2014/12/29

国内の鳥インフルエンザ(H5型)発生!(続報)


( 2015.01.18 )

● 佐賀県有田町の養鶏場でも鳥インフルと確認、7万3千羽の処分開始!


 佐賀県有田町の養鶏場でも17日、鳥インフルエンザに感染した疑いのある鶏が見つかり、同県の遺伝子検査で高病原性のウイルス(H5亜型)と確認、全国の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認され鶏の殺処分が実施されたのは、今シーズン(この冬)5例目となり、佐賀県内での感染確認は初めてとなる。
 
 県によると、養鶏場では15日に4羽、16日に7羽、17日も8羽が死んだため、同日午後1時に「西部家畜保健衛生所(佐賀県武雄市)」に通報した。

 衛生所の職員が養鶏場で簡易検査したところ、陽性と確認。 その後、「中部家畜保健衛生所(佐賀市)」において詳細な遺伝子検査をした結果、18日午前2時50分ごろ、高病原性と確認した。

 感染の確認結果をうけ、県は18日未明、この養鶏農家が町内の二ヶ所の養鶏場で飼育する計約7万3千羽の肉用鶏の殺処分を開始した。


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 ウイルス感染養鶏場(殺処分実施)   野鳥の感染確認 


( 2015.01.16 )

● 岡山県笠岡市の養鶏場でも鳥インフルエンザ感染確認で約20万羽の鶏の殺処分へ!


 岡山県は15日夜、笠岡市の養鶏場で死んだ鶏を遺伝子検査した結果、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)の感染を確認したと発表、国の防疫指針に基づき、この養鶏場で飼育している約20万羽の鶏の殺処分を16日朝から開始するとともに、半径3キロ以内を家禽(かきん)の移動制限区域、半径10キロ以内を搬出制限区域に設定した。

 伊原木隆太・岡山県知事は、対象となる鶏の数が膨大であるため、自衛隊の派遣を要請した。

 これに関し、安倍晋三首相は、防疫措置の徹底と迅速に進めることなどを指示し、阿部俊子農林水産副大臣が16日、状況把握と防疫対応のため岡山県庁を訪問する予定を発表。



( 2014.12.30 )

● 山口県長門市の養鶏場でも高病原性鳥インフルウイルス感染確認で3万7千羽を殺処分!


 山口県長門市日置中の養鶏場で、28日から29日にかけて計21羽が死に、29日の簡易検査で陽性と判明。県がさらに詳しい遺伝子検査を実施したところ、「H5亜型」のウイルスが確認された。

 山口県は、鳥インフルエンザウイルスのまん延を防止するため、この養鶏場で飼われている約3万7000羽の鶏の殺処分に着手。半径3キロ以内を家禽(かきん)の移動制限区域、半径10キロ以内を搬出制限区域に設定した。 高病原性鳥インフルエンザは今冬、宮崎県で2例の感染が確認されており、今回で3例目となった。

 政府と都道府県、農家は感染防止に全力を挙げているが、鳥インフルエンザは、渡り鳥や小動物を介して家畜の鳥にウイルスが広がると考えられているが、感染経路の特定が困難で、完全に封じ込めるのは限界があるとみられている。

 例年だと1月から2月中旬が感染発生のピークであることから、今年は何時もより発生状況が早く、全国的な更なる感染拡大が心配されている。



( 2014.12.29 )

● 山口県長門市の養鶏場でも高病原性鳥インフル感染の疑い!


 山口県は29日、県内で高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した疑いのある事例が確認された、と発表した。県によると、同県長門市の養鶏場で感染した疑いのある鶏が見つかったという。この養鶏場では、約3万7千羽の肉用種鶏を飼育している。県は同日午後6時半から対策会議を開き、対応を協議する。

 山口県内では2004年に同県阿東町(当時)の養鶏場の鶏から高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出され、11年には同県宇部市の公園で死んだコクチョウなどから高病原性のウイルスが確認された。

 今年は韓国で高病原性鳥インフルエンザが猛威を振るい、日本国内でも感染した鳥が各地で確認されている。今季は宮崎県延岡市や宮崎市の養鶏場の鶏、鹿児島県出水市のツルのほか、島根、千葉、鳥取の各県でも鳥への感染が確認され、自治体などが警戒を呼びかけている。



( 2014.12.29 )

● 鳥インフルで、九州・宮崎市の養鶏場が4万羽の殺処分! 


 宮崎市高岡町の養鶏場でも、高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)が確認された問題で、県は29日朝までに国内で今年2例目となる殺処分が行われた。
 宮崎県によると、養鶏場は鶏が相次いで死んだことから28日午前、簡易検査を行った結果、陽性であったことから県に通報した。 県は遺伝子検査の結果を踏まえて国と協議し、29日午前0時から養鶏場の約4万2千羽を殺処分、午前6時50分に終了した。

 宮崎県延岡市北川町の養鶏場でも、今月の14日から15日にかけて鶏29羽余りが死に、高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)が検出されたことから、約4千羽が今年になり国内最初の殺処分となった。



( 2014.12.20 )

● 岐阜県の野鳥の死骸からも鳥インフルエンザ(H5N8型)確認! 


  岐阜県は20日、同県可児市で今月12日に発見された野鳥のオシドリの死骸から、高病原性の鳥インフルエンザウイルス「H5N8亜型」が検出されたと発表した。

 オシドリの死骸は今月12日、可児市緑の民家の庭で発見され、遺伝子検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出ていた。
 県によると、同県内での高病原性鳥インフルエンザウイルスの検出は初めてで、今のところ県内の養鶏農家から異常があるとの通報はないという。

 北国から渡り鳥が越冬のため飛来するこの時期、ウイルスに感染した野鳥による日本国内での更なる感染拡大が懸念されていて、この秋、既に鹿児島県、鳥取県、千葉県では野鳥のフンや死骸から同様のウイルス「H5N8亜型」が検出、宮崎県延岡市では養鶏場の鶏が感染し、約4000羽が殺処分されている。


( H5N8型・鳥インフルエンザは極めて毒性の強い高病原性のウイルスであり、渡り鳥の媒介により感染が拡大している可能性が指摘されていて、日本の農林水産省によると、冬季越冬のためシベリアからの渡り鳥が、朝鮮半島を経由して日本に来ることも多く、過去にも韓国で鳥インフルエンザが流行した後に日本で発生したことがあり、今年も1月頃より韓国で大規模な感染が発生し、アヒルなど1400万羽もの大量処分をする事態となっていることから、日本政府も渡り鳥が大量に移動してくる秋から冬・春先にかけて国内へのさらなる感染拡大が懸念され、警戒を強めている。 )




( 2014.12.16 )

● 延岡市の養鶏場で鳥インフルエンザ(H5型)発生! 


 宮崎県の延岡市北川町にある養鶏場で、今月の14日から15日にかけて鶏29羽余りが死に、検査した5羽のうち3羽から「H5型」という強い毒性を持つおそれがある鳥インフルエンザウイルスが遺伝子検査で検出された。
 これを受けて、宮崎県は延岡市などと共に、16日午前2時半からこの養鶏場で飼育されているおよそ4000羽の鶏すべての処分を始めた。

 また、宮崎県はこの養鶏場から半径3キロ以内にある養鶏場1か所に対して、鶏や卵の移動を禁止するとともに、半径3キロから10キロ以内にある養鶏場1か所に対しても、域外への出荷を禁止する措置を取り、さらに、半径10キロ以内の8か所の道路に消毒するポイントの設置を進めていて、通行車両に対する消毒を行っている。


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 宮崎県内では、3年前の平成23年1月にも宮崎市や延岡市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、その後、延岡市や都農町などでも感染が相次ぎ、3月にかけて8つの市と町の合わせて13の養鶏場で、鳥インフルエンザの発生が確認され、県内で100万羽余りの鶏が処分された。
 このとき、検出されたウイルスは毒性の強い「H5N1」型で、当時、全国各地の野生のツルや白鳥、それに飼育されている鶏などから相次いで検出されていた型と同じで、およそ2か月間にわたって、県内で飼育されている鶏のおよそ45%に当たる1000万羽余りの出荷が見合わされたことなどで、養鶏業界全体での被害額は90億円余りに上った。

 今年は、全国各地の野鳥やそのフンから「H5N8型」鳥インフルエンザウイルスが見つかっており、各自治体でも鶏などに感染が拡大しないか警戒を強めていたところであった。

 前回の感染が拡大した2010年冬から2011年春にかけては、たくさんの野鳥から鳥インフルエンザウイルスが見つかり、養鶏場だけでなく、動物園などにも感染が拡大したが、今回もウイルスの型は異なるものの、状況はよく似ているとも言われている。

 毎年、冬になると中国北部やシベリアなどから越冬のためにツル・ガン・カモなど多くの渡り鳥が朝鮮半島を経由して日本列島に飛来してくるケースも多く、これらの野鳥が鳥インフルエンザウイルスの感染拡大の一因になっているとの指摘がされている。

 今年は、特に韓国で1月頃より「H5N8型」鳥インフルエンザウイルスの大規模な感染が発生しており、アヒルなど1400万羽もの大量処分をする事態となり、さらにそのウイルスに感染した野鳥たちによって夏の営巣地であるシベリアに運ばれ、そこで感染を繰り返し、この秋から冬にかけ、再び世界に分散していった可能性が指摘されていた。

 それを裏付けるかのように、この冬ドイツやオランダ、イギリスなどでは、すでに「H5N8型」ウイルスによる鳥インフルエンザの大発生が報告されている。




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(環境省WEBサイト/高病原性鳥インフルエンザに関する情報)より抜粋

● 野鳥との接し方について

 鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除いて、通常では人には感染しないと考えられています。日常生活においては、鳥の排泄物等に触れた後には手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありませんので、冷静な行動をお願いします。
 また、死亡野鳥に素手で触らない他、野鳥のいる公園等に行った際は、靴で糞を踏まないよう十分注意するようお願いします。

【現在の対応レベル】
対応レベル3(国内複数箇所発生時)

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・ 鹿児島県で野鳥の死骸から強毒性鳥インフル検出   (2014.12.10)

  12月7日、鹿児島大学が行った遺伝子検査により、鹿児島県出水市で回収された死亡野鳥(ナベヅルの死亡個体)から鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)が検出されたと発表。

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・ 千葉県で野鳥のふんから強毒性鳥インフル検出   (2014.12.03)

 11月20日、千葉県が独自に行っている渡り鳥糞便調査(11月18日に採取)の遺伝子検査により、千葉県長生郡長柄町で採取したカモ類の糞便2検体から、鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)遺伝子が検出されたと発表。
 このため、全国の対応レベルを3に引き上げるとともに、11月23日~25日に野鳥緊急調査チームを派遣。

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・ 鳥取県で野鳥のふんから強毒性鳥インフル検出    (2014.11.27)

 環境省は11月27日、鳥取市で採取したカモ類のふんから毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)を検出したと発表した。


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・ 島根県で野鳥(コハクチョウ)のふんから強毒性鳥インフル検出    (2014.11.3)


 11月3日に島根県安来市において採取されたコハクチョウの糞便から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)が検出された。


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・ 韓国・高病原性鳥インフルエンザ(H5N8亜型)の発生通報    (2014.09.26)

 9月25日、韓国当局から国際獣疫事務局(OIE)を通じ、韓国全羅南道霊岩(ヨンアム)郡の肉用あひる農場において、高病原性鳥インフルエンザ(H5N8亜型)の発生が確認された旨の通報があり、このことから、国内ではこれから本格的な冬鳥の飛来シーズンを迎えることから、常時の「対応レベル1」から、近隣国発生時の「対応レベル2」に引き上げ、監視体制等を強化して対応。




( 2014.01.27 )

● H5N8型・鳥インフルエンザが韓国で急速に拡大 


 今年になり、韓国ではH5N8型・鳥インフルエンザの鳥への感染拡大が確認されていて、1月16日に南西部・全羅北道のアヒル農場で最初に感染の疑いが報告されて以降、17日には農場近くの貯水池でも渡り鳥のカモが大量死しているのが見つかり、いずれもH5N8型・鳥インフルエンザの感染が確認されたという。
 その後、全羅南道や忠清南道の農場へと感染が広がり、26日には首都圏である京畿道の湖で採取された野鳥のフンからもウイルスが検出されており、当局はさらなる感染拡大を防ぐため、26日までに43の農場のアヒルとニワトリ計約64万羽が殺処分された。

 H5N8型・鳥インフルエンザは極めて毒性の強い高病原性のウイルスであり、渡り鳥の媒介により感染が拡大している可能性が指摘されていて、日本の農林水産省によると、冬季越冬のためシベリアからの渡り鳥は朝鮮半島を経由して日本に来ることが多く、過去にも韓国で鳥インフルエンザが流行した後に日本で発生したことがあり、日本政府も国内へのさらなる感染拡大が懸念され、警戒を強めている。

 我が国における鳥インフルエンザの状況については、平成22年11月以降、9県24農場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたが、平成23年3月24日、全ての防疫措置が完了し、国際獣疫事務局(OIE)が定める基準に基づいて、鳥インフルエンザ清浄国に復帰したことを宣言。
 なお、アジア周辺諸国では、依然として高病原性鳥インフルエンザが発生しており、我が国においても水際検疫の体制強化、感染の早期発見、ウイルス侵入防止に向けた徹底した対策が望まれる。

 鳥インフルエンザのウイルス自体は通常、人には感染しないが、感染した鳥と濃厚な接触を持つことにより、ウイルスが変異することで人にも感染する危険性があり、新型インフルエンザの中には、鳥のインフルエンザ・ウイルスが変異し、人へから人へと感染を拡げ、人類の脅威となった事例が多くある。








2014/12/17

北欧のアザラシ大量死、鳥インフル原因か


( 2014.12.17 )

● 北欧のアザラシ大量死、鳥インフル原因か! 


 スウェーデンとデンマークの沖合で今年、鳥インフルエンザの流行によりアザラシ約3000頭が死んだ恐れがあると、スウェーデン当局が16日、発表した。ドイツ当局も先月、同様の報告をしていた。

 スウェーデン海洋・水管理庁は、声明で「スウェーデンとデンマークの海域で今年に入ってから現在までにゼニガタアザラシ約3000頭が死んだ。これらのアザラシはH10N7型の鳥インフルエンザウイルスに感染した可能性がある」と述べた。


 ウイルスが初めて検出されたのは今年4月、スウェーデン南西部のイエーテボリ(Gothenburg)沖で見つかった病気のアザラシやアザラシの死骸からだった。海洋・水管理庁によると、死んだアザラシの数は当初想定していたよりもはるかに多かったという。

 10月時点では、ウイルス感染で死んだアザラシの数は700頭ほどと推定されていた。だが現在、専門家らは、死んだアザラシの大半が海に沈んだため、死んだ個体数の推定は困難だと考えている。

「感染したアザラシの個体数や感染の広がり度合いについて、われわれはまだ全体像を把握していない」と、海洋・水管理庁の生物学者は語った。
 スウェーデン海洋・水管理庁は、スウェーデン海域のアザラシの大半がウイルスに感染したものの、抗体を作り身を守ったアザラシが多かったとみている。
 スウェーデンには推定1万頭のアザラシが生息しているといわれている。

 また11月末、ドイツ北部のシュレスウィヒ・ホルシュタイン州当局は、推定生息数1万3000頭のアザラシのうち、約1600頭が鳥インフルエンザウイルスに感染し死んだと報告していた。
 ノルウェーやオランダでも、鳥インフルエンザに関連したアザラシの死の報告が出ている。






( 2014.11.18 )

● 英国とオランダで相次ぎ鳥インフル検出、家禽を殺処分! 


 英国とオランダの当局は16日、国内の家禽農場で鳥インフルエンザウイルスが検出されたと相次いで発表した。


 オランダ政府は、「高病原性」の鳥インフルエンザウイルスが同国中部の家禽農場で検出されたと発表。非常に危険なウイルスで「人に感染する恐れが高い」として、国内の家禽の移動を禁止した。保健当局が中部ヘーケンドルプの農場でニワトリ約15万羽の殺処分を開始したという。

 一方、英環境・食料・農村省は、イングランド北部ヨークシャー州の家禽飼育場で鳥インフルエンザウイルスを検出したため、飼育場周辺を封鎖し家禽の殺処分を開始したと発表した。

 検出されたウイルス株について詳細は公表していないが、人体に危険を及ぼす恐れは「非常に低い」としている。

 鳥インフルエンザをめぐっては2003年、致死率の高いH5N1型ウイルスが東南アジアを中心に猛威を振るい400人以上が命を落としている。また、2013年に初めて検出されたH7N9型ではこれまでに170人以上が死亡している。








2014/11/15

赤トンボ減少の背景


( 2014.11.15 )

● 赤トンボ減少の背景に新農薬の使用が! 


 20年ほど前までは、日本中の至るところで見られた赤とんぼ(アキアカネ)。これが’2000年前後を境にして、半数以上の都府県で1000分の1以下に激減しているという研究結果が報告されている。

 研究者によると「アキアカネの個体数については、過去の詳細なデータがほとんど残っていないため、残されている数少ないデータをもとに減少パターンを推計したところ、2000年前後を境に全国的な激減が起きていた」という。

 その原因としては、減反政策による田んぼの減少や、温暖化による環境の変化、湿田の乾田化などの影響が考えられるが、しかし急激な減少は、それだけでは説明がつかないという。

 そこで研究者らが指摘するのが1990年代に認可された新農薬の使用。

 「イミダクロプリド」、「フィプロニル」といった成分を含む新しいタイプの農薬で、「浸透性殺虫剤」と呼ばれ、イネの育苗箱用殺虫剤として広く使われるようになる。
 稲の苗が、根から農薬の殺虫成分を吸収、その葉などを食べた害虫を殺すというもので、田植え後の農薬散布の手間が省け、成分が環境中に撒かれないことから“エコ”な農薬ともいわれていた。

 新農薬(浸透性殺虫剤)と、従来の農薬を使用した場合のアキアカネ羽化率を比較した結果、従来の農薬を使った場合は、農薬を使用しなかった場合と同程度の羽化が見られたが、新農薬タイプの「フィプロニル」を用いた場合はまったく羽化せず、同様の「ジノテフラン、イミダクロプリド」といった殺虫剤でも、30%ほどしか羽化しなかったという明らかな違いが見られたことから、新農薬の普及とアキアカネ減少には、因果関係があるのではないかとの研究結果が出された。

 さらに、各種の農薬(殺虫剤)の都道府県別流通量から推定される地域別使用状況から、新農薬タイプの出荷量が増加した地域と、アキアカネが減少した地域の一致が見られたことから、アキアカネ激減の要因は、フィプロニルなど新農薬の増加だということがほぼ明らかになったと言う。

 例えば、福井県のA市は、今もアキアカネの大群が見られ、全国でも希少な生息地の一つであるが、A市で多く使われているのは「カルタップ」という成分の旧来からの農薬であり、一方、隣接する地域でも「フィプロニル」を成分とする新農薬タイプを使っていたところでは、アキアカネの数が激減していると言う。








2014/11/10

中国主席の随行団が象牙を大量密輸か


( 2014.11.10 )

● 中国の大量密輸でアフリカゾウの大量殺りくか?



中国で象牙需要増でアフリカ野生象の殺りく拡大!


 近年、アフリカでの野生象の象牙目的の密猟に懸念が高まっている 。背景に中国による象牙の大量密輸が。

 昨年、中国の習近平(シーチンピン)国家主席がタンザニアを訪問した際、随行していた政府関係者らが象牙を大量購入していたと環境団体から非難の声が上がっている。

 環境保護団体「環境調査エージェンシー(EIA)」は、2014年11月7日までに象牙の密猟などに関する報告書を出し、習主席の随行団が大量の象牙を買い込んだとするタンザニアの象牙業者2人の証言を明らかにした。

 また業者は、中国人が大量の象牙の買い付けを始めたのは習近平の訪問の半月前だったとも言及。買い付けられた象牙は外交封印袋に入れられ、習近平の乗った航空機で中国まで運ばれたという。

 密売業者によれば、象牙価格は習近平の訪問中、通常の2倍の1キログラム当たり700ドルまで上昇したという。

 2010年のEIA報告書によれば、09年に当時の胡錦涛(フーチンタオ)主席がタンザニアを訪問した際にも同じようなことが起きた。また06年にもEIAは、中国大使館職員が得意先だとする象牙密売業者の証言を得ている。

 EIAの報告書によれば、タンザニアでは他の国々よりも象の密猟が盛んに行われており、2013年だけでも1万頭が殺されたという。

 「中国を中心とした規制が不十分な象牙市場の旺盛な需要増に応えるために、タンザニアでのゾウの密猟は続いている」と報告書は指摘している。

 中国外務省の洪報道官は報告書について、「根拠がない」「わが国は象など野生動物の保護を重視しており、他国と協力している」と述べて、強い不満を示したというが、国家を代表する指導者自らが関与していたとしたら、国際的批判は免れないであろう。

 近年、南シナ海のマレーシアやフィリピン海域では、ワシントン条約で保護されているはずのウミガメが、条約無視の中国人による乱獲で絶滅の危機にさらされている。
 
 さらに、台湾や日本の領海域でも、保護海域の赤サンゴが200隻以上の船団を組んだ中国人漁船による密漁で、生息域が壊滅の危機にさらされ、いずれも国際問題に発展してきている。

 中国政府が重視している保護動物といえばジャイアントパンダとトキくらいのものだろうか。

 ましてや自国民が他の国の領海内で密漁しようが、乱獲の結果絶滅しようが相手国に責任転嫁し、我関せずの態度で、これが大国を自負する中国の姿である。


 ある香港メディアの論説では、「中国が勃興すれば、象牙で金儲けしようとして、アフリカの象を毎年2万頭も皆殺し、南シナ海では石油をめぐって争い、開発をめぐって争う。南シナ海のウミガメもおしまいだ。サンゴは砕かれる。(美味で知られる魚の)サギフエもハタも食いつくされるであろう」などと論じられていた。


 ただ、わが国もマグロやニホンウナギの問題を抱え、捕獲量の規制等により保護の対象として早急に対策を取らなければ国際的な非難は免れないであろう。







2014/07/26

中国産・輸入食品、大腸菌、殺虫剤まみれ


( 2014.07.26 )

● 中国産食品の高まる輸入依存度、大腸菌・殺虫剤まみれの食材ゴロゴロ


 中国の食汚染が再び、日本の外食産業に激震を走らせた。上海の食品会社が使用期限の切れた鶏肉を使っていたことが発覚し、取引のあった日本マクドナルドやファミリーマートが一部商品の販売を取りやめた。
 これまでも、度々、報道メディアなどで取り上げられてきた中国産食品の危険性が、またもや明らかになった格好だ。専門家は「中国産食品への依存を見直さない限り第2、第3の事件は起きる」と警鐘を鳴らしている。

 床にこぼれ落ちた肉塊を平然と調理鍋に投げ入れ、期限切れの肉を当たり前のように使い回す。

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 中国・上海のテレビ局が報じた食品加工・工場内部の映像は衝撃的だった。

 ずさんな衛生管理の実態が発覚したのは、上海の食肉加工会社「上海福喜食品」。同社では使用期限が半月過ぎた鶏肉や青カビが生えた牛肉を日常的に使っていたという。

 同社から「チキンナゲット」の約2割を輸入し、国内全体の約4割に当たる約1340店で販売していた日本マクドナルドと、「ガーリックナゲット」用などに輸入し、約1万店で店頭に並べていたファミリーマートは、メニューの販売中止に追い込まれた。

 今回の問題は、他の外食チェーンにとってもひとごとではない。

 ガストなどを展開するファミリーレストラン最大手「すかいらーく」は「問題になった上海の会社との取引はない。中国食品の取り扱いはあるが、厳しい検査基準をクリアしたものだけを使っている」と強調。牛丼大手「吉野家」を展開する吉野家ホールディングスは「国内外含めて問題となった会社との取引はない」とし、「中国産食品の取り扱いについては担当者不在のため回答できない」とした。

 日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は中国産鶏肉の使用はなく、「小麦の一部に中国産を使っているが、食品の安全管理には万全を期している」と話した。

 主だった外食チェーンは安全性をアピールするが、消費者としては不安は尽きない。背景には、何度となく「食のチャイナリスク」に直面してきたことがある。


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 2012年には、抗生物質や成長ホルモンが過剰投与された『速成鶏』と呼ばれる鶏肉が、KFCの中国法人で使われていたことが判明した。日本では07年から08年にかけて毒ギョーザ事件が発生し、食べた10人が中毒症状を訴え、1人が一時重体に陥った。米国や欧州各国でも、中国産のペットフードによるペットの大量死が起きるなど事件が相次いでいる。

 厚生労働省がまとめた「輸入届出における代表的な食品衛生法違反事例」で日本に輸入される際に摘発された中国産食品を調べてみると、危ない食材がゴロゴロと出てくる。

 大腸菌まみれの「蒸し鶏」、漂白剤が残存する「乾燥きくらげ」、下痢性貝毒に汚染された「冷凍あさり(むき身)」、猛毒のヒ素が検出された「清涼飲料水」もあった。

 違反事例は、食品専門商社などが輸入する際、厚労省のモニタリング検査などで汚染状況が判明したケースで、現実には日本国内に流通することはなかった。

 だが、厚労省の医系技官で検疫官の経験者は「問題のある食品を(検疫所で)すべてシャットアウトするのは事実上、不可能。輸入食品の水際検査を行う食品衛生監視員はわずか399人(13年3月末時点)。検査機能を備えるのは横浜と神戸の検疫所だけで、マンパワーとインフラの両方が不足している」と説明。中国政府が、現地にしっかりとした検査機関を設置しない限り汚染食品の流入は防ぎようがないという。

 中国の食汚染の要因について、「生産業者の規範意識(モラル)の低さはもちろんだが、業者間の競争が激化していることも一因だ。一般論だが、彼らは悪いことをしているという認識の前に、コストを少しでも浮かせて利益を得たいという意識がある。競争を勝ち抜くため、期限切れのものを使ったり過剰に農薬を投与したりして不正を働く側面がある」と指摘する専門家もいる。


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 食材の危険性がクローズアップされても日本の中国依存は弱まらない。

 財務省がまとめた貿易統計によると、昨年度(2013年)の中国産食品の輸入高は約8701億円。日本は最大の輸入相手国である米国の1兆2646億円に次ぐ高さで、00年度の約6503億円から約33・8%も取引量が増えた。

 日本の食料自給率も1992年にカロリーベースで46%だったが、2012年には39%に減り、輸入食品頼みが続いている。

 根本的な解決を目指すなら、日本の食糧事情を見直すべきで、この状況なら中国産食品での第2、第3の事件はいつ起きてもおかしくはないと指摘する声もあり、中国発の「毒食品」にむしばまれる前に早めの対策が求められている。


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■ 中国輸入食品の代表的な食品衛生法違反事例(一部抜粋) 

 品名 違反内容 

・ うるち精米      ・・・・ 腐敗、変敗、カビの発生 
・ たらこ        ・・・・ 発色剤・亜硝酸根の過量残存
・ ナッツ類(くるみ)  ・・・・ アフラトキシン(カビ毒)の検出 
・ ピータン       ・・・・ 指定外添加物の製造用剤・酸化亜鉛の含有 
・ ゆで小豆       ・・・・ 成分規格不適合(細菌試験) 
・ 塩蔵タケノコ     ・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 塩蔵らっきょう    ・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 塩蔵生姜       ・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 乾燥きくらげ     ・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 乾燥しいたけ     ・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 乾燥だいこん(切干大根)・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 魚肉ねり製品     ・・・・ 成分規格不適合(大腸菌群) 
・ 魚肉ねり製品(ウナギつくね串)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌群) 
・ 春雨         ・・・・ 漂白剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 小豆         ・・・・ 成分規格不適合(ジクロルボス) 
・ 食肉製品(ソーセージ)・・・・ 成分規格不適合(亜硝酸根) 
・ 食肉製品(ポークソーセージ)・・・・ 成分規格不適合(亜硝酸根) 
・ 食肉製品(牛舌スライス)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 食肉製品(牛舌串さし)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 食肉製品(焼き鳥・つくね串)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 食肉製品(蒸し鶏)  ・・・・ 成分規格不適合(大腸菌群) 
・ 食肉製品(炭焼き鴨ネギ串)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 食肉製品(炭焼きつくね串)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 食肉製品(備長直火焼きチキン)・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 清涼飲料水      ・・・・ 成分規格不適合(ヒ素) 
・ 冷凍あさり(むき身) ・・・・ 下痢性貝毒の検出 
・ 冷凍エビ       ・・・・ 酸化防止剤・二酸化硫黄の過量残存 
・ 冷凍カキ(むき身)  ・・・・ 下痢性貝毒の検出 
・ 冷凍ハンバーグ    ・・・・ 成分規格不適合(生菌数) 
・ 冷凍ビーフコロッケ  ・・・・ 成分規格不適合(大腸菌) 
・ 冷凍蒲焼きウナギ   ・・・・ 成分規格不適合(大腸菌群) 
・ 冷凍鶏肉       ・・・・ 成分規格不適合(合成抗菌剤のクロピドール) 
・ 冷凍餃子       ・・・・ 成分規格不適合(生菌数)

(※厚生労働省の「輸入届出における代表的な食品衛生法違反事例」から抜粋して作成。ジクロルボスは有機リン系の殺虫剤、E.coli(イー・コリ)は大腸菌の学名の略)







2014/07/24

ベトナム産シシャモ、異物混入問題で自主回収!


( 2014.07.24 )

● ベトナム産「冷凍シシャモ」に汚物、殺鼠剤混入か!



 山口県長門市の「伊村産業」が、ベトナムから輸入した冷凍ししゃもに汚物や殺鼠剤(さっそざい)のようなものが混入していたことが分かり、問題のシシャモの輸入と販売を停止し、商品の回収を進めている。

 今月15日、問題の「冷凍ししゃも」を購入した小売店が、段ボールを開けたところ、ビニール袋に梱包されたししゃもの上に、汚物とみられるものと殺鼠剤のような薬品が乗っているのを見つけた。

 厚生労働省と山口県の調査で、問題のシシャモは、少なくとも10都府県に流通していることが分かった。
 厚労省はシシャモを製造したベトナムの水産物加工会社「リッチ・ビューティー・フード」の商品の輸入手続きをいったん止めるよう、全国の検疫所に指示するとともに、商品を食べないよう注意を呼び掛けている。 

 厚生労働省によると、今までのところ健康被害などの報告はされていないと言う。










2014/07/22

上海の食肉工場で、期限切れ肉偽装か!


( 2014.07.22 )


● 上海の食肉工場で、期限切れ食肉の使用疑惑


 7月21日、中国の上海市当局は、米国の食品卸売大手OSIグループ傘下の、中国企業「上海福喜食品有限公司」の上海工場で、保存期限の切れた食肉をマクドナルドやケンタッキーフライドチキン(KFC)などの大手ファストフードチェーンに納入していたとして、米国の食品卸売大手OSIグループ傘下の上海福喜食品有限公司の上海工場を閉鎖したと発表した。

 また、上海のテレビ局は、OSIグループの中国工場が、期限切れの食肉を新鮮な食肉と混ぜてマクドナルドの品質検査を欺いているとの疑惑を報じていた。

 問題の工場はマクドナルド、KFC、バーガー・キング、パパ・ジョンズ・ピザ、サンドイッチチェーンのサブウェイ、コーヒーチェーン大手スターバックスなどに食肉を納入していたといわれ、事態を受け、マクドナルドは問題の工場の製品の使用を即時に中止したと発表。
 KFCとピザハットを傘下に持つ米外食大手ヤム・ブランズも、同様の措置を取ったことを明らかにした。

 中国ではたびたび食の安全を脅かす事件が起きていて、規制の甘さや製造側の手抜き、食の安全性への認識・モラルの欠如などが言われていて、今回問題となった「上海福喜食品有限公司」をめぐっては、以前から従業員が工場の床に落ちた食肉を拾って食材に戻している姿や、半年以上期限切れの食肉を混ぜている姿がテレビで報じられていた。

 同社は保存期限の切れた変質した肉類原料を大量に使用し、保存期限シールを貼り替えるなどの偽装工作をしていた。中には期限が7カ月過ぎ、カビが生えた冷凍品まで扱われていたという。同社の作業員は「期限切れだからと言って、食べても死にはしない」などと話していたが、こうした肉で製造されたチキンナゲットやステーキ、ビーフパティなどは、主要なファストフードチェーンに販売されていた。特に鶏肉加工品は中国に優先的に供給されていたという。

 米国・小売り大手ウォルマートは、今年初め、中国の店舗でロバ肉として販売されていた製品にキツネの肉が混入していたことが発覚し回収を強いられたとして、中国の納入業者に対する検査を強化すると発表していた。
 また、昨年には牛肉や羊肉と偽ってネズミやキツネの肉を販売していた食品偽装の疑いで、数百人が逮捕されている。

 中国では“外国のブランド製品は品質管理が厳格”と考えられており、消費者も信頼していたが、2013年には、KFCで成長促進剤が投与された「速成鶏」が原料として使用されていたと報じられるなど、外国のブランドであっても、中国で製造している限りこの種の問題は必ず起き、ブランドの信用力の低下は免れないだろう。

そもそも、ほとんどの中国人が自国で製造された食品の安全性に対して、疑問を持っているようなお国柄である。今回の問題は、欧米系の大手と言われる食品メーカーの工場でさえ例外ではなく、ましてや中小の食品メーカーの食品安全管理の実態は容易に想像できる。


 
 今回の問題では、日本マクドナルドも「上海福喜」から2割程度のチキンナゲット向け鶏肉の供給を受けていたと発表。 問題の商品販売を21日に停止したことを明らかにした。タイや中国の別の業者からの調達に切り替えたという。

このほか、中国で牛丼チェーン「吉野家」を展開する香港上場の合興集団と、ファミリーマートは、「上海福喜食品有限公司」から仕入れた製品は、現在使用していないと明らかにした。


 中国・「上海福喜食品有限公司」の上海工場で生産された食品は、日本国内にも輸入されていることから、国内でも今後、波紋が広がりそうである。









2014/07/11

野鳥の減少、殺虫剤が原因か?


( 2014.07.11 )


● オランダの研究者が殺虫剤の環境への影響を警告!


  オランダの鳥類学者などによる研究グループは、現在、殺虫剤として一般的に広く使用されている「ネオニコチノイド」が、生態系の他の生物へも間接的に影響を与えている可能性があるとの研究結果を発表し、14種類の野鳥の個体数の減少に関係している可能性を警告している。

  オランダのラドバウド大学とオランダ・野外鳥類学バードライフセンターの研究者らによる研究報告で、農業地帯に生息する鳥の個体数と表面水に含まれる薬品濃度の長期的データを比較した結果、一般的な「ネオニコチノイド殺虫剤」である『イミドクロプリド』が水中に高い濃度で含まれている地域では、鳥の個体数が年に平均3.5%減少する傾向にあると指摘した。

 かって1962年に、米国の生物学者で作家のレイチェル・カーソン(Rachel Carson)氏が、その著書『沈黙の春(Silent Spring)』の中で、殺虫剤の『DDT』が野生生物の生態系に重大な影響を与えていると指摘、「ある日突然、鳥の歌声が聞こえなくなってしまった」のは殺虫剤が原因であると警告を発した画期的な本であった。

 野外鳥類学バードライフセンターの鳥類学者で、今回の報告書の共著者であるルード・フォッペン氏は、当時カーソン氏が問題にしていた『DDT』などの「有機リン酸エステル」と、今回問題となっている「ネオニコチノイド」は、全く別の薬品ではあるものの、事態はほぼ同じであると指摘している。

 「ネオニコチノイド」は、近年(約20年前から)、殺虫剤の分野では最も急速にそのシェアを伸ばしてきた農薬で、害虫駆除に高い効果を上げ、使用法も簡単なため、特に農業従事者の間では評判が高いと言われている。

 従来のように殺虫剤液をタンクに入れて、広大な畑の農作物の上から散布するタイプの殺虫剤ではなく、あらかじめ農作物の種に「ネオニコチノイド」を薬品処理したもので、「浸透性」農薬と呼ばれている。
 種の時点で薬品処理されているため、成長過程においても殺虫剤が作物全体に浸透し、殺虫効果が持続することで作物自体が害虫駆除植物と化し、バッタや根切り虫などの害虫が根や茎、葉、花など、どこを食べても同時に神経毒を摂取することになる。

 この結果、「作物の頭から根の先までを殺虫剤で防護するということは、その花、花粉、蜜までも全てが有毒となることを意味し、対象とする害虫だけではなく、ハチなど有益な昆虫にまで害を与えてしまっている」と指摘する研究者もいる。

 さらに、「ネオニコチノイド」は土壌の中に何年も残留し、そこに生えた他の植物まで、薬品に接触すればそれを吸収してしまうという。

 今回の研究は、オランダの農業地帯でよく見られる14種の野鳥を対象として、その個体群の統計を調査したもので、対象となったほとんどの鳥は、昆虫を主な餌としているが、中には種子や穀類を食べる鳥もいる。このことから、「ネオニコチノイド」がオランダの鳥へ与える影響は、2通りあると考えられる。

 第1が「ネオニコチノイド」の残留する昆虫や作物の種を餌として直接口から摂取した場合の影響で、通常なら昆虫以外の動物や鳥には安全であると報告されているものの、多量に摂取すれば命に関わる可能性もある。

 第2が鳥たちの餌となる昆虫の減少が挙げられる。「ネオニコチノイド」は対象とする害虫だけでなく、他の種も殺してしまうので、鳥が食用とするハエ、バッタ、カメムシ、イモムシなどの虫の数までが減少してしまうことによる影響などが考えられる。

 ただし、今回の研究報告書は「ネオニコチノイド」と野鳥の個体数減少の相関関係を示してはいるものの、殺虫剤が直接その減少を引き起こしているとは言っていない。

 農薬の大手メーカーであるベイヤー・クロップ・サイエンス社は、「ネオニコチノイドの農薬としての使用は安全である」と主張し、「本薬品は厳しいリスク評価を受けており、説明書に記載されている通りの責任ある使用法を守れば、環境への安全性は確認されている」との声明を出している。










2014/06/30

中国産ペットフード問題、米国で注意喚起!


( 2014.06.30 )


● 中国産ジャーキーが原因で米で犬1千匹死亡か!


 6月17日、米国議会の公聴会で、米食品医薬品局(FDA)のフォーファ副部長が、中国産ジャーキー問題で証言。

 米国・国内において、ペット用ジャーキーを食べた犬が体調を崩したり、死んだりする被害が相次いでおり、いずれも製品に含まれる中国産の原料が関係しているとみられるが、複数のメーカー製で被害がでており、症状にもばらつきが多く、現時点で原因は特定されていないが、この問題で米食品医薬品局(FDA)は、原因解明を急ぐとともに、むやみに与えないよう飼い主に注意を呼びかけている。

 米議会の公聴会で17日に証言したFDAのフォーファ副部長によると、ジャーキーによる被害は2007年から出始め、今年5月までに4800件の届け出があり、犬5600匹以上が食後に吐いたり、下痢をしたりして1千匹以上が死んだ。 また、6割は胃腸の疾患、3割は腎臓や膀胱(ぼうこう)に異常があったと報告されている。

 この件に関しては、以前から指摘されていて、現在も調査中である。



● 中国産・ジャーキー(ペットフード)問題とは

2007年頃より、アメリカで犬用おやつとして販売されているチキンジャーキーを食べた犬が、病気になったという報告が相次いで寄せられるようになったのが始まりである。

FDA(アメリカ食品医薬品局)が調査を始めたが、販売されている商品の共通点が中国産の原料を使い、中国の工場で生産されたものであるという以外、未だに原因の特定には至っていない。

問題となっているのは、ネスレ、ピュリナ、デルモンテ、などの大手メーカーが、中国の工場で製造した製品であること。 しかし、未だ原因の特定には至っていないため、メーカー側は、製品に問題はないとの立場から、商品の回収、店頭での商品撤去などの対策はとっていない。

当初は、チキンジャーキーの報告ばかりであったが、最近ではカモ肉やサツマイモを使ったジャーキーの報告もある。


(予想される症状としては)

・ 嘔吐、下痢(ときとして出血性下痢をともなう)、食欲減退、活動機能低下、水分摂取の増加など
・ 腎不全その他・慢性的疾患、ファンコーニ症候群など、重症の場合死に至る場合もある。




(これまでの経緯)

・ 2014年 5月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)からの発表。
 報告件数 : 4,800件
 病気になったペット(犬・猫)の数 : 犬:5,600匹 、猫:24匹
 死亡の報告 : 犬:1,000匹以上
 (人間も3名影響を受けたと報告されている)

・ 2013年 10月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)からの発表。
 報告件数 : 3,000件
 病気になった犬・猫の数 : 3,600匹以上
 死亡の報告 : 580匹

・ 2013年 2月
 ネスレ、デルモンテ、ハーツ社などが中国の工場で生産の商品(ジャーキー)のリコールを発表。
中国産チキンジャーキー問題との関連は不明。 各メーカーとも因果関係は否定。

・ 2012年 7月
 カナダでも同様の事例が報告される。
CVMA(カナダ獣医師会)によると、カナダ国内でも、複数の獣医師から中国産のチキンジャーキーを原材料とするペットフードを食べた犬がファンコーニ症候群になったという報告があり、FDA(アメリカ食品医薬品局)がこれまでに調査してきた事例と酷似しているという。


・ 2011年 11月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)、発表。
2009年から2010年にかけて、この問題についての苦情件数はやや減少傾向にあったものの、2011年より再び増加傾向にあり。
 商品ならびにメーカーも複数にわたり、特定の商品ではないが、いずれの商品も、中国産の「ジャーキー」が原材料として使用されていたことから、原因の一つとしてあげられているが、原因究明には至っていない。

・ 2007年 9月
 FDA(アメリカ食品医薬品局)、ペットフードの「チキンジャーキー」に関する警告を発表。
犬用おやつとして販売されている「チキンジャーキー」を食べた犬が、病気になったという報告が相次いだため注意を喚起するも、商品のメーカーやブランドもまちまちで、原因は特定されず。





(2013.11.18)

● 中国産「おやつジャーキー」で犬猫が大量死の謎!

 米国内で、ペット用のおやつジャーキーを食べた犬や猫が病気になり死亡する事例が多発していることが分かり、飼い主たちに不安が広がっている。
2007年以降、約3600匹が病気になり、うち約600匹が死亡した。原因は特定されていないが、ジャーキーの大半には中国産の原材料が使用されていた。
米当局は、飼い主に注意を呼びかけるとともに、獣医師らに協力を要請。中国当局とも連絡を取り、原因究明に全力を挙げている。


・ 広大な被害…共通点は「中国産」

 米食品医薬品局(FDA)が10月22日に公表し、これを受け、23日以降、米CNNや米CBSニュース(いずれも電子版)、ロイター通信など欧米メディアが一斉に報じたが、FDA獣医学センターのバーナデット・ダナム所長が22日に公式サイトで公表した「ペット用ジャッキーに関連する疾患」情報の中で、「われわれが遭遇した疾患の大発生事例の中でも、最も難しく謎が多い症例の一つ」と評するほど、問題は複雑だという。

 報道によると、疾患は犬が3600匹、猫は10匹で、計約580匹が死亡した。具体的には、ジャーキーを食べた後、食欲の減退や下痢、嘔吐(おうと)の症状がみられ、水分の摂取量が増加。同時に、食べてから1時間以内に尿の排出量も増えていた。

 さらに詳しく調べたところ、6割の症例で胃に、3割で肝臓や泌尿器に異常をきたし、重篤(じゅうとく)なケースでは腎不全や胃腸内の出血、けいれんなどを起こし、死に至ったという。

 FDAはサンプルとして入手したジャーキーを検査したが、被害は特定ブランドに集中しているわけではなく「多数で報告されている」といいい、原因物質も検出できていない。

 しかし、唯一の共通点は、原材料に鶏肉や鴨(かも)肉、さつまいも、ドライフルーツなどが使われており、そのほとんどが中国産だったことだ。

 ところが米国では、ペットフードメーカーに対し、法律で原材料の生産国の表示を義務付けていない。そのため、消費者はそれを知ることができないのだ。


● 表示義務を逆手、未承認の薬物たっぷり

 FDAは2001年から現在までに約1200個のジャーキーのサンプルを全米の研究所と協力して検査しているが、今年1月には、FDAがニューヨーク州の試験所で行っているサンプル調査で、2社のペット用ジャーキーの鶏肉成分から米国で未承認の抗生物質など6種類の薬物が検出されたが、いずれも中国産の原材料が使用されていた。

 薬物は低レベルで今回の大量死との関係は不明だが、回収措置が取られた。この一件で今回のペット大量死の全貌が露出し始めたという。

 ダナム所長は「動物を愛する者として、早急に原因を突き止め、被害の拡大をストップさせたいと願っている」と強調。

 同時に、獣医師らに発症したペットの血液や尿などの提供を要請したほか、飼い主には、発症したペットに与えたジャーキーを保管するよう呼びかけた。また、原材料を生産した中国の工場の調査も進めているという。

 このニュースを伝えるCBSニュース電子版の記事には「私は最近、飼い猫を腎不全で亡くしたが、これが原因だったかもしれない」といった疑問の声や「ペットは家族の一員。ペットフードの原材料の産地や製造過程などを開示させる法律が必要だ」、「中国による毒入り食品の輸出はこれが初めてではない。(ペットフードの原材料の)輸入先表示は不可欠だ」といった怒りの投稿が数多く寄せられた。








2014/05/07

H5N6型鳥インフルで初の死者か!


( 2014.05.07 )

● H5N6型鳥インフルで初の死者か!



 中国国営新華社通信の電子版が6日、四川省衛生当局の情報として伝えたところによると、急性肺炎でこのほど亡くなった同省の男性からH5N6型鳥インフルエンザのウイルスが検出された。

 昨年来、中国本土を中心に多くの感染者が出ているのはH7N9型。 
この情報を受けた台湾の衛生当局は、H5N6型に感染した人の死亡が確認されたのは「世界初」としている。

  亡くなったのは南充市の49歳の男性で、家禽(かきん)類と接触したことがあった。
男性と接触した人から異常は発見されていない。
専門家は、今のところ人から人への感染や流行の危険性は低いと考えているという。

  H5N6型は、これまで野鳥などで数例の感染報告があるだけの珍しい種類。
しかし最近、男性が住んでいた南充の農場で家禽への感染が確認されていた。 










2014/05/01

耐性菌が世界で拡大、WHOが壊滅的被害を懸念!


( 2014.05.01 )

● WHOは、抗生物質効かない耐性菌が世界で拡大していると報告


 世界保健機関(WHO)は4月30日、最も強力な抗生物質さえ効かない耐性菌が世界で拡大しているとする報告書を発表した。

 WHOは、耐性菌が年齢や国に関係なく、あらゆる人に感染する可能性があると指摘、現時点で公衆衛生にとって大きな脅威で、被害が「壊滅的になる」との見方を示した。

 抗生物質薬の誤使用や過剰な服用が、細菌が抗生物質に耐性を持つよう変化した原因になったという。

 WHOは、今回初めて耐性菌に関する国際報告書を作成。 耐性菌の世界的な感染状況を調べるため、114カ国の加盟国から提供されたデータを基に、黄色ブドウ球菌など7つの細菌について、従来は効果が見られた特定の抗生物質が効かなかった例を報告書としてまとめ、30日、発表した。

 調査の結果、「黄色ブドウ球菌」の場合、アフリカや南北アメリカの一部の国で、抗生物質のメチシリンを投与しても80%から90%の患者に効かなかった。
 また、肺炎などを引き起こす「肺炎かん菌」でも、アフリカを中心に多くの国で50%以上の患者に抗生物質を投与しても効かなかったと報告されるなど、世界中で耐性菌の感染が広がっているとしている。

 報告書は、さらに、このままでは将来、抗生物質が役に立たなくなる可能性があると警告したうえで、感染情報の調査方法を統一して世界全体で情報を共有することや、新たな治療方法の開発に力を入れることなど、国際社会による一致した対応の必要性を提言している。

 WHOのフクダ事務局長補は「非常に大きな問題だ、あらゆる傾向から問題が拡大していることが示されている。 耐性菌の感染は、一部の地域や途上国の問題ではなく世界全体の問題だ」と危機感を示した。








2014/04/30

下水処理の汚泥を食料生産にリサイクル!


( 2014.04.30 )

● 下水処理の汚泥を食料生産にリサイクル!


 近年、下水処理場から出る汚泥や処理水を食料生産に生かす取り組みが全国に広がっている。
現在、下水処理場では、下水の汚れを微生物に分解させて沈殿させ、上澄みの水を放流。 沈殿した汚泥は長らく厄介者扱いされ、1990年代まで埋め立て処分が大半を占めていたが、肥料の3大要素、窒素、リン、カリウムを豊富に含み、近年の肥料価格高騰もあり価値が見直されている。

 下水道を所管する国土交通省によると、埋め立てに回される量はほぼ毎年減り続け、2010年にはリサイクル率が78%に達した。
ただ、そのうち60%はセメントなど建設資材に用いられ、バイオマス(生物資源)としての利用は農業用肥料15%、バイオ発電1%程度。
 下水汚泥から「不衛生」とのイメージに対し、愛知県のプロジェクト参加者は「さまざまな形で熱処理され、ヒ素やカドミウムなどの、重金属類の公定基準値も検査でクリアしているので管理して使えば害はない」と言い切る。

 愛知県東部の豊橋市など4市の下水を処理する「県豊川浄化センター」では、下水汚泥由来のガスによる発電の過程で出た二酸化炭素(CO2)を、ビニールダクトを通してトマトの苗に吹き付け、苗の周囲のCO2濃度を高めることで光合成を促し、さらにリンなどを含む処理水を苗に吸わせて育てることで、通常に比べ収量は3割増したという結果も。

 また、有明ノリの生産で知られる佐賀市では、2007年から下水処理場と漁協が連携し、ノリを養殖する冬場は処理水の窒素濃度をあえて高くしたまま海に放流している。
 その結果、窒素がうまみのもとになるアミノ酸を増やし、品質の良いノリの生産につながると期待されている。
 さらに市は、業者に委託して毎年約1400トンの汚泥肥料を生産し、農家に販売していて、汚泥が資源になる例として注目されている。

 下水汚泥処理に詳しい高岡昌輝・京都大教授(環境工学)は「汚泥が含むリンの総量は日本が年間に輸入する量の5分の1に上る。リンは世界では貴重な“戦略物質”の扱いで、輸入は今後さらに制約されるだろう。国内で調達できる資源として、汚泥や処理水の有効利用を考えていくべきだ」と語る。


 ◇下水汚泥や処理水の主な利用例◇

・北海道岩見沢市・・・・・・  汚泥肥料をカボチャ栽培に
・青森県八戸市・・・・・・・  汚泥肥料をニンニク栽培に
・高知市・・・・・・・・・・・   汚泥肥料をイチゴ栽培に
・佐賀市・・・・・・・・・・・  下水処理水をスッポン飼育に
・熊本市・・・・・・・・・・・  下水処理水を稲作に
・鹿児島県奄美市・・・  汚泥肥料をサトウキビ栽培に

 国交省の担当者は「下水処理技術と食料生産利用という付加価値は、人口が急増する開発途上国では武器になる。成功事例を世界に発信したい」として、処理技術と農業利用のセットで海外への売り込みに意欲を見せているようだ。







2014/04/14

レイチェル・カーソンの遺言「沈黙の春」


( 2014.04.14 )

● レイチェル・カーソンの遺言「沈黙の春」・没後50年 


 本日(4月14日)は、作家 レイチェル・カーソン(1907年5月27日 ~ 1964年4月14日)の没後50年にあたる。

 環境保護運動の原点となった著書「沈黙の春」は、野生の鳥たちが農薬の影響で姿を消したとして、化学物質の危険性を訴え、人類による環境破壊に対し警鐘を鳴らす内容に、世界は衝撃を受けた。

「自然は沈黙した。
薄気味悪い、鳥たちはどこへ行ってしまったのか、みんな不思議に思い、不吉な予感に脅えた。
ああ~鳥がいた、と思っても死にかけていた。ぶるぶるからだをふるわせ、飛ぶこともできなかった。
春が来たが、沈黙の春だった。
病める世界、新しい生命の誕生をつげる声も、もはやきかれない。
すべては、人間がみずからまねいた禍いだった。」


生物学者で作家でもあったレイチェル・カーソンは、著書で人工の化学物質を正しく管理しなければ、人類は間違いなく悲惨な結果を迎えると警鐘した。

「人類の作り出した化学物質は、便利で豊かな生活をもたらす一方で、環境を汚染し、やがて人間の身体をも蝕む危険性がある。」 カーソンの警告は、やがて現実になる。




環境運動の先駆者として、後の人々にも多大な影響を与え、その思想や著書は今なお色あせることはない。




・主な著書

「潮風の下で」 原題(Under the Sea-Wind) 1941年

「われらをめぐる海」 原題(The Sea Around Us) 1951年

「海辺」   原題(The Edge of the Sea) 1955年

「沈黙の春」 原題(Silent Spring) 1962年

「センス・オブ・ワンダー」 原題(The Sense of Wonder) 1965年









2014/03/26

大気汚染による死者、世界で約700万人


( 2014.03.26 )

● 2012年の大気汚染による死者、世界で約700万人とWHOが報告



 世界保健機関(WHO)は25日、大気汚染が原因の死者が2012年には推計約700万人だったとする報告書を発表した。 大気汚染は世界にとって、引き続き唯一最大の環境健康リスクだとしている。

 WHOが今回発表した数字は、以前の推計からは倍増となるもので、「2012年の世界の死亡者の8人に1人が、大気汚染が原因または要因となる疾患で死亡した」と指摘。 また今後、大気汚染の低減が進めば、将来的に数百万人の命が助かる可能性があるとも記されている。

 WHOのネイラ公衆衛生・環境局長は、「大気汚染によるリスクは、呼吸器疾患以外にも特に心臓疾患や発作については以前考えられていたよりはるかに深刻」とし、「われわれが呼吸する空気を浄化するため、(各国の)連携した取り組みが必要」との考えを示した。

 大気汚染の影響が最も深刻なのは、東南アジアと西太平洋地域の低・中所得国で、2012年には屋内空気汚染で330万人、屋外大気汚染で260万人が命を落としたという。








2014/03/25

住民帰還に想定外の高い数値で被ばく線量を公表せず?


( 2014.03.25 )

● 住民帰還に想定外の高い数値で被ばく線量を公表せず?


 ◇内閣府のチーム、福島の3カ所

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査について、内閣府原子力被災者生活支援チームが当初予定していた結果の公表を見送っていたことが24日、分かった。関係者によると、当初の想定より高い数値が出たため、住民の帰還を妨げかねないとの意見が強まったという。調査結果は、住民が通常屋外にいる時間を短く見積もることなどで線量を低く推計し直され、近く福島県の関係自治体に示す見込み。調査結果を隠したうえ、操作した疑いがあり、住民帰還を強引に促す手法が批判を集めそうだ。

 毎日新聞は支援チームが昨年11月に作成した公表用資料(現在も未公表)などを入手した。これらによると、新型の個人線量計による測定調査は、支援チームの要請を受けた日本原子力研究開発機構(原子力機構)と放射線医学総合研究所(放医研)が昨年9月、田村市都路(みやこじ)地区▽川内村▽飯舘村の3カ所(いずれも福島県内)で実施した。

 それぞれ数日間にわたって、学校や民家など建物の内外のほか、農地や山林などでアクリル板の箱に個人線量計を設置するなどして線量を測定。データは昨年10月半ば、支援チームに提出された。一般的に被ばく線量は航空機モニタリングで測定する空間線量からの推計値が使われており、支援チームはこれと比較するため、生活パターンを屋外8時間・屋内16時間とするなどの条件を合わせ、農業や林業など職業別に年間被ばく線量を推計した。

 関係者によると、支援チームは当初、福島県内の自治体が住民に配布した従来型の個人線量計の数値が、航空機モニタリングに比べて大幅に低かったことに着目。

 関係省庁の担当者のほか、有識者や福島の地元関係者らが参加する原子力規制委員会の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」が昨年9~11月に開いた会合で調査結果を公表し、被ばく線量の低さを強調する方針だった。

 しかし、特に大半が1ミリシーベルト台になると想定していた川内村の推計値が2.6~6.6ミリシーベルトと高かったため、関係者間で「インパクトが大きい」「自治体への十分な説明が必要」などの意見が交わされ、検討チームでの公表を見送ったという。

3市村に報告へ その後、原子力機構と放医研は支援チームの再要請を受けて、屋外8時間・屋内16時間の条件を変え、NHKの「2010年国民生活時間調査」に基づいて屋外時間を農業や林業なら1日約6時間に短縮するなどして推計をやり直し、被ばく推計値を低く抑えた最終報告書を作成、支援チームに今月提出した。支援チームは近く3市村に示す予定だという。

 支援チームの田村厚雄・担当参事官は、検討チームで公表するための文書を作成したことや、推計をやり直したことを認めた上で、「推計値が高かったから公表しなかったのではなく、生活パターンの条件が実態に合っているか精査が必要だったからだ」と調査結果隠しを否定している。

 これに対し、独協医科大の木村真三准教授(放射線衛生学)は「屋外8時間・屋内16時間の条件は一般的なもので、それを変えること自体がおかしい。自分たちの都合に合わせた数字いじりとしか思えない」と指摘する。

 田村市都路地区や川内村東部は避難指示解除準備区域で、政府は4月1日に田村市都路地区の避難指示を解除する。また川内村東部も来年度中の解除が見込まれている。







2014/03/23

中国船団根こそぎサンゴ密漁で絶滅の危機!


( 2014.03.23 )

● 中国船団根こそぎサンゴ密漁で絶滅の危機!


 政府は、沖縄近海での中国船によるサンゴの密漁が後を絶たないことから、現在は認められていない現場海域での日本の公船による取り締まりを可能にするよう、中国政府に働きかける方針を固めた。

 日本政府は外交ルートなどを通じて、中国側に協議に応じるよう求める考えだ。

 サンゴの採取は中国の国内法で禁じられているほか、日本の法律でも制限されている。沖縄本島と宮古島の間の東シナ海では、「宝石サンゴ」と呼ばれる希少なサンゴが分布し、福建省や浙江省の港を出た中国船による違法採取が続発。日本政府は昨年11月には約200隻による集団操業も確認した。地引き網で根こそぎ採取する例が多く、現場海域のサンゴが絶滅するおそれもあるという。

 現場海域は日本の領海にほど近く、日本の排他的経済水域(EEZ)内にあるため、本来なら水産庁や海上保安庁が取り締まることができる。しかし、日中両国は1997年の漁業協定の際、「北緯27度以南」と「東シナ海境界線以北」の海域で中国漁船の操業を認め、中国国民に対し日本の法令を適用しないことを両国で確認している。このため、日本による取り締まりができず、「野放図」(政府筋)の状態だ。









2014/03/22

国連人権理事会は、(福島原発事故)被ばく線量の日本の安全基準を疑問視


( 2014.03.22 )

● 国連人権理事会は、(福島原発事故)被ばく線量の日本の安全基準を疑問視!


 ◇健康調査徹底を強調

 福島第1原発事故を巡る健康影響を調査した国連人権理事会の特別報告者、アナンド・グローバー氏を迎えたシンポジウムが21日、福島市の福島大で開かれた。追加被ばく線量について国が「年20ミリシーベルト以下は安全」としている点を批判し、グローバー氏は「1ミリシーベルト以上の安全性には議論があり、リスクがある前提で移住や健康調査の方針を住民合意で決定するべきだ」と訴えた。

 基調講演で、グローバー氏は「100ミリシーベルト以下は危険性がないとは言えない」と説明し、低線量の被ばくでも健康影響が出る可能性があるという「しきい値なし」という考えが科学的知見であると主張した上で、「甲状腺以外の部位ががんになる可能性は否定できない」として、1ミリシーベルト以上の地域での健康調査を徹底することの必要性を強調した。

 また、第1原発の元作業員への聞き取りを行い、東電の下請けの非正規労働者が100ミリシーベルトの被ばくをして失職し、長期的なモニタリングや健康調査が行われないケースがあると指摘。「インドでもないような悲惨な労働者が日本にいることが信じられず、こうした問題にも目を向けるべきだ」と指摘した。

 グローバー氏はインド最高裁の首席弁護士で、2008年から人権理事会の特別報告者。12年11月に来日して原発事故の被害調査をした。


「原子爆弾」の唯一の被ばく国として、放射能被ばくには敏感であるはずの我が国の安全基準が、経済発展途上国の「インドでさえもありえないほど悲惨な労働条件で働かされている労働者がいるということが信じられない」と言わしめるほど、実態はもっと深刻で、過去の公害問題同様に、安全、安全と言い逃れ、実態調査・検証もせず問題先送りの責任逃れで、その場凌ぎの言い訳に全神経を費やす官僚主権国家に、この国の将来を託せるのだろうか。










2014/03/20

基準内被ばく:「原発作業、がんの原因」労基署、労災認定


( 2014.03.20 )

● 基準内被ばくでも「原発作業、がんの原因」と労災認定!


 原発の検査に約27年従事し、悪性リンパ腫を発症した神戸市北区の男性(62)について、神戸西労働基準監督署が労災と認めたことがわかった。
 被ばく線量は労災認定の基準を超えていなかったが、労基署は医師の所見などを評価し、原発作業との因果関係を認めた。

 がんで労災認定された原発作業員はこれまで男性を含めて13人、悪性リンパ腫では男性が5人目とみられる。

 男性の代理人の弁護士らによると、男性は1983年4月、関西電力の3次下請けである神戸市内のメンテナンス会社に入社した。一線を退いた2010年6月までの約27年、関西電力の美浜、高浜、大飯(いずれも福井県)の各原発などを中心に定期検査の作業をしてきた。

 主な作業内容は、冷却のために原子炉内を循環させた汚染水が通過する1次系配管のバルブ交換などだった。しかし、11年7月の会社の健康診断で心臓に腫瘍が見つかり、その後、悪性リンパ腫と診断された。手術や化学療法でおおむね回復し、今は労災の休業補償を受けながら経過観察を続けている。

 男性の放射線管理手帳の記録では、10年6月までの累積被ばく線量は計168.41ミリシーベルトで、平均すると年約6ミリシーベルトだ。国が定める原発作業員の被ばく限度は5年で100ミリシーベルト、1年で50ミリシーベルト。これとは別に、08年にがんの労災認定基準を作り、悪性リンパ腫は年25ミリシーベルト以上とした。男性はいずれの基準も超えなかった。

 代理人の藤原精吾弁護士(兵庫県弁護士会)は「基準を超えなくても原発作業が危険であることを示した画期的な判断だ」としている。








2014/03/11

原発事故から何も学んでいなかった日本


( 2014.03.11 )

● 福島第一原発事故で露呈、過去から何も学んでいなかった日本



 東日本大震災、そして福島第一原子力発電所のメルトダウン事故から3年が経とうとしている。
被災地の復興においても日本が抱える様々な病理や課題が次々と露わになっているが、とりわけ原発事故については、事故原因の結論も得られていないし、事故現場の収束さえままならぬ状態であるにもかかわらず、もっぱら原発再稼働の是非に政権の関心が集まるという異常な状態にある。

 あの事故は東日本大震災の津波によって原発がすべての電源を失ったために、原子炉を冷やすことができなくなり、メルトダウン、メルトスルーに至ったと説明されている。 原因がもっぱら津波だけだったのか、地震による原発施設への影響はどうだったのかについては議論があるところだが、いずれにしても万が一の時に原子炉を冷やせる、より強固な設備を完備しておけば、今回のような事故は起こらないという前提に立ち、新たな安全基準などが作られている。

 確かにハード面での不備は修正されなければならない。 しかし、本当にそれだけでいいのだろうか。 今回の事故がここまで甚大な被害をもたらすに至った背景には、単に電源のバックアップに不備があったということではないのではないかとの声も多くある。

 実際、全電源喪失に至った後に福島第一発電所や東電本社、そして首相官邸などで起きたことをつぶさに再検証してみると、事故がここまで大きくなった原因は単に電源というハードウエアの問題だけではなく、現場と事故の対応に当たる政府関係者や東電関係者の間の致命的なコミュニケーションミスや、いざというときに取捨選択を決断できるリーダーシップの不在など、数々のヒューマンエラーが介在していたことが明らかになっている。

 福島原発事故独立検証委員会、いわゆる「民間事故調」の報告によると、われわれが最も真摯に反省しなければならない点は、ハード面での不備だけではなく、日頃からの危機に対する意識や優先順位を決めて損切りを決断するリーダーの養成だったのではないかとの指摘がなされていて、実は同様の問題が、「国会事故調」の黒川清委員長による英文の最終報告書で指摘されている。

 ところがわれわれの目は、そうした問題にほとんど向いていない。 また、実際にそうした反省に立って、対策が取られている形跡も見られない。 特に自民党・安倍政権になってからは、より厳しい安全基準を設定したのだから、「原子力規制委員会」の審査にパスした原発は再稼働することが当たり前であるとの立場を取っている。
 
 元々、「原子力規制委員会」の前身で、今回の事故で全く役立たずの烙印を押された「原子力安全・保安院」は、1999年のJCO臨界事故の反省を受けて作られた組織のはずだった。 それが今回の事故ではまるで機能しなかった。 ところが今回もまた、福島原発事故の教訓が十分に活かされないまま、組織の改編と安全基準のマニュアルの変更が行われただけで、事故の反省は終わってしまいそうな様相を呈している。 この現状を、われわれはどう受け止めたらいいのだろうか。「

 そもそも、原発の過酷事故が直ちに国家的危機となりうるという自覚もないまま、安全対策をおろそかにして絶対安全神話なるものに寄りかかり、最後は何とかなるだろうという楽観シナリオに基づいて原発依存に突入した様は、先の太平洋戦争において勝算もないままにアメリカとの戦争に突入していった時といろいろな面で酷似していると指摘する人もいる。

 そもそも日本社会には異質なものを排除して、同質の価値観だけで物事を進めていく「空気の支配」という特性があることが指摘されて久しい。 それは全体の秩序を維持し、一つの共通の目標に向かって邁進する上では武器となり得るが、何か問題があったときにそれを言い出すことを難しくさせる。 それが誰も「撤退」を言い出せない空気が支配する文化を作っている。

 日本中が安全神話の下で原発推進に邁進する空気の支配の下で誰かが異論を唱えれば、単に排除されるだけだ。 原発についても、一部の良識ある関係者の間では危機意識があったが、それを言い出すことができなかったと答えた人が多くいたことが、今回の調査でも明らかになっているという。

 では、福島の事故を無駄にしないために今、われわれに何ができるだろうか。 まずは何よりも事故の原因究明をより厳密かつ詳細に行い、事故と事故対応における失敗の責任の所在を明らかにすることが重要で、そこを曖昧にしたまま組織や仕組みをいじってみても、本当の意味で事故の教訓が活かされることはあり得ない。そして、それはわれわれが次の国家的危機の再発に向けて邁進する道を選んだことを意味する。

 われわれはなぜあれだけ酷い目にあっても、その原因と真摯に向き合い反省することができないのか。東日本大震災、福島原発事故から3年が経過したいま、事故に至る経過と事故への対応、そして事故後の原因究明や新たに作成された安全基準と原発の再稼働問題などから見えてくるわれわれ日本人社会および国民性・気質の危機への対応能力があらためて問われる。







2014/01/28

環境汚染問題-中国新型・鳥インフルエンザ


( 2014.01.28 最新情報 )

● 中国・鳥インフルエンザ、旧正月休暇で流行拡大懸念!


 中国で、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染した人が、今年に入ってから100人を超え、去年を上回るペースで増えており、もうすぐ始まる旧正月の連休には、生きた鳥を調理する家庭が多いことから、さらなる感染拡大が懸念されている。

 中国の衛生当局などが発表したところによると、今年に入って東部や南部を中心に、H7N9型の鳥インフルエンザ・ウイルスに感染する人が急増、浙江省で49人、広東省で26人など、中国本土の8つの省と市、それに香港で合わせて103人に上っていて、このうち22人が死亡している。

 去年1年間に中国本土と香港で144人以上の感染が確認され、このうち48人が死亡しているが、今年になり1か月足らずで感染者が100人を超え、去年を上回るペースで拡大している。
 ただ、公表された感染者数は「氷山の一角」で、実態はもっと多いいのではないかと指摘する関係者もいる。
 また、これまでH7N9型は人から人への持続的な感染はないとされてきたが、中国メディア・「新華網」は、限定的な人から人への感染が起きていると報じた。

 中国では、旧正月の「春節」の連休には、生きた鳥を調理して親族が集まる食事の場に出す家庭も多く、今月31日の旧正月を前に、鳥肉の需要が高まっているだけに、さらなる感染拡大が懸念されていて、各地の衛生当局は、生きた鳥を扱う市場を閉鎖するなど対応に追われている。
 但し、ヤミ業者などによる生きた鳥の販売取引が、一般に横行していることから、感染拡大を防止する効果を疑問視する報道もある。

 また、香港では昨年12月と今年1月に、いずれも中国本土で感染したと思われる男性2人が、香港戻った直後に発病しその後死亡が確認されていて、今月にも中国本土から輸入された香港の卸売市場の家禽類から前日(27日)に、同ウイルスが発見されたことを受けて28日、卸売市場のニワトリ2万羽の殺処分を開始するとともに、ウイルスが検出された卸売市場も、洗浄・消毒のため21日間、閉鎖される。
 さらに、地元産を含め生きた家禽(かきん)の販売を2月18日まで全面的に禁止、本土からの鳥肉の輸入を21日間停止する方針を明らかにした。



( 2014.01.13 )

● 新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・再流行の予兆か!


 中国では、H7N9型鳥インフルエンザの感染者が、今年に入ってから新たに22人が確認され、急増している。 いずれも南部の広東省と東部の浙江省などに集中していると言われているが、22人のうち、浙江省の75歳の女性と福建省の38歳の男性が死亡している。

 感染の拡大は、去年夏にいったん収束したかに見えたが、秋以降、再び流行の兆しを見せ、1月末からの旧正月の大型連休で人の移動が大きく増えるため、さらなる感染拡大が懸念される。
 
 家禽(かきん)市場に出入りするなど、生きた鳥と接触する機会のあった人が感染するケースが多く、衛生当局も市場の消毒などを徹底し、警戒を強めていると伝えられる。

(これまでに確認された感染者数 2014/01/13)

・ 中国本土 170人(死亡 50人)、香港 3人(死亡 1人) / 台湾 1人 


■ その他の中国・鳥インフルエンザ情報

・(H5N1型鳥インフルエンザ)

 北米初のH5N1鳥インフルによる死者、カナダで確認
 カナダの保健相は、今年の1月8日、北米初の「H5N1型鳥インフルエンザ」による死者を、同国西部アルバータ州で確認したと発表した。 同型鳥インフルの感染者が北米で確認されたのも初めてという。
 当局によると、死亡したのは中国・北京に最近渡航した人で、遺族のプライバシーを守るため、性別などは公表されていない。 昨年12月27日にアルバータ州へ向かう機内で具合が悪くなり、今月1日に発熱と頭痛を訴えて入院。その2日後に死亡した。
 H5N1型鳥インフルのウイルスは、家禽類などの鳥との直接接触により感染する。発症後の症状は重く、致死率は60%とされる。
 カナダの保健相は「これは単発的な感染例であり、カナダでH5N1の感染が広まるリスクは低い。持続的なヒト・ヒト感染の証拠はない」と述べている。
 世界保健機関(WHO)によると、2003年以降、H5N1の感染者は628人に上り、374人が死亡、致死率は約60%といわれているが、2013年では感染例38件、そのうち24人が死亡したとされている。


・(H10N8型鳥インフルエンザ)

 中国江西省の保健当局は、昨年の12月18日、同省南昌で、人では世界初となるH10N8型の鳥インフルエンザに感染した女性(73)が死亡したことを確認したと発表した。
 当局によると、南昌の女性は11月30日に深刻な肺炎で入院し、呼吸器系の障害とショック症状で死亡した。女性は家禽(かきん)類を生きたまま販売する市場を訪れていたという。
 これまでのところ、女性と接触のあった人々からは、病状は確認されていないという。 香港大学の微生物学者によると、H10N8型の鳥インフルエンザが人への感染が確認されたのは世界でも今回が初めて、鳥インフルエンザの人への感染が確認されたことで、人から人に感染しやすいウイルスに突然変異することへの懸念が広がっている。

・中国研究チームの豚・鳥インフル混合ウイルス作成に波紋!

 2013年5月6日のフランス・メディア情報によると、中国農業科学院と甘粛農業大学の研究チームは、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)と、豚インフルエンザウイルス(H1N1)の遺伝子を掛け合わせることで新たなウイルスを開発することに成功したと米科学誌「サイエンス」に発表した。
 モルモットからモルモットへ空気感染する鳥インフルエンザのハイブリッドウイルスを開発、現在も研究所で冷凍保存していることに、世界の免疫学者らが3日、懸念を表明した。

 鳥を通じてヒトに感染する「H5N1」は、致死率は約60%だが、今のところヒトからヒトへの感染は確認されていないため、これまでのところパンデミック(世界的大流行)は起きていない。
 中国の研究チームによると、今回開発された新型の変異ウイルスは、呼吸器分泌物の飛沫によりモルモットからモルモットへ容易に感染したことから、致死性の高い「H5N1」が「ほ乳類間の伝播能力」を獲得するためには、遺伝子のごく単純な突然変異しか必要ないことが証明されたと述べている。

 ウイルスの混合は、2種のウイルス株が同じ細胞に感染し、遺伝子再集合と呼ばれるプロセスにより遺伝子を交換した際に自然に起きる現象だが、これまでのところ、豚のウイルス「H1N1」と鳥のウイルス「H5N1」でそのような現象が自然に起きたことを示す証拠は見つかっていない。
 しかし、今回の研究が、突然変異ウイルスを人工的に作成することで人類を危機に陥れているという批判が一部ではあがっている。

 仏パスツール研究所のウイルス学教授、サイモン・ウエインホブソン氏は、6年前に英国の研究所から流出した「口蹄疫ウイルス」により、大流行を引き起こした例を指摘している。
 中国のチームが作成したハイブリッドウイルスは、モルモットでは致死性が低いと言われているが、ヒトに対してはどのような影響を及ぼすかも分かっていない。
 さらに、ウエインホブソン氏は「これらがパンデミックウイルスになる可能性もあり、仮に何らかの管理ミスがあったり、このウイルスが研究機関より外部に流出してヒトに感染し、10万~1億人の死者を出すこともありえる」と警告する。

 一方、ロンドン大学のウイルス学者、ジョン・オックスフォード氏は、この研究により、今も世界各地でヒトに感染している2つのウイルスの間で遺伝子交換が起きる可能性があることが証明されことで、警鐘を鳴らす上で有効だと評価する。
「数学的に考えれば、遅かれ早かれ、誰かが両方(のウイルス)に感染し、そこから混合種のウイルスが拡散を始める可能性がある。」と語った。 さらに「われわれはパンデミック対策を見直し、H5N1ワクチンの在庫を豊富に確保しなければならない」と警鐘を鳴らす。



( 2014.01.09 )

● 中国・鳥インフルエンザ(H7N9型)・香港で3人目の感染者!


 香港の衛生当局は8日夜、65歳の地元男性がH7N9型の鳥インフルエンザに感染したことが確認されたと発表した。 香港域外で感染したとみられるとしているが、これで香港の感染者は3人(うち1人死亡)となった。

  新たな感染者は、1日から2日にかけて隣接する深セン(中国広東省)に行っていたとされ、3日に発症し、現在重体となっている。  これまでの感染者も、深センに住んでいたか、発症前に訪れていたことから、いずれも香港域外で感染したとみられている。


( 2014.01.01 )

● 新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・台湾で再び感染確認!


 年末の31日、台湾の衛生当局によると、17日より観光で訪れていた中国・江蘇省の86歳の男性が、肺炎のような症状を訴え、24日から入院していたが31日、H7N9型鳥インフルエンザに感染していることが確認され、現在は集中治療室で治療をうけていることが判明。

 男性は、団体旅行で台北市や高雄市などを訪れていたというで、衛生当局はこの男性と接触の可能性がある人たちに症状が出ていないか、調査をしている。

 台湾で、H7N9型鳥インフルエンザの感染が確認されたのは2人目で、夏場に一時、感染拡大が止まっていたものが、冬場になり再び感染確認が相次いでいることから、感染の拡大が懸念されている。



( 2013.12.26 )

● 新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・香港でも死亡が!


 香港でもH7N9型鳥インフルエンザに感染した80歳の男性が死亡したことを、香港当局が26日に発表。 香港で死亡者がでたのは今回の事例が初めてとのこと。

 死亡した男性は、広東省深セン市に在住し、鶏肉をたべたというが、感染経路は不明。
検査の結果、男性と接触した人は、これまでのところすべて陰性だったとしている。

 

( 2013.12.02 )

● 香港でも新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・感染確認


 香港政府は12月2日、香港で初めてH7N9型鳥インフルエンザの感染者を確認したと発表した。
感染者は、香港で家政婦として働く36歳のインドネシア人の女性で、11月17日に中国本土の広東省深セン市に行った際に、生きた家禽類に接触していた可能性(現地でさばかれた鶏肉を食べたとの報道もある)があり、現在は香港の病院に入院しているが重症だという。
 また、接触者のうち家族の4人にも軽微な症状が出ていることから、家族についても速やかに検査を行うとしている。
 これまで人から人への明確な感染例はないとされていたが、江蘇省の事例では発病した父親から娘に直接感染した可能性がきわめて高いとされる事例が報告されている。

 中国本土では、感染が相次いでいるが、本土以外では4月の台湾で中国東部で勤務経験のある53歳の男性の感染が報告されて以来、2例目となり、この冬のインフルエンザ流行時期をむかえ、他地域への感染の広がりが再び懸念されてきた。

・ 中国本土発症者数 137人  死亡 45人  / 他地域発症者数 台湾 1人、香港 1人 



( 2013.11.02 )

WHO(世界保健機関)によると、今年3月に中国(上海市)で初めてH7N9型鳥インフルエンザの感染が確認されて以来、3~4月をピークにこれまで感染確認者138人死者45人死亡率は約30%とされている。
 8~9月は感染報告がなかったものの、10月になり4人の感染が報告され、この冬のインフルエンザ流行時期をむかえことから、再び感染の拡大が懸念されている

(尚、感染者数や、死者数の関しては、その根拠となる情報が中国政府関係機関により曖昧なところもあり若干異なる。)

( 感染状況と現状 )

 今回の新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)は、今まで人に感染することが知られていなかったウイルスの感染症。 4月1日にWHO(世界保健機関)が中国で初めて人に感染していたことを公表。
 感染源は未だに特定されていないが、中国国内の家禽類(鶏、ハトなど)からウイルスが確認されていることから、感染源の一つと考えられている。

 中国政府の調査では、当初、人から人への持続的な感染は確認されていないとされていたが、8月6日付けのイギリスの医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で、中国・江蘇省の研究者チームが、ウイルスが父親から娘に直接感染した可能性が高いとして発表した。
 現在、感染は収まっているかのようだが、これから秋、冬をむかえ再び感染が拡大する懸念が指摘されている。

( 臨床症状 )

 ・ 潜伏期間は1~10日(多くは2~5日)とされ、発熱・呼吸器症状・下痢・多臓器不全など。
 ・ 現在、確立された治療法はまだ無く、他のインフレエンザ同様、「タミフル」等を用いた対処療法での対応しかなく、致死率は20~30%とまだ高い。ワクチンはまだ開発中である。

(尚、治療法として「タミフル」などの抗ウイルス薬による早期治療が有効とされてきたが、5月28日には香港と上海の医師グループから治療薬「タミフル」に耐性をもったウイルスが検出されたとの報告もあり、今後「タミフル」の効かない耐性型ウイルスの感染拡大が懸念されている。)

( 発症予防 )

 ・ 不用意に鳥類に近寄ったり触れたりしない事。(特に、家禽が飼育されている場所、生きた鳥を販売している場所(市場)や食用に鳥を解体している場所には立ち入らない。
 ・ 手洗いやうがいの励行、マスクの着用。(特に発生国に滞在時)
 * 入国(帰国)の際、発熱や咳など体調に異状がみられたら、検疫所に申し出る。

(尚、11月13日の米国・医学雑誌(ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)によると、米国のバイオ製薬会社が「H7N9型鳥インフルエンザ」用のワクチン開発で、初期臨床試験ではあるが有効な結果が得られたと発表、まだ予備的な段階で実用には課題もあるようだが、一刻も早く安全で有効なワクチンの開発、実用化が待たれている。)


(2013.08.11)

● 中国南部の広東省で新型鳥インフルエンザ(H7N9型)感染者を確認!


 中国南部の広東省の衛生庁は10日、同省で初となる鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者を確認したと発表した。
 感染が確認されたのは地元の市場で家禽(かきん)の食肉処理を担当していた女性(51)で、発熱の症状が出て今月3日に入院したが、重体だという。

 国営新華社通信によると、10日、中国本土ではこの女性を含めこれまでに134人がH7N9型鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認され、死者は44人に上ったと伝えている。
 中国でH7N9型ウイルスの感染者が最初に報告されたのは今年3月。台湾での1人を除けば、感染者はほぼ中国本土の東部に限定されていたが、今回、南部の広東省でも感染が広がっていることが確認。 秋から冬にかけ、再び感染が拡大する懸念が!


(2013.08.07)

● 中国の新型鳥インフルエンザ(H7N9型)で父から娘に感染か!


 今年の春より、中国の東部を中心にヒトへの感染が相次いだH7N9型の鳥インフルエンザウイルスは、130人以上の感染が確認され、このうち43人が死亡し、中には、家族で複数の人が感染した事例も報告されている。
 感染者数や、死者数の関しては、その根拠となる情報が中国政府関係機関により曖昧なところもあり若干異なる。  言論・情報統制があたりまえの中国では、実際にはもう少し多いいのではとの憶測もある。

 このうち、中国・江蘇省で4月から5月にかけて死亡した60歳の父親と32歳の娘について、江蘇省の研究者チームが感染の経路を調査した結果、ウイルスが父親から娘に直接感染した可能性が高いとして発表しました。

 父親は、ウイルスに感染したあと病院に入院し、娘の看病を受けていたということで、2人の感染したウイルスの遺伝子検査を行ったところ、遺伝子の配列が、ほぼ一致したということと、娘は、ふだんの生活で鳥類との接触は無かったということからして、父親から感染した可能性が極めて高いと判断したもの。

 ただ、父親の看病をしていたほかの家族は感染していないことなどから、このウイルスの感染は、限定的なものだとしているが、人から人に感染する懸念は、この新型鳥インフルエンザ(H7N9型)が発生した頃より指摘されていたことであり、現時点で日本人全員がこのウイルスに対して免疫がないことから、国内に入ってくれば感染拡大の危険性が極めて高くなる。

 水際での感染防止は、ほぼ不可能、一刻もはやく、この新型鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスに対する有効なワクチン開発が急がれるところである。


(2013.07.11)

● 中国の・新型鳥インフルエンザ(H7N9型)で死者 計43人に!


 中国の保健当局は10日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染による国内の死者数が43人になったと発表した。
中国本土で6月末までに感染が確認された患者は132人、6月中に新たに1人が感染し、4人が死亡している。
死者の1人は上海市当局が6月末に発表した56歳の男性で、残る3人の死者についての詳細は不明。
 また、感染者のうち85人は病院での治療後に回復し退院したとしており、現在も入院中の患者は4人とみられる。


(2013.05.28)

● 中国の・新型鳥インフルエンザ(H7N9型)で「タミフル耐性」へウイルス変異か!


 5月28日で、死亡者36名となった新型鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスについて、上海と香港らの医師グループが、これまで感染者14人を調べた結果、3人から新型鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスにも有効とされる治療薬「タミフル」に対する耐性を持つウイルスが検出されたことを発表した。
 
 感染後の治療にタミフルを投与した結果、ウイルスの遺伝子が突然変異によって耐性を持った可能性があると指摘している。
 これまでにもウイルスの薬剤耐性が懸念されていたが、臨床の結果として確認されたのは初めてだという。

 現時点で、「タミフル」への耐性が確認されたウイルスの比率は低水準とされているが、抗インフル薬として世界中で使われていることから、極めて深刻な状況として注視していく必要があると警告している。 将来、世界的に大流行(パンデミック)した場合に、タミフルの効かないウイルスに変化したものが感染を拡げる可能性を懸念する。


(2013.05.10)

● 中国発生・新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染拡大について


 5月9日、江西省南昌市で79歳の女性が感染確認された。 また、河南省鄭州市で重体となっていた56歳の男性の死亡を発表。 感染者は131人、死亡33人と推定(32人とする報道もある)される。


 5月10日、中国・上海市当局は、上海市において新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の新たな感染者が20日間以上確認されていないことから、同型ウイルスに対する厳戒態勢を解除すると発表、現在のところヒトからヒトへの感染を示す証拠もないとしている。
 上海は、最初の感染者が出たとされ、5月9日現在で感染者33人、死亡13人をだしている。

 ただし、感染源の可能性が残る家禽(かきん)類を扱う市場の閉鎖や、取引などの停止は継続するとしている。



( 感染者数・統計-2013、05、10現在 )


      感染者   死亡

浙江省  46人    7人
上海市  33人   14人
江蘇省  27人    8人
江西省   6人    1人
安徽省   4人    2人
河南省   4人    1人
福建省   5人    0人
山東省   2人    0人
湖南省   2人    0人
北京市   1人    0人

台 湾    1人    0人

合   計 131人   33人




より大きな地図で 中国・鳥インフルエンザ患者  を表示



(2013.05.07)


● 新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の死亡31人に、南部への感染拡大も


 5月6日、中国衛生当局は、安徽省などで治療中の感染者が新たに4人死亡したと発表。4人の性別や年齢など具体的な情報は公開されていない。死者はこれで31人となった。また、福建省で9歳の男の子の感染が新たに確認されるなど、感染者の総数は公式発表で、中国本土が129人、台湾が1人の130人となっている。

 また、中国の農業省は、広東省東莞市の市場のニワトリ1検体からH7N9型のウイルスを検出したと発表。今後、中国南部で、感染地域が拡大する可能性が出てきた。


(2013.05.02)

● 中国の鳥インフル死者27人に…55歳男性死亡


 中国湖南省政府は2日、鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染が確認されていた江西省宜春市の55歳男性が1日に死亡したと発表した。

 国家衛生・計画出産委員会が1日に発表した週間統計によると、江蘇省でも感染者2人が新たに死亡し、中国本土での感染による死者は27人となった。

 同委員会は4月24日以降、それまで毎日行っていた感染者数と死者数に関する情報の発表を週1回に変更。江蘇省政府は、2人の死亡について同委に報告したが、独自には一切の情報を公表しておらず、死者の性別や年齢は明らかでない。

 同省を除く各地方政府は、新たな感染者や死者が確認される度に、性別や年齢も含めて発表していたが、情報公開の姿勢が後退したとの見方もある。

 中国、連休で旅行による移動で感染拡大懸念も、政府の情報規制により国内での混乱を防ぐ狙いもあり、中国国民に危機意識が薄い要因にも。 今後、人から人への感染を懸念。


 今回の新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染の報道に関しては、前回の「SARS」の時の中国政府の情報公開対応が世界各国から批判されたことを反省(勿論、中国人政府が反省しましたなどと公言する事はないが!)してか、中国人としては珍しく比較的早くに情報発表がされたが、現在、中国人政府による報道規制により、感染者数、死亡者数などの最新情報は不明。 またしても、都合の悪いことは隠蔽し、他人に責任を転嫁する中国人体質の本領発揮か。

 その後、感染は拡大しているのか、沈静化しているのか、事は中国国内だけの問題ではなく、全世界に感染拡大の恐れがある問題であることを、中国人は肝に銘じ、速やかに言論統制、報道規制を解くべきである。

 約10年ほど前に問題となった「SARS」感染の際には、広東省で発生後、約半年の間中国政府は感染の事実を隠蔽し、結果的に中国全土で5、347人が感染、死亡者349人という事態になった。 この数字が中国当局(衛生部)の公式発表であるが、この数字を信じる中国人は少ないであろう。 この数字は「氷山の一角」で、実態はもっと深刻だった可能性があると指摘する専門家もいる。
 
 このとき、全世界では8、000人以上が感染、その10%が死亡、日本国内の空港などでも、中国からの感染拡大を懸念し、検疫の厳戒態勢が布かれる騒ぎとなったことを忘れてはいけない。



(2013.04.30)

● 鳥インフルエンザ:4歳児、父から感染か 「家族内」疑い3例目


 中国山東省の衛生当局は28日夜、同省で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染が初めて確認された棗荘(そうそう)市の男性(36)の息子(4)も感染を確認したと発表した。
 家族内で複数の感染者が確認されたのは上海市の2例に続き3例目。 世界で初めてヒトへの感染が上海市で確認されてから30日で1カ月。 衛生当局は感染経路を調べているが、「現段階ではヒトからヒトへの感染を示す証拠はない」と強調している。

 上海市で29日、感染者1人が死亡し、中国本土での感染者は2市8省で計126人、うち死者は24人。ほかに台湾で1人の感染が確認されている。

 山東省の衛生当局によると、男児は27日に発熱し病状は安定している。 父親は23日に感染が確認され、重体。

 家族内で複数の感染者が出たケースについて、中国疾病対策センターは「限定的なヒトからヒトへの感染」の可能性があることは認めている。ただ、現状では感染者が数百、数千人単位で増えているわけではなく、パンデミック(大流行)につながる予兆はない。
 一方で、同センターなどの専門家を率いる李蘭娟(りらんえん)氏は26日、「変異が起きてヒトからヒトへの感染を容易にする可能性がある」との見方を示し、ウイルスの遺伝子の変異によって感染が拡大することに警戒感を示した。



(2013.04.24)

● 台湾でも新たに1人の感染者を確認・国外で初めて


  中国で鳥インフルエンザへの感染が相次ぐなか、台湾で初めて男性1人がH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認されました。
 台湾の衛生当局が日本時間の24日午後6時半から行った記者会見によりますと、感染が確認されたのは台湾の53歳の男性で、先月28日から仕事のため、中国東部の江蘇省蘇州に滞在したあと、今月9日に上海を経由して台湾に戻ったということです。
 
 その後この男性は12日に発熱し、倦怠感などを訴えて16日に病院に入院したということで、検査の結果24日、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認されました。
 この男性が中国滞在中に生きた鳥に接触した形跡はないということです。 台湾でH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染した人が確認されたのは初めてです。

 台湾では、今月3日に、H7N9型の鳥インフルエンザを法定伝染病に指定し、感染が疑われる患者が見つかった場合は、医療機関で隔離するとしたほか、空港などで中国から訪れる旅行者への検疫を強化していました。

 H7N9型の鳥インフルエンザは、これまで中国東部の上海や浙江省、江蘇省を中心に109人の感染が確認され、このうち22人が死亡しています。


 今回の新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染の報道に関しては、前回の「SARS」の時の中国政府の情報公開対応が世界各国から批判されたことを反省(勿論、中国人政府が反省しましたなどと公言する事はないが!)してか、中国人としては珍しく比較的早くに情報発表がされたが、現在、中国人政府による報道規制により、感染者数、死亡者数などの最新情報は不明。 またしても、都合の悪いことは隠蔽し、他人に責任を転嫁する中国人体質の本領発揮か。

 その後、感染は拡大しているのか、沈静化しているのか、事は中国国内だけの問題ではなく、全世界に感染拡大の恐れがある問題であることを、中国人は肝に銘じ、速やかに言論統制、報道規制を解くべきである。

 約10年ほど前に問題となった「SARS」感染の際には、広東省で発生後、約半年の間中国政府は感染の事実を隠蔽し、結果的に中国全土で5、347人が感染、死亡者349人という事態になった。 この数字が中国当局(衛生部)の公式発表であるが、この数字を信じる中国人は少ないであろう。 この数字は「氷山の一角」で、実態はもっと深刻だった可能性があると指摘する専門家もいる。
 
 このとき、全世界では8、000人以上が感染、その10%が死亡、日本国内の空港などでも、中国からの感染拡大を懸念し、検疫の厳戒態勢が布かれる騒ぎとなったことを忘れてはいけない。


(2013.04.24)

(各国の対応)

● 日本、鳥インフル 中国からの入国者に成田で注意呼びかけ


 GW・今週末からの連休で、日本でも感染拡大が懸念されている。

成田空港検疫所は19日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染拡大を受け、中国からの入国者に注意点を記したチラシの配布を始めた。中国本土以外にも香港とマカオから到着する旅客も対象にする。  チラシの両面に日本語と中国語を併記。入国後10日間はマスクを着けたり、体温を測ったりして注意するよう呼び掛け、体調が悪い場合は近くの保健所に電話するよう求めている。
  成田空港では1日に約50便、約5千~6千人が中国から到着する。総務課の八木伸幸課長補佐は「入国する人は自分が感染している可能性があると思って行動してほしい」と話している。

2013.04.19

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 中国で鳥インフルエンザH7N9型の感染が広がっているのを受け、厚生労働省は24日、H7N9型を感染症法に基づく「指定感染症」に指定することを決めた。厚生科学審議会感染症部会が了承した。これにより、患者の強制的な入院や就業制限などの措置が最長2年間、取れるようになる。 指示に従わない場合、罰則もあり。  近く閣議決定し、5月上旬の政令施行を目指す。

 指定感染症への指定は、新型肺炎(SARS)、H5N1型の鳥インフルエンザに続き3例目。

2013.04.24

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 ● ベトナム、入国者の監視強化 センサー使い体温検査 (鳥インフル)

  中国での鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染拡大を受け、ベトナム保健省は4日、首都ハノイや南部ホーチミンの国際空港、北部の中国との陸上国境などでの入国者の監視を強めるよう通達した。同省当局者が5日、明らかにした。
  同省は関係各所に緊急書簡を送達。全ての入国者に対しセンサーを使った体温検査を実施し、急性の呼吸器疾患の症状などが疑われる場合は隔離などの措置を取ることなどを指示した。
  中国と国境を接するベトナムは警戒を強めており、既に農業・地方開発省が2日、北部の国境を通じた中国からのニワトリなどの家禽や鶏肉など関連産品の輸入を全面禁止している。

 2013.04.05

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 ● ロシア極東、中国からの入国者検査強化 (鳥インフル)


  ロシア消費者権利保護・福祉監督庁のオニシェンコ長官は16日までに、中国で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者が拡大していることを受け、特に国境を接し人の往来が多い極東地域で中国からの入国者の検査を強化するよう命じた。指示は13日付。
  指示を受け、ロシア極東の空港や陸上の国境検問所では中国からの入国者の体温検査を強化。発熱している人がいた場合は、病院などで詳しく検査する措置を取ったが、これまでに感染者は確認されていないという。

 2013.04.16

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(2013.04.23)

● 感染者108人、死者22人に。 山東省でも新たに1人の感染者を確認


  2013年4月23日、中国国家衛生・計画生育委員会の発表によると、同日午後4時(現地時間)現在、中国のH7N9型鳥インフルエンザ感染者は108人、死者は22人に増加した。新華社通信が伝えた。

  都市別にみると、新たに山東省で感染者1人が確認された。 北京市は感染例が1人、上海市は感染者が33人で、死者12人。 江蘇省は24人が感染し、うち3人が死亡。 浙江省は感染者が42人に増え、死者は6人に増加。安徽省の感染例は4人で、うち1人が亡くなっている。 河南省の感染者は3人。 鳥インフルエンザの感染拡大が止まりません。 中国沿岸部の山東省で、初めて感染者が確認されました。

 感染者は108人に上り、22人が死亡しています。 こうした事態を受けて、日本国内では厚生労働省が、感染が確認された場合、患者に入院の指示や就業制限などの措置を取る方針を決めました。
 
 H7N9型の鳥インフルエンザウイルスを巡っては、「限定的なヒトとヒトの間の感染が起きている可能性がある」とされています。 厚労省は、仮に国内で発生した場合、H7N9型を感染症法上の「指定感染症」とする方針を24日に部会に示し、了承されました。 これによって、患者に対して入院を指示したり、就業制限などの措置を取ることができ、医療費は公費で負担されます。




(2013.04.19)

● 感染爆発寸前、鳥インフルエンザの困った事情


  中国南東部から北部の北京まで広がった鳥インフルエンザが本格的な感染爆発、パンデミック前夜の様相です。 野鳥からも発見、鳥には弱毒なのに人は重篤の特性に加え、中国の貧しい医療事情から患者潜伏の可能性あり。 16日までに公表の感染患者77人、死者16人で本当に網羅しているのか疑問が残ります。

 新型インフルエンザで記憶に新しい2009年のH1N1型は、過去に流行したウイルスと共通部分があって高齢者を中心に免疫が残っていましたが、今回のH7N9型は人間にとって全くの新型です。  感染を広げながら進化するウイルスの特性も睨みながら、ウイルスが苦手とする夏まで目が離せません。 もし日本に来るならば都議選があった4年前と同じ条件になり、公式発表と違い7月まで患者発生は続きました。

最も多いのは上海市の患者30人、死者11人で、周辺の江蘇、浙江、安徽の3省が続きます。 14日に内陸部の河南省でも2人の患者発生が報告されました。 16日には中国農業省から南京市の野生のハトからウイルス初検出が発表されました。

 少数の回復者も出ていますが、概して症状は重いようです。 医学誌に投稿された52歳女性の進行状況を、日経メディカルの「中国のH7N9型鳥インフルエンザ、死亡例の臨床像が明らかに」から引用します。

(症状例)
 
・ 第1病日=悪寒と発熱40.6度で発症。他の症状はみられず。服薬せず」。
・ 第2病日=救急受診するも投薬のみで帰宅。
・ 第3病日=胸部X線施行、右下肺野に斑状陰影。

 抗生剤の経静脈的投与が3日間行われている。 咳や呼吸困難は認められず。

・ 第7病日=咳、呼吸困難の症状が急速に悪化し転院。

 この時点で急性呼吸不全を伴う重症インフルエンザを疑われ、気管内挿管・人工呼吸器開始。

・ 第8病日=抗生剤・免疫グロブリン・ステロイド継続するも状態悪化し死亡。

H7N9型感染と確定したのは、その翌日でした。

 重症インフルエンザを疑った時には既に手遅れになるのは、これまでの常識に反しているからです。 抗ウイルス剤投与の機を逸しています。
 今までの新型鳥インフルエンザウイルスの対策は、暗黙の前提として鳥などの中間宿主に対しても強毒性のウイルスを想定していました。 鳥や豚などの大量死の報告を受けて、ヒトへの感染を防御する対策を打つ、というのが防疫の手順でした。 
 
 WHO(世界保健機関)によれば、近代的な疫学研究が始まって以来、H7N9は鳥などの中間宿主に対して弱毒性インフルエンザウイルスがヒトに感染し、強毒性を示した初めての例となりました。

 H7N9型鳥インフルエンザにかかると隔離病棟に入れられるということもあってか、1日1万元(約15万円)以上という法外な治療費が必要になるという。
 南京市の感染者は治療費が支払えないため家を売る予定とも報じられた。 これほどの治療費を支払える人はそうそういないし、死んでもいいから自力で治すことにチャレンジする人も多そうだ。
 
 人・人感染が確認されていないため、SARSほど危険な病気ではないというのが、無償治療にしない当局の説明のようです。 毎月数万円で暮らしている人が普通なのに、社会全体の防衛を考える意識の無さにおそれいります。
 上海市が2月に新型ウイルスの端緒をつかみながら、グズグズしていたのも3月に北京で新指導部選出の全人代が開かれていたから遠慮していた疑惑があります。 新型の封じ込めには立ち上がりを徹底的に叩くしか無いとされているのにです。

 最初の患者が出た上海など中国南部地域は新型インフルエンザの「火薬庫」です。 人と膨大に飼われている豚と家禽類が日常的にかつ濃厚に接触しているために、種をまたぐ感染を起こす新型が生まれやすいからです。 4年前には感染爆発と言えるほどの規模にはなりませんでしたが、今度の新型は中国国外に出るようなら非常に危険です。

 ブルームバーグの「中国の鳥インフル拡大なら世界的流行の恐れも」が、中国ワクチンメーカートップの意見として「今回の鳥インフルエンザの感染が、パンデミックとなるリスクが高まっている」と述べ、03年から広がった「H5N1型」ウイルスと比べると今回は、ずっと深刻な発生状況だとの認識を示したと報じています。





(2013.04.19)


● 鳥インフル 世界的大流行否定できず 国立感染研がリスク評価


 国立感染症研究所は19日、中国で感染者が相次ぐ鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)が「人への適応性を高めており、パンデミック(世界的大流行)を起こす可能性が否定できない」などとする初めてのリスク評価を公表した。

  同一家族内で複数の発症者が出たことから、「確認はされていないが、限定的な人から人への感染が起こっている可能性がある」とした。
  現時点で感染経路は不明。鳥と患者から分離されたウイルスには遺伝情報に違いがあり、鳥から患者に直接感染したとは考えにくく、豚などの哺乳動物が介在して感染源になっていることがあり得るという。

  「タミフル」や「リレンザ」は効くとみられ、「早期診断、早期治療により、重症例の減少が期待できる」と指摘。最初の3人の死亡例では抗ウイルス薬の投与遅れがあったという。


( 鳥インフル 「人から人、感染排除できず」 家族感染2例目 )

 中国、慎重に調査  中国紙、新京報(電子版)は18日、上海市で家族内に複数の鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染者がいたことが2例判明し、中国疾病予防コントロールセンターなど関係機関が「人から人への感染」がなかったかどうか慎重に確認作業を進めていると報じた。

  同センターの馮子健応急センター主任は、ウイルス感染を上海市当局が16日に確認した患者4人の中に、3月4日に死亡した男性(87)の長男が含まれていたことを明らかにした。 家族で複数がウイルス感染したのは、上海市で3日に死亡した女性(52)の夫(56)に続き2例目となる。
 これに対し馮氏は、「鳥など汚染環境に家族が同時にさらされていたか、限定的に相互伝染したのかは明確に判断できず慎重に調査中」と強調。同時に「人から人への感染の可能性は排除できない」と述べた。

  一方、河南省当局は18日に、生きた鳥の販売業に従事していた同省鄭州市の38歳の男性1人の同型ウイルスの感染を確認したと発表した。 同省の感染確認はこれで3人目。
  中国全体では死者17人を含め感染者は計88人となった。





(2013.04.04)


(中国・またまた新型インフルエンザ病原発生、感染拡大懸念!)


 ・ 新型鳥インフルエンザで死者続出、汚染拡大は時間の問題か

中国の上海市政府などによると、同国東部で4日、男性2人の鳥インフルエンザ(H7N9型)感染が新たに確認され、うち一人が死亡した。
  これで中国での感染者は11人、死者は4人となった。
  上海市政府によると、死亡したのは江蘇省如皋市の男性(48)。3月28日に発症し、入院先の上海市の病院で4月3日朝に死亡。
  同市当局が4日午前に感染を確認した。男性はニワトリなど家禽(かきん)類の運送業をしていた。同ではさらに3人に感染の疑いがあり、確認を急いでいるという。
  一方、浙江省政府によると、感染が確認されたのは同省湖州市の農業従事者の男性(64)で、現在入院中という。男性は3月29日に発病。同政府が男性の検体を検査した結果、4月3日夜に同型の陽性が確認された。


 ・ 鳥インフル変異で「パンデミック」の恐れ、感染源なお不明

  中国で初めてヒトへの感染が確認されたH7N9型の鳥インフルエンザは、科学者らが遺伝子配列のデータ分析を行った結果、ヒトへのパンデミック(世界的大流行)を引き起こしやすいタイプに変異していることが分かった。
   しかし、中国で死者3人を出した同ウイルスがヒトからヒトへ感染している証拠は今のところ見つかっていない。  中国の保健当局がH7N9型の感染確認を発表してからまだ数日しかたっていないが、世界各地の研究者は感染者から検出されたウイルスの遺伝子情報の提供を受けて、大流行の可能性について研究を進めている。

   オランダのエラスムス大医学センター教授で、インフルエンザ研究の世界的権威であるアブ・オステルハウス氏は、遺伝子の配列から変異していることが分かり、当局による警戒と動物やヒトへの監視を強化すべきだと指摘、 「ウイルスは既にある程度までは哺乳類やヒトに適応しており、そうした観点から憂慮すべきだ」とし、「注意深く監視する必要がある」と述べた。

  中国の国家衛生計画生育委員会は1日、H7N9型鳥インフルエンザに3人が感染し、このうち上海の87歳と27歳の男性が3月初めに死亡したと発表。3日までに死者は3人、感染者は9人に増加した。 世界保健機関(WHO)も同日、ヒト感染が初めて確認されたことから、同ウイルスの問題を「深刻に捉えている」との見解を示した。鳥インフルエンザをめぐっては、ここ数年でH5N1型などの流行が起きているが、これまでヒトからヒトへの感染は確認されていない。

 一方、H7N9型もこれまでのところ、ヒト同士の感染はないとみられている。研究はまだ初期段階だが、これまでの分析でH7N9型は、鳥が感染しても病気になりにくい低病原性(LPAI)だとされる。ただ、ヒトに対しても同様だとは必ずしも言えないと警鐘を鳴らす。


・ 感染源は依然分からず

  専門家によると、H5やH7の亜型が特に鳥の間で感染を繰り返すうちに、低病原性からより危険な高病原性に変異していると説明、「われわれは無関心ではいられず、注意が必要だ」と語る。 鳥にとって危険性が低いということは、H7N9型が静かに拡散する可能性も意味する。そうなると、野生の鳥や家禽(かきん)が大量死し、目に見えて影響が分かるH5N1型のような高病原性に比べて発見が難しくなる。

 これは、「両刃の剣のようなもので、高病原性なら全てのニワトリが死亡し、養鶏業者にとっては非常にまずい事態だが反面、ウイルスがどこにあるかは分かりやすくなる」と指摘。
 ただ、「今のところ、このウイルスの感染源は分かっていない。どの動物が感染源かも分からない」として、事態を憂慮した。

 現在、中国や世界の研究者にとって最優先の課題は、感染源を突き止め、ウイルスがヒトとヒトとの間で大流行を引き起こすタイプに変異するかどうかを監視することが重要だという。

  WHO(世界保健機関)は、中国政府が監視体制の強化のほか、感染者と接触した人の追跡調査や医療関係者の訓練など、重要な各種対策を取ることで事態に対処していると評価するも、専門家は、H7N9型が確認後、速やかに報告されたという事実や世界中の研究者が分析できるように遺伝子情報が既に提供されているということが、かっての中国とは状況が変わってきた兆しだと指摘する。

  2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際、中国政府は当初、その事実を隠ぺいしようとした。 猛威を振るったSARSは世界中で約8000人が感染し、その10%が死亡した。 インフルエンザ自体への意識や、通常とは異なる呼吸器系疾患が新たなインフルエンザかもしれないとの懸念が高まることで、医療機関にはさらなる事例が集まるようになると期待する。
 
 世界・各国から批判を浴びたことで、中国は「いまだ発展途上国で医療体制も不十分でしかたがなかった」などと、訳の分らない言い訳で責任逃れをすることは、いまやゆれされる事ではない。









2014/01/27

H5N8型鳥インフルエンザ、韓国で急速に拡大


( 2014.01.27 )

● H5N8型・鳥インフルエンザが韓国で急速に拡大 


 今年になり、韓国ではH5N8型・鳥インフルエンザの鳥への感染拡大が確認されていて、1月16日に南西部・全羅北道のアヒル農場で最初に感染の疑いが報告されて以降、17日には農場近くの貯水池でも渡り鳥のカモが大量死しているのが見つかり、いずれもH5N8型・鳥インフルエンザの感染が確認されたという。
 その後、全羅南道や忠清南道の農場へと感染が広がり、26日には首都圏である京畿道の湖で採取された野鳥のフンからもウイルスが検出されており、当局はさらなる感染拡大を防ぐため、26日までに43の農場のアヒルとニワトリ計約64万羽が殺処分された。

 H5N8型・鳥インフルエンザは極めて毒性の強い高病原性のウイルスであり、渡り鳥の媒介により感染が拡大している可能性が指摘されていて、日本の農林水産省によると、冬季越冬のためシベリアからの渡り鳥は朝鮮半島を経由して日本に来ることが多く、過去にも韓国で鳥インフルエンザが流行した後に日本で発生したことがあり、日本政府も国内へのさらなる感染拡大が懸念され、警戒を強めている。

 我が国における鳥インフルエンザの状況については、平成22年11月以降、9県24農場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたが、平成23年3月24日、全ての防疫措置が完了し、国際獣疫事務局(OIE)が定める基準に基づいて、鳥インフルエンザ清浄国に復帰したことを宣言。
 なお、アジア周辺諸国では、依然として高病原性鳥インフルエンザが発生しており、我が国においても水際検疫の体制強化、感染の早期発見、ウイルス侵入防止に向けた徹底した対策が望まれる。

 鳥インフルエンザのウイルス自体は通常、人には感染しないが、感染した鳥と濃厚な接触を持つことにより、ウイルスが変異することで人にも感染する危険性があり、新型インフルエンザの中には、鳥のインフルエンザ・ウイルスが変異し、人へから人へと感染を拡げ、人類の脅威となった事例が多くある。








「アクリフーズ」冷凍食品農薬混入事件


( 2014.01.27 )

● アクリフーズの冷凍食品農薬混入事件について


 マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品に農薬が混入していた問題

( 事件の経緯 )

 2013年
 ・ 11月13日 冷凍食品を購入した顧客から、異臭がするとの苦情が寄せられる。

 ・ 11月15日~12月3日
     この間、購入した製品(冷凍食品)に関する苦情、問合せが合計9件届く。

 ・ 12月 4日 製品の異臭成分の分析・検査を外部検査機関に依頼する。

 ・ 12月13日 製品より酢酸エチル、エチレンベンゼン、キシレンなどの成分が検出される。

 ・ 12月27日 残留農薬検査の結果、農薬の「マラチオン(マラソン)」が検出される。

 ・ 12月29日 アクリフーズ社、記者会見で製品への農薬混入と製品回収を発表する。
  (回収対象商品=ミックスピザ、チキンナゲット、クリームコロッケなど49商品640万パック)

 ・ 12月30日 館林保健福祉事務所による群馬工場の立ち入り検査を実施。
  (・ 工場内での使用薬剤リストにマラチオンは無い)
  (・ 検出されたマラチオンが高濃度(通常の残留農薬レベルを遥かに超える濃度)であったことから原材料に由来するとは考えられない)
  (・ 商品への汚染が均一でない(異なる商品、個数、製造工程で汚染が確認されている等)
   以上の内容などから考えて、通常の製造工程上で汚染された可能性は低いと判断。

 2014年
 ・ 1月10日 アクリフーズ社、「食品への農薬混入によって業務を妨害された」として、大泉署に被害届を提出。

 ・ 1月13日 商品を口にし、体調不良を訴えた人、全国で2572人。(厚生労働省発表。1月13日時点)
   大沢正明群馬県知事や森雅子消費者相は、ともにアクリフーズからの報告の遅れを批判。
   さらに最初の苦情が寄せられてから商品回収に踏み切るまで、1カ月半を要した。
   この対応の遅れが、被害を拡大させたとの批判も。

 ・ 1月25日 群馬県警は、偽計業務妨害の疑いで、アクリフーズ社・群馬工場勤務の契約社員(男性:49歳)を逮捕。
   アクリフーズ社の親会社であるマルハニチロホールディングス社の社長、記者会見で「3月末で引責辞任」を表明。
   アクリフーズ社/群馬工場は、事件以来、操業停止状態続く。




(農薬・「マラチオン(別名:マラソン)」とは)

 有機リン系の殺虫剤、殺ダニ剤の一種。国内では農薬取締法に基づき、穀類や野菜、果実などに使用されている。
 低毒性ながら高濃度に含まれる商品を一定量摂取すると、中毒症状が引き起こされる可能性がる。
 主な中毒症状は、吐き気やおう吐、下痢、腹痛など。たとえば、マラチオンが高濃度で検出されたコーンクリームコロッケの場合、体重20kgの子どもが8分の1個のコーンクリームコロッケを食べると、吐き気など健康に影響が出る恐れがあるレベルだと公表されている。