2015/04/25

福島第1原発は石棺を


( 2015.04.25 )

● 京都大・元助教の小出裕章氏が、福島第1原発は石棺しかない!



元京都大・原子炉実験所助教の小出裕章氏は、4月25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、事故発生から4年が経過した東京電力福島第1原発について「チェルノブイリのように石棺で(放射性物質を)封じ込めるしかない」と述べ、溶け落ちた核燃料の取り出しを目指す日本政府や東電の方針を否定した。

 日本政府や東電の方針では、まず、格納容器を補修して、水で一杯にして冷却しながら溶けた核燃料を取り出すといったものであるが、現在、圧力容器には穴が開き、格納容器は破壊され水を入れても漏れてしまう状態、まず格納容器の補修は不可能だろう。
 また、1~3号機で溶融した燃料は、格納容器の下にまんじゅうのように固まってはいないで、そこら中に散らばっているか、あるいは底を突き抜けている可能性が高い。したがって上から溶融燃料のほとんどを取り出せないだろう。

 4年たっても現場に作業員が行けない(現場に行けば、人間は即死する可能性が)状態で、石棺の前に1~3号機の貯蔵プールの使用済み核燃料を安全な保管場所へ移す必要があるが、その作業に何年かかるのか全く分からない状況で、それができても、その後の石棺は、少なくとも何百年も続く。

 また、収束作業は、60~80万人規模の作業労働者の被爆を意味し、福島県を中心に、そこに住む人々は、今後何十年もあるいは何百年も、被爆し続けていく。
 タンクから漏れた汚染水で、福島原発敷地全体が放射能の沼のようになっていると考えられ、敷地内の検査用井戸水には基準の数千倍の濃度のセシウムと数十万倍の濃度のストロンチウムが含まれていることが報告されている。

 政府発表では、大気中に放出されてしまったセシウム137の量は、1号機だけで広島原爆の6~7発分、1/2/3/4号機の合計で168発分。 海洋への放出は今も続いている。
 最悪、東京すら放棄しかねなかった原発事故のリスクは極大に甚大で、原発は、現在の人類の科学では、原理的に、制御できない。安全化はできない!ならば、原発は決して稼働してはいけないのではとの見解をのべた。