クラーク博士(細胞微生物学)は、「中国などの感染例の多いい国々から学ぶべきは、高齢者はコロナウイルスの感染で亡くなる確率がずっと高いが、若者も決して影響を受けないわけではないということだ」と主張。
「子どももウイルスに感染する。症状は軽いことが多いが、ウイルスを他のもっと弱い人に伝染させる恐れがある。場合によっては子どもの症状が悪化し、死に至ることもある。家から出ず、手を洗い、他人から距離を取るという保健当局の助言を真剣に受け止める必要があることを、今回のことは私たちに告げている」
( 2020.03.29 )
● 武漢肺炎・中国が「パンデミックの感染源」となる理由
中国・武漢市に端を発した新型コロナウイルスは、全世界に拡大を続けている。人類は1900年以降、何度もパンデミックに見舞われているが、不思議なことに、そのうちの多くは中国が感染源とされている。
人類が経験している新型インフルエンザのパンデミックは過去4回ある。スペインかぜ(1918年)、アジアかぜ(57年)、香港かぜ(68年)と、09年のパンデミックだ。このうち「スペイン」と「09年パンデミック」は米国から中南米にかけてだが、「香港」と「アジア」は中華圏が発生源だ。さらに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)のヒトへの感染、SARS(重症急性呼吸器症候群)も中国が感染源とされている。
1・ 生鳥市場でウイルスの遺伝子が再集合
なぜこうも中華圏が多いのか。
まず指摘されるのが、生鳥市場の存在だ。新鮮な動物や鳥類を食材とする中華圏では、生きたまま売る市場がいたるところにある。
シベリアの営巣湖沼で鳥インフルエンザウイルスと共生しているカモが渡り鳥として南下して、地元の鶏に感染させる。そして感染した鳥が集められる市場で感染を繰り返し、やがてブタの体内でヒトのインフルエンザウイルスと交雑して、ヒトにうつる能力を獲得する遺伝子再集合を起こす。これが新型インフルエンザの誕生するメカニズムだ。
02~03年のSARS以降、中国ではこういった市場の縮小を図ったようだが、文化というのはなかなか捨てられない。
2・「鳥インフルエンザ・ワクチン」投与の危険性
もうひとつ感染源となる大きな理由がある。中国では国を挙げて家禽に対する高病原性鳥インフルエンザウイルスのワクチンを接種していることだ。ヒトへの感染で多数の死者を出しているH5N1ウイルスも、感染した養鶏場の鶏を殺処分して封じ込めればウイルスの撲滅を図れるが、ワクチンを接種していては感染にさえ気づかないから、いつの間にかウイルスが定着してしまっている。
人獣共通感染症の第一人者である北海道大の人獣共通感染症リサーチセンターの喜田宏・特別招聘教授によると、ワクチンを使用しているのは中国、ベトナム、インドネシア、エジプトの4か国。「いつまで経っても鳥インフルエンザウイルスがなくならなければ、全世界的な流行を防ぐことができない」と警告する。
【1900年以降の主なインフルエンザ・感染症の感染爆発】
・1918年 スペインかぜ:1918年3月に米国北西部で出現。
世界で2000万人以上が死亡(当時の世界人口18億人と推定)したと推定される
・1957年 アジアかぜ:1957年4月に香港/中国南西部で出現。
世界で200万人以上が死亡と推定
・1968年 香港かぜ:1968年6月に中国に源を発し、香港で爆発的に流行。
世界で100万人以上の死亡と推定
・1977年 ソ連かぜ:1977年5月に中国北西部で始まり、ソ連(ロシア)で流行。
全世界に拡大する。
・2002年 SARS(重症急性呼吸器症候群)
9ヶ月で患者数8093人、774人が死亡
・2009年:新型インフルエンザ(A/H1N1)
世界の214カ国・地域で感染を確認、1万8449人の死亡者
(WHO、2010年8月1日時点発表)
( 2020.03.21 )
● 武漢新型肺炎、中国・共産党の他国に責任転嫁する準備か?
中国・武漢市で発生した中共ウイルス肺炎が世界に広まるなか、中国共産党は中国大陸の流行のピークは去ったと宣言しています。一方専門家は、中国共産党はいつものやり方で症例を少なく見せて庶民に職場復帰を求めながら、再度の感染増加に備えて、他国に『責任転嫁』する準備を進めているとも指摘しています。
中国国家衛生健康委員会の米鋒報道官は3月12日の記者会見で、湖北省では武漢以外の各地で、一週間連続で新規の発症者が確定されず、流行の最も深刻な武漢でも11日の時点で新たな感染者数が一桁まで下がったと説明し、「流行のピークはすでに過ぎた」と発表しました。また全国のその他の地域の新たな症例のほとんどが、国外から入国した感染者だとも発表しています。
(米国のウイルス専門家、粛恩博士)
「中国共産党のデータには信頼性がない。武漢の大規模感染において、十分に効果的な介入が行われていたとしても、その介入過程は非常に困難だったはずで、さらにこの流行が下火になっていく過程も、実際にはかなりの時間を要するはずだからだ」
中国各地の民衆も、「毎日患者が見つかっているのに、政府が発表する新たな患者数はいつもゼロだ」などとインターネットに絶えず情報を発信しています。
(米国のウイルス専門家、粛恩博士)
「特に、中国で感染したグループの基数は極めて大きい。このウイルスを社会から短期間で消滅させることはほぼ不可能だ」
米国のウイルス専門家、粛恩(しゅく・おん)博士は、「武漢では1月と2月に広範囲で感染が拡大したが、中国共産党は強制的な隔離措置を取る以外に、ほぼ何の手も打たなかった。だが政府が発表した感染データによると、1か月で感染者が急速に減っている。明らかに事実と異なっている」と述べています。
(米国のウイルス専門家、粛恩博士)
「これは政治的な目的を果たすために作成されたデータだろう。たった1か月で制御し、そこには明確な治療方針もなく、人から人へと感染を遮断できる明確で効果的な感染防止策もなかった。それで短期間で『一桁』『ゼロ』まで到達したという。これは防疫において、どうやっても実現不可能なことだと思っている」
(米国在住の時事評論家、鄭 浩昌氏)
中国共産党は、データの安定維持を図っていると指摘、「彼ら(中国共産党)は、袋小路に入り、他に出口がないので、元の道に戻るしかない。ウイルスをどうにもできないので、データを使って安定を維持している。
だがウイルスは人間ではない、中国共産党がこの安定維持モデルをウイルスに適用しようとしても通じるはずがない。
中国共産党は、国内の流行のピークは過ぎたと発表したほか、3月の新規感染者はすべて「外国輸入型」だと強調しています。
3月10日から12日まで、北京では新たに7人の感染が確認されましたが、イタリアから5人、米国から1人、英国kら1人だとしています。上海では新たに4人の感染が確認され、イタリアから3人、米国から1人だとしています。
同時に北京と上海は外国からのすべての入国者に対し、14日間の自宅待機を求めると発表しました。
アメリカ在住の時事評論家・章 天亮氏は、これらの発表や手段は、いずれも中国共産党が今後発生する可能性がある次の爆発的流行に備えて、責任転嫁できる理由を準備しているのだと指摘しています。
(米国在住の時事評論家、章 天亮氏)
「再操業や再生産が始まった中国で、もう一度流行が起きた場合、中国共産党はそれを別の国のせいにできる。『今、世界で流行が広まっている。元々我が国はウイルスを制御できていたのに、世界で流行が広まり、多くの人が国外から中国にやって来た。よって 中国のウイルスは、外国から入ってきたものだ』と言えば、その責任を他国に押し付ける事が出来る。」
3月11日、WHOは新型コロナウイルスのパンデミック宣言を出しました。鄭 浩昌氏(米国在住の時事評論家)は、「武漢肺炎の重症度は、SARS(サーズ)を遥かに上回っており、中国共産党も時代とともに、更に悪辣(あくらつ)になっている」と、指摘します。
(米国在住の時事評論家、鄭 浩昌氏)
「感染初期段階でウイルスを制御できていたら、もしくは流行状況がSARS(サーズ)レベルのものだったら、中国共産党は今回のような『責任転嫁』を試みる必要はなかっただろう。今、全力を挙げてそれを行っているのは、今回の罪が大きすぎて北京が単独で責任を負えないところまで達してしまったため、国内からの非難から逃れようとしている。それで中国共産党は、他国に濡れ衣を着せようと考えている。」
ドイツの国営放送、「ドイチェ・ウェレ」は、ドイツの著名なウイルス研究家・クリスティアン ドロステン氏の話として、「中共の言う中国国内の感染のピークは去ったとの発表は、疑わしい」と述べている。
(ドイツ・ウイルス研究家、クリスティアン ドロステン氏)
「ひとたび中共が強力な隔離措置を解除したら、一定期間が過ぎた後に、中国には間違いなく次の流行が訪れる。なぜなら、ウイルスの隔離は、ウイルスの消滅と同じではないからだ。」と警告を発している。
( 2020.02.27 )
● 武漢新型肺炎、ウイルスは野生動物由来ではない?
中国・武漢発症の新型コロナウイルス に対する懸念が世界中に広まり、中国では多数の感染者と死亡者が発生している。中国共産党政府はウイルスの発生源を武漢市・「華南海鮮市場」だと認定しましたが、これに対する疑問の声が挙がっています。
大紀元調査チームはこのほど、新型コロナウイルスに対する疑問をさらに掘り下げ、報告書を発表しました。大紀元の新型コロナウイルス調査チームは、2月17日に発表した『調査報告:新型コロナウイルスの謎の発生源』の冒頭で、武漢市・華南海鮮市場がウイルスの発生地とされていることに疑問を呈している。
昨年12月31日、武漢市衛生健康委員会は、肺炎の発生源は「華南海鮮市場」に関係していると初めて発表し、翌日の1月1日には「華南海鮮市場」は環境衛生状態を改善するため、市場を閉鎖すると発表した。
これに対し、香港大学の著名なウイルス専門家、管軼(かんいつ)氏は「犯罪現場はすべてなくなってしまった。証拠がなくて事件を解決できるのか?」と疑問を呈している。
1月22日、中共国家疾病予防コントロールセンターの主任が、新型コロナウイルスの発生源は武漢のある海鮮市場で違法に販売されていた野生動物だと発表した。 中共当局はこの段階で、華南海鮮市場がウイルス発生地だと認定した。
さらに、1月23日、武漢ウイルス研究所の石正麗(せき・せいれい)氏など複数が、雲南省のコウモリから新型コロナウイルスが発見され、武漢の新型コロナウイルスとの相同性は96.2%と発表した。そのため、ウイルスはコウモリ由来であるとの主張が広められたが、中国国外からはこれを疑問視する声が挙がっている。
● 凌暁輝氏(時事評論家)
何百万年もの間、多くの地域でコウモリが食用にされてきたが、誰かがコロナウイルスに罹患したなどと聞いた事がないし、中国の様な広範囲の感染の話も、聞いた事がない。
コウモリから感染したという理屈は通用しない。
また、新型コロナウイルス肺炎患者を最も早くから受け入れていた武漢「金銀潭医院」の黄朝林(こう・ちょうりん)副院長らが、1月24日付の医学雑誌『ランセット』に発表した論文には、中共当局の出した結論に疑問を突き付ける内容が記されていた。
論文には「12月1日に発病した新型コロナウイルス肺炎の最初の患者は、「華南海鮮市場」とは無関係だった。彼とその後に続いた患者にも、流行病との関連性は見つからなかった。12月10日に新たに三人の患者が発症したが、そのうち二人は「華南海鮮市場」とは無関係だった。海鮮市場を訪れたことのある患者が集中的に現れ始めたのは15日になってからだった」と記されていた。
論文では合計41人の患者を統計し、うち14人は海鮮市場とは無関係であることが実証されました。これは全体の1/3を超えています。また海鮮市場でコウモリは販売されておらず、コウモリがいた様子も見つかりませんでした。
1月29日にランセットに掲載された別の論文には、「金銀潭医院」で新型コロナウイルス肺炎と診断が確定した患者99人のうち、50人は海鮮市場に接触していないと記されていた。 また、マサチューセッツ内科学会が発行する『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』にも、「1月22日までに診断が確定された425の症例のうち、1月1日までに発病した患者の45%は海鮮市場に足を踏み入れていない」と記されている。
こうした情報は、中共当局の発表と明らかに食い違っています。
中共当局は、最初の患者の発症日は12月8日で、海鮮市場に関係していたと発表しています。当局は「華南海鮮市場」がウイルスの発生地と認定しましたが、最初の患者と上述した1/3の患者が海鮮市場と接触していない点には触れていません。
米ジョージタウン大学の感染症専門家、ダニエル・ルーシー氏は「ランセットの論文データが正確であれば、最初の患者は昨年11月には感染していたはずだ。感染してから発症するまでには潜伏期間があるからだ」と説明している。
このことは、12月15日に「華南海鮮市場」に関係した患者が集中的に発生する前に、ウイルスが静かに広がっていたことを意味していて、ルーシー氏は、中国はすでに、このウイルスの発生地が「華南海鮮市場」ではないと分かっていたはずだと指摘しています。
ランセットの最初の論文の著者の一人である曹彬(そうひん)氏は、米国の科学系ウェブサイトのサイエンスインサイダーに対し、「(華南)海鮮市場は新型コロナウイルスの唯一の発生地ではない」と回答しています。
しかし中国の専門家グループは、こうした重要な情報を意図的に無視しているかのようです。
中国国家衛生健康委員会の最初の専門家チームは、昨年12月31日には早くも武漢に到着していました。中国メディアの「財新網」は、彼らは「金銀潭医院」で調査を行うと、「華南海鮮市場」との接触の有無、発熱の有無、全ゲノム配列が必要であり、この三つの基準を同時に満たしていなければ診断を確定することはできないと規定したと報じた。
その後、鍾南山医師らで組織された二つ目の専門家チームが今年1月18日に武漢入りするまで、この基準は見直されなかった。
大紀元は、1月10日から17日の間に武漢政府が発表した診断確定者数が、41人のままだったことについて疑問を呈し、最初の専門家チームはランセットの論文にある41人の症例に対する詳細な状況を説明すべきだと論じている。
専門家チームは、少なくとも1/3の患者が海鮮市場とは無関係であるとなぜ知っていたのでしょうか。また、診断基準に海鮮市場に接触したことがあるとの一文が盛り込まれた理由は何だったのか。
● 盛雪氏(カナダ在住の中国人作家)
『中共は、このような大きな伝染病を、こんなにも複雑ですさまじいウイルスを広めた。ありとあらゆる方法を使って人々の注意をそらせ、武漢の海鮮市場の「野生動物」のせいにしようとしているが、このようなやり方は、今となっては実際には何の効果もない。
これまでの大量の証拠に基づくと、今回の新型コロナウイルスは、野生動物由来のものではなく、中共がこの事件の方向性を誘導しようとしているのは、彼らが内心では真実が明るみに出るのを恐れている上、背後には我々には想像もつかないような危険な目的があることを説明している』と指摘している。
( 2020.02.26 )
● 新型肺炎、伊メディアが分析 なぜイタリアで感染拡大が?
イタリアではヨーロッパのほかの国に比べて新型コロナウイルスの感染が拡大している。なぜイタリアでだけウイルスが広がっているのか、イタリア・メディアが考察している。
・ ヨーロッパの中で突出して多い感染者
新型コロナウイルスは、今のところヨーロッパではそれほど猛威を振るっていないように見える。だが、イタリアはその例外だ。すでに400人以上が感染し、12人が死亡している(2月26日現在)。しかもこの数字は暫定的なもので、事態は刻々と変化し、深刻化している。
それにしても、なぜイタリアでだけこれほど広がってしまったのだろうか? 偶然か、それとも当局が適切な措置を取らかなったためか? イタリアのメディアはそれぞれに分析をおこなっている。
「検査件数が多いために感染者数も増えている」
多くのメディアは2月23日のジュゼッペ・コンテ首相のつぎの発表を取り上げた。
「4000件の検査がすでにおこなわれている」。イタリアは「入念で厳格な検査を実施することを決定した欧州で最初の国だ」「したがって、もし同じくらい厳格な検査をほかの国で実施したら、その国でも数字が増える可能性は排除すべきではない」。コンテ首相はこのように結論し、大きな議論を巻き起こした。
中道左派の日刊紙「ラ・レプッブリカ」は、首相の説明を正当とみなす。なぜなら、「コロナウイルスの感染を確認するためにたとえばフランスでは300件の検査しかおこなわれていないのに対し、イタリアでは3000件の検査がおこなわれているためだ」。「イタリアでの症例が多いのは、イタリアが他国に比べて多くの検査を実施しているからだ」と同紙は断定する。
しかし、この意見に同調するメディアはほとんどない。
・ イタリアの致命的な間違い
「ラ・レプッブリカ」とは反対の政治的立場をとる右派の日刊紙「イル・ジョルナーレ」は、「フランスのお手本」を称賛している。フランスはイタリアとは逆に、新型コロナウイルスの拡散に歯止めをかけることに成功している。
「フランス政府は、わが国とは反対に、中国からの帰国者全員に検疫を受けさせた。南仏カリー・ル・ルエに武漢から帰国した200人を『隔離した』ことからもわかるように、感染リスクのある地域から入国する人々を受け入れるやり方に計画性があった」と同紙は論じる。
ふだんはフランスに対し批判的な同紙だが、以上のことから「マクロン仏大統領は新型コロナウイルスに完ぺきに対処した」と述べている。
イタリアの多くのメディアによれば、イタリアは致命的な間違いを犯した。それは、中国からのフライトの乗り入れを禁止したことだ。「ラ・レプッブリカ」によれば、この措置は「目を引くものだが、乗り継ぎをしてイタリアに来る乗客がいるので意味がない」。
同紙は続ける。反対に、「フランス、ドイツ、イギリスは世界保健機構(WHO)の指示に従った。航空機の乗り入れは禁止せず、かわりにリスクがあると考えられる人々に検疫を受けさせ、彼らの追跡調査をおこなった」。一方イタリアでは「誰がどうやって中国から来たか、誰にもわからない」。「ラ・レプッブリカ」はイタリア当局の措置は損害が多く「無鉄砲だ」とも述べている。
コンテ首相は、イタリアで感染拡大の中心地となっているロンバルディア州のコドーニョ市の病院の救急部門の運営を問題視している。
情報サイト「オープン」が説明する通り、「2月20日から21日にかけての夜間に、イタリアで初めての新型コロナウイルス感染者を受け入れたのはこの病院だった」
その場に居合わせた「オープン」の記者によれば、「病院スタッフは最初どのように対処すればいいかわかっていなかった。ほかの外来患者もぞくぞくと来院していて、防護服なしに歩きまわっていた」
ロンバルディア州の地方紙「イル・コリエーレ・デラ・セーラ」はミラノ大学の感染症専門家マッシモ・ガッリにインタビューをおこなった。
ガッリによれば「伝染病が発生すると、病院が感染を大幅に拡大させることがあります。まさにこれが、コドーニョ市で起こったことです。同市では当初、別の病気だと思われていたために、新型コロナウイルスが必要な注意をもって扱われていなかったのです」
イタリアでは感染拡大を防ぐため、ロンバルディア州とベネト州のいくつかの自治体が実質的な封鎖状態となっている。
地続きのヨーロッパでは周辺国も警戒を強めているが、感染拡大が収束する可能性はまったく見えない状況だ。
( 2020.02.22 )
● 新型肺炎、コロナウイルス蔓延 中国の卑劣な対応?
新型コロナウイルスへの中国・共産党政権の対応は、一言で言うと「言語道断」、ショッキングな事実が長年にわたり数百万人の自国民を殺害してきた権威主義の政権は、人々が伝染病の大流行で死んでも大して気にしません。 彼らの最大の関心事は支配権力を維持することだから。
中国共産党は、新型肺炎が発生した肝心な初期段階に、情報の隠ぺいに奔走していたため、感染が拡大する羽目に。
国際メディアは、「中国政権の不手際だ」と非難、さらに屈辱的なことに中国の人々は、日本のウイルス対応と中国への援助を称賛。
中国共産党が何十年もの間、苦心して「日本は残虐だ」と宣伝してきたのに、米中の貿易戦争に追い打ちをかけるかのように発生した新型肺炎の拡大により、手のひら返しの対日姿勢に、中国の狙いが何かを、我が国・日本及び日本人は警戒を怠ってはならない。
さらに、中国共産党にはまだ日本よりも憎いものがある。それがアメリカ。
中国外務省は、アメリカを次々と非難。「新型肺炎への対応に援助しないばかりか、恐怖と混乱をさせるような行動を取り、武漢からアメリカ市民を引揚げたり、中国からの旅行者に対し入国禁止令を出したり」と。
だが、自国民を守るのはその国のつとめ、日本を含む多くの国が同じことを行っている。
中国国営メディアの「アメリカが援助しない」という報道は大嘘です。
アメリカは疾病予防管理センターの専門家を武漢に送ることを申し出ました。
それは 1月の初旬に中国当局が「何の心配もない」ふりをしていた頃のことです。
そして、中国側はこの申し出を断ったのです。
今のところ、アメリカの感染症専門家がWHO派遣の調査チームに入り、協力する予定となっている。一方、中国の中央政府が武漢政府に要請したのは、「感染容疑のある人全員をかき集めて隔離センターに強制収容させる」こと。
北京当局者の要求には、「武漢市の調査員が、家を一軒ずつ回り、すべての住民の体温を測る」、そして、「この戦時下の様な状況で、一人も漏らしてはいけない。さもなくば、『歴史的屈辱の柱』に永遠にはりつける」と喝破した。
実は、隔離センターには、すべての感染者を収容するための十分なベット数がありません。多くのセンターには、充分な医師や医薬品もなく、それどころか感染を防ぐ最低限の設備もなし。
でも、この実情を指摘した人は、あの『歴史的屈辱の柱』にはりつけにされる危険性があります。武漢の現地状況を、外に伝えようとする者は、誰であろうと取締りの対象になる。
方斌という市民ジャーナリストは、連日、市内の病院を訪ね回り、混雑した状況や多くの遺体を映像で記録し公開しました。すると、警察が彼の家にやって来たのです。
方氏が感染していないか確かめるとのこと、明らかに新型肺炎のテストをするためには、家に侵入し、方氏のパソコンと携帯を取り上げる必要があるようで、そして、これらの「医療スタッフ」が、手慣れた感じで方氏を警察署に連れて行きました。
警察は、方氏が外国勢力から金を受け取ったと非難し、恐怖を巻き起こした理由で隔離すると脅迫、なぜだか「二度と家に戻れない」隔離のような気がします。
幸い、人々が方氏の拘束情報をネット上で拡散し、今回は無事に釈放されました。
市民ジャーナリストのみならず、警告の声を上げた医師たちもいたのです。
李文亮医師は、武漢警察が勾留した8人の医師の1人、他の医療関係者に向けて、新型肺炎について、注意を促したためという理由で、李医師の過失とは、共産党が隠ぺいしようとした事実を話したこと。
警察は、今後違法行為を犯さないと言う誓約書に署名させた後、ようやく李医師を釈放、しかし残念ながらそれどころじゃなくなりました。 李医師が、2月7日に亡くなったのです。自ら警告したそのコロナウイルスに感染したために、妊娠している妻と5歳の子供を残して。
しかし、悲劇はここで終わらなかったのです。李医師の訃報を国営メディアが報じると、中国のソーシャルメディアは、非難の嵐。すると突然、李医師はまだ死亡していないことになりました。
病院側は、李医師が「まだ、危篤状態で生命維持装置に繋がれている」と発表、しかし、「生命維持装置を付けたのは、李医師の死亡から数時間後だ」という報告もあり、数時間後、病院側はついに李医師の死亡を宣告、その後もネット上の怒りは続いていました。
だが、中国共産党は、こういう時どうすべきか知っていますから、まずネットユーザーの反応を操作して、次に役人を派遣して李医師の死について調査、唯一の問題は「スケープゴート」を誰にするかだけ。
党は、市民ジャーナリストと医師の真実を語る口を封じるだけではなく、武漢人全員をのけ者にした上、隣人同士も争う様に仕向けました。
当局が、武漢から戻ってきた一家の出入り口を外から金属棒のバリケードで封じたこともあり、実質軟禁状態となったその家族は、近所の人が上の階のベランダから差し入れてくれる食糧だけが頼りとなっている。
地方の役人は、報奨金を出して現地に隠れている武漢住人の密告を奨励することも、ニューヨークタイムズ紙が言う様に、「中国全土の地方政府の対応は、毛沢東時代の大衆動員を思わせる」それは、最悪のことだと言いたいですが、中国共産党の邪悪さは、「常に最悪よりも更にひどい」のです。
当局が、ある脳性麻痺の男の子の父親を隔離しました。父親は、介護が必要な我が子のために中国のSNS・ウェイボーに投稿し、助けを求めました。子供が飲まず食わずの状態で、一人ぼっちで待っていることを伝えました。
しかし、悲惨な結末に、適切なケアが受けられず、男の子は死亡、2人の地元役人がこの一件で解雇されました。
しかし、これはいつものパターンで、「体制の腐敗」が悲劇を生み出しますが、共産党は、地元役人に罪をなすりつけるだけで、問題の根本原因には一切触れようともしません。その一方で共産党は、一週間以上も中国本土から台湾市民を引き上げると言う台湾の要請を拒否していたのです。
中国・共産党は「台湾国民」自体を認めていません。台湾は中国の一部だと考えているからで、2月3日にようやくチャーター便が手配されましたが、台湾政府によるものではなく、中国・共産党が台湾にもう一つ政府があることを認めないから、代わりに「台湾のビジネスマン」を通じてフライトが手配されました。
ここで、まず優先的に非難させるべきは、体の弱い人や子供、高齢の台湾市民のはずで、少なくとも乗客名簿からはそうありましたが、しかし、実際に搭乗した乗客は、優先的な避難が必要な人々ではなく、裕福な台湾商人たちの親族や子供達でした。
報道によると、このフライトには一人の追加乗客がいて、その人は既にコロナウイルスの感染が確認されていた患者だったそうです。当然の様に、台湾の人々はこの状況に少々憤慨したようです。
台湾と言えば、中国・共産党は国連での立場を利用して、この恐ろしい疫病の発生を、台湾に対する政治的武器に利用しようとしています。
世界保健機構(WHO)は、国連の機関です。北京(中国・共産党)の命令によりWHOは、台湾をのけ者にしている。WHOは、新型コロナウイルス発生以降、緊急会議を2回開いたが、台湾は参加を許されなかった。
中国・共産党は、新型コロナウイルスを政治の道具にしているのです。さらに、WHO事務局長のこの中国を称賛する発言が、WHOの信用に傷をつける事になる。
「中国は疫病の流行に、真摯に対応しています。特にトップリーダーの決意と対策の透明性に於いて」との事務局長の発言に対し、台湾の外務省スポークスマンの方がよっぽど正当性のある的確な発言であろう。
「中国政権は、国際舞台で不当かつ不条理に、台湾にプレッシャーをかけて政治的配慮を、人間の健康より優先している。この病気に国境はなく、世界規模の感染拡大を防ぐためには抜け穴があってはならない。政治的配慮を人々の健康と安全より優先することは、非常に下劣としか言いようがない」
ちなみに、YouTubeでは、新型肺炎に関するほとんどの動画において、スポンサー広告がのらない状態となっているとの情報があり、広告はがしにより、新型肺炎に関する情報が拡散することを良しとしない国へのYouTube(Google社)の配慮かとも勘繰ってしまう。
( 2020.02.21 )
● 新型肺炎、「水際作戦失敗」は、日本のインテリジェンスの敗北?
新型肺炎の発生・流行を見ていると、その拡大とともに米国と中国はさながら“細菌戦”を実施しているような感がある。
“細菌戦”とは、細菌兵器(生物兵器)を使用して、敵の戦闘力や生産力を弱める戦争のことだ。とはいえ私は、今回の新型コロナウイルスが「人為的に発生されたものである」と主張したいわけではない。そうした話の真偽や妥当性はともかく、新型肺炎に対する米中の対応は、“細菌戦”という観点から分析できるのだ。
・ 習近平は新型肺炎の脅威をいつ認識したのか?
そもそも中国当局は、新型肺炎の発生をいつ頃認知したのであろうか。中国では、個人信用情報の「国家管理化」が急速に完成度を高めている。「天網」と命名された、監視カメラのデジタル映像から個人を自動的に識別するためのソフトウエア技術は、2020年には中国全土を100%カバーできるといわれる。
このように個人情報を把握できる中国共産党が、武漢市で原因不明の肺炎が発生していることを早い段階で認知できないはずはない。中国の検索サイトでは「2019年12月8日に武漢市は原因不明のウイルス性肺炎に感染した患者を初めて確認した。その後も原因不明の肺炎の症例は増えている」とする中国メディアの報道が確認できる。ところが、中国当局がWHO中国事務所に病例を報告したのは12月31日である。
疑問は、中国共産党支配を揺るがす可能性を秘める新型肺炎発生・感染拡大の情報が、実際は遅滞なく習近平氏に伝わっていたのか、ということだ。ここでは二つのケースが考えられる。
(1)武漢市幹部が保身のために、中央に報告するのを遅らせた
(2)武漢市から報告があったが、党中央がその重大性に気づくのが遅れた
・ 「早い段階で対応していた」は嘘かもしれない
(2)の可能性が高いのではないかと考える理由。
中国共産党の理論誌「求是」は、習近平国家主席が1月7日の政治局常務委員会(最高指導部)の会議で「新型肺炎への対応を要求していた」と伝えた。しかし、これは“虚偽”の可能性が高い。なぜなら、習氏が初めて感染防止に関する重要指示を公表したのは1月20日だったからだ。
では、習氏が嘘をついてまで、「より早い段階で対応していた」と強調するのはなぜか。それは、党指導部への批判をかわすためだろう。
また、習近平指導部は1月24日~30日の春節を前に、新型肺炎に関連して重大な決断を迫られていたはずだ。すなわち、春節の大移動(延べ30億人)を禁止するか否かである。彼らはこの問題をどう考えたのであろうか。1月24日の春節開始までの主な流れは次の通りだ。
・(2019年12月 8日):最初の患者が報告される
・(2019年12月31日):中国当局がWHO中国事務所に病例を報告
・(2020年 1月 1日):感染源となった華南海鮮市場が閉鎖
・(2020年 1月 3日):中国当局がWHOに「病因不明の肺炎患者、全部で44人」と報告
・(2020年 1月11~12日):中国当局が新型コロナウイルスのDNAシークエンス情報を発表
・(2020年 1月 24~30日):春節(旧正月休暇)の大移動(延べ30億人想定)
・ 習近平が“あえて大移動を禁止しなかった”可能性も?
ここで重要なのは、1月12日の時点では「医療従事者の感染はなく、ヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はない」と報告していたことだ。この報告は、明らかに脅威を低く見積もっている。
20日には習近平国家主席が肺炎感染の拡大防止徹底を指示したものの、14億人の雪崩のような春節大移動をストップさせるだけの重大な脅威情報(公表)は見当たらない。
習近平指導部が「新型肺炎の重大な脅威」を認識していた可能性も、決して捨てきれないと思っているが、仮にそうだとすれば、新型肺炎の危険性を知りながらも、なぜ彼らは春節の大移動を禁止しなかったのか、との疑問が浮かぶはずだ。だが、次に示す、恐ろしくも合理的なシナリオを想定すれば、それは簡単に説明がついてしまう。
もし、14億人が楽しみにしている春節の大移動を「ストップ」と命じたなら、人民は習近平指導部に激高するだろう。それは政権を揺るがす不測の事態になるかもしれない。一方、中国人民を国内に留めておけば、世界に対する新型肺炎の感染拡散は抑制できる。だが、そうなれば中国だけが埋没する(国力を失う)ことになり、米国と覇権を争う上では不利だ。
人民の大移動を認めれば、新型肺炎は世界中に拡散することになるが、それは結果として、米国にも「一太刀浴びせる」ことになるのではないか……。
習近平指導部が、ここまではっきりとした意図を持って、「春節の大移動を禁止しない」と判断したかどうかはわからない。だが、多かれ少なかれ、こうしたシミュレーションが彼らの脳内を駆け巡った可能性は十分考えられる。
・ 国連は中国にとって、使い勝手の良い「道具」に過ぎない
また中国は、米国と覇権争いをするうえで国連は使い勝手の良い「道具」と見做しているはずだ。1971年10月、台湾と入れ替わって国連の常任理事国として国際社会に登場した中国は、総会における多数派工作や、巨額を投じた国際労働機関(ILO)、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)などの専門機関の取り込みを営々と続けてきた。
今回の新型肺炎の発生においては、中国はその工作の成果を、WHOという舞台で見せつけた。テドロスWHO事務局長の、中国の意向を忖度する姿勢は異常とも言える程だった。
1月28日にテドロス事務局長と会談した際、習氏は新型肺炎について「WHOと国際社会の客観的で公正、冷静、理性的な評価を信じる」と、緊急事態宣言を出さないよう、恫喝に近い圧力をかけた。中国は、卓越したインテリジェンスにより、テドロス事務局長の個人的な弱みについても詳細に把握しているはずだ。
一方の米国は、コロナウイルスをシャットアウトして自国に入れないこと、すなわち水際作戦の実施を徹底した。アメリカ国務省は、1月30日、WHOによる「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を受ける形で、「渡航中止」の対象を中国全土に広げ、自国民に中国訪問を控えるよう呼びかけた。
中国外務省は即座にこれに反応して、「悪い手本であり、本当に思いやりがない」などと非難したが、本音は「アメリカは手ごわい」と思ったはずだ。
“細菌戦”を仕掛けた中国に対し、米国は素早く防御策を講じた、とも見える。
・ 日本・安倍政権の対応は手ぬるかった!
しかし、日本では新型肺炎の上陸を阻止する水際作戦が失敗し、コロナウイルスがスレッシュホールド(敷居=国境)を突破したようで、いよいよ国内での“戦い”を迫られる事態になりつつある。
安倍政権は中国との関係を重視するあまり、新型肺炎拡大への対応が手ぬるく、後手後手の感がある。「新型肺炎阻止」と「日中関係の改善」という二つの問題の優先順位を間違えたのではないだろうか。
なにより日本政府には、国防と言う観点から見ても、戦略家(ストラテジスト)がいないのが最大の不幸である。もとを正せば、敗戦により、軍事文化(戦略、戦術、インテリジェンス、リーダシップなど)が排除・拒否され、旧軍人の後を継ぐ自衛官を活用しなかったことに一因があるとも思える。
・ 制服自衛官の活用が必要不可欠ではないのか
今の安倍政権も、自衛官(現役・OBともに)を要職から遠ざけ、警察・外務・経済官僚を重用している。警察を重用するのは、政治家の保身を図る目的からだろう。トランプ米大統領が検察当局に働きかけ、自陣営の選挙顧問を務めたロジャー・ストーン被告を擁護する構図に似ている。
確かに官僚は行政事務能力の点では優れているだろうが、戦争やパンデミックのような国家単位での大規模な危機管理は不得手である。なぜなら、そのような教育や訓練を全く受けていないからだ。
日本は戦後一貫して制服自衛官を排斥・冷遇してきたが、対中国・韓国・北朝鮮情勢の深刻化やパンデミック・自然災害のような事態に対処するためには、国防と言う「日本の国土・領海の守備、日本国民の生命、財産、人権を守る」国家としての基本的、最重要課題に真剣に向き合う事をしなければ、政治家、官僚、国民のあまりにもお粗末な国防意識にこの国の未来はないだろう。
( 2020.02.16 )
● 新型肺炎、救急隊員の感染「想定せず」?
・ 神奈川県と横浜市、十分な対策強調も
横浜市消防局の30代の男性救急隊員が新型コロナウイルスに感染していたことが14日判明し、神奈川県と市は同日深夜から15日未明にかけ、相次いで記者会見した。十分な対策をとっているはずの救急隊員の感染。「想定していなかった」(市川喜久江・県健康医療局長)と、県、市ともに驚きを隠さなかった。
隊員の感染について厚生労働省が発表したのは14日午後10時半過ぎ。隊員が横浜港大黒ふ頭(同市鶴見区)に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が確認された患者の搬送を担当していたこともあわせて公表した。
県はこれを受け、市川局長ら幹部が同11時半ごろから急きょ県庁で記者会見を開いた。隊員が搬送に携わったのは今月10日で、同日夜に発熱を確認していたことなどを説明。患者への対応から発症までが短時間であることから、「(患者からの感染は)考えにくい」との見解を示した。
市は15日午前0時半から、高坂哲也消防局長らが市役所で記者会見。隊員が鶴見消防署所属で、10日の午後3時前に同僚2人とともに出動し、患者の対応にあたっていたことを明らかにした。隊員が同船の患者の搬送に関わったのはその日が初めてだという。
隊員は高機能マスクやゴーグルなどの感染防護具を着用していた。市の担当者は防護具について「医療機関でドクターが診察するレベルのものを装着していた」と、十分な防護体制をとっていたと強調。着用状況も異常なかったという。
発症後も別の救急搬送に携わっていたことも判明。市によると、隊員は10日午後11時前ごろに検温し、38度の発熱を確認したが勤務を続け、その後鶴見区内での救急搬送1件を担当していた。翌日未明になって体調不良から救急隊を外れ、その後14日に医療機関を受診するまで休みをとっていたという。
発熱後も勤務を続けた理由について高坂局長は「人繰りができない場合などは、そのまま出動してしまう場合がありうる。今回はそういう形になってしまった」と釈明した。
県内では感染した80代の女性の死亡が判明したばかり。集団感染が起きているダイヤモンド・プリンセスへの対応も続いており、県幹部の一人は「救急隊員の感染は衝撃が大きい」と語った。県や市は今後、隊員の行動歴などを詳しく調べ、必要に応じて検査や健康確認などを行う方針。
( 2020.02.10 )
● 新型肺炎、帰国者支援の内閣官房出向職員、自殺か?
2月1日10時15分頃、埼玉県和光市にある国立保健医療科学院の敷地内で倒れているA氏が発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。遺書は見つかっていませんが、遺体の状況から寄宿舎(7階建て)の上階から飛び降りたとみられている。
亡くなったのは、将来を嘱望された警視庁のエリート警部A氏(37)だった。
A氏は警視庁から警察庁を経て内閣官房に出向し、内閣官房副長官補室に配属され、今回の中国発の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、帰国者の滞在受け入れ要員に抜擢され、中国・武漢市から日本政府の第三便のチャーター機で1月31日に帰国した邦人の受け入れ業務に当たっていた。
本人はまさか新型コロナウイルスの最前線に立つとは思っておらず、ここ数日は動揺もあり、心ここにあらず、という様子だった言う証言もある。
A氏は1月31日から施設に泊まり込み、過酷な勤務状況が続いていたようで、自殺と受け入れ業務の因果関係は不明ですが、混乱を極める現場で大きなストレスを抱えていたのは間違いないようだ。
対応する現場では、帰国者のメンタルも限界に達し、怒号が飛び交い、恐怖さえ感じる現場だったという。
武漢市からのチャーター機が帰国を始めたのは1月29日。第一便では、206人が帰国して、ウイルス検査後に191人が千葉県勝浦市にある勝浦ホテル三日月に滞在した。
ところが部屋は140室しか用意されておらず、2人1部屋を強いられた帰国者もいた。そのうち2人に新型コロナウイルスの陽性反応が出て、「感染者と非感染者を相部屋にするなんておかしい!」と、怒鳴り声も聞こえた
制約の多さに帰国者から不満が途絶えることなく続く。
帰国者はホテルの居室で終日過ごすよう伝えられ、部屋のカギを受け取れませんでした。“軟禁状態”といえるかもしれません。また、衣服は客室内の洗面所で洗うよう求められ、食事は弁当支給でした。こうした対応に不満を抱きクレームが噴出して、受け入れ現場は殺伐としていました。責めるほこ先は全て担当している職員に向かってしまった。
世間の視線も厳しかった。最初のチャーター機では、思いもよらぬ「主張」をする帰国者も現れた。2人の帰国者が帰国後のウイルス検査を拒否し、強引に自宅に戻ったのだ。
2人は、「自分には症状がない」、「早く家に帰りたい」と訴え、また厚労省の職員が「ご自身のために検査を受けるべきです」と説得すると、怒り出して動画を撮影し始めた。その後、SNSなどで「彼らが自由に動くのはバイオテロだ」など役所の対応のまずさが批判された経緯もあった。
大々的に報じられていないが、実は第二便、第三便でも軋轢が生じていた。
受け入れ先で、「テレビがない」と不満を言ったり、「こっそり逃げ出すぞ」と脅しのように凄む帰国者がいたそうだ。 相部屋が不満で、「こんな狭いところに閉じ込めるな!」、「人権無視か!」などの怒鳴り声もあったとか。
そんなクレームを一身に受けるのがA氏のような公務員たちだ。
亡くなった職員は、有名国立大学を卒業し警視庁に採用され、企画課と公安総務課などを経て内閣官房に。大学時代はボート部に所属したスポーツマン。仕事ができ出世も早かった。ただ、真面目すぎる面もあった。
A氏は危機管理を担当していた関係で、帰国者対応を命じられました。仕事は“相談窓口業務”という名のクレーム処理係だったようです。真面目な彼は帰国者の怒りのハケ口となり、サンドバッグ状態。2日間、寝ずに相当なプレッシャーを受け続けた。急激なストレス過多と、自殺に何らかの関係があるかもしれません。
● 武漢からの帰国者宿泊施設、その実態は!
◆ 国家公務員が便所掃除や買い出し/ホテル従業員は決死の覚悟だった
現場に混乱が生じた背景に、政府の初動の遅れがあると指摘する声は多い。そもそも中国の習近平国家主席は1月20日にウイルス封じ込めを指示したが、日本政府が首相と全閣僚で構成する対策本部を設置したのは、10日後の1月30日だった。
充分な準備が整わないまま五月雨式に対応が進み、最初のチャーター機の準備中は帰国希望者を空港に集めることに必死で、国内の宿泊先選定が滞りました。チャーター機が中国を離陸する直前に、ようやく千葉県勝浦市の勝浦ホテル三日月に決まったのですが、受け入れ当日に知ることとなった従業員は、決死の覚悟だったでしょう。受け入れ側は努力をしてくれたが、相部屋が発生したりと混乱を招いたのは政府の責任です。
ちなみにフランスでは、中国からの帰国者179人が「できる限り快適に」過ごせるよう、フランス南東部のリゾート地にある保養施設で隔離生活を送る。海岸に面した保養施設には、バレーボール場やカフェスペースが準備される。
お国柄の違いといえばそれまでだが、日本とは全く異なる対応である。
2月1日からは、中国湖北省に過去2週間以内に滞在歴のある外国人と、同省発行の中国パスポートを持つ人の入国拒否が始まった。
新型肺炎の症状がなくても入国を拒否する異例の措置で、一定の効果が望めます。ただし滞在歴は自己申告に頼らざるを得ず、完全な遮断効果は望めません。
政府が後手に回りつつも対策を進める中、気を揉んでいたのは公務員たち。「実は武漢からの日本人帰国が決まってから、各省庁にお達しが出たんです」と語るのはある中央省庁に勤める国家公務員だ。
『宿泊施設への派遣者募集』という通達で、武漢からの帰国者とともに2週間ほど宿泊施設に泊まり込み、風呂やトイレの掃除、物品の買い出しなどを行う業務です。
まるで“何でも屋”で、特別な手当てもないお手伝いさんのような感じです。応募者が定員に達するとは思えず、『いずれ半強制的にやらされるのでは』との疑念が消えません。『既婚者で小さい子供がいるのに…』と不安な若手もいた。
現在の帰国者は565人で、帰国を希望する邦人はあと140人ほどいるとされる。今後の帰国者は約700人まで増える予定だ。
帰国者の増加に合わせて、宿泊施設に派遣される国家公務員も増えるはずです。仮に派遣されて慣れない現場でのストレスが増大すると、自殺に追い込まれた職員のように不測の事態が生じるかもしれません。今、各省庁の役人は、いつ“強制招集”されるのか戦々恐々としています。
安倍総理は水際対策の徹底を叫ぶが、早急に中国からの入国禁止処置を実施しなかった結果、既に国内で感染拡大が現実のものとなってしまった。
( 2020.02.09 )
● 新型肺炎、「日本は甘すぎる」新型肺炎対策に米軍関係者が苦言!
新型コロナウイルスが蔓延する湖北省武漢から政府チャーター機で人々が帰国する中、政府の対応のまずさがあらわになっている。検査を拒否した帰国者を帰宅させてしまい、用意した施設は個室が足りず、相部屋になった人の中から感染者が出てしまった。
「あの対応は隔離の定義から外れている。隔離は個々別々が基本中の基本。日本の政府も行政も隔離の定義が甘すぎる」
感染対策などに詳しい米軍関係者は厳しい一言を発した。批判されるのも無理はない。米国も政府チャーター機で武漢から自国民を帰国させたが、その対応は日本とかなり異なっている。
チャーター機は貨物機という報道があったが、使われたのは米軍が平時から契約している民間の旅客機だという。米軍には「パトリオット・フライト」というシステムがあり、平時はいくつかのルートで本国と各国にある米軍基地との間をチャーター機が飛び、軍人やその家族、貨物などを運んでいる。日本国内にある米軍基地を南から嘉手納、岩国、横田、三沢と結び、シアトルへと帰るルートもある。このチャーター機なら飛ばすのに面倒はなく、費用も米軍機より安くすむ。
チャーター機が到着したのはカリフォルニア州リバーサイド郡にあるマーチ空軍予備役基地だ。当初はカリフォルニア州アナハイムのオンタリオ国際空港に到着させる案が出たが、セキュリティーを考慮し軍の基地に着陸させたという。
「基地内の方がセキュリティーが高く、関係ない人間がウロウロすることはない。基地内なら他者との接触を遮断し、衛生面でも管理できる」
途中、給油のためアラスカ州アンカレッジの空港を中継しているが、搭乗者はその都度、健康診断などを受けていたという。防護服を着用した人が彼らを出迎え、飛行機を降りた後はそのまま基地内にある収容施設に滞在している。
「基地内にいる軍人とは絶対に接触させない。軍人や軍関係者は一切ノータッチだ。そこはきっちりマニュアル化されている。対応するのはCDC(アメリカ疾病対策センター)。彼らがすべてをチェックする」
日本では帰国時に検査を拒否した人がいると報じられた。人権などに配慮した結果、検査せず帰宅させたというが、米国ではこのような対処はあり得ないという。
「政府も行政もなっていない。米国は飛行機を降りた後、そのまま家に帰すことはない。体調が悪くても自己申告しないやつもいるからだ。アメリカは広いから、1回外に出してしまえば取り返しがつかなくなる。だから発症していない人でも最低2週間は隔離する。抵抗力が強い人も弱い人もいる。発症するかどうか見極めるには、それぐらいの期間が必要だ」
日本では第1便帰国者に千葉県勝浦にあるホテルが用意されたが、収容施設を巡って地域や学校などで様々な差別が生じていると聞く。
「施設を提供したのはいいが、風評被害などその後はどうするのか。関係者のメンタル的な問題やPTSDの可能性もある。そういうリスクまで日本政府は考えたのかどうか」
基地内に収容施設を置けば、後日発生するだろうこの手のリスクは回避できる。
日本ではチャーター機の旅費8万円を個人負担することが報じられて世論が騒ぎ、結果的に首相が国側が負担すると発言したが、米国では搭乗者にエコノミーのチケット代を請求するのが当然だという。
「日本人は甘えている。彼らは中国に勝手に行ったんだ、会社なら営利目的で行っており、費用は会社が負担する。旅行客は遊びに行っただけだ。彼らは政府や軍からの命令で武漢にいたわけではない。自費負担は当然だ」
米国務省は1月30日、中国への警戒レベルを引き上げ、渡航を禁止し、過去2週間以内に中国渡航歴がある外国人の入国を一時的に禁止した。ロシアは中国との国境を閉鎖した。だが日本はまだ中国からの観光客を受け入れている。
「中国からの観光客はストップするのが当然だ。人権や経済損失の問題ではなく、Welcome Japanなどと言っている場合でもない。否応なしにGo Homeなんだよ。もし米国民だったら、自国へ帰れと言われても誰も文句は言わないだろう」
各国で感染者が増えているが、思ったより感染者が少ない国もある。例えばインドやネパール、カンボジアだ。2月6日現在、インドの感染者は3名、ネパールもカンボジアも感染者は1名だ。
「衛生面で問題を抱えている国は、たとえ感染者がいても把握できない。アジア圏の感染者数はその国の衛生レベルの高さに比例している。ここにきて中国で感染者や死者が急増しているのは、もともと衛生面の意識もレベルも低いことが大きな要因だ」
医療のレベルや衛生面での意識が高い日本で、新型肺炎が中国のように猛威をふるい死者が増えることはないだろうと米軍関係者は語る。だが彼はこうも示唆した。
「日本は米国と違い人口密度が高い国だ。感染が広がってしまうと、その確率は高くなる。感染拡大、パンデミック対策に必要なのは最悪のケースを想定することで、段階的に警戒レベルを上げるような計画ではない」
( 2020.02.08 )
● 新型肺炎、新型肺炎を最初に警告した李文亮医師死去!
昨年12月末、武漢では8人の医師が新型コロナウイルスの出現について警鐘を鳴らしましたが、デマを流したとして処分されました。この8人のうち、武漢で眼科医を務める李文亮さんが、新型肺炎で死去しました。
中国メディア「新京報」によると、新型コロナウイルスをいち早く警告した李文亮医師が、新型コロナウイルスによる肺炎で2月6日夜、死去しました。
李文亮さんは武漢市中心医院の眼科医でした。昨年12月30日午後、ウィーチャットの同級生のグループチャットで患者の診断報告書を共有し、「華南海鮮市場の7人がSARS(重症急性呼吸器症候群)と確認された」「最新情報ではコロナウイルスであることが確認された」と発信し、警戒を呼びかけました。武漢で新型ウイルスが発生していることはこのようにして、初めて外部に伝わりました。
12月31日、武漢市衛生健康委員会が初めて新型肺炎の発生を公表しましたが、「人から人への感染はまだ見つかっていない」としました。
1月1日、武漢市公安当局は「ネット上に事実でない情報を公表した」として李文亮医師ら8人を処罰したと発表しました。
中国メディア「財新網」の報道によると、李文亮さんへの警察の「訓戒書」には、「ネット上で事実でない情報を発表し、社会秩序を著しく撹乱した。悔い改める意思がない場合は、法律の制裁を受けることになる」と記されています。
中国民主教育基金会理事 陳闖創さん
「公安部長の趙克志は、防疫における最も重要な任務は政治の安全を守ることだと言った。多くの事件からわかるように、警察の権力は極めて大きく、民間の言論の自由や信仰の自由、結社の自由に干渉している」
李さんは訓戒処分を受けた後、病院に戻りました。1月8日、眼科患者の診療中に患者から新型肺炎に感染したとみられ、10日から咳き込み始め、11日から発熱症状が現れました。12日から入院し、隔離治療を受けていました。
中国の元弁護士 賴建平さん
「感染の危険性をよく知っている李文亮医師さえも感染した。これは感染力が非常に強く、抑制が難しく、防護体制も整っていないことを表している。一般人ならなおさら感染しやすい」
2月1日、李文亮医師が新型コロナウイルスによる肺炎であると診断されました。同時に、両親の感染も判明しました。そして6日夜、33歳の李さんは、5歳の息子と二人目を妊娠中の妻を残し、帰らぬ人となりました。
中国民主教育基金会理事 陳闖創さん
「李文亮さんは最初に情報を発表し、そしてこの病気で亡くなった。中共は情報を封鎖し、特に疫病の情報を封鎖したが、疫病を抑制することはできず、返って疫病はさらに拡散し、もっと多くの人が侵食されている」
中国の複数の省の疾病抑制センターの専門家が「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した論文によると、李文亮さんが1月12日に隔離されるまで、1日から11日までの間7人の病院関係者が感染していますが、当局は公表するどころか、人から人への感染はまだ見つかっていないと繰り返し強調しました。
賴建平
「李文亮さんは明らかに虚言によって倒れた。多くの庶民は社会のメカニズムにおける言論の自由の重要さが分かっていない。制度性の罪悪になると、全ての人が被害を被る」
李さんの訃報が伝わると、多くのネットユーザーが「号泣した」「真実を話すと死なないといけない国」などと哀悼のコメントを寄せました。また多くの人が中共政府と警察、中央テレビに怒りをぶつけ、謝罪を求めました。さらにあるネットユーザーは、「李文亮医師は2種類のウイルスによって亡くなった。一つは新型コロナウイルスで、もう一つは共産ウイルスだ」と非難しています。
( 2020.02.07 )
● 新型肺炎、自殺した職員らに帰国者から寄せられた苛烈怒号!
◆ 「国内感染拡大防止策」の最前線・現場で何が!
埼玉県和光市の緑豊かな一帯にある国立保健医療科学院。保健、医療、福祉に従事する職員の人材育成などを行う同科学院には、7階建ての受講生用寄宿舎がある。
通常は研修中の地方自治体職員などが宿泊する施設だが、現在は新型コロナウイルスが猛威を振るう中国・武漢からの帰国者が、一時的に身を寄せている。2月1日午前10時15分頃、同科学院周辺に救急車のサイレンが鳴り響いた。
「ドサッという音を聞いた施設関係者が、寄宿舎近くで倒れている血だらけの男性を発見。すぐに119番通報しましたが、男性は搬送先の病院で死亡が確認されました。遺書は見つかっていませんが、遺体の状況から寄宿舎の上階から飛び降りたとみられています」
死亡したのは、内閣官房の男性職員A氏(37才)。
「警視庁から内閣官房に出向していた男性で、帰国者の滞在受け入れ要員に抜擢されていました。本人はまさか新型コロナウイルスの最前線に立つとは思っておらず、ここ数日は動揺もあり、心ここにあらず、という様子だったそうです」
A氏が自殺した当時、この科学院には政府が派遣した第三便のチャーター機で1月31日に帰国した149人のうち、98人が滞在していた。
「A氏は1月31日から施設に泊まり込み、過酷な勤務状況が続いていたようです。自殺と受け入れ業務の因果関係は不明ですが、混乱を極める現場で大きなストレスを抱えていたのは間違いないようです」
帰国者のメンタルも限界に。怒号が飛び交い、恐怖さえ感じる現場だったという。
武漢からのチャーター機が帰国を始めたのは1月29日。第一便で206人が帰国して、ウイルス検査後に191人が千葉県勝浦市にある勝浦ホテル三日月に滞在した。
「ところが部屋は140室しか用意されておらず、2人1部屋を強いられた帰国者もいた。そのうち2人に新型コロナウイルスの陽性反応が出て、『感染者と非感染者を相部屋にするなんておかしい!』と、怒鳴り声も聞こえました」
制約の多さに帰国者から不満が途絶えることなく続く。
「帰国者はホテルの居室で終日過ごすよう伝えられ、部屋のカギを受け取れませんでした。“軟禁状態”といえるかもしれません。また、衣服は客室内の洗面所で洗うよう求められ、食事は弁当支給でした。こうした対応に不満を抱きクレームが噴出して、受け入れ現場は殺伐としていました。責めるほこ先は全て職員に向かってしまった」
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◆「人権無視か!」
世間の視線も厳しかった。最初のチャーター機では、思いもよらぬ「主張」をする帰国者も現れた。2人の帰国者が帰国後のウイルス検査を拒否し、強引に自宅に戻ったのだ。
「2人は、『自分には症状がない』『早く家に帰りたい』と訴えたそう。また厚労省の職員が『ご自身のために検査を受けるべきです』と説得すると、怒り出して動画を撮影し始めた。その後、SNSなどで『彼らが自由に動くのはバイオテロだ』など役所の対応のまずさが批判されました」
大々的に報じられていないが、実は第二便、第三便でも軋轢が生じていた。
「受け入れ先で、『テレビがない』と不満を言ったり、『こっそり逃げ出すぞ』と脅しのように凄む帰国者がいたそう。相部屋が不満で、『こんな狭いところに閉じ込めるな!』『人権無視か!』などの怒鳴り声もあったとか」
そんなクレームを一身に受けるのがA氏のような公務員たちだ。
「有名国立大学を卒業し警視庁に採用された彼は、企画課と公安総務課などを経て内閣官房に。大学時代はボート部に所属したスポーツマン。仕事ができ出世も早かった。ただ、真面目すぎる面もあった。
A氏は危機管理を担当していた関係で、帰国者対応を命じられました。仕事は“相談窓口業務”という名のクレーム処理係だったようです。真面目な彼は帰国者の怒りのハケ口となり、サンドバッグ状態。2日間、寝ずに相当なプレッシャーを受け続けた。急激なストレス過多と、自殺に何らかの関係があるかもしれません」
( 2020.02.06 )
● 新型肺炎拡大、中国人「医療検査ツアー」受け入れ病院の周章狼狽!
近年、中国人観光客の「医療ツーリズム」が人気を博している。日本の医療機関での最新検査を求める富裕層を対象に、医療ツアーを組む観光業者は多い。
今回の新型コロナウイルス騒動で、医療現場にも混乱が起きているようだ。毎月150人以上の中国人を日本の病院に斡旋する仲介業の男性が明かす。
「病院によって対応は様々ですが、感染が拡大し始めた頃から“しばらく武漢の居住者や渡航歴のある人の受け入れは控えたい”と相談してくる病院もありました。医療ツーリズムの中国人団体客と居合わせた通院者が“ウイルス感染者いたらどうするんだ!”とパニックに陥る事態も想定されるため、事前にツアーそのものを見直す判断になったようです」
一方、関東地方の病院で医療事務に従事する女性はこう明かした。
「万が一、ツアー客の中に感染者がいた場合、感染症の専門医ではない検査医では初期症状を見抜けなかったり、適切な処置ができない可能性があります。
院内でも議論になりましたが、現在のところは中国政府が団体客の渡航禁止を決定したので、予約をキャンセルする客が多く事なきを得ました。病院の経営には相当な痛手だとは思いますが、もし院内に感染者が出ると取り返しがつかないので安堵しています」
たとえ医療機関といえど、今回は不測の事態だったようだ。
( 2020.02.05 )
● 新型肺炎拡大、中国・脳性まひの少年、世話受けられず死亡!
新型コロナウイルスが流行する中国・湖北省で、脳性まひの少年が、父親が隔離されたために一人で自宅に取り残され、死亡した。
死亡した少年、ヤン・チェンさんは、話す、歩く、食べることが自力では行えず、車いす生活を強いられていた。母親とは数年前に死別しており、父親のヤン・シャオウェンさんが発熱で隔離されると、食事をはじめ日常生活を手助けしてくれる人がいなくなった。
先月22日に隔離され、5日後に新型コロナウイルスに感染していると診断された父親は、チェンさんの世話をしに行ってほしいとソーシャルメディア上で必死の訴えを行ったが、間に合わなかった。
地元、紅安県は、チェンさんが先月29日に亡くなったと発表。「ヤン・シャオウェンさんは、(隔離により)ヤン・チェンさんの世話ができなかった…そこで親戚、村の代表者や医師らに、チェンさんの世話を頼んでいた」と明かした。
地元関係者らの話によると、チェンさんの死去により、地元の共産党書記と村長が辞任に追い込まれたという。
ソーシャルメディア上には、湖北省当局が新型肺炎に関する情報を公表していなかったことに対する批判が出ていたが、チェンさんの死が報じられると、今度は怒りや悲しみの声があふれた。あるユーザーは「非常に怒りを感じるし悲しい。あまりにひどい」と嘆いた。
( 2020.01.29 )
● 新型肺炎拡大、「日本に駆け込んで治療」目論む中国富裕層も!
ヒトからヒトに感染しない。感染力は弱く中国以外では広がらない--中国政府の見立てはことごとく外れた。
「ここにいたら死を待つだけ」。そう思った人々は、あの手この手を使い脱出を企てた。隔離されたはずの街から次々と市民が消えた。彼らの消息はつかめていないという。
春節(旧正月)の飾りつけが施された通りから人が消え、商店や飲食店が休業に追い込まれた。病院には患者が殺到してベッドが足りなくなり、新たな病棟を突貫工事で建設する。交通機関はすべてストップし、静寂が街を包む--。
ゴーストタウンと化した中国・武漢市。中東部に位置する湖北省の省都として栄え、主力産業である自動車を中心に日本などから多くの外資系企業が進出する。兵庫県ほどの広さで、人口およそ1100万人。東京23区の約920万人より多い。三国志の赤壁の戦いを描いた大ヒット映画『レッドクリフ』(2008年)の撮影地としても知られる。
そんな大都市を突如襲ったのが、新型コロナウイルスだ。
武漢市は1月23日、感染経路を遮断するため空港や鉄道駅を閉鎖し、市内のバスや地下鉄の運行を停止し、市民の車両通行を原則禁止とした。武漢市民は買い出しのためスーパーに殺到し、食料品の棚は瞬く間に空になった。マスクや薬品も品薄になっている。
感染拡大の不安が高まる湖北省武漢で市民の中には、“脱走”を試みる者もいた。なお、封鎖の規則を破って脱出すれば、3~7年の禁固刑を言い渡される可能性がある。残るも地獄、逃げて見つかっても地獄--現地中国人記者の話だ。
現在、実質市内封鎖状態の武漢市では、約1100万人市民のうち、約半数の500万人が既に脱出したとも言われている。
「とにかく合法的に街を離れるため、封鎖が緩かった初期段階では、発熱がある人は解熱剤を繰り返しのんで何度も体温を測り、一時的に下がったところで空港や駅を“突破”したという人が多かったようです」
「中国で死にたくない」--在留邦人も必死だ。1月初旬から“街がおかしい”と日本人同士で連絡を取り合いはじめ、いよいよ封鎖の情報が出ると、荷物をまとめ、高速道路で北京や上海を目指した家族も少なくないようだ。
「規制中の23日夕方、武漢市に工場があるホンダの現地法人従業員やその家族20人ほどがトレーラーの荷台に潜んで、武漢から約90km離れた市外の『咸寧北駅』を目指したそうです。彼らは高速鉄道で広州を経て、香港に向かったとされています」(ホンダ広報課は「春節期間中につき、現地社員の所在は把握していない」と回答)
中国政府は国内外での移動制限も実施し、1月27日から中国人が国外へ団体旅行することを禁じた。しかし、完全に遅きに失した。
「武漢市の市長が26日の会見で、春節による帰省や旅行、新型コロナウイルスの影響で、約500万人がすでに武漢市を離れていると明かしました。人口の半分がすでにいないんです。パンデミックになる可能性があります」
実際、1月30日現在、日本国内では、すでに14人の感染が確認されていて、その全てが武漢で感染した中国人旅行者、もしくは、それらの日本国内ツアーに同行していた日本人ツアーバス会社の関係者(ツアーガイド、バス運転手など)である。
また、政府派遣のチャーター機で帰国した武漢市滞在の邦人の中には、感染の疑いがある事例も複数人確認されていて、今後の更なる感染拡大が懸念されている。
「武漢市の病院で症状を訴えても、診察を受けられない人が大勢いるようです。ベッドも医師も足りないためです。また、新型コロナウイルスに対応していた医師も亡くなっている。そんな不安から、中国人の一部富裕層の中には万が一に備え、最先端医療がそろう日本に駆け込んで、いい治療を受けた方がいいと思っている人もいるようです」との声も聞かれる。
1月27日以降、中国政府は団体旅行者の出国を制限しているが、日本政府は、現在(2020年1月27日現在)も中国からのツアー客の入国を制限していない。春節(旧正月)期間中の中国人の人気旅行先一位が日本と言われ、大勢の中国人客が訪れていて、ウイルスの潜伏期間が1~14日間と言われていることから、今後、日本国内でも2月以降に新型肺炎を発症する感染患者が拡大するのではないかと危機感を持つ医療従事者もいる。
日本政府は、感染の水際での防止に全力を上げると宣言していたが、国内で感染が確認された感染者は、いずれも入国時の検査を完全に通り抜け、症状が出たあと、自主的に診療機関を受診し、感染が確認されたものであり、水際阻止が完全に機能していないことを物語っている。
水際での感染阻止が出来ない以上、早急に中国からの入国を一時的にでも制限・停止する処置を取らなければ、感染拡大阻止へ繋がる戦いの先が見えてこないだろう。
( 2020.01.29 )
● 新型肺炎、イスラエルで「生物兵器の可能性」指摘される!
新型コロナウイルスの感染者が6000名を超え、2002年から2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の患者数を超えた。発症者の大半が中国内ということもあり、海外メディアの報道はまだそれほど過熱したものではない。時系列で情報をまとめながら、分析を続けている感じだ。
武漢から脱出するチャーター機の対応はアメリカや日本が早かった。日本のチャーター機では搭乗前に発症者はいなかったが、日本に到着後5名が感染の疑いで病院へ搬送された。
この報道を受け、米国では国内の一般空港へ到着予定だったチャーター機の到着先を急遽米軍基地に変更している。
フィリピンではウイルススクリーニング検査の技術が足りないため、日本から専門家が派遣されるという。
また、中国ではすでに新型コロナウイルスの培養に成功し、世界保健機関(WHO)と情報を共有しているが、1月28日には、オーストラリアも培養に成功したという。これにより、ワクチンの早期開発につながる可能性がある。
そんななか、アメリカ、オーストラリア、イスラエルなど複数の国のメディアが報じているのが、今回のウイルスが武漢にある研究所が発生源ではないかという疑惑である。
武漢には最新鋭のウイルス研究所「武漢国家生物安全実験室」があり、SARSやエボラの菌を所有している。細菌やウイルスなどの微生物・病原体を取り扱う施設では最高ランクのBSL-4に対応した中国唯一の研究機関と言われ、今回の騒動の発端とされている動物市場からは30キロほどの距離だという。
イギリスの科学雑誌『ネイチャー』ウェブ版(2017年2月22日)によると、中国は過去にも、SARSウイルスを何度か流出させているという。そのため、この施設も稼働前からリスクを警告されていた。
また、イスラエルの『ビホールド イスラエル』(1月25日発信)によれば、バル・イラン大学の生物兵器の専門家は、この研究所を「おそらく生物兵器の研究に関与している」としたうえで、新型肺炎との関係を疑っている。
この件に関して中国側からの発言はない(中国は細菌兵器の存在も否定している)。
死者が100名を超え、いまだ特効薬のない現段階では、原因究明より拡大を抑えることの方が重要だ。だが、生物兵器との疑惑は、今後、再燃する可能性がある。
( 2020.01.26 )
● 新型肺炎、感染者の国籍非公表の訳!
日本国内で新型コロナウイルス感染による3例目の肺炎患者が1月25日、確認された。厚生労働省は今回のケースを含め、感染が確認された人の国籍や詳しい交通経路などは「個人情報の保護」を理由に明らかにしていない。
厚労省は、今回の新型肺炎を「重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)よりも感染力が弱いとみられる」としており、公表情報は年代や性別、居住地、症状、他人に感染させ得る時期の行動歴などにとどめている。
国籍などを非公表とする理由は「個人情報保護を優先した」(1月16日発表の1例目)、「国籍が感染症のコントロールに重要な情報とは考えていない」(1月24日発表の2例目)、「人権侵害になるので国籍を公表しない」(1月25日発表の3例目)と説明した。
厚労省は昨年、エボラ出血熱など感染症法で危険性の高いとする「1類感染症」の公表に関する基本方針を策定。まん延を防ぐためには情報を積極的に公表する必要があるが、感染者が不当な差別を受けないよう個人情報保護に留意しなければならない、としている。
厚労省の担当者は「どこまでの情報を出すかは、疫学的な調査や分析を踏まえ、さらに議論が必要になる」とした。
( 2020.01.23 )
● 中国の新型ウイルス対策に「遅過ぎ、甘過ぎ」の懸念 !
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国政府が武漢をはじめとする複数の都市で数千万人を対象に移動制限を課すという前例のない試みに乗り出したが、それでも感染拡大を防げるとは思えないと専門家らは警鐘を鳴らしている。
住民たちにわずかな猶予しか与えず武漢封鎖に踏み切ったにもかかわらず、新型コロナウイルスは既に中国内外に拡散した。
香港大学のウイルス専門家、管軼氏は、「抑制と予防が最も効果を発揮する時期は過ぎたと思う」「これまで怖いと感じたことは一度もないが、今回は怖い」と語った。
中国は23日、昨年末に重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスに類似した新型コロナウイルスが発生した人口1100万人の武漢で、交通遮断措置に踏み切った。以来、感染者が移動して他の場所で感染を拡大させることを防ぐため、近隣の都市でも相次いで交通遮断措置が取られ、居住する都市に封じ込められた人は4000万人を超えた。
それにもかかわらず死者は増え、遠くは米国でも感染者が確認されたことで、中国政府の対策は遅過ぎ、甘過ぎるのではないかとの懸念も生じている。
封鎖直前に武漢を脱出した管氏は、24日に始まった春節(旧正月、Lunar New Year)を前に、既に膨大な数の人々が武漢を出てしまったのではないかと指摘する。彼らはウイルスを潜伏させたまま、「武漢を出た」可能性があるという。
新型コロナウイルスに感染してから発症するまでに数日間かかることもあり、中国内外で健康を奪う時限爆弾をばらまいているようなものだ。
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■ 「カネとコネがある人々は脱出」
中国が治安部隊を多数配備しているにもかかわらず、今後数日間で武漢とその周辺との間の封鎖網に新たな隙が生じる可能性がある。
シンガポールの「S・ラジャラトナム国際研究院」のシニアアナリスト、ジー・ヤン氏は、「特にカネとコネがある人々は急いで逃げようし、おそらく脱出に成功するだろう」と指摘したが、「中国の人口管理や都市管理といった分野での専門能力を考慮すると、流行の抑制は可能だと思う」とコメントし、移動制限措置で流行をある程度抑制できる希望があるとの見方を示した。
豪シドニー大学のアダム・カムラトスコット氏は、新型コロナウイルスの拡散は不可避であるにもかかわらず当局が移動制限措置に踏み切ったのは、武漢に1000床の病院を10日間で建設する計画といった対応策を取る時間を稼ぐためだろうと述べた。
カムラトスコット氏は、今回中国が実施したほどの大きな規模で都市封鎖を実行できる国はわずかしかないとの考えを示し、米国も州兵を使って同様の措置を取れるかもしれないが、自由に慣れている米国民から強い反発が起きるだろうと指摘した。
中国では当局がインターネットを管理下に置き、自由な報道がない一方で極めて効率的な治安機構があることなどによって、共産党政権は自らの決定に国民が黙って従うと当てにすることができた。それでも、都市封鎖が1週間あるいはそれ以上続くと、国民の不満は高まるだろうとカムラトスコット氏は語った。
● 「新型肺炎」感染拡大 既に破られた日本の水際対策!
■ またも中国発の感染症拡大、成行き任せで打つ手なしの日本
昨年末、中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎がいま、世界に広がる勢いを見せている。日本で1人、タイでの3人に加え、韓国、米国・シアトルでも患者が確認された。中国国内も、武漢から遠い各地で「新たに感染が確認された」と中国当局がようやく発表した。
中国当局は22日午前、発症者は全国で計440人と発表したが、中国メディアによると23日未明までに540人以上に拡大。死者は22日午前の9人から17人に増えている。
しかし、実際は、患者数、死者数ともにもっと多いのではないかと疑う声がある。筆者も素人ながらそう疑う一人だが、英国の研究チームが今週初め、発症者数は武漢市内で1700人超、多ければ4000人を超える可能性あり-と指摘していた。
翻って、わが国政府はどうかというと、厚労省は現在、「情報収集と現状把握で手いっぱい」だと側聞する。ネット上では昨年末から、「パンデミック(爆発的感染拡大)」を心配する声があったにもかかわらず、1カ月もの間、何をしていたのか、と言いたくもなる。
折しも今週始まった「春節大移動(旧正月をはさむ旅行シーズン)」では、「延べ30億人が国内外を移動する」と中国当局が発表したばかり。昨年は600万人が外国で休暇を過ごしたそうだが、運悪く今年の旅行先1位は日本だともいう。
わが国の推計では、旧正月前後、中国からの旅行客は70万人前後とみられている。ウイルスを運んでくるのは中国人旅行者だけではないとはいえ、感染を食い止めるのに最悪のタイミングとなったことは確かだ。
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■ 毎度ながら日本、緩すぎる政治・官僚(厚労省)の危機管理能力と意識
22日午前、中国政府がようやく開いた初の公式会見では、別の「不都合な真実群」も明かされた。その第1は、「ヒトからヒトの感染がある」こと。さらに、「ウイルスが変異する可能性がある」とし、感染力が強まる可能性にも言及したのである。
この前日、習近平国家主席が、国家として全力で対応するという談話を発表したが、「独裁国家」らしいこのプロパガンダも不快でしかない
今週に入り、自民党の厚生労働部会でも、この新型コロナウイルスの件が複数回話された。ここでの厚労省の見解が、当初の「強毒性はないとみられる」から、22日には「判断できかねる」に変わったそうだが、中国側の発表を後追いし、後手に回るだけのような姿勢には正直、怒りすら覚える。
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■ 悪夢の観光立国目指す・日本の未来
自民党厚労部会で部会長代理を務める長尾たかし衆院議員も、いらだちを隠せない様子で、水際対策の現状を、次のように語った。
「まず、武漢からの直行便について、他の旅客とは分けて専用レーン(列)をつくり、専用窓口で対応することにしたそうだ。米国の主要空港のような『隔離』はできないかとただしたが、難しいと…」
隣国・台湾では、蔡英文総統が、武漢からの団体旅行客の受け入れや、台湾から同市への団体客送り出しを停止すると発表した。総統再選間もない蔡氏のこの果断さが、何とも頼もしく映る。
もっとも昨年、中国政府が蔡氏への嫌がらせとして、台湾への個人の観光旅行を止めたりしたことが、今回むしろ台湾側に幸いした、という皮肉なオチもついている。
一方、わが国が空港での「隔離」一つできない理由は、検疫の人手確保の困難と、場所確保の難しさにある。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)のときと比べれば、中国からの訪日旅行者数は20倍増、昨年は950万人を超えた。いまや東名阪以外の20以上の地方空港でも中国便を運航しているなか、こういう事態がいかに大きなリスクとなるか、政府も国会も正しく認識しているようには見えない。
この緩い構えで果たして、東京五輪・パラリンピックは無事迎えられるのか。政府がいう「インバウンド8000万人」の未来など、このままでは悪夢としか思えないのである。
● すでに数千人が発症か、中国の新型肺炎、疫学者らが発表!
■ 教訓は生かされるのか!
20年ほど前、中国南部の野生動物市場に、あるウイルスが現れた。それは、以前に知られていたどのウイルスとも異なっていた。2003年の冬、ウイルスに感染した患者は、発熱、悪寒、頭痛、痰が出ない乾いた咳を訴えた。いずれも風邪やインフルエンザの季節には珍しくない症状だ。
しかしこの病は、肺にハチの巣状の穴を開け、患者の4分の1に重度の呼吸不全を起こす致命的な肺炎をもたらした。多くの感染症では、1人の感染者が新たに感染を広げる人数は3人までとされるが、一部の患者はいわゆる「スーパー・スプレッダー(感染拡大に拍車をかける人)」になり、数十人に感染を広げた者もいた。7カ月後に終息するまでに、重症急性呼吸器症候群(SARS)は32カ国に広がり、感染例8000件以上、およそ800人の死者を出した。
このため、各国の当局者は今、中国中部の武漢市に出現した、SARSと同じくコロナウイルスの仲間である新型ウイルスに大きな懸念を抱いている。感染は、北京、上海、深センなどの主要都市だけでなく、わずか3週間で近隣の台湾、タイ、日本、韓国にも広がった。米国疾病予防管理センター(CDC)は21日、米国初の感染者がワシントン州で確認されたと報告した
「人から人への感染拡大が確認されていますが、このウイルスがどれだけ容易に広がり、また感染力が持続するのかは分かっていません」。CDC国立予防接種・呼吸器疾患センター所長、ナンシー・メッソニエ氏は記者会見でこのように述べ、武漢のウイルスの迅速な検査方法を開発すると発表した。「現在、CDCでこのウイルスの試験を行っていますが、今後数週間で、結果を国内外の連携先と共有できるでしょう」
ウイルスの感染者は22日までに500名を超え、17名の死者が報告されている。世界保健機関(WHO)は同日に緊急会議を開き、この大発生が、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に相当するかどうかを日本時間の23日午後8時からの会合で協議するとしている。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの疫学者である今井奈津子氏らは、実際の発症例は数千に上るという推定を22日に発表した。CDCは17日、新型ウイルスの検査を米国の主要空港3カ所で始めると発表したが、米国最初の患者は、このチェックが始まる前に米国に入っていた。
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■ 感染源は食用の野生動物から?
SARSのとき同様、この騒ぎはすべて野生動物の売買から始まったようだ。これは、ウイルス学者にとっては驚きではない。
「野生動物の市場を閉鎖できれば、このようなアウトブレイク(大流行)の多くは過去のものになるでしょう」。米コロンビア大学感染症・免疫センター所長、イアン・リプキン氏はこう話す。氏の研究室は、かつて中国当局と協力し、SARSの早期診断検査を開発した。
リプキン氏がこう考えるのは、SARSも今回のウイルスも、動物から人間へと広がる「人獣共通感染症」だからだ。
人獣共通感染症は、世界で最も悪名高い病気のひとつといえる。たとえば、エイズ、エボラ、H5N1鳥インフルエンザはいずれも野生生物の間で徐々に広がり、それが人間との密な接触を機に、世界的な大流行を起こした。SARSの場合、野生動物を取り扱い、殺し、販売していた人や、調理していた人が、最初の感染例の40パーセント近くを占めた。また、野生動物市場から徒歩圏内に住むとみられる人々の間で最も早く症状が現れた。
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■ 今回の新型コロナウイルスの感染源は、食用のネズミかアナグマか?
昨年(2019)12月31日、中国の保健当局は、この感染症の発生を初めて報告。肺炎のような症例が急増しており、武漢市の魚介類市場に関連するとした。人口1100万人を超す武漢市は、中国中部の交通の要所だ。
一方、米国メディアのCNNは、武漢の「華南海鮮市場」が海産物以外も扱っていると報じた。小さなケージに、タヌキとシカが入れられているらしい映像を入手したと伝えている。中国政府の専門家チームのトップを務める鍾南山氏は、1月21日に中国国営中央テレビのインタビューで、感染源として疑われる動物として食用のタケネズミやアナグマを挙げた。
だが、市場での野生動物の売買が、なぜ人獣共通感染症の温床になりうるのだろうか?
「動物をこうした不自然な状態で一緒にすると、人にうつる病気が発生しかねません」と、非営利団体「エコヘルス・アライアンス」の疾病生態学者・保全学者のケビン・オリバル氏は話す。「ストレスの強い劣悪な状況で動物が飼育されている場合、ウイルスをばらまいたり、病気にかかりやすくなったりします」
ウイルスと動物のこのような関係は、流行の原因を突き止めるのにも役立つ。ウイルスは、拡散して増殖するうちに変異を起こす。この特性から、ウイルス学者や野生生物学者は、たとえウイルスが動物の種を飛び越えていたとしても、病気の変遷をたどることができる。
武漢で流行を起こした新型ウイルスとSARSは、どちらもコロナウイルスに含まれる。このウイルスの仲間は多く、人間に病気を引き起こすものもあれば、ラクダ、ネコ、コウモリなど複数の動物の間に広がっているものもある。
SARSの大流行が2003年初めに始まってから4カ月後、香港の研究チームがタヌキ、ハクビシン、アナグマを検査し、SARSコロナウイルスの近縁種を発見。人間以外にこの病気が存在した初めての証拠となった。
この発見を機に、野生生物を対象にウイルス探索ラッシュが始まり、最終的に、中国のキクガシラコウモリがSARSの発生源だろうと特定された。世界的な調査が行われ、SARSの祖先と近縁種が、アジア、アフリカ、ヨーロッパ各地のコウモリに長く潜んでいたことが判明。今では、主要なコロナウイルスの発生源(自然宿主)は、いずれもコウモリと考えられている。
「ウイルスの遺伝子配列から、発生源までさかのぼれます」とオリバル氏は話す。「武漢の場合、最も一致度が高いのはSARSのものに近い他のコロナウイルスで、やはりコウモリに見られるものです」
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■ ラクダに潜むコロナウイルスも
これまでのところ、動物由来のコロナウイルスが人間にうつり、重篤な病気を引き起こすケースは珍しい。記録上、最初に流行したのはSARSであり、それに続いたのが中東呼吸器症候群(MERS)だ。2012年にサウジアラビアで発生し、各国に広まったSARSに近いウイルスによる重症呼吸器感染症である。
MERS流行の経緯は、SARSで動物が関与したシナリオを補強している。MERSコロナウイルスの発生源はコウモリだったが、家畜の哺乳類(この場合はラクダ)が、人間への感染を橋渡しした。
リプキン氏の研究室と、サウジアラビア、キングサウード大学の動物学者アブドゥルアジズ・アラガイリ氏は、2014年の研究で、MERSに対する抗体(感染の証拠となるサイン)をラクダの血液サンプルから発見。このサインは1993年にまでさかのぼるものだった。MERSウイルスは、誰にも気づかれないまま20年以上前から広まっていたのだ。
出現から1年以内で終息したSARSと異なり、MERSは2017年にもサウジアラビアで症例が報告されるなど、人の集団にいくらか定着した。しかし、これだけ長く続いていることで、ワクチン開発の可能性も大きくなっている。実際にその有効性を確かめられるからだ。
しかし、残念ながら広範な努力にもかかわらず、MERSワクチンは未だに実現していない。現在、SARSにもMERSにも、決まった治療法はない。
医学的治療法がないとすれば、SARS、MERS、そして今回の新型コロナウイルスを封じ込める唯一の手段は、手を洗う、検疫、衛生といった感染を抑える対策だけだ。
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■ 今回の流行はこれからどうなる?
武漢のコロナウイルスがどれほどの脅威なのか、予測はまだ難しい。流行の程度で言えば、SARSは最悪のケースだった。対して、死者は出たものの、SARSに比べればMERSの被害はかなり小さかった。
ほとんどの場合、肺炎や同様の症状が最も重症化しやすいのは高齢者だ。だがSARSは、死者の年齢の中央値が40歳前後と、比較的若い成人の肺にも打撃を与えた。これとは対照的に、MERSが重症化したの多くは50歳以上で、おまけにもともと持病があった患者だった。
「今回のウイルスがただ消えていくのか、もっと病原性の高いものに進化するのかは分かりません」とリプキン氏。「スーパー・スプレッダーが現れたという証拠はまだないですし、今後もないように願っています。しかし、この新しいコロナウイルスが表面上どれだけ長く持続するのかも、感染した人がウイルスを排出し続ける期間も分かっていないのです」
中国当局は当初、新型コロナウイルスの感染にはすべて動物との接触が関わっていると発表したが、今や人から人へも広がっているようだ。中国当局は20日、医療従事者14人がウイルスに感染したことを確認。また、米国・ワシントン州の患者は中国武漢市を旅行していたという。
武漢のコロナウイルスが、どうやって人間にまで行きついたのかも謎のままだ。今や悪名高い場所となった海鮮市場で何が扱われていたのか、中国が詳しく発表するまでは明らかにならないだろう。今年の1月1日、当局は市場を閉鎖して出入りを禁じた。新たな情報が発表されれば、どの動物が中国内外でウイルスを運び、広げた可能性があるのか、研究者が絞り込む手がかりになるかもしれない。
武漢のアウトブレイクは、野生動物の売買にいっそうの監視が必要なのか、あるいは完全に禁止したほうがよいのかという問題も投げかけている。
「考えられる介入は非常にシンプルです。野生動物の取引を減らし、野生動物市場を浄化するだけです」とオリバル氏は言う。「野生動物の取引を減らせば、人間にも動物にもプラスになります。捕獲の対象となる種を守ることができ、新型ウイルスの流行も抑えられるのですから」