2016/03/11

WHO、中南米で「ジカ熱」拡大の可能性を指摘!


( 2016.03.11 )

● 愛知の30代女性(外国籍)、「ジカ熱」感染国内2例目! 


 厚生労働省は11日、ブラジルから帰国した愛知県に住む30代の外国籍女性の「ジカ熱」感染を確認したと発表した。 中南米で流行が始まった昨年以降、国内でジカ熱患者が確認されたのは、今年2月の川崎市の男子高校生に続き2例目でいずれもブラジルから帰国後に発症している。

 厚生労働省によると、女性は旅行でブラジルに約2週間滞在し、2月22日に帰国。3月7日に38度2分の発熱と発疹などの症状が出た。
 発疹が広がった10日に医療機関を受診し、11日に国立感染症研究所のウイルス検査で感染が確認されたもので、すでに熱は下がり、同居の家族にも今のところ症状の出た人はいないという。

 女性によると、滞在先のブラジルで複数回、蚊に刺されたと話しており、厚生労働省はブラジル国内で感染したとみている。

 国内では今の時期、「ジカウイルス」を媒介するとみられている蚊の活動期ではないことから、「感染拡大の可能性は極めて低い」としている。

 女性が医療機関を受診したのは症状が出てから3日後だったため、同省の担当者は「蚊の発生時期なら国内感染が広がるリスクもあった。

 今回も、帰国時の再入国検査では感染の確認は不可能であることから、「流行地への渡航者で症状が出た場合は、できるだけ早く医療機関を受診してほしい」と改めて注意を呼びかけている。




( 2016.03.06 )

● コロンビアのジカ熱患者、4万7700人超える! 


 コロンビアの国立衛生研究所は5日、同国のジカ熱の患者が妊婦8890人を含む4万7771人になったと発表した。

 先週だけで5065人の患者が新たに登録され、そのうち1237人は妊婦だった。妊婦がジカウイルスに感染した場合、胎児の重大な先天性異常「小頭症」発症との関連性が指摘されている。

 ジカ熱の症状は一般的に軽い場合が多く、多少の発熱や頭痛、関節痛などが挙げられる。しかし中南米では、爆発的に拡大中のジカウイルスが他の重い病気を引き起こす恐れもあると警告が発されている。

 小頭症の他にも、ジカウイルスは神経疾患のギラン・バレー症候群の原因となる疑いが持たれている。コロンビア国内ではこれまで282の自治体で感染者が発生しており、うち67%が女性だという。感染者が最も多い年齢は25~29歳で、総患者数の約14%を占めている。

 コロンビアでは昨年ジカウイルス感染が確認されて以来、ラテンアメリカの国としてはこれまでに約150万人の患者が報告されたブラジルに次いで2番目に多い患者が報告されている。衛生当局は、今年はコロンビアで60万人以上の感染者が発生するのではないかと予測している。




( 2016.02.28 )

● 仏で初の「ジカウイルス」性感染か! 


 フランスのマリソル保健相は27日、同国で初めて「ジカウイルス」の性感染の症例が確認されたと述べた。

 カップルはパリに居住しており、パートナーの男性がブラジルから帰国した後、相手の女性が感染したという。 女性は典型的な「ジカ熱」の兆候を示したが、入院はしておらず、体調は良好だという。

 世界保健機関(WHO)によると、これまでに世界46か国で「ジカウイルス」感染者が報告されていて、その中でもブラジルの感染者が最も多く、現在150万人の感染症例が報告されている。
 「ジカウイルス」を媒介する「ネッタイシマカ」は、おもに熱帯から温帯地域を中心とする130か国に生息しており、将来的には爆発的にウイルス感染が拡大する可能性があるとして、国際的な警鐘が鳴らされている。





( 2016.02.02 )

● 「ジカ熱」感染拡大でブラジル政府が妊婦の五輪観戦自粛を呼び掛け! 


 「ジカ・ウイルス」への感染が拡大しているブラジルの大統領・首席補佐官は、妊婦が感染すると胎児の脳に先天異常を引き起こす「小頭症」の原因となる恐れが指摘されていることから、半年後に迫った「リオデジャネイロ五輪」の観戦旅行を妊婦は避けるべきだとの見解を示した。

 一方で、妊娠していない成人の女性や男性については、感染しても5日間ほどで抗体ができて症状が治まるとして、五輪観戦を避ける必要はないとの見解を示した。

 このほか、英BBCによると、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、ジャマイカでは、「ジカ熱」と「小頭症」の関係が解明されるまで、妊娠しないように忠告しているという。

 また、米国疾病予防管理センター(CDC)は、1月26日、妊婦は感染地への渡航を控えるべきだと発表、さらに米ABCによると、ユナイテッド航空とアメリカン航空は、妊婦らに対して、渡航延期や返金に応じている他、感染地への渡航を取りやめに応じる航空会社もあるとの報道も。


 世界保健機関(WHO)は、「ジカ・ウイルス」感染拡大について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言している。




( 2016.02.01 )

● インドネシアでも「ジカ熱」感染者確認か! 


 インドネシアの「アイクマン分子生物学研究所」は1月31日、スマトラ島のジャンビ州在住の男性(27)が、「ジカ熱」に感染していることを発表。  この男性は海外への渡航経験がなく、研究所関係者は「(ジカ熱の)ウイルスがある程度の期間、インドネシアで広がっているとの結論に達した」と話している。

 同研究所の発表について、インドネシア保健省は特にコメントはしていない。


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(2月1日現在)

● 感染が確認された国・地域


バルバドス、ボリビア、ブラジル、コロンビア、 オランダ領キュラソー、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、仏領ギアナ、グアドループ、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、仏領マルティニーク、メキシコ、ニカラグア、パアマ、パラグアイ、プエルトリコ、サンマルチン、スリナム、米領ヴァージン諸島、ベネズエラ







( 2016.01.29 )

● 中南米で「ジカ熱」が拡大の可能性! 


 1月28日、世界保健機関(WHO)は、中南米とカリブ諸国で、感染症の「ジカ熱」が爆発的に広がっているとし、WHOの米国・地域事務局である汎米保健機構(PAHO)の伝染病担当責任者は、今後南米と北米で感染者が最大300万~400万人に上る可能性があると指摘した。

 また、米国・疾病対策センター(CDC)は、「ジカ熱」の流行地域に渡航した米国民31人の感染が確認されたとし、「米国内で限定的な流行が起きる可能性がある」と指摘した。

 WHOのチャン事務局長は、スイス・ジュネーブで開いた特別会合で、「現時点では域内23カ国・地域で感染例が報告され、警戒レベルは非常に高い」と指摘。 さらに、2月1日に緊急会合を開催し、対応策をまとめる事を明らかにした。


 ブラジルでは、今年8月に「リオ五輪」が予定されている。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、IOCが「ジカ熱」に関するガイドラインを週内に公表すると述べた。


● 「ジカ熱」とは、 


 「ジカ熱」は、蚊を媒介とする「ジカ・ウィルス(ZIKV)」によって引き起こされるヒトへの感染症で、ウィルスの存在は、1947年から知られていたが、感染の報告は従来ほとんどなく、2007年にミクロネシア連邦のヤップ島で、島民の約7割が感染したアウトブレイク(大規模感染)が起こったことで、初めて広く認知されるようになった。

 2013年11月には、仏領ポリネシアでアウトブレイクが発生し、患者数は数万人にも及ぶとされた。 また、2014年1月に、仏領ポリネシアから帰国した日本人が「ジカ熱」を発症し、日本国内における輸入感染症として、初の症例となった。

症状としては、「発熱・発疹・筋肉痛・下痢・浮腫など」で、「デング熱」に類似している。
また、「ジカ熱」の病名で呼ばれているものの、時に発熱の症状を伴わないこともある。

 現在、「ジカ熱」に対するワクチンや有効な治療薬は開発されていないが、適切に治療すれば死亡率が1%未満とされる「デング熱」よりも症状が軽いため、生命の危険はほぼないとされている。
 4~7日程度で完全に回復し、発症しても病院に行かない人も多いという。 また、一度「ジカ熱」に感染すると体内で抗体が産生されるため、二度と罹ることはないといわれる。

 まだ研究が進んでおらず、ワクチンなどは開発されていない。

 「ジカ熱」のアウトブレイクや感染を防ぐために、媒介となる蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカなど)の防除や水溜まりなどの産卵場所の除去、虫刺されへの注意喚起などの手段がとられている。


● 「ジカ熱」と「先天的・小頭症」との関連は、


 ブラジルでは、先天的に頭部が小さい「小頭症(しょうとうしょう)」の新生児が増加していることと、「ジカ熱」感染拡大(妊婦・妊娠期間中の感染)に関連があるとの見方も出ているが、世界保健機関(WHO)の事務局長は、「現在、われわれは小頭症との関連を示す科学的な証拠を待たないが、直ちに行動に移す必要がある」と指摘している。

 小頭症にかかった胎児は、頭部が異常に小さい状態で生まれ、運動発達の遅延や知能低下等の障害が随伴する場合がある。 ブラジル保健省によると、同国における小頭症の発症例はかつて年間平均163件だったが、「ジカ熱」の感染拡大が始まって以降、3718件を超える疑い例が報告され、すでに新生児68人が死亡したという。

 現在、一部の国では、妊娠中の女性の中南米やカリブ海(Caribbean Sea)諸国への渡航 を控えることが奨励されている。

 また、アメリカの航空各社は、ジカ熱が流行している地域へ向かう便の航空券を購入した妊婦らについて全額払い戻しに応じるなど対応に乗り出している。