( 2014.05.01 )
● WHOは、抗生物質効かない耐性菌が世界で拡大していると報告
世界保健機関(WHO)は4月30日、最も強力な抗生物質さえ効かない耐性菌が世界で拡大しているとする報告書を発表した。
WHOは、耐性菌が年齢や国に関係なく、あらゆる人に感染する可能性があると指摘、現時点で公衆衛生にとって大きな脅威で、被害が「壊滅的になる」との見方を示した。
抗生物質薬の誤使用や過剰な服用が、細菌が抗生物質に耐性を持つよう変化した原因になったという。
WHOは、今回初めて耐性菌に関する国際報告書を作成。 耐性菌の世界的な感染状況を調べるため、114カ国の加盟国から提供されたデータを基に、黄色ブドウ球菌など7つの細菌について、従来は効果が見られた特定の抗生物質が効かなかった例を報告書としてまとめ、30日、発表した。
調査の結果、「黄色ブドウ球菌」の場合、アフリカや南北アメリカの一部の国で、抗生物質のメチシリンを投与しても80%から90%の患者に効かなかった。
また、肺炎などを引き起こす「肺炎かん菌」でも、アフリカを中心に多くの国で50%以上の患者に抗生物質を投与しても効かなかったと報告されるなど、世界中で耐性菌の感染が広がっているとしている。
報告書は、さらに、このままでは将来、抗生物質が役に立たなくなる可能性があると警告したうえで、感染情報の調査方法を統一して世界全体で情報を共有することや、新たな治療方法の開発に力を入れることなど、国際社会による一致した対応の必要性を提言している。
WHOのフクダ事務局長補は「非常に大きな問題だ、あらゆる傾向から問題が拡大していることが示されている。 耐性菌の感染は、一部の地域や途上国の問題ではなく世界全体の問題だ」と危機感を示した。