2015/12/08

北京・大気汚染が最悪レベルの「赤色警報」に!


( 2015.12.08 )

● 中国北京・大気汚染が最悪レベルの「赤色警報」に!

2015年12月2日、大気汚染が深刻な中国北京で微小粒子状物質・PM2.5が最悪レベルまで悪化、事実上「北京の街が微小粒子状物質・PM2.5の濃い霧の中に消えた」とAP通信が伝える。

 2015年12月7日、中国北京市は大気汚染の警報で最高レベルの「赤色警報」を発令した。

 深刻な大気汚染が続いている北京市では7日、微小粒子状物質PM2.5の濃度が1立方メートル当たり300マイクログラムに達した。
 北京市政府は、「赤色警報」を発令し、工場の作業は停止させ、学校には休校するよう促している。 ほとんどのインターナショナルスクールは、8日を休校にすることを決めているが、中国の学校がどのくらい休校にするかは不明だ。 また、市内のコンビニエンスストアは、マスクを買い求める人でにぎわっているという。

 北京では先月27日から重度の大気汚染が発生し、同29日に発令されていた「オレンジ警報」が今月2日に正式解除となったばかりで、この6日から9日にかけての大気汚染は、北京やその周辺の天津・河北、山東、河南、山西など広範囲に影響を及ぼすと予測されている。

 抗日勝利70周年記念軍事パレードが行われた9月3日に出現した北京の青い空。
それはどうやら国家の威信をかけて周囲の工場の操業を止め、交通制限したり、涙ぐましい努力の結果だったが、暖房器具を使う冬を迎えて状況が一転した。

 11月30日の北京ではPM2.5を含む汚染指数が最悪レベルの「危険」(301〜500)を上回る560、12月1日には600前後と2日続きで指標を超え、市郊外の石景山地区では661まで悪化していた。



 深刻な大気汚染が続く北京市で8日、4段階の警報の中で最悪の「赤色警報」に伴う車両の通行規制などが実施された。
 「赤色警報」が出されたのは、2013年10月に警報システムが試行・導入されてから初めて。
市民生活や経済活動に影響が出る中、過去の対応と比較し、当局の“保身”を疑う声も出ている。

 米大使館のウェブサイトによると、北京市では8日午後1時(日本時間同2時)、微小粒子状物質「PM2・5」を含む汚染指数が「危険」とされる367を記録、北京市環境保護監測センターのデータでも314に達した。

 幼稚園や日本人学校を含む小中学校は休校となり、ナンバープレートの偶数・奇数で市内を通行できる車両を制限。 工場の操業を停止したり、土砂を積んだダンプカーなどの走行を禁止するなどの対策も講じられたという。

 北京では11月末から12月初旬にかけて深刻な大気汚染が続いた。1日には一部地域で汚染指数が、世界保健機関(WHO)の安全基準の40倍となる1000に達した。

 大気汚染が3日以上続いたにも関わらず、警報を「オレンジ」から「赤色」に引き上げなかったことに対し、市民の間から疑問が呈された。各部門の連携の悪さやデータが共有されていないこと、汚染対策へ投じられる予算の少なさもやり玉に挙がった。

 前回よりも汚染指数が低い今回、「赤色警報」が出されたことについて、同センターの張大偉主任は国営新華社通通信に対し、「深刻な汚染が3日以上続くとの予測に基づき、赤色警報を出した。前回は赤色警報の条件に達しなかった」と弁明している。

 しかし、ネット上には「こうした措置はすべて手遅れだ」「(北京市は)環境保護省の圧力で赤色警報を出したのだろう」といった市当局への批判が寄せられている。

 また同省に対しても、「省の指導のもと、中国の環境汚染はますますひどくなっている。省は真剣に仕事をしていないのではないか」「環境保護相は就任時に何と言ったのか。辞職しろ!」などと、厳しい言葉が浴びせられている。