2016/05/12

中国で「偽クラゲ」1トン押収!


( 2016.05.12 )

● 中国で、中国で「偽クラゲ」1トン押収!


 食の安全をめぐる問題が後を絶たない中国で、今度は人気食材のクラゲに偽装した「食品」が大量に流通し、警察が1トンを押収したことが分かった。
  人体に有害な物質も混じっていたとされ、健康障害を引き起こす恐れも出ている。

 偽装クラゲが最初に見つかったのは、沿海部浙江省の湖州市にある食品市場。 地元当局がこのほどウェブサイトを通じて明らかにしたもので、原材料は化学物質だったという。

 偽装クラゲには高濃度のアルミニウムも含まれていた。 長期にわたって摂取すると骨や神経に悪影響を与え、記憶障害や精神機能の低下を引き起こす恐れがあるものだ。

 店の仕入れ先となっていた江蘇省の業者らは、警察に摘発されるまでに計10トン以上を販売。 両者を仲立ちしていた2つのギャング団が計17万元(約280万円)以上を荒稼ぎしていたという。

 警察は2度の強制捜査で容疑者6人を拘束し、全容解明へ捜査をさらに進めているという。


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 中国では、未だに食の安全にはほど遠く、汚染食品が続々と発覚。

 2008年に、有害物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んで乳児6人が死亡し、政府がメラニン入り乳製品の撲滅を誓った中国。

 その後も、汚染された食品が相次いで見つかり、食の安全性への不安が再燃するとともに、巨大で規制も緩い食品産業への政府の監視能力の欠如があらためて浮き彫りになっている。

 バクテリアにまみれたために暗闇でも光を放つようになった豚肉、発がん物質が入ったもやし、禁止された化学保存料を使った蒸しパン、重金属に汚染されたコメ、などなど。

 この年、吐き気を催したくなるほどの新聞の見出しの数々に、中国・中央政府も、製造業者の不道徳を非難する声明を発表するとともに、食品衛生に関する新たな規則を制定すると表明し、既存の食品衛生法が機能していないことを政府自身が認めた形になった。

 「食品安全性問題の原因は多い。 1つは、法制度が不完全であること。 不明瞭な規制が多いことが法の抜け道を作っている」との指摘もあるが、そもそも食の安全に対する意識の欠如、倫理観・道徳観の無さが、未だに食品問題が後を絶たない要因でもある。


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■ わいろで死肉も流通

 規制機関の不足が無数にある製造業者・小売業者の監視を負わされていることが、見落としや汚職につながっているとも指摘した。

 国営英字紙・環球時報によると、「豚肉ブローカー」たちは、違反に目をつぶってもらうために当局者に賄賂を払って、汚染された豚肉を流通させている。

 こうした慣行は、本来ならば廃棄されなければならない病死した豚の死骸が食用として流通ルートに乗る要因にもなっている。 専門家の話では、こうした死骸は毎年2000万~3000万頭ほど市場に出回っているという。

 そして、食品衛生法の起草にかかわった弁護士によると、当局者の収賄が発覚した場合でも、刑事責任には問われず、わずかな罰金で済まされてしまうことが多いという。


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■ 根絶したはずのメラミン入り粉ミルクが…

 そんななか、湖南省の村では、クレンブテロールという薬物に汚染されたと見られる豚肉による集団食中毒が発生し、286人が病院で手当を受け、うち91人が入院した。 クレンブテロールには豚肉の脂肪を減らす効果がある。

 また、重慶では、根絶されたはずのメラミン入り粉ミルクが26トンも見つかり、当局に押収された。