2014/06/30

中国産ペットフード問題、米国で注意喚起!


( 2014.06.30 )


● 中国産ジャーキーが原因で米で犬1千匹死亡か!


 6月17日、米国議会の公聴会で、米食品医薬品局(FDA)のフォーファ副部長が、中国産ジャーキー問題で証言。

 米国・国内において、ペット用ジャーキーを食べた犬が体調を崩したり、死んだりする被害が相次いでおり、いずれも製品に含まれる中国産の原料が関係しているとみられるが、複数のメーカー製で被害がでており、症状にもばらつきが多く、現時点で原因は特定されていないが、この問題で米食品医薬品局(FDA)は、原因解明を急ぐとともに、むやみに与えないよう飼い主に注意を呼びかけている。

 米議会の公聴会で17日に証言したFDAのフォーファ副部長によると、ジャーキーによる被害は2007年から出始め、今年5月までに4800件の届け出があり、犬5600匹以上が食後に吐いたり、下痢をしたりして1千匹以上が死んだ。 また、6割は胃腸の疾患、3割は腎臓や膀胱(ぼうこう)に異常があったと報告されている。

 この件に関しては、以前から指摘されていて、現在も調査中である。



● 中国産・ジャーキー(ペットフード)問題とは

2007年頃より、アメリカで犬用おやつとして販売されているチキンジャーキーを食べた犬が、病気になったという報告が相次いで寄せられるようになったのが始まりである。

FDA(アメリカ食品医薬品局)が調査を始めたが、販売されている商品の共通点が中国産の原料を使い、中国の工場で生産されたものであるという以外、未だに原因の特定には至っていない。

問題となっているのは、ネスレ、ピュリナ、デルモンテ、などの大手メーカーが、中国の工場で製造した製品であること。 しかし、未だ原因の特定には至っていないため、メーカー側は、製品に問題はないとの立場から、商品の回収、店頭での商品撤去などの対策はとっていない。

当初は、チキンジャーキーの報告ばかりであったが、最近ではカモ肉やサツマイモを使ったジャーキーの報告もある。


(予想される症状としては)

・ 嘔吐、下痢(ときとして出血性下痢をともなう)、食欲減退、活動機能低下、水分摂取の増加など
・ 腎不全その他・慢性的疾患、ファンコーニ症候群など、重症の場合死に至る場合もある。




(これまでの経緯)

・ 2014年 5月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)からの発表。
 報告件数 : 4,800件
 病気になったペット(犬・猫)の数 : 犬:5,600匹 、猫:24匹
 死亡の報告 : 犬:1,000匹以上
 (人間も3名影響を受けたと報告されている)

・ 2013年 10月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)からの発表。
 報告件数 : 3,000件
 病気になった犬・猫の数 : 3,600匹以上
 死亡の報告 : 580匹

・ 2013年 2月
 ネスレ、デルモンテ、ハーツ社などが中国の工場で生産の商品(ジャーキー)のリコールを発表。
中国産チキンジャーキー問題との関連は不明。 各メーカーとも因果関係は否定。

・ 2012年 7月
 カナダでも同様の事例が報告される。
CVMA(カナダ獣医師会)によると、カナダ国内でも、複数の獣医師から中国産のチキンジャーキーを原材料とするペットフードを食べた犬がファンコーニ症候群になったという報告があり、FDA(アメリカ食品医薬品局)がこれまでに調査してきた事例と酷似しているという。


・ 2011年 11月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)、発表。
2009年から2010年にかけて、この問題についての苦情件数はやや減少傾向にあったものの、2011年より再び増加傾向にあり。
 商品ならびにメーカーも複数にわたり、特定の商品ではないが、いずれの商品も、中国産の「ジャーキー」が原材料として使用されていたことから、原因の一つとしてあげられているが、原因究明には至っていない。

・ 2007年 9月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)、ペットフードの「チキンジャーキー」に関する警告を発表。
犬用おやつとして販売されている「チキンジャーキー」を食べた犬が、病気になったという報告が相次いだため注意を喚起するも、商品のメーカーやブランドもまちまちで、原因は特定されず。





(2013.11.18)

● 中国産「おやつジャーキー」で犬猫が大量死の謎!

 米国内で、ペット用のおやつジャーキーを食べた犬や猫が病気になり死亡する事例が多発していることが分かり、飼い主たちに不安が広がっている。
2007年以降、約3600匹が病気になり、うち約600匹が死亡した。原因は特定されていないが、ジャーキーの大半には中国産の原材料が使用されていた。
米当局は、飼い主に注意を呼びかけるとともに、獣医師らに協力を要請。中国当局とも連絡を取り、原因究明に全力を挙げている。


・ 広大な被害…共通点は「中国産」

 米食品医薬品局(FDA)が10月22日に公表し、これを受け、23日以降、米CNNや米CBSニュース(いずれも電子版)、ロイター通信など欧米メディアが一斉に報じたが、FDA獣医学センターのバーナデット・ダナム所長が22日に公式サイトで公表した「ペット用ジャッキーに関連する疾患」情報の中で、「われわれが遭遇した疾患の大発生事例の中でも、最も難しく謎が多い症例の一つ」と評するほど、問題は複雑だという。

 報道によると、疾患は犬が3600匹、猫は10匹で、計約580匹が死亡した。具体的には、ジャーキーを食べた後、食欲の減退や下痢、嘔吐(おうと)の症状がみられ、水分の摂取量が増加。同時に、食べてから1時間以内に尿の排出量も増えていた。

 さらに詳しく調べたところ、6割の症例で胃に、3割で肝臓や泌尿器に異常をきたし、重篤(じゅうとく)なケースでは腎不全や胃腸内の出血、けいれんなどを起こし、死に至ったという。

 FDAはサンプルとして入手したジャーキーを検査したが、被害は特定ブランドに集中しているわけではなく「多数で報告されている」といいい、原因物質も検出できていない。

 しかし、唯一の共通点は、原材料に鶏肉や鴨(かも)肉、さつまいも、ドライフルーツなどが使われており、そのほとんどが中国産だったことだ。

 ところが米国では、ペットフードメーカーに対し、法律で原材料の生産国の表示を義務付けていない。そのため、消費者はそれを知ることができないのだ。


● 表示義務を逆手、未承認の薬物たっぷり

 FDAは2001年から現在までに約1200個のジャーキーのサンプルを全米の研究所と協力して検査しているが、今年1月には、FDAがニューヨーク州の試験所で行っているサンプル調査で、2社のペット用ジャーキーの鶏肉成分から米国で未承認の抗生物質など6種類の薬物が検出されたが、いずれも中国産の原材料が使用されていた。

 薬物は低レベルで今回の大量死との関係は不明だが、回収措置が取られた。この一件で今回のペット大量死の全貌が露出し始めたという。

 ダナム所長は「動物を愛する者として、早急に原因を突き止め、被害の拡大をストップさせたいと願っている」と強調。

 同時に、獣医師らに発症したペットの血液や尿などの提供を要請したほか、飼い主には、発症したペットに与えたジャーキーを保管するよう呼びかけた。また、原材料を生産した中国の工場の調査も進めているという。

 このニュースを伝えるCBSニュース電子版の記事には「私は最近、飼い猫を腎不全で亡くしたが、これが原因だったかもしれない」といった疑問の声や「ペットは家族の一員。ペットフードの原材料の産地や製造過程などを開示させる法律が必要だ」、「中国による毒入り食品の輸出はこれが初めてではない。(ペットフードの原材料の)輸入先表示は不可欠だ」といった怒りの投稿が数多く寄せられた。