2015/12/08

北京・大気汚染が最悪レベルの「赤色警報」に!


( 2015.12.08 )

● 中国北京・大気汚染が最悪レベルの「赤色警報」に!

2015年12月2日、大気汚染が深刻な中国北京で微小粒子状物質・PM2.5が最悪レベルまで悪化、事実上「北京の街が微小粒子状物質・PM2.5の濃い霧の中に消えた」とAP通信が伝える。

 2015年12月7日、中国北京市は大気汚染の警報で最高レベルの「赤色警報」を発令した。

 深刻な大気汚染が続いている北京市では7日、微小粒子状物質PM2.5の濃度が1立方メートル当たり300マイクログラムに達した。
 北京市政府は、「赤色警報」を発令し、工場の作業は停止させ、学校には休校するよう促している。 ほとんどのインターナショナルスクールは、8日を休校にすることを決めているが、中国の学校がどのくらい休校にするかは不明だ。 また、市内のコンビニエンスストアは、マスクを買い求める人でにぎわっているという。

 北京では先月27日から重度の大気汚染が発生し、同29日に発令されていた「オレンジ警報」が今月2日に正式解除となったばかりで、この6日から9日にかけての大気汚染は、北京やその周辺の天津・河北、山東、河南、山西など広範囲に影響を及ぼすと予測されている。

 抗日勝利70周年記念軍事パレードが行われた9月3日に出現した北京の青い空。
それはどうやら国家の威信をかけて周囲の工場の操業を止め、交通制限したり、涙ぐましい努力の結果だったが、暖房器具を使う冬を迎えて状況が一転した。

 11月30日の北京ではPM2.5を含む汚染指数が最悪レベルの「危険」(301〜500)を上回る560、12月1日には600前後と2日続きで指標を超え、市郊外の石景山地区では661まで悪化していた。



 深刻な大気汚染が続く北京市で8日、4段階の警報の中で最悪の「赤色警報」に伴う車両の通行規制などが実施された。
 「赤色警報」が出されたのは、2013年10月に警報システムが試行・導入されてから初めて。
市民生活や経済活動に影響が出る中、過去の対応と比較し、当局の“保身”を疑う声も出ている。

 米大使館のウェブサイトによると、北京市では8日午後1時(日本時間同2時)、微小粒子状物質「PM2・5」を含む汚染指数が「危険」とされる367を記録、北京市環境保護監測センターのデータでも314に達した。

 幼稚園や日本人学校を含む小中学校は休校となり、ナンバープレートの偶数・奇数で市内を通行できる車両を制限。 工場の操業を停止したり、土砂を積んだダンプカーなどの走行を禁止するなどの対策も講じられたという。

 北京では11月末から12月初旬にかけて深刻な大気汚染が続いた。1日には一部地域で汚染指数が、世界保健機関(WHO)の安全基準の40倍となる1000に達した。

 大気汚染が3日以上続いたにも関わらず、警報を「オレンジ」から「赤色」に引き上げなかったことに対し、市民の間から疑問が呈された。各部門の連携の悪さやデータが共有されていないこと、汚染対策へ投じられる予算の少なさもやり玉に挙がった。

 前回よりも汚染指数が低い今回、「赤色警報」が出されたことについて、同センターの張大偉主任は国営新華社通通信に対し、「深刻な汚染が3日以上続くとの予測に基づき、赤色警報を出した。前回は赤色警報の条件に達しなかった」と弁明している。

 しかし、ネット上には「こうした措置はすべて手遅れだ」「(北京市は)環境保護省の圧力で赤色警報を出したのだろう」といった市当局への批判が寄せられている。

 また同省に対しても、「省の指導のもと、中国の環境汚染はますますひどくなっている。省は真剣に仕事をしていないのではないか」「環境保護相は就任時に何と言ったのか。辞職しろ!」などと、厳しい言葉が浴びせられている。








2015/10/28

中国・大連市の大気、海洋汚染の深刻化!


( 2015.10.28 )

● 中国・大連市の大気、海洋汚染の深刻化!



 中国メディアによると、中国・国家環境保護部(環境部)はこのほど、遼寧省大連市に対する環境保護調査の結果をウェブサイトで公表し、大気の質が国の基準に達しておらず、生活廃水が海に直接垂れ流されているなどと指摘した。

 特定の都市を対象に、環境保護調査の結果が公表されるのはこれが初めてで、極めて異例のことだという。
 国務院は2013年、「大気汚染防止行動計画」を発表し、各地方政府に独自の実施規定を策定するよう命じた。 大連市も2014年に規定案を発表したが、今回の調査の結果、金州新区など市内の下級政府は実施細則を定めていないことが分かった。 

 2014年7月には、火力発電所の新たな大気汚染基準が発効したが、大連市は実施を怠っていた。市内の発電設備364基で脱硫装置が未設置だったほか、小型石炭ボイラー201台が閉鎖されていなかったという。

 また、今年1~7月はPM2.5(微小粒子状物質)とPM10の濃度にやや改善がみられたものの、国の環境基準を超えていた。PM10の2014年の濃度は2012年に比べ29%上昇。また、今年1~7月にオゾンの濃度は前年比54.5%上昇した。

 また、市内を流れる北大河、紅旗河、凌水河は生活廃水が未処理で流れ込み、深刻な水質汚染が進んでいるという。








2015/09/25

デング熱、過去最多ペース!


( 2015.09.25 )

● (台湾):デング熱発生、過去最悪で42人死亡!


 台湾・衛生福利部疾病管制署は、9月24日、今年に入り、デング熱の感染による死者数が昨年の2倍となる42人に達し、過去最悪を記録したと発表した。
  感染者数でも昨年はここ30年ほどで最悪の1万5732人だったが、今年は既に1万5282人に達しており、関係当局が対策に追われている。



( 2015.09.16 )

● (インド):デング熱感染、首都(ニューデリー)で急増!


 インドの首都ニューデリーでデング熱の感染患者が急増している。 

 9月16日までに確認された患者数は、1800人を超え、過去5年間で最悪の水準。 病床不足も深刻化しており、デリー首都圏政府のジェイン保健相は、14日、急増するデング熱患者に対応するため、市内の病院に新たにベッド1000床を発注するよう指示した。

 ニューデリーでは8日、デング熱感染の疑いがあった7歳の男児が、5カ所の病院に受け入れを拒否された末に死亡。 一人息子を亡くした両親は翌日、4階建ての建物から飛び降りた。
 地元メディアによると、2人は互いの腕を縛っており、遺書とみられるメモには「誰の責任でもない、自分たちで決めたことだ」と記されていた。

 市内の病院では、待合室の床にも患者があふれている状況で、13日にも男児(6)が数カ所の病院をたらい回しにされた揚げ句、病状を悪化させて死亡した。
 首都圏政府は、患者の受け入れを拒否した場合は厳しく対処すると強調、公立病院の医師や看護師に対し、休暇を返上して職場に戻るよう命じた。 

 インド北部では例年、デング熱感染が10月中旬にピークを迎える。
専門家は、「平年より高い湿度が感染拡大を引き起こしている」と指摘し、今後も患者が増えると予測した。



( 2015.08.10 )

● デング熱、温暖化で日本列島を北上、感染地域拡大か! 


 昨年、2014年8月、約70年ぶりに国内感染者が発生した「デング熱」。 最終的に、昨年の国内感染者数は162人にのぼり、このうち159人の推定感染地となった東京都では、代々木公園や新宿御苑などが一時閉鎖される事態に陥った。

 蚊が媒介する感染症・デング熱、海外で感染して日本で発症した患者報告数が8月10日現在で今年80人に上り、1999年の調査開始以降、過去最多のペースになっている。
 東南アジアでは、ここ数年デング熱の流行が続いており、海外からウイルスが持ち込まれるケースが増えるほど国内感染の危険は高まる。 専門家は「蚊の発生時期を迎え、警戒が必要だ」と呼びかけている。


・ どこでも流行の可能性

 昨年、感染源となった代々木公園を所管する東京都は4月、代々木公園のほか上野公園、日比谷公園など人の集まる9公園で蚊の採取を始めた。
 デングウイルスの保有の有無を調べ、陽性の蚊が見つかればホームページなどで公表する。
側溝などの水をすくって幼虫の発生状況も調べ、成虫になるのを防ぐ薬剤も散布する。

 7月には医療機関向けの研修も行う予定で、今年度のデング熱対策費はワクチン開発と併せて2億1000万円に上る。

 ただ、デング熱の感染源が昨年と同じ都内になるとは限らない。 ウイルスが卵を介して親から子に受け継がれ、翌年の流行につながった例はなく、今年も国内感染があるとするなら、海外から新たに持ち込まれるウイルスが感染源になると予想されるからだ。

 国立感染症研究所昆虫医科学部の小林睦生・名誉所員は「ウイルスを媒介するヒトスジシマカは、年平均気温が11度以上の秋田・岩手両県以南に高い密度で生息しており、どこで流行してもおかしくない」と指摘する。

 「実は見落としてきただけで、これまでも小規模の国内流行は起きていた」とみる専門家もいる。

 国立国際医療研究センターの忽那(くつな)賢志・国際感染症センター医師によると、昨年国内で感染した患者の1人から、代々木公園にいた蚊とは異なる遺伝子型のウイルスが見つかっていたという。
 2013年にも、日本を旅行したドイツ人女性が帰国後にデング熱を発症している。 忽那医師は、「直近2年間だけで3回もデングウイルスの国内感染が起きていたことになる。
 早く感染者を見つけ、流行を広げないことが重要だ」と話す。

 ヒトスジシマカは、カリブ海諸国や中南米で大流行しているチクングニア熱や、昨年もタイなどから国内に持ち込まれたジカ熱も媒介する。 海外を行き来する日本人のほかに、訪日外国人数が急増する中、これらの国内感染のリスクも高まっている。

 今後の対策として、小林名誉所員は「不特定多数が出入りする公園などで蚊が発生しにくい環境を管理者が作り、もし感染者が見つかった場合は、その場所で殺虫剤をまくなど徹底した拡大防止を図ることが大切」と強調。
 忽那医師は、個人でできることとして「肌に塗る防虫剤を適正に使うなどして、蚊に刺されないようにしてほしい」と訴える。




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 ・ デング熱とは

①.症状
 「デングウイルス」が感染しておこる急性の熱性感染症で、3~7日の潜伏期間の後、突然の発熱、激しい頭痛、関節や筋肉の痛み、発疹などの症状が出る。 ただし、2~7日で解熱するが、まれに重症化して死亡することもある。

 突然の高熱で発症し、頭痛、眼(か)痛、顔面紅潮、結膜充血を伴い、発熱は2~7日間持続します(二峰性であることが多い)。 初期症状に続き、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を呈します。

 発症後3~4日後、胸部、体幹から始まる発疹が出現し、四肢、顔面に広がります。症状は1週間程度で回復します。
 なお、一部の患者において、発熱2~7日後、血漿漏出に伴うショックと出血傾向を主な症状とする致死的病態が出現することがある。

②.感染経路(蚊媒介性)
 ウイルスに感染した患者を蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカなど)が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、 その蚊が他者を吸血することでウイルスが感染します。
 ヒトか らヒトに直接感染するような病気ではありません。 また、感染しても発症し ないことも多くみられます。

 主たる媒介蚊はネッタイシマカ(日本には常在していません)です。 ただし、日本のほとんどの地域(秋田県および岩手県以南)でみられるヒトスジシマカも媒介できます。

③.流行地域
 熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、東南アジア、南アジア、中南米で患 者の報告が多く、その他、アフリカ、オーストラリア、南太平洋の島でも発 生があります。
 現在、最も日本に近い流行地は台湾と言われている。

④.国内の感染状況
 海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後報告されています。 日本国内で感染した症例は、過去60年以上報告されていませんでしたが、2013年には、ドイツ人渡航者が日本で感染したと疑われる症例が報告されました。 また、2014年8月以降、東京都立代々木公園に関連する患者の発生が報告されています。

⑤.治療法
 現時点でのワクチンや治療薬はありませんので、対症療法となります。

⑥.予防法
 国内・海外を問わず、流行地にでかける際は、蚊に刺されないように注意し、長袖、長ズボンの着用が推奨されます。 また蚊の忌避剤(虫除け薬)なども現地では利用されています。

 現時点では、日本にはデング熱の主たる媒介蚊のネッタイシマカは常在していないと言われているが、媒介能力があるヒトスジシマカは日本のほとんどの地域(本州以南)に生息しています。
 このことから、仮に流行地でウイルスに感染した発症期の人(日本人帰国者ないしは外国人旅行者)が国内で蚊にさされ、その蚊がたまたま他者を吸血した場合に、感染する可能性はあり得ます。 
 ただし、仮にそのようなことが起きたとしても、その蚊は冬を越えて生息できず、また卵を介してウイルスが次世代の蚊に伝わることも報告されたことがないため、限定された場所での一過性の感染と考えられます。

 なお、ヒトスジシマカは、日中、屋外での活動性が高く、活動範囲は50~100メートル程度です。国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までです。
 また、近年の温暖化の影響で、活動する範囲(地域)や活動時期(期間)が拡大しつつあるため注意が必要である。








2015/09/21

合成ホルモン剤残留牛肉


( 2015.09.21 )

● 合成ホルモン剤残留牛肉、世界で禁止の動き! 


今、世界的に合成ホルモン剤が残留している牛肉に対する輸入禁止措置が広がっている。

1.合成ホルモン剤とは

 ホルモンは,、本来生体内で作られる物質で、人体であれば男性ホルモン・女性ホルモン・成長ホルモン・・・・等々、特定の生理作用を有するに重要な物質である。

 今回、問題となっているのは、牛の成長促進を目的として使用されているホルモン剤(肥育ホルモン剤、成長促進剤などとも呼ばれている )で、これを使用することにより肉用牛の肥育速度や飼料効率を改善する経済効果があると考えられており、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等、主要な牛肉輸出国で広く利用されている。

・ (主な肥育ホルモン剤使用国)
   米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど 

 肥育ホルモン剤には、ヒトや動物の体内に自然に存在するホルモンを製剤とした天然型と、化学的に合成される合成型があり、現在、牛に使用されていることが世界的に知られている天然型のホルモン剤としては、17β-エストラジオール、プロゲステロン、テストステロンなどがあり、合成型のホルモン剤としては、酢酸トレンボロン、酢酸メレンゲステロール、ゼラノールなどが知られている。

・ (天然型ホルモン剤)
   17β-エストラジオール、プロゲステロン、テストステロンなど

・ (合成型ホルモン剤)
   酢酸トレンボロン、酢酸メレンゲステロール、ゼラノールなど

 
2.合成ホルモン剤の危険性(健康へのリスク)

 輸入牛肉の残留ホルモン剤が、人体に対してガンなどの健康リスクをもたらすとの懸念がひろがっている。

 、2009年10月24日に開催された「第47回日本癌治療学会学術集会」において、北海道大学の半田康医師は、牛肉中のエストロゲン濃度とホルモン依存性癌発生増加の関連を指摘し、 「わが国において乳癌、前立腺癌を含むホルモン依存性癌が急速に増加しているが、これに並行するように牛肉消費量も増加している。
 特に日本・ 国内消費量の25%を占める米国産牛肉は、米国・国内においてもその消費量は先進諸国でも最多で増加傾向にあり、それと同様に乳癌や前立腺癌などのホルモン依存性癌の発生も増加傾向にある。 このことからも、牛肉に含まれる高濃度のエストロゲンの摂取増加が、これらのホルモン依存性癌の発生要因として極めて関連性が高いと考えられる。」と結論付けている。


3.国際機関及び諸外国のリスク評価状況

・ (JECFAの評価)
(JECFA:国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO) 合同の国際食品添加物専門家会議で、動物用医薬品等の残留の安全性を科学的に審議する)

天然型の 17β-エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン、合成型のゼラノール、酢酸メレンゲステロール、酢酸トレンボロンについては、一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量である一日摂取許容量(ADI)が設定されている。

・ (CODEXの評価)
(CODEX:国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)合同の国際食品規格委員会で、食品の国際規格を設定する)

天然型のホルモン剤については肥育ホルモン剤として適正に使用される場合の残留は、ヒトの健康に対して危害となる可能性はないとして、残留基準値そのものが必要ないとされています。
一方、合成型のホルモン剤については、ゼラノール、酢酸トレンボロンの残留基準値が設定されている。
また、酢酸メレンゲステロールの残留基準値案が提案され審議されており、規格案が検討されている。

・ (我が国の状況
 天然型については残留基準値は設定されていないが、合成型のゼラノール、酢酸トレンボロンについては厚生労働省の薬事食品衛生審議会で 1996 年(平成 8 年)にADI 及び残留基準値が設定され、酢酸メレンゲステロールについては、食品衛生法第11条第3項に基づく農薬等のポジティブリスト制度において、制度導入時に新たに残留基準値が設定されており、今後、ADI (一日許容摂取量)設定等について評価、検討がなされる予定となっている。

① 肥育ホルモン剤の承認及び使用について
 我が国においては、1960年代から去勢牛の肥育促進等を効能・効果とする天然型のホルモン剤が動物用医薬品として承認され使用されていたが、1998年には製造・輸入が中止され、1999年には動物用医薬品業者が自主的に承認の取り下げを行っている。
 現在、我が国で承認されているホルモン剤は、家畜の繁殖障害の治療や、人工授精時期の調節などの目的に使用されるもののみで、注射剤等として投与されている。

② 輸入される食肉について
 厚生労働省は、食品衛生法に基づき、毎年、輸入食品監視指導計画を策定し、食肉等の輸入時に検疫所において合成型ホルモン剤などの残留物質のモニタリング検査を実施し検査結果を公表している。
 違反が認められた場合には、食品衛生法により輸入、販売等が停止されるとともに、輸出国政府等に対して違反原因の究明及びその結果に基づく再発防止対策の確立を要請している。
 なお、これまでのモニタリング検査において、輸入牛肉に我が国の残留基準値を超える合成型ホルモン剤が検出されたことはないと言われる。


・ (諸外国等の状況)

① 主な牛肉輸出国(米国、カナダ、オーストラリア)の状況
 米国、カナダ、オーストラリア、では成長促進、繁殖治療目的のいずれについても一定の処方に基づく天然型及び合成型のホルモン剤の使用が認められている
このようなホルモン剤の使用に伴う畜産物の安全性を確保するため、合成型のホルモン剤については残留基準値が設定されているものもあり、また、天然型ホルモン剤については天然に存在する量から一定量の増加の範囲内となるよう使用基準(適正使用規範)が設けられている。

② 欧州の状況
 1988 年、欧州共同体(EC)は、成長促進を目的としてホルモン作用を有する物質を牛に使用することを EC 指令により禁止し、併せて、1989 年、これらを使用した牛肉及び牛肉製品の輸入も禁止した。

この措置は、米国及びカナダとの間で長期間にわたる貿易紛争となっていて、その過程で、欧州連合(EU)の獣医公衆衛生に関する科学委員会(SCVPH)は、1999 年、2000 年及び 2002 年にリスク評価を実施し、2003年、EU はホルモン物質の使用及び輸入禁止に関する指令を改正し、7β-エストラジオールを永続的に使用禁止とし、その他のホルモン物質について、さらなる科学的情報が提供されるまで暫定的に使用禁止した。

 (米国、カナダと欧州の肥育ホルモン剤を巡る貿易紛争の経緯)
 1989 年の欧州共同体(EC)による肥育ホルモン剤を使用した牛肉等の輸入禁止を受けて、米国、カナダは、この輸入禁止は 欧州共同体(EC)産牛肉の保護にあたるとして関税と貿易に関する一般協定(GATT)に提訴し、欧州共同体(EC) からの輸入品に対し報復措置を発動した。

 その後、世界貿易機関(WTO)のパネル及び上級委員会において欧州共同体(EC)敗訴の結論となり、1998 年、WTO の紛争解決機関は欧州共同体(EC)に対して、輸入禁止措置を正当化し得るリスク評価を実施するか、輸入禁止措置を解除するかのいずれか履行するよう勧告した。
 欧州共同体(EC) は、この勧告を期限までに履行することができず、1999 年、WTO の紛争解決機関は米国、カナダによる対抗措置を認めた。

 2004 年、欧州連合(EU)はリスク評価を実施し、関連の欧州連合(EU)指令の改正を行い、WTO の勧告を履行したと報告し、対抗措置の解除を求めた。
 しかし、米国、カナダは、改正された欧州連合(EU)指令は、科学的なものではなく、WTO の勧告を満たしたものではないとし、対抗措置を継続することとしたため、逆に欧州連合(EU)は、米国、カナダの対抗措置を WTO に提訴した。
 2005 年、欧州連合(EU)の要請によりパネルが設置され、現在も議論は継続されている。

③ その他の状況
 ロシアは昨年(2014年)、合成ホルモン剤が残留しているオーストラリア産牛肉の輸入を禁止した。 また、中国政府は香港経由の合成ホルモン剤残留米国産牛肉の輸入を禁止し、それによって米国産牛肉の国際価格低下を招いているとも言われている。


4.求められる「合成ホルモン剤残留輸入牛肉」安全性の合理的な説明

 こうした状況のなかで、先進国で最大の残留ホルモン剤牛肉の輸入国が日本になっている。
昨年(2014年)の日豪FTA合意でオーストラリア産牛肉の輸入量も増加している。
 さらに、TPP交渉では、米国産牛肉関税の一層の引き下げ要求も報道され、日本国民は否応なしに、合成ホルモン剤残留牛肉の消費を押し付けられているとして懸念する意見もある。

 では、日本の食品安全委員会は、合成ホルモン剤の安全性とリスク評価をどのように検討しているのであろうか。

 2007年1月、食品安全委員会は厚生労働省から合成ホルモン剤(酢酸メレンゲステロール)のリスク評価依頼を受けるも、それから3年11カ月も経った 2010年12月になって、やっと食品安全委員会動物用医薬品専門調査会(第129回会合)でリスク評価作業を開始した。

 ところが、2011年2月の同調査会(第130回会合)で引き続いて2回目のリスク評価作業を行っていたが、結論を出さないまま終了し、それから4年7カ月が経過した現在(2015年)に至るまで作業を再開することなく、頓挫したままの状態になっているのである。
 要するに、EUが合成ホルモン剤残留牛肉の輸入を認めない根拠とする情報を入手してから評価の議論を再開すると言うもので、それまでは輸入を認めるということになる。

 いうまでもなく、食品安全委員会で合成ホルモン剤の危険性が認められれば、米国、オーストラリアからの牛肉輸入は全面禁止になり、米国、オーストラリアの畜産業界に大打撃となる。
 米国政府は、食品安全問題でも日米2国間協議を行っており、TPPでも食品安全問題が議論になっている。 それだけに、食品安全委員会がEUの合成ホルモン剤禁止の科学的根拠情報の入手と評価作業を行うことを決めたことを、米国政府が憂慮したことは想像に難くない。

 早急に合成ホルモン剤の安全性が確認できるまでは、国内産および外国産輸入牛肉の規制を強化すべきである。



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●2011年の罹患数(全国推計値)が多い部位

1位2位3位4位5位
男性前立腺大腸肝臓
女性乳房大腸子宮
男女計大腸前立腺乳房


諸外国及び我が国における、牛の合成型ホルモンの残留基準値(単位:ppb)
合成ホルモン
 ゼラノール
 酢酸トレンボロン 
 酢酸メレンゲステロール
         
 JECFA

2 (筋肉)
10 (肝臓)
2 (筋肉)
10 (肝臓)
1 (筋肉)
10 (肝臓)
2 (腎臓)
18 (脂肪)


 Codex

2 (筋肉)
10 (肝臓)
2 (筋肉)
10 (肝臓)
未設定


 米 国

(設定不要)
(設定不要)
25 (脂肪)


 カナダ

2 (筋肉)
10 (肝臓)
2 (筋肉)
10 (肝臓)
6 (肝臓)
14 (脂肪)


オーストラリア

5 (筋肉)
20 (内臓)
2 (筋肉)
10 (内臓)
未設定


  E U

(使用禁止)
(使用禁止)
(使用禁止)


  
  日 本


2 (筋肉)
10 (肝臓)
20 (腎臓)
2 (脂肪)
20 (食用)
2 (筋肉)
10 (肝臓)
10 (腎臓)
2 (脂肪)
20 (食用)
30 (筋肉)
30 (肝臓)
20 (腎臓)
30 (脂肪)
30 (食用)


注)「食用部分」とは、食用に供される部分であって、筋肉、脂肪、肝蔵及び腎臓を除いた部分
をいう。
注)EUにおいては、使用を認めていないことから、検出されてはならないとしている。


○ 関連サイト

・ 厚生労働省 (http://www.mhlw.go.jp/ )

・ 農林水産省 (http://www.maff.go.jp/ )

・ 畜産情報ネットワーク (http://www.lin.go.jp/ )

・ がん情報センター (http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html )









2015/06/10

韓国のMERS、続報!


( 2015.11.26 )

● 韓国国内のMERS・最後の感染者死亡! 


韓国メディアによると、10月11日に韓国・ソウル大学病院に再入院し隔離治療を受けていたMERS(中東呼吸器症候群)患者の男性(35)が25日、亡くなった。

リンパ腫で闘病中だった男性は、6月7日にMERS感染が確認されてから、116日間にわたって治療を受けていた。 10月3日に退院したが、同11日に発熱や嘔吐の症状を訴え、再検査で陽性と確認されたため再入院していた。

この男性の死亡により、韓国国内のMERS感染者はゼロとなり、5月20日に韓国国内で最初の感染者が確認されて以来190日、186人がMERSに感染し、そのうち38人が死亡した。




( 2015.06.18 )

● 韓国のMERS・コロナウイルス感染続報 


 韓国保健福祉部は18日、MERS感染者が新たに3人死亡し、死者は計23人になったと発表した。感染者は3人増え、計165人になった。新たな感染者のうち2人は医療関係者の女性だった。

 死者23人のうち、男性は16人(70%)、女性は7人(30%)。年齢別では、60代が8人と最も多く、70代が7人、50代が4人、80代が3人、40代が1人。全体の91%に当たる21人が慢性疾患患者や高齢者だった。

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 菅義偉官房長官は18日午後の会見で、韓国で感染拡大している中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスについて、韓国で監視対象になった人が日本に入国した事案が3件5人あったことを明らかにした。
 5人の内訳は日本国籍2人、韓国国籍3人と説明。また、韓国からの通報以外に政府が把握した日本国籍1人を合わせ、これまで計6人が国内に入国しており、いずれも保健所による健康監視の対象とした。

 現在のところ、いずれの事例も発症には至っていなく、4名はすでに健康監視の対象期間が過ぎていて、他の日本国籍の2人を監視下に置いているとした。

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 タイ保健当局は18日、中東のオマーンから入国したオマーン人男性(75)が中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。タイでMERS感染が確認されたのは初めて。
 保健当局によると、男性はバンコクの病院で心臓病の治療を受けるため、15日に3人の親族と共にタイに入国。せきなどの症状があり、隔離して検査したところ感染が確認された。容体は安定しているという。
 保健当局はこれまでに男性と接触した59人を特定し、健康状態を観察しているという。 

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 しかし、実は韓国からの流入以上に危惧(きぐ)されるのが、韓国からMERS患者を“輸出”された中国での感染拡大なのだという。

 広東省衛生・計画出産委員会の6月4日付の通達によると、広東省の病院に入院している韓国人のMERS患者と密接接触したことがわかっている78人がようやく全員発見され、隔離された。今のところ2次感染者が発見されたとの発表もない。

 MERSの流行源は中東地域ですが、中国はもともと中東との交易が盛んで、最近は経済成長とともに人の往来がますます盛んになっています。MERSは発症まで2週間ほどの潜伏期間があり、この段階の感染者を空港などで発見することはほぼ不可能。いつ感染者が入国してもおかしくない状況です。

 中国政府は、鳥インフルエンザやサーズの時のように、自国あるいは共産党の不都合なことは報道させない、知らせない体質が対応を遅らせ、感染を拡大させるだろう。

 そして、いったん2次感染が始まった場合、中国では感染者を残らず早期発見することは不可能に近い。さらにこの中国経由のウイルスが日本に流入する際、水際で防ぐことは、ほぼ不可能と言えるだろう。



( 2015.06.10 )

● 韓国のMERS・コロナウイルス感染拡大止まらず! 


韓国保健福祉省は10日、中東呼吸器症候群(MERS)で新たに2人が死亡したと発表、今回のMERS感染で死亡した人は合計9人となった。
 同省はまた、新たに感染が確認され人は13人で、感染者の合計数は108人になったことを明らかにした。 さらに、MERS患者に接触し隔離措置を受けている人は約3500人に達している。死者と感染者の数が増えるにつれ人々の間には不安が広がっており、ソウル(Seoul)や周辺の京畿道(Gyeonggi province)を中心に約2500校の教育機関が休校措置をとっている。

 専門家たちは、MERS診断の遅れと地元の風習(行動慣行)が、韓国での感染拡大を複雑化させたと指摘する。地元の医師たちによると、韓国の患者は診断が確定するまで、さまざまな病院を頻繁に訪れる傾向にあり、これがウイルス拡大につながった可能性があるという。

 マーズはヒトコブラクダが感染源と疑われ、2012年にサウジアラビアで確認された。厚生労働省によると感染経路は正確にはわかっておらず、濃厚な接触や咳の飛沫で感染するとされ、空気感染は確認されていない。

 発熱や咳などの症状が出て、高齢者や疾病のある人が感染すると重症化し死に至るとされ、WHOによると、9日までで、世界25カ国で患者は1218人、うち449人の関連死亡が確認された。

 韓国で最初のマーズ感染者が確定されたのは5月20日。発症者は68歳の男性で、中東のサウジアラビア、アラブ、バーレーンなどで農作業をして帰国。
 その1週間後に発熱と咳の症状が現れ、地元の病院をはじめ計四つの病院を経由したため、2次感染が発生。その2次感染者が治療を受けた、韓国で最先端医療技術を誇るといわれるサムスンソウル病院から数十人の3次感染者が発生した。


 朴政権に対しては、MERS感染への初動対応が遅かったとする批判が集中。支持率も急降下している。


( 2015.06.03 )

● MERS・コロナウイルス感染拡大で、外務省が注意喚起! 


韓国でMERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス感染が拡大していることを受け、日本・外務省は6月2日、韓国や中国への渡航を予定している人や、現地に滞在している日本人に向け、感染予防に務めるよう呼びかける注意文を発表した。


外務省・海外安全ホームページ渡航情報(スポット情報)より)

[韓国及び中国:MERSコロナウイルスによる感染症の発生]

 韓国及び中国への渡航・滞在を予定している方や、現地に滞在している方は、在韓国日本国大使館、在釜山日本国総領事館、在済州日本国総領事館、在中国日本国大使館、在広州日本国総領事館及び在香港日本国総領事館のホームページを含め、最新の情報を入手するとともに、以下2.を参考に感染予防に努めてください。

2.MERSコロナウイルス感染について

(1)一般的にコロナウイルスは飛沫感染や接触感染で伝播し、風邪などの症状を引き起こします。通常その毒性はそれほど強くありませんが、MERSのようにウイルスが変異した場合は強い毒性を持つ可能性もあり、注意が必要です。
 現在、WHOや関係各国は、MERSコロナウイルスの感染経路や臨床経過等について、調査を進めています。

(2)コロナウイルスに対する一般的な具体的予防策は以下のとおりです。

 ● 休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける。
 ● 手指等の衛生保持に心掛ける。
 ● できるだけ人混みを避けるか、マスクの着用を励行する。
 ● 咳やくしゃみの症状がある患者とは、可能な限り濃厚接触を避ける。 ● 温度の変化と乾燥しすぎに注意する。
 ● 高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた時は、適切なタイミングで専門医の診断を受ける。

(3)MERSコロナウイルスの特徴及び上記に追加する具体的予防策は以下のとおりです。

 ● 感染者の約15%が医療従事者であり、救急外来での院内感染が問題となっているため自宅療養が可能な場合は救急外来の受診を控える。
 ● 50歳以上の感染者は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
 ● 慢性疾患(糖尿病、高血圧、喘息、腎障害、心疾患、呼吸器疾患等)を持っている場合は重症化するリスクが高く、注意が必要です。
 ● 感染源である可能性が高いラクダとの接触を避ける。
  ラクダは威嚇行動でつばを吐くことがありますので、不用意な接近は避けてください。また、未殺菌のラクダ乳の摂取は厳につつしんでください。


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● 韓国、MERS・コロナウイルス感染拡大で患者、隔離対象者が急増!


3日午前、韓国・保健福祉部は、MERS・コロナウイルスの感染患者が5人増え30人となったと発表。 患者数が急増し、自宅・機関での隔離対象者も計1364人となった。
 患者を含め、感染疑い者は3日午後12時半現在、398人。 また、隔離対象者のうち自宅隔離が1261人、機関隔離が103人だ。

 累積感染疑い者398人の中には、検査で29人(中国で確診となった患者1人を除く)が陽性反応が出て、残りの369人は陰性判定を受けた。 3日だけでも、追加された感染疑い者は、陽性5人(確診患者)、陰性133人を含む計138人規模だ。

                            ◇

(6月3日午前:現在、感染状況)

・ 感染者 : 30人(含む死亡者2人)
・ 感染の疑い : 398人
・ 隔離措置対象者 : 1364人 (自宅隔離が1261人、機関隔離が103人)


(感染拡大の推定・経路と経過)

(韓国・国内)
第一感染者(男性:68歳)
|  ・ 4月11日~5月3日にサウジアラビアなど中東の数ヶ国を訪問
|  ・ 5月11日 発症(症状が現れる)
↓  

5月12日~15日病院Aで受診
■病院A (受診) ・・・・・ 病気原因不明?    
|  ・ ●第一感染者 ➡ △二次感染者/看護師(女性:46歳)
↓  

5月15日~17日病院Bで再受診
■病院B (検査入院) ・・・・・ 病気原因不明?
|  ・ ●第一感染者 ➡ △二次感染者/他の入院患者・家族・看護師など20人以上
|  ・ 6月1日 二次感染者のうち2人死亡、MERSによる初めての死亡が確認される
|  ・ △二次感染者のうち一人 → 転院
|  ・ ▲三次感染者・二次感染した入院患者(男性)の見舞いに来ていた家族(息子)
|       ↓
↓     (中国へ出国)

5月17日病院Cで再受診
■病院C (受診)  ・・・・・ 病気原因不明?
|  ・ 第一感染者 ➡ △二次感染者/医師(男性:50歳)


5月17日病院Dで再受診
■病院D (受診)  ・・・・・ MERS感染の疑い
|  ・ MERS感染の疑いで、保健当局に遺伝子検査を依頼
|  ・ 5月20日 検査の結果、MERSと診断され隔離
↓  
第一感染者 ⇒ (6月3日現在、隔離治療中)


(中国へ拡大)
三次感染者

|  ・ ■病院Bで入院中の父親を見舞う ・・・ この時、三次感染したと思われる
|   (後日・5月29日 出張先・香港でMERSの感染が確認される)
↓  

5月19日病院を受診
■病院 (受診)
|  ・ 5月19日 発熱症状あり(病院より海外出張の自粛を促される)
↓  

5月26日 中国へ出国
|  ・ 6月26日 香港経由で広東省へ出張
|  ・ 6月27日 韓国政府がMERS感染の疑いを把握し、中国政府に通達
|  ・ 6月29日 中国政府がMERS感染の確認を発表
|  ・ 香港当局、19人を隔離、男性と接触した可能性のある旅行者27人経過観察
↓ 
三次感染者 ⇒ (6月3日現在、隔離治療中)


(国内へ拡大)
二次感染者
|  ・ 病院Bで入院中、第一感染者より感染
↓ 
(転院)
■病院E (入院)
|  ・ 転院先 △二次感染者 ➡ ▲三次感染者/2人 (6月2日感染確認)

(転院)
■病院F (入院)
|  ・ 転院先 △二次感染者 ➡ ▲三次感染者/1人 (6月3日感染確認)





( 2015.06.02 )

● 新型ウイルス・MERS(中東呼吸器症候群)が韓国で急速に拡大 


 MERS・コロナウイルスは、2012年にサウジアラビアで発見されたコロナウイルスの一種。 現時点ではまだはっきりとした治療法が確立されておらず、致死率は40%にのぼるとされています。

 韓国では5月20日に最初の感染が確認され、6月2日までに累計25人が感染、うち2人が死亡。 また中国では5月28日に、香港経由で入国した韓国人男性1人についてMERS感染が確認されている。

 韓国当局は2日、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染者2人が死亡した事を明らかにした。 MERSによる死者は韓国では初めて、新たに6人の感染が報告され、韓国・国内で5月20日に「MERS・コロナウイルス」の感染が最初に確認されて以来、感染者は合計25人、感染の疑いがある約790人が隔離措置となった。

 死亡した2人は先月、サウジアラビアとアラブ首長国連邦、バーレーンといった中東諸国を訪問後、MERSに感染し韓国に帰国した男性(68)と同じ病棟にいて、感染したと思われる。

 現在のところ、MERSへの感染が確認されている患者は25人に増え、2人が死亡する事態となっている。2次感染者と接触したことで発症した3次感染者も確認されており、韓国社会に懸念が広がっている。

 しかし、韓国国民安全処は、MERSの感染状況は深刻なレベルに至ってはおらず、国家の基準としては依然、“注意”の段階であるとの認識を示し、中央災難安全対策本部は設置しないとした。国民安全処の担当者は、「H1N1亜型(インフルエンザ)のときも、患者が300万人に達して初めて安全対策本部を設置した」と語った。

 また韓国・亜洲経済は、中東呼吸器症候群(MERS)の感染者が拡大していることについて、韓国当局者が「300万人が感染して、初めて緊急事態である」という趣旨の発言をしたとも報じた。

 韓国での中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染者数増加を受けて、東アジアで「MERSコロナウイルス」のまん延に対する懸念が高まっている。


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● MERS(中東呼吸器症候群)について


1.MERSとは、

 MERSは、2012年9月にサウジアラビアで最初に確認されて以降、世界に広がっている。 一般的な風邪や重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じコロナウイルス系統に属し、MERS患者の大半は中東で確認されていて、ラクダが同ウイルスの感染源の一つとも言われているが、確かな感染源は不明。

(症 状)
 発熱・せき・息切れ・関節痛・下痢などの消化器症状 など、一般的な風邪の症状と似ていて見分けがつかない。 ただし、感染しても症状が現れない人や、軽症の人もいるが、重症化し肺炎などを併発すると、死にいたることもある)

(潜伏期間)
  最大14日間程度

(治療法)
  予防ワクチンや完治のための有効な薬、確立された治療法はなく、対処療法のみ。)

(感染経路と予防)
 MERS・コロナウイルスの感染源や感染経路についてはまだ不明ですが、インフルエンザなどと同様、おもに飛沫感染(せき・たん など)や接触感染によって伝播するとされていて、できるだけ人混みを避け、マスクや手洗い・うがい・アルコール消毒などによる予防が有効とされている。


2.中東で発生し、世界的に拡大

(WHO資料による、2015年6月1日:現在)

・ 感染国 : 24か国 (サウジアラビア・トルコ・エジプト・米国・マレーシア・フランス・英国・など)
・ 感染者数 : 1154人 (含む死亡者数)
・ 死亡者数 : 434人 
・ 致死率  : 約4割 











2015/05/20

ミツバチ大量死!(続報)


( 2015.05.20 )

● (ミツバチ大量死の続報) 米国が原因究明と予防で特別チームを!


 米国・オバマ政権は、近年、ミツバチの死亡率が急激に上がっている問題で、農薬使用との関連性を究明し、死亡率を改善する取り組みを支援すると発表。
 最近は、特にミツバチの体力が弱まる冬の間の死亡率が上昇しており、今年の冬は23%に達し、政権の目標とする死亡率15%を大きく上回っている。 また、米農務省は今月に入り、4月までの1年間の死亡率は42%に達したと発表している。

 原因について、研究者らは多くの可能性を調査しているが、その1つが殺虫剤、特に広範に使われているネオニコチノイド類の農薬である。
 殺虫剤はまず作物の細胞に吸収された後、花粉や蜜に広がる。 報告書は、米国ではミツバチが多様な農作物の受粉に使われるため、ネオニコチノイドからさまざまな影響を受けていることを示したとしている。

 米国・環境保護局(EPA)は、殺虫剤による被害の可能性や、ミツバチへの影響軽減策についての調査を、今後数年間にわたり主導するとともに、今後のミツバチの健康調査を終えるまでは、この種の化学物質の屋外での使用許可を与えないことを発表した。

 ここ10年間のミツバチ死亡の急増で、研究者らはその解決策究明に懸命になっている。 また、全米養蜂協会によると、過去20年に養蜂業者数が少なくとも半減しているとし、養蜂業者の減少で、毎年150億ドル(約1兆8000億円)相当の農作物の受粉をミツバチに頼っている米農業者にとって大きな痛手となっている。

 今回の環境保護局(EPA)の措置に対して、一部の環境保護団体は、ミツバチの保護には不十分との理由からネオニコチノイド系・殺虫剤のすべてを使用禁止にするよう求めている。

 一方、殺虫剤製造会社の業界団体の「クロップライフ・アメリカ」は、殺虫剤を適切に使用すればミツバチが影響を受けることはないと反論している。

 研究者らは、殺虫剤などの農薬の他に、幾つかの要因がミツバチに影響を与えていると考えている。 質の高いエサが手に入らないことによる栄養不足や、作物受粉のために人為的にしばしば巣を移動させることなどだ。
 もう一つの危険要因は「バロア・マイト(ミツバチヘギイタダニ)」と呼ばれる吸血ダニで、ミツバチを弱らせ巣に病気を持ち込みやすくさせるという。

 いずれにしても、近年のミツバチの減少は、北米や欧州など世界各地で報告されているが、未だに根本的な原因の解明と、有効な対策には至っていない。



( 2015.04.23 )

● ハチが農薬入りの餌好む傾向を確認! 英科学誌「ネイチャー(Nature)」


 英科学誌ネイチャー(Nature)最新号に、人間がニコチン依存症になるように、ある種の殺虫剤にはハチに対する中毒作用があるとする研究論文が発表され、それによると、ハチは殺虫剤を含む餌を敬遠するどころか、むしろ好む傾向が実験で確認されたという。

 英国ニューカッスル大学のジェラルディン・ライト氏らのチームが行った研究で、ハナバチに対して中毒性の誘引作用を持つと指摘されたのは、「ニコチン」の化学構造を基に合成された「ネオニコチノイド」系殺虫剤。
 農薬として広く使われ、作物が成長する際に吸収されて害虫の神経系を攻撃するよう作られている。

 だが、「ネオニコチノイド」には、作物の受粉を媒介するハチの記憶と位置把握機能に混乱を引き起こし、蜜を探し回る能力に悪影響を及ぼす可能性がこれまでの研究で示されていた。

 ライト氏は「今回の研究で、ハチが殺虫剤で汚染された餌を好んで食べるという証拠が得られた」と指摘。
 この結果は、「ネオニコチノイド」には「ニコチン」と同様に薬物のような中毒性があり、それを含有する餌をより魅力的に感じさせる働きがあるのかもしれないことを示唆していると述べている。

 欧州や北米など世界各地では、ハナバチが一斉に姿を消す「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder、CCD)」と呼ばれる現象が起きている。
 CCDの発生原因としては、ダニ、ウイルス、カビ、殺虫剤、これらの要因の相乗作用などが挙げられている。

 ハチは、昆虫による植物の受粉媒介の8割を担っており、その経済効果は世界で年間1530億ドル(約18兆3000億円)を超えると推計される。

■「薬物のように作用」


 研究チームは、自然界に咲く花の蜜に含まれているレベルの複数の濃度の「ネオニコチノイド」系殺虫剤3種(イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン)を添加したショ糖液と、全く含まないショ糖液を用意し、マルハナバチ数百匹とミツバチ数千匹に自由に摂取させる実験を行った。

 「餌を探す年齢のハチはいずれの種も、濃度を問わず3種類のネオニコチノイド系殺虫剤全てを敬遠しなかった。 それどころか、「イミダクロプリド」と「チアメトキサム」を含む液が出る管を選んで摂取していた」という。 ただ、いずれのハチも、「クロチアニジン」を好む傾向は示さなかった。

 ライト氏は実験について「これらの化合物には、ハチの脳に対して薬物と同じように作用する効果があることを示していると思う」と説明している。

 殺虫剤が使用されている地域では、ハチに殺虫剤に汚染されていない餌を与えるという対策が一部で提案されている。 だが、そうした対策を講じたとしても、ハチはあえて汚染された植物の蜜を好んで摂取する可能性があることを、今回の結果は意味している。









2015/04/25

福島第1原発は石棺を


( 2015.04.25 )

● 京都大・元助教の小出裕章氏が、福島第1原発は石棺しかない!



元京都大・原子炉実験所助教の小出裕章氏は、4月25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、事故発生から4年が経過した東京電力福島第1原発について「チェルノブイリのように石棺で(放射性物質を)封じ込めるしかない」と述べ、溶け落ちた核燃料の取り出しを目指す日本政府や東電の方針を否定した。

 日本政府や東電の方針では、まず、格納容器を補修して、水で一杯にして冷却しながら溶けた核燃料を取り出すといったものであるが、現在、圧力容器には穴が開き、格納容器は破壊され水を入れても漏れてしまう状態、まず格納容器の補修は不可能だろう。
 また、1~3号機で溶融した燃料は、格納容器の下にまんじゅうのように固まってはいないで、そこら中に散らばっているか、あるいは底を突き抜けている可能性が高い。したがって上から溶融燃料のほとんどを取り出せないだろう。

 4年たっても現場に作業員が行けない(現場に行けば、人間は即死する可能性が)状態で、石棺の前に1~3号機の貯蔵プールの使用済み核燃料を安全な保管場所へ移す必要があるが、その作業に何年かかるのか全く分からない状況で、それができても、その後の石棺は、少なくとも何百年も続く。

 また、収束作業は、60~80万人規模の作業労働者の被爆を意味し、福島県を中心に、そこに住む人々は、今後何十年もあるいは何百年も、被爆し続けていく。
 タンクから漏れた汚染水で、福島原発敷地全体が放射能の沼のようになっていると考えられ、敷地内の検査用井戸水には基準の数千倍の濃度のセシウムと数十万倍の濃度のストロンチウムが含まれていることが報告されている。

 政府発表では、大気中に放出されてしまったセシウム137の量は、1号機だけで広島原爆の6~7発分、1/2/3/4号機の合計で168発分。 海洋への放出は今も続いている。
 最悪、東京すら放棄しかねなかった原発事故のリスクは極大に甚大で、原発は、現在の人類の科学では、原理的に、制御できない。安全化はできない!ならば、原発は決して稼働してはいけないのではとの見解をのべた。








2015/03/24

除草剤成分に発がん性!


( 2015.03.24 )

● 除草剤「ラウンドアップ」の成分に発がん性! 


 3月23日、世界保健機関(WHO)傘下の専門組織である「国際がん研究機関(IARC)」は、米国・農業バイオ大手のモンサント社などが除草剤に使用している成分「グリホサート」について、発ガンの恐れがあるとの研究報告書を公表した。

 「国際がん研究機関(IARC)」によると、「グリホサート」という物質は、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」の主成分として知られ、他社を含め除草剤として世界で最も多く使われ、農業従事者の体内のほか、大気中や水、食品からも検出されているという。
 「国際がん研究機関(IARC)」は、ラットを使った実験で発がん性が確認されたとして、5段階で上から2番目にリスクが高い「恐らく発がん性がある」(2A)に分類した。

 除草剤「ラウンドアップ」は、日本国内でも一般に使用されており、ホームセンターの園芸用品コーナーや、ヤフー・楽天市場・アマゾンなどのネット通販でも購入することができる。

 今回、世界保健機構(WHO)は、除草剤「ラウンドアップ」をはじめ汎用農薬3種が、人体にガンを誘発する危険が高いとして公式発表した。

 「国際がん研究機関(IARC)」は、「ラウンドアップは『ほぼ確実な発ガン性』があり、すでに使用が禁止された別の二種類の農薬・殺虫剤「マラチオン」と「ダイアジノン」も『発ガン可能性』カテゴリーに分類した」と明らかにした。
 さらに、別の殺虫剤「テトラクロルビンホス」と「パラチオン」は、動物実験で得た確実な証拠により「発ガン性農薬」に分類された。

 ただし、これらはあくまでも動物実験の結果から確認されたものであり、現実的に農薬(除草剤)散布による近隣住民への影響、および耕作または散布された農作物を食物として摂取した場合のグリホサートの体内での検出値は低い水準であった」ともしている。
 また、「国際がん研究機関(IARC)」は、『今回の分類は、外部専門家グループの評価であり国際的拘束力があるものではなく、この農薬に対する規制や合法化、公共保健当局の介入等の有無は、各国家の責任において判断されるべき』と付け加えた。


 今回の「国際がん研究機関(IARC)」の発表に対し、米国・モンサント社は声明で「グリホサートは安全だ」と猛反発している。

 除草剤「ラウンドアップ」は、世界の遺伝子組み換え農作物市場の95%を掌握している米国・モンサント社が、「グリシン」というアミノ酸を利用して作った「グリホサート」という物質を主成分に開発、1974年に発売した汎用除草剤であり、2000年にモンサント社の特許(独占権)が消失した後も、全世界で他の多くの農薬製造会社により生産、販売されている。

 さらに、モンサント社の「遺伝子組み換え作物」は、「グリサホート」系の除草剤に対する耐性を持つように遺伝子操作されたものであり、この除草剤「ラウンドアップ」を使用することを前提として開発されたものであるとも言える。

 したがって、今回の「国際がん研究機関(IARC)」の発表は、とくに全世界の遺伝子組み換え作物の大多数の種子に対する特許権を独占しているモンサント社にとっては、遺伝子組み換え作物の種子や除草剤の販売に大きな打撃を与える可能性があるとも言えるだろう。

 モンサント社は、直ちに報道資料を出し、『市販中の「グリサホート」系のすべての除草剤は、人間の健康を保護するための保健当局の厳格な基準と規制を充足している。
 「国際がん研究機関(IARC)」の今回の発表は、既に検討されたものであり新しいものではなく、信頼に値する科学的データが揃っておらず、「グリホサート」とがん発病増加傾向との因果関係を立証するものでもない』と反論した。


 なお、「グリホサート」については、1985年に「米国環境保護庁(EPA)」が、マウスの実験結果に基づいて「グリホサート」を「ガン誘発可能物質」として分類するも、1991年には別の実験結果を根拠に「発ガン性物質ではない」と再分類した経緯もある。

 しかし、その後にも米国、南米、インドなどの大規模農作物栽培地では、「グリホサート」系・農薬の散布と関連して皮膚・呼吸器・甲状腺疾患などの問題に対する報告が絶えることなく続いている。










2015/02/25

プラスチックがサンゴの餌に、豪研究者が警告


( 2015.02.25 )

● プラスチックがサンゴの餌に、豪研究者が警告! 


 オーストラリア北東部沖の世界最大のサンゴ礁、豪グレートバリアリーフのサンゴが海に漂流する小さなプラスチック片を餌としており、消化されないプラスチックがサンゴや他の海洋生物の健康に重大な害を及ぼすとの懸念を指摘している。

 オーストラリアの科学者たちが24日、学術専門誌「マリーンバイオロジー」に発表した論文によると、グレートバリアリーフから採取したサンゴをプラスチックで汚染された水に入れたところ、サンゴが海洋プランクトンを食べるときとほとんど変わらない勢いでプラスチックを食べたという。

 豪州・ジェームズ・クック大学のミア・フーゲンブーム氏は「グレートバリアリーフにおいて、微小プラスチック(マイクロプラスチック)による海洋汚染が拡大すれば、サンゴの小さな胃腔内は消化できないプラスチックでいっぱいになってしまい、悪影響が及びかねない」と警告している。

 マイクロプラスチックとは、5ミリ以下のプラスチックの微粒子を指し、研究者たちは今回「一つ一つのサンゴ個体(ポリプ)の奥深くに、消化組織に包まれて存在する」プラスチックを確認し、消化されないプラスチックが原因で通常の餌の消化能力が低下する可能性を懸念している。

 論文の共著者・キャサリン・ベリー氏によれば、研究チームがグレートバリアリーフ沿岸のサンゴ礁に近い海から採取した海水からは、ポリスチレンやポリエチレンを含むマイクロプラスチックが少量確認され、海洋生物や食物連鎖に悪影響を及ぼす恐れが高まっている。



● 「グレートバリアリーフ」海域の港湾工事に、世界自然保護基金(WWF)が警告

 問題となっている計画は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているグレートバリアリーフ海洋公園の海域に、石炭積み出し港の拡張工事で発生するしゅんせつ土砂を投棄するというもの。

 豪政府は今年1月、海洋公園内への投棄については禁止命令を出したが、海洋公園周辺の島々や港、湖、河川などは投棄禁止の対象に含まれていない事から、環境保護活動家らは、土砂の投棄によってサンゴや海藻が窒息するほか、土砂から流れ出る有毒物質や有機物が流れ出て海洋の汚染・富栄養化が進み、グレートバリアリーフに著しい損害を与えると警鐘を鳴らしている。

 世界自然保護基金(WWF)の委託をうけ、コンサルタント企業「ダルバーグ・グローバル・ディベロップメント・アドバイザーズ」が今回まとめた報告書では、港湾拡張工事はサンゴ礁海域で行われ、5100万立法メートルもの土砂が海底から掘り起こされると指摘。これにより、サンゴ礁に「壊滅的な被害」が及ぶ恐れがあると述べている。

 また、既存の港湾施設は3分の1が使用されておらず、クイーンズランド州沿岸で石炭積み出し港を拡張する必要はないと断じた。

 ユネスコは既に、土砂投棄計画を受けてグレートバリアリーフの「危機遺産リスト」登録を検討すると豪政府に警告。 今月初めまで「危機遺産リスト」登録の決定を保留し、豪政府がグレートバリアリーフの保護対策を提出するのを待っていたが、グレッグ・ハント豪環境相は、先週、「グレートバリアリーフが危機遺産登録されるいわれはないと明確に説明した」報告書を、豪政府がユネスコに提出したと語った。

 クイーンズランド州政府が導入した保護対策には、優先港湾区域外での新造・拡張工事の今後10年間の禁止などが含まれていると言われるが、これでグレートバリアリーフ海域の環境が守られるのだろうか?










2015/02/01

マダガスカルでペスト、感染拡大!


( 2015.02.01 )

● マダガスカルでペスト、死者40人 WHOが感染拡大を懸念! 


 アフリカ南東部のインド洋に浮かぶ島国マダガスカルで伝染病のペストが流行し、世界保健機関(WHO)の専門家らが感染拡大の懸念を示している。 

 WHOによると、同国では昨年11月からペストの流行が始まり、年末までに少なくとも119人の感染が確認され、40人が死亡したと言う。

 マダガスカルでは、最近発生した洪水で数万人が避難し、大量のネズミが移動したとみられ、今後、感染が拡大する恐れもあると指摘した。 特に、人口が密集する首都アンタナナリボのスラム街で感染が広がっていて、同市内では昨年末までに少なくとも20地区で患者が確認されている。

 ペスト菌は、ネズミなどからノミを媒介として人間に感染、欧州では14世紀に「黒死病」と呼ばれたペストの大流行で約5000万人が死亡したとされる。