2014/01/28

環境汚染問題-中国新型・鳥インフルエンザ


( 2014.01.28 最新情報 )

● 中国・鳥インフルエンザ、旧正月休暇で流行拡大懸念!


 中国で、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染した人が、今年に入ってから100人を超え、去年を上回るペースで増えており、もうすぐ始まる旧正月の連休には、生きた鳥を調理する家庭が多いことから、さらなる感染拡大が懸念されている。

 中国の衛生当局などが発表したところによると、今年に入って東部や南部を中心に、H7N9型の鳥インフルエンザ・ウイルスに感染する人が急増、浙江省で49人、広東省で26人など、中国本土の8つの省と市、それに香港で合わせて103人に上っていて、このうち22人が死亡している。

 去年1年間に中国本土と香港で144人以上の感染が確認され、このうち48人が死亡しているが、今年になり1か月足らずで感染者が100人を超え、去年を上回るペースで拡大している。
 ただ、公表された感染者数は「氷山の一角」で、実態はもっと多いいのではないかと指摘する関係者もいる。
 また、これまでH7N9型は人から人への持続的な感染はないとされてきたが、中国メディア・「新華網」は、限定的な人から人への感染が起きていると報じた。

 中国では、旧正月の「春節」の連休には、生きた鳥を調理して親族が集まる食事の場に出す家庭も多く、今月31日の旧正月を前に、鳥肉の需要が高まっているだけに、さらなる感染拡大が懸念されていて、各地の衛生当局は、生きた鳥を扱う市場を閉鎖するなど対応に追われている。
 但し、ヤミ業者などによる生きた鳥の販売取引が、一般に横行していることから、感染拡大を防止する効果を疑問視する報道もある。

 また、香港では昨年12月と今年1月に、いずれも中国本土で感染したと思われる男性2人が、香港戻った直後に発病しその後死亡が確認されていて、今月にも中国本土から輸入された香港の卸売市場の家禽類から前日(27日)に、同ウイルスが発見されたことを受けて28日、卸売市場のニワトリ2万羽の殺処分を開始するとともに、ウイルスが検出された卸売市場も、洗浄・消毒のため21日間、閉鎖される。
 さらに、地元産を含め生きた家禽(かきん)の販売を2月18日まで全面的に禁止、本土からの鳥肉の輸入を21日間停止する方針を明らかにした。



( 2014.01.13 )

● 新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・再流行の予兆か!


 中国では、H7N9型鳥インフルエンザの感染者が、今年に入ってから新たに22人が確認され、急増している。 いずれも南部の広東省と東部の浙江省などに集中していると言われているが、22人のうち、浙江省の75歳の女性と福建省の38歳の男性が死亡している。

 感染の拡大は、去年夏にいったん収束したかに見えたが、秋以降、再び流行の兆しを見せ、1月末からの旧正月の大型連休で人の移動が大きく増えるため、さらなる感染拡大が懸念される。
 
 家禽(かきん)市場に出入りするなど、生きた鳥と接触する機会のあった人が感染するケースが多く、衛生当局も市場の消毒などを徹底し、警戒を強めていると伝えられる。

(これまでに確認された感染者数 2014/01/13)

・ 中国本土 170人(死亡 50人)、香港 3人(死亡 1人) / 台湾 1人 


■ その他の中国・鳥インフルエンザ情報

・(H5N1型鳥インフルエンザ)

 北米初のH5N1鳥インフルによる死者、カナダで確認
 カナダの保健相は、今年の1月8日、北米初の「H5N1型鳥インフルエンザ」による死者を、同国西部アルバータ州で確認したと発表した。 同型鳥インフルの感染者が北米で確認されたのも初めてという。
 当局によると、死亡したのは中国・北京に最近渡航した人で、遺族のプライバシーを守るため、性別などは公表されていない。 昨年12月27日にアルバータ州へ向かう機内で具合が悪くなり、今月1日に発熱と頭痛を訴えて入院。その2日後に死亡した。
 H5N1型鳥インフルのウイルスは、家禽類などの鳥との直接接触により感染する。発症後の症状は重く、致死率は60%とされる。
 カナダの保健相は「これは単発的な感染例であり、カナダでH5N1の感染が広まるリスクは低い。持続的なヒト・ヒト感染の証拠はない」と述べている。
 世界保健機関(WHO)によると、2003年以降、H5N1の感染者は628人に上り、374人が死亡、致死率は約60%といわれているが、2013年では感染例38件、そのうち24人が死亡したとされている。


・(H10N8型鳥インフルエンザ)

 中国江西省の保健当局は、昨年の12月18日、同省南昌で、人では世界初となるH10N8型の鳥インフルエンザに感染した女性(73)が死亡したことを確認したと発表した。
 当局によると、南昌の女性は11月30日に深刻な肺炎で入院し、呼吸器系の障害とショック症状で死亡した。女性は家禽(かきん)類を生きたまま販売する市場を訪れていたという。
 これまでのところ、女性と接触のあった人々からは、病状は確認されていないという。 香港大学の微生物学者によると、H10N8型の鳥インフルエンザが人への感染が確認されたのは世界でも今回が初めて、鳥インフルエンザの人への感染が確認されたことで、人から人に感染しやすいウイルスに突然変異することへの懸念が広がっている。

・中国研究チームの豚・鳥インフル混合ウイルス作成に波紋!

 2013年5月6日のフランス・メディア情報によると、中国農業科学院と甘粛農業大学の研究チームは、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)と、豚インフルエンザウイルス(H1N1)の遺伝子を掛け合わせることで新たなウイルスを開発することに成功したと米科学誌「サイエンス」に発表した。
 モルモットからモルモットへ空気感染する鳥インフルエンザのハイブリッドウイルスを開発、現在も研究所で冷凍保存していることに、世界の免疫学者らが3日、懸念を表明した。

 鳥を通じてヒトに感染する「H5N1」は、致死率は約60%だが、今のところヒトからヒトへの感染は確認されていないため、これまでのところパンデミック(世界的大流行)は起きていない。
 中国の研究チームによると、今回開発された新型の変異ウイルスは、呼吸器分泌物の飛沫によりモルモットからモルモットへ容易に感染したことから、致死性の高い「H5N1」が「ほ乳類間の伝播能力」を獲得するためには、遺伝子のごく単純な突然変異しか必要ないことが証明されたと述べている。

 ウイルスの混合は、2種のウイルス株が同じ細胞に感染し、遺伝子再集合と呼ばれるプロセスにより遺伝子を交換した際に自然に起きる現象だが、これまでのところ、豚のウイルス「H1N1」と鳥のウイルス「H5N1」でそのような現象が自然に起きたことを示す証拠は見つかっていない。
 しかし、今回の研究が、突然変異ウイルスを人工的に作成することで人類を危機に陥れているという批判が一部ではあがっている。

 仏パスツール研究所のウイルス学教授、サイモン・ウエインホブソン氏は、6年前に英国の研究所から流出した「口蹄疫ウイルス」により、大流行を引き起こした例を指摘している。
 中国のチームが作成したハイブリッドウイルスは、モルモットでは致死性が低いと言われているが、ヒトに対してはどのような影響を及ぼすかも分かっていない。
 さらに、ウエインホブソン氏は「これらがパンデミックウイルスになる可能性もあり、仮に何らかの管理ミスがあったり、このウイルスが研究機関より外部に流出してヒトに感染し、10万~1億人の死者を出すこともありえる」と警告する。

 一方、ロンドン大学のウイルス学者、ジョン・オックスフォード氏は、この研究により、今も世界各地でヒトに感染している2つのウイルスの間で遺伝子交換が起きる可能性があることが証明されことで、警鐘を鳴らす上で有効だと評価する。
「数学的に考えれば、遅かれ早かれ、誰かが両方(のウイルス)に感染し、そこから混合種のウイルスが拡散を始める可能性がある。」と語った。 さらに「われわれはパンデミック対策を見直し、H5N1ワクチンの在庫を豊富に確保しなければならない」と警鐘を鳴らす。



( 2014.01.09 )

● 中国・鳥インフルエンザ(H7N9型)・香港で3人目の感染者!


 香港の衛生当局は8日夜、65歳の地元男性がH7N9型の鳥インフルエンザに感染したことが確認されたと発表した。 香港域外で感染したとみられるとしているが、これで香港の感染者は3人(うち1人死亡)となった。

  新たな感染者は、1日から2日にかけて隣接する深セン(中国広東省)に行っていたとされ、3日に発症し、現在重体となっている。  これまでの感染者も、深センに住んでいたか、発症前に訪れていたことから、いずれも香港域外で感染したとみられている。


( 2014.01.01 )

● 新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・台湾で再び感染確認!


 年末の31日、台湾の衛生当局によると、17日より観光で訪れていた中国・江蘇省の86歳の男性が、肺炎のような症状を訴え、24日から入院していたが31日、H7N9型鳥インフルエンザに感染していることが確認され、現在は集中治療室で治療をうけていることが判明。

 男性は、団体旅行で台北市や高雄市などを訪れていたというで、衛生当局はこの男性と接触の可能性がある人たちに症状が出ていないか、調査をしている。

 台湾で、H7N9型鳥インフルエンザの感染が確認されたのは2人目で、夏場に一時、感染拡大が止まっていたものが、冬場になり再び感染確認が相次いでいることから、感染の拡大が懸念されている。



( 2013.12.26 )

● 新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・香港でも死亡が!


 香港でもH7N9型鳥インフルエンザに感染した80歳の男性が死亡したことを、香港当局が26日に発表。 香港で死亡者がでたのは今回の事例が初めてとのこと。

 死亡した男性は、広東省深セン市に在住し、鶏肉をたべたというが、感染経路は不明。
検査の結果、男性と接触した人は、これまでのところすべて陰性だったとしている。

 

( 2013.12.02 )

● 香港でも新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)・感染確認


 香港政府は12月2日、香港で初めてH7N9型鳥インフルエンザの感染者を確認したと発表した。
感染者は、香港で家政婦として働く36歳のインドネシア人の女性で、11月17日に中国本土の広東省深セン市に行った際に、生きた家禽類に接触していた可能性(現地でさばかれた鶏肉を食べたとの報道もある)があり、現在は香港の病院に入院しているが重症だという。
 また、接触者のうち家族の4人にも軽微な症状が出ていることから、家族についても速やかに検査を行うとしている。
 これまで人から人への明確な感染例はないとされていたが、江蘇省の事例では発病した父親から娘に直接感染した可能性がきわめて高いとされる事例が報告されている。

 中国本土では、感染が相次いでいるが、本土以外では4月の台湾で中国東部で勤務経験のある53歳の男性の感染が報告されて以来、2例目となり、この冬のインフルエンザ流行時期をむかえ、他地域への感染の広がりが再び懸念されてきた。

・ 中国本土発症者数 137人  死亡 45人  / 他地域発症者数 台湾 1人、香港 1人 



( 2013.11.02 )

WHO(世界保健機関)によると、今年3月に中国(上海市)で初めてH7N9型鳥インフルエンザの感染が確認されて以来、3~4月をピークにこれまで感染確認者138人死者45人死亡率は約30%とされている。
 8~9月は感染報告がなかったものの、10月になり4人の感染が報告され、この冬のインフルエンザ流行時期をむかえことから、再び感染の拡大が懸念されている

(尚、感染者数や、死者数の関しては、その根拠となる情報が中国政府関係機関により曖昧なところもあり若干異なる。)

( 感染状況と現状 )

 今回の新型・鳥インフルエンザ(H7N9型)は、今まで人に感染することが知られていなかったウイルスの感染症。 4月1日にWHO(世界保健機関)が中国で初めて人に感染していたことを公表。
 感染源は未だに特定されていないが、中国国内の家禽類(鶏、ハトなど)からウイルスが確認されていることから、感染源の一つと考えられている。

 中国政府の調査では、当初、人から人への持続的な感染は確認されていないとされていたが、8月6日付けのイギリスの医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」で、中国・江蘇省の研究者チームが、ウイルスが父親から娘に直接感染した可能性が高いとして発表した。
 現在、感染は収まっているかのようだが、これから秋、冬をむかえ再び感染が拡大する懸念が指摘されている。

( 臨床症状 )

 ・ 潜伏期間は1~10日(多くは2~5日)とされ、発熱・呼吸器症状・下痢・多臓器不全など。
 ・ 現在、確立された治療法はまだ無く、他のインフレエンザ同様、「タミフル」等を用いた対処療法での対応しかなく、致死率は20~30%とまだ高い。ワクチンはまだ開発中である。

(尚、治療法として「タミフル」などの抗ウイルス薬による早期治療が有効とされてきたが、5月28日には香港と上海の医師グループから治療薬「タミフル」に耐性をもったウイルスが検出されたとの報告もあり、今後「タミフル」の効かない耐性型ウイルスの感染拡大が懸念されている。)

( 発症予防 )

 ・ 不用意に鳥類に近寄ったり触れたりしない事。(特に、家禽が飼育されている場所、生きた鳥を販売している場所(市場)や食用に鳥を解体している場所には立ち入らない。
 ・ 手洗いやうがいの励行、マスクの着用。(特に発生国に滞在時)
 * 入国(帰国)の際、発熱や咳など体調に異状がみられたら、検疫所に申し出る。

(尚、11月13日の米国・医学雑誌(ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)によると、米国のバイオ製薬会社が「H7N9型鳥インフルエンザ」用のワクチン開発で、初期臨床試験ではあるが有効な結果が得られたと発表、まだ予備的な段階で実用には課題もあるようだが、一刻も早く安全で有効なワクチンの開発、実用化が待たれている。)


(2013.08.11)

● 中国南部の広東省で新型鳥インフルエンザ(H7N9型)感染者を確認!


 中国南部の広東省の衛生庁は10日、同省で初となる鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者を確認したと発表した。
 感染が確認されたのは地元の市場で家禽(かきん)の食肉処理を担当していた女性(51)で、発熱の症状が出て今月3日に入院したが、重体だという。

 国営新華社通信によると、10日、中国本土ではこの女性を含めこれまでに134人がH7N9型鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認され、死者は44人に上ったと伝えている。
 中国でH7N9型ウイルスの感染者が最初に報告されたのは今年3月。台湾での1人を除けば、感染者はほぼ中国本土の東部に限定されていたが、今回、南部の広東省でも感染が広がっていることが確認。 秋から冬にかけ、再び感染が拡大する懸念が!


(2013.08.07)

● 中国の新型鳥インフルエンザ(H7N9型)で父から娘に感染か!


 今年の春より、中国の東部を中心にヒトへの感染が相次いだH7N9型の鳥インフルエンザウイルスは、130人以上の感染が確認され、このうち43人が死亡し、中には、家族で複数の人が感染した事例も報告されている。
 感染者数や、死者数の関しては、その根拠となる情報が中国政府関係機関により曖昧なところもあり若干異なる。  言論・情報統制があたりまえの中国では、実際にはもう少し多いいのではとの憶測もある。

 このうち、中国・江蘇省で4月から5月にかけて死亡した60歳の父親と32歳の娘について、江蘇省の研究者チームが感染の経路を調査した結果、ウイルスが父親から娘に直接感染した可能性が高いとして発表しました。

 父親は、ウイルスに感染したあと病院に入院し、娘の看病を受けていたということで、2人の感染したウイルスの遺伝子検査を行ったところ、遺伝子の配列が、ほぼ一致したということと、娘は、ふだんの生活で鳥類との接触は無かったということからして、父親から感染した可能性が極めて高いと判断したもの。

 ただ、父親の看病をしていたほかの家族は感染していないことなどから、このウイルスの感染は、限定的なものだとしているが、人から人に感染する懸念は、この新型鳥インフルエンザ(H7N9型)が発生した頃より指摘されていたことであり、現時点で日本人全員がこのウイルスに対して免疫がないことから、国内に入ってくれば感染拡大の危険性が極めて高くなる。

 水際での感染防止は、ほぼ不可能、一刻もはやく、この新型鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスに対する有効なワクチン開発が急がれるところである。


(2013.07.11)

● 中国の・新型鳥インフルエンザ(H7N9型)で死者 計43人に!


 中国の保健当局は10日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染による国内の死者数が43人になったと発表した。
中国本土で6月末までに感染が確認された患者は132人、6月中に新たに1人が感染し、4人が死亡している。
死者の1人は上海市当局が6月末に発表した56歳の男性で、残る3人の死者についての詳細は不明。
 また、感染者のうち85人は病院での治療後に回復し退院したとしており、現在も入院中の患者は4人とみられる。


(2013.05.28)

● 中国の・新型鳥インフルエンザ(H7N9型)で「タミフル耐性」へウイルス変異か!


 5月28日で、死亡者36名となった新型鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスについて、上海と香港らの医師グループが、これまで感染者14人を調べた結果、3人から新型鳥インフルエンザ(H7N9型)ウイルスにも有効とされる治療薬「タミフル」に対する耐性を持つウイルスが検出されたことを発表した。
 
 感染後の治療にタミフルを投与した結果、ウイルスの遺伝子が突然変異によって耐性を持った可能性があると指摘している。
 これまでにもウイルスの薬剤耐性が懸念されていたが、臨床の結果として確認されたのは初めてだという。

 現時点で、「タミフル」への耐性が確認されたウイルスの比率は低水準とされているが、抗インフル薬として世界中で使われていることから、極めて深刻な状況として注視していく必要があると警告している。 将来、世界的に大流行(パンデミック)した場合に、タミフルの効かないウイルスに変化したものが感染を拡げる可能性を懸念する。


(2013.05.10)

● 中国発生・新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染拡大について


 5月9日、江西省南昌市で79歳の女性が感染確認された。 また、河南省鄭州市で重体となっていた56歳の男性の死亡を発表。 感染者は131人、死亡33人と推定(32人とする報道もある)される。


 5月10日、中国・上海市当局は、上海市において新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の新たな感染者が20日間以上確認されていないことから、同型ウイルスに対する厳戒態勢を解除すると発表、現在のところヒトからヒトへの感染を示す証拠もないとしている。
 上海は、最初の感染者が出たとされ、5月9日現在で感染者33人、死亡13人をだしている。

 ただし、感染源の可能性が残る家禽(かきん)類を扱う市場の閉鎖や、取引などの停止は継続するとしている。



( 感染者数・統計-2013、05、10現在 )


      感染者   死亡

浙江省  46人    7人
上海市  33人   14人
江蘇省  27人    8人
江西省   6人    1人
安徽省   4人    2人
河南省   4人    1人
福建省   5人    0人
山東省   2人    0人
湖南省   2人    0人
北京市   1人    0人

台 湾    1人    0人

合   計 131人   33人




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(2013.05.07)


● 新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の死亡31人に、南部への感染拡大も


 5月6日、中国衛生当局は、安徽省などで治療中の感染者が新たに4人死亡したと発表。4人の性別や年齢など具体的な情報は公開されていない。死者はこれで31人となった。また、福建省で9歳の男の子の感染が新たに確認されるなど、感染者の総数は公式発表で、中国本土が129人、台湾が1人の130人となっている。

 また、中国の農業省は、広東省東莞市の市場のニワトリ1検体からH7N9型のウイルスを検出したと発表。今後、中国南部で、感染地域が拡大する可能性が出てきた。


(2013.05.02)

● 中国の鳥インフル死者27人に…55歳男性死亡


 中国湖南省政府は2日、鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染が確認されていた江西省宜春市の55歳男性が1日に死亡したと発表した。

 国家衛生・計画出産委員会が1日に発表した週間統計によると、江蘇省でも感染者2人が新たに死亡し、中国本土での感染による死者は27人となった。

 同委員会は4月24日以降、それまで毎日行っていた感染者数と死者数に関する情報の発表を週1回に変更。江蘇省政府は、2人の死亡について同委に報告したが、独自には一切の情報を公表しておらず、死者の性別や年齢は明らかでない。

 同省を除く各地方政府は、新たな感染者や死者が確認される度に、性別や年齢も含めて発表していたが、情報公開の姿勢が後退したとの見方もある。

 中国、連休で旅行による移動で感染拡大懸念も、政府の情報規制により国内での混乱を防ぐ狙いもあり、中国国民に危機意識が薄い要因にも。 今後、人から人への感染を懸念。


 今回の新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染の報道に関しては、前回の「SARS」の時の中国政府の情報公開対応が世界各国から批判されたことを反省(勿論、中国人政府が反省しましたなどと公言する事はないが!)してか、中国人としては珍しく比較的早くに情報発表がされたが、現在、中国人政府による報道規制により、感染者数、死亡者数などの最新情報は不明。 またしても、都合の悪いことは隠蔽し、他人に責任を転嫁する中国人体質の本領発揮か。

 その後、感染は拡大しているのか、沈静化しているのか、事は中国国内だけの問題ではなく、全世界に感染拡大の恐れがある問題であることを、中国人は肝に銘じ、速やかに言論統制、報道規制を解くべきである。

 約10年ほど前に問題となった「SARS」感染の際には、広東省で発生後、約半年の間中国政府は感染の事実を隠蔽し、結果的に中国全土で5、347人が感染、死亡者349人という事態になった。 この数字が中国当局(衛生部)の公式発表であるが、この数字を信じる中国人は少ないであろう。 この数字は「氷山の一角」で、実態はもっと深刻だった可能性があると指摘する専門家もいる。
 
 このとき、全世界では8、000人以上が感染、その10%が死亡、日本国内の空港などでも、中国からの感染拡大を懸念し、検疫の厳戒態勢が布かれる騒ぎとなったことを忘れてはいけない。



(2013.04.30)

● 鳥インフルエンザ:4歳児、父から感染か 「家族内」疑い3例目


 中国山東省の衛生当局は28日夜、同省で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染が初めて確認された棗荘(そうそう)市の男性(36)の息子(4)も感染を確認したと発表した。
 家族内で複数の感染者が確認されたのは上海市の2例に続き3例目。 世界で初めてヒトへの感染が上海市で確認されてから30日で1カ月。 衛生当局は感染経路を調べているが、「現段階ではヒトからヒトへの感染を示す証拠はない」と強調している。

 上海市で29日、感染者1人が死亡し、中国本土での感染者は2市8省で計126人、うち死者は24人。ほかに台湾で1人の感染が確認されている。

 山東省の衛生当局によると、男児は27日に発熱し病状は安定している。 父親は23日に感染が確認され、重体。

 家族内で複数の感染者が出たケースについて、中国疾病対策センターは「限定的なヒトからヒトへの感染」の可能性があることは認めている。ただ、現状では感染者が数百、数千人単位で増えているわけではなく、パンデミック(大流行)につながる予兆はない。
 一方で、同センターなどの専門家を率いる李蘭娟(りらんえん)氏は26日、「変異が起きてヒトからヒトへの感染を容易にする可能性がある」との見方を示し、ウイルスの遺伝子の変異によって感染が拡大することに警戒感を示した。



(2013.04.24)

● 台湾でも新たに1人の感染者を確認・国外で初めて


  中国で鳥インフルエンザへの感染が相次ぐなか、台湾で初めて男性1人がH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認されました。
 台湾の衛生当局が日本時間の24日午後6時半から行った記者会見によりますと、感染が確認されたのは台湾の53歳の男性で、先月28日から仕事のため、中国東部の江蘇省蘇州に滞在したあと、今月9日に上海を経由して台湾に戻ったということです。
 
 その後この男性は12日に発熱し、倦怠感などを訴えて16日に病院に入院したということで、検査の結果24日、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認されました。
 この男性が中国滞在中に生きた鳥に接触した形跡はないということです。 台湾でH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染した人が確認されたのは初めてです。

 台湾では、今月3日に、H7N9型の鳥インフルエンザを法定伝染病に指定し、感染が疑われる患者が見つかった場合は、医療機関で隔離するとしたほか、空港などで中国から訪れる旅行者への検疫を強化していました。

 H7N9型の鳥インフルエンザは、これまで中国東部の上海や浙江省、江蘇省を中心に109人の感染が確認され、このうち22人が死亡しています。


 今回の新型鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染の報道に関しては、前回の「SARS」の時の中国政府の情報公開対応が世界各国から批判されたことを反省(勿論、中国人政府が反省しましたなどと公言する事はないが!)してか、中国人としては珍しく比較的早くに情報発表がされたが、現在、中国人政府による報道規制により、感染者数、死亡者数などの最新情報は不明。 またしても、都合の悪いことは隠蔽し、他人に責任を転嫁する中国人体質の本領発揮か。

 その後、感染は拡大しているのか、沈静化しているのか、事は中国国内だけの問題ではなく、全世界に感染拡大の恐れがある問題であることを、中国人は肝に銘じ、速やかに言論統制、報道規制を解くべきである。

 約10年ほど前に問題となった「SARS」感染の際には、広東省で発生後、約半年の間中国政府は感染の事実を隠蔽し、結果的に中国全土で5、347人が感染、死亡者349人という事態になった。 この数字が中国当局(衛生部)の公式発表であるが、この数字を信じる中国人は少ないであろう。 この数字は「氷山の一角」で、実態はもっと深刻だった可能性があると指摘する専門家もいる。
 
 このとき、全世界では8、000人以上が感染、その10%が死亡、日本国内の空港などでも、中国からの感染拡大を懸念し、検疫の厳戒態勢が布かれる騒ぎとなったことを忘れてはいけない。


(2013.04.24)

(各国の対応)

● 日本、鳥インフル 中国からの入国者に成田で注意呼びかけ


 GW・今週末からの連休で、日本でも感染拡大が懸念されている。

成田空港検疫所は19日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染拡大を受け、中国からの入国者に注意点を記したチラシの配布を始めた。中国本土以外にも香港とマカオから到着する旅客も対象にする。  チラシの両面に日本語と中国語を併記。入国後10日間はマスクを着けたり、体温を測ったりして注意するよう呼び掛け、体調が悪い場合は近くの保健所に電話するよう求めている。
  成田空港では1日に約50便、約5千~6千人が中国から到着する。総務課の八木伸幸課長補佐は「入国する人は自分が感染している可能性があると思って行動してほしい」と話している。

2013.04.19

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 中国で鳥インフルエンザH7N9型の感染が広がっているのを受け、厚生労働省は24日、H7N9型を感染症法に基づく「指定感染症」に指定することを決めた。厚生科学審議会感染症部会が了承した。これにより、患者の強制的な入院や就業制限などの措置が最長2年間、取れるようになる。 指示に従わない場合、罰則もあり。  近く閣議決定し、5月上旬の政令施行を目指す。

 指定感染症への指定は、新型肺炎(SARS)、H5N1型の鳥インフルエンザに続き3例目。

2013.04.24

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 ● ベトナム、入国者の監視強化 センサー使い体温検査 (鳥インフル)

  中国での鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染拡大を受け、ベトナム保健省は4日、首都ハノイや南部ホーチミンの国際空港、北部の中国との陸上国境などでの入国者の監視を強めるよう通達した。同省当局者が5日、明らかにした。
  同省は関係各所に緊急書簡を送達。全ての入国者に対しセンサーを使った体温検査を実施し、急性の呼吸器疾患の症状などが疑われる場合は隔離などの措置を取ることなどを指示した。
  中国と国境を接するベトナムは警戒を強めており、既に農業・地方開発省が2日、北部の国境を通じた中国からのニワトリなどの家禽や鶏肉など関連産品の輸入を全面禁止している。

 2013.04.05

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 ● ロシア極東、中国からの入国者検査強化 (鳥インフル)


  ロシア消費者権利保護・福祉監督庁のオニシェンコ長官は16日までに、中国で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者が拡大していることを受け、特に国境を接し人の往来が多い極東地域で中国からの入国者の検査を強化するよう命じた。指示は13日付。
  指示を受け、ロシア極東の空港や陸上の国境検問所では中国からの入国者の体温検査を強化。発熱している人がいた場合は、病院などで詳しく検査する措置を取ったが、これまでに感染者は確認されていないという。

 2013.04.16

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(2013.04.23)

● 感染者108人、死者22人に。 山東省でも新たに1人の感染者を確認


  2013年4月23日、中国国家衛生・計画生育委員会の発表によると、同日午後4時(現地時間)現在、中国のH7N9型鳥インフルエンザ感染者は108人、死者は22人に増加した。新華社通信が伝えた。

  都市別にみると、新たに山東省で感染者1人が確認された。 北京市は感染例が1人、上海市は感染者が33人で、死者12人。 江蘇省は24人が感染し、うち3人が死亡。 浙江省は感染者が42人に増え、死者は6人に増加。安徽省の感染例は4人で、うち1人が亡くなっている。 河南省の感染者は3人。 鳥インフルエンザの感染拡大が止まりません。 中国沿岸部の山東省で、初めて感染者が確認されました。

 感染者は108人に上り、22人が死亡しています。 こうした事態を受けて、日本国内では厚生労働省が、感染が確認された場合、患者に入院の指示や就業制限などの措置を取る方針を決めました。
 
 H7N9型の鳥インフルエンザウイルスを巡っては、「限定的なヒトとヒトの間の感染が起きている可能性がある」とされています。 厚労省は、仮に国内で発生した場合、H7N9型を感染症法上の「指定感染症」とする方針を24日に部会に示し、了承されました。 これによって、患者に対して入院を指示したり、就業制限などの措置を取ることができ、医療費は公費で負担されます。




(2013.04.19)

● 感染爆発寸前、鳥インフルエンザの困った事情


  中国南東部から北部の北京まで広がった鳥インフルエンザが本格的な感染爆発、パンデミック前夜の様相です。 野鳥からも発見、鳥には弱毒なのに人は重篤の特性に加え、中国の貧しい医療事情から患者潜伏の可能性あり。 16日までに公表の感染患者77人、死者16人で本当に網羅しているのか疑問が残ります。

 新型インフルエンザで記憶に新しい2009年のH1N1型は、過去に流行したウイルスと共通部分があって高齢者を中心に免疫が残っていましたが、今回のH7N9型は人間にとって全くの新型です。  感染を広げながら進化するウイルスの特性も睨みながら、ウイルスが苦手とする夏まで目が離せません。 もし日本に来るならば都議選があった4年前と同じ条件になり、公式発表と違い7月まで患者発生は続きました。

最も多いのは上海市の患者30人、死者11人で、周辺の江蘇、浙江、安徽の3省が続きます。 14日に内陸部の河南省でも2人の患者発生が報告されました。 16日には中国農業省から南京市の野生のハトからウイルス初検出が発表されました。

 少数の回復者も出ていますが、概して症状は重いようです。 医学誌に投稿された52歳女性の進行状況を、日経メディカルの「中国のH7N9型鳥インフルエンザ、死亡例の臨床像が明らかに」から引用します。

(症状例)
 
・ 第1病日=悪寒と発熱40.6度で発症。他の症状はみられず。服薬せず」。
・ 第2病日=救急受診するも投薬のみで帰宅。
・ 第3病日=胸部X線施行、右下肺野に斑状陰影。

 抗生剤の経静脈的投与が3日間行われている。 咳や呼吸困難は認められず。

・ 第7病日=咳、呼吸困難の症状が急速に悪化し転院。

 この時点で急性呼吸不全を伴う重症インフルエンザを疑われ、気管内挿管・人工呼吸器開始。

・ 第8病日=抗生剤・免疫グロブリン・ステロイド継続するも状態悪化し死亡。

H7N9型感染と確定したのは、その翌日でした。

 重症インフルエンザを疑った時には既に手遅れになるのは、これまでの常識に反しているからです。 抗ウイルス剤投与の機を逸しています。
 今までの新型鳥インフルエンザウイルスの対策は、暗黙の前提として鳥などの中間宿主に対しても強毒性のウイルスを想定していました。 鳥や豚などの大量死の報告を受けて、ヒトへの感染を防御する対策を打つ、というのが防疫の手順でした。 
 
 WHO(世界保健機関)によれば、近代的な疫学研究が始まって以来、H7N9は鳥などの中間宿主に対して弱毒性インフルエンザウイルスがヒトに感染し、強毒性を示した初めての例となりました。

 H7N9型鳥インフルエンザにかかると隔離病棟に入れられるということもあってか、1日1万元(約15万円)以上という法外な治療費が必要になるという。
 南京市の感染者は治療費が支払えないため家を売る予定とも報じられた。 これほどの治療費を支払える人はそうそういないし、死んでもいいから自力で治すことにチャレンジする人も多そうだ。
 
 人・人感染が確認されていないため、SARSほど危険な病気ではないというのが、無償治療にしない当局の説明のようです。 毎月数万円で暮らしている人が普通なのに、社会全体の防衛を考える意識の無さにおそれいります。
 上海市が2月に新型ウイルスの端緒をつかみながら、グズグズしていたのも3月に北京で新指導部選出の全人代が開かれていたから遠慮していた疑惑があります。 新型の封じ込めには立ち上がりを徹底的に叩くしか無いとされているのにです。

 最初の患者が出た上海など中国南部地域は新型インフルエンザの「火薬庫」です。 人と膨大に飼われている豚と家禽類が日常的にかつ濃厚に接触しているために、種をまたぐ感染を起こす新型が生まれやすいからです。 4年前には感染爆発と言えるほどの規模にはなりませんでしたが、今度の新型は中国国外に出るようなら非常に危険です。

 ブルームバーグの「中国の鳥インフル拡大なら世界的流行の恐れも」が、中国ワクチンメーカートップの意見として「今回の鳥インフルエンザの感染が、パンデミックとなるリスクが高まっている」と述べ、03年から広がった「H5N1型」ウイルスと比べると今回は、ずっと深刻な発生状況だとの認識を示したと報じています。





(2013.04.19)


● 鳥インフル 世界的大流行否定できず 国立感染研がリスク評価


 国立感染症研究所は19日、中国で感染者が相次ぐ鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)が「人への適応性を高めており、パンデミック(世界的大流行)を起こす可能性が否定できない」などとする初めてのリスク評価を公表した。

  同一家族内で複数の発症者が出たことから、「確認はされていないが、限定的な人から人への感染が起こっている可能性がある」とした。
  現時点で感染経路は不明。鳥と患者から分離されたウイルスには遺伝情報に違いがあり、鳥から患者に直接感染したとは考えにくく、豚などの哺乳動物が介在して感染源になっていることがあり得るという。

  「タミフル」や「リレンザ」は効くとみられ、「早期診断、早期治療により、重症例の減少が期待できる」と指摘。最初の3人の死亡例では抗ウイルス薬の投与遅れがあったという。


( 鳥インフル 「人から人、感染排除できず」 家族感染2例目 )

 中国、慎重に調査  中国紙、新京報(電子版)は18日、上海市で家族内に複数の鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染者がいたことが2例判明し、中国疾病予防コントロールセンターなど関係機関が「人から人への感染」がなかったかどうか慎重に確認作業を進めていると報じた。

  同センターの馮子健応急センター主任は、ウイルス感染を上海市当局が16日に確認した患者4人の中に、3月4日に死亡した男性(87)の長男が含まれていたことを明らかにした。 家族で複数がウイルス感染したのは、上海市で3日に死亡した女性(52)の夫(56)に続き2例目となる。
 これに対し馮氏は、「鳥など汚染環境に家族が同時にさらされていたか、限定的に相互伝染したのかは明確に判断できず慎重に調査中」と強調。同時に「人から人への感染の可能性は排除できない」と述べた。

  一方、河南省当局は18日に、生きた鳥の販売業に従事していた同省鄭州市の38歳の男性1人の同型ウイルスの感染を確認したと発表した。 同省の感染確認はこれで3人目。
  中国全体では死者17人を含め感染者は計88人となった。





(2013.04.04)


(中国・またまた新型インフルエンザ病原発生、感染拡大懸念!)


 ・ 新型鳥インフルエンザで死者続出、汚染拡大は時間の問題か

中国の上海市政府などによると、同国東部で4日、男性2人の鳥インフルエンザ(H7N9型)感染が新たに確認され、うち一人が死亡した。
  これで中国での感染者は11人、死者は4人となった。
  上海市政府によると、死亡したのは江蘇省如皋市の男性(48)。3月28日に発症し、入院先の上海市の病院で4月3日朝に死亡。
  同市当局が4日午前に感染を確認した。男性はニワトリなど家禽(かきん)類の運送業をしていた。同ではさらに3人に感染の疑いがあり、確認を急いでいるという。
  一方、浙江省政府によると、感染が確認されたのは同省湖州市の農業従事者の男性(64)で、現在入院中という。男性は3月29日に発病。同政府が男性の検体を検査した結果、4月3日夜に同型の陽性が確認された。


 ・ 鳥インフル変異で「パンデミック」の恐れ、感染源なお不明

  中国で初めてヒトへの感染が確認されたH7N9型の鳥インフルエンザは、科学者らが遺伝子配列のデータ分析を行った結果、ヒトへのパンデミック(世界的大流行)を引き起こしやすいタイプに変異していることが分かった。
   しかし、中国で死者3人を出した同ウイルスがヒトからヒトへ感染している証拠は今のところ見つかっていない。  中国の保健当局がH7N9型の感染確認を発表してからまだ数日しかたっていないが、世界各地の研究者は感染者から検出されたウイルスの遺伝子情報の提供を受けて、大流行の可能性について研究を進めている。

   オランダのエラスムス大医学センター教授で、インフルエンザ研究の世界的権威であるアブ・オステルハウス氏は、遺伝子の配列から変異していることが分かり、当局による警戒と動物やヒトへの監視を強化すべきだと指摘、 「ウイルスは既にある程度までは哺乳類やヒトに適応しており、そうした観点から憂慮すべきだ」とし、「注意深く監視する必要がある」と述べた。

  中国の国家衛生計画生育委員会は1日、H7N9型鳥インフルエンザに3人が感染し、このうち上海の87歳と27歳の男性が3月初めに死亡したと発表。3日までに死者は3人、感染者は9人に増加した。 世界保健機関(WHO)も同日、ヒト感染が初めて確認されたことから、同ウイルスの問題を「深刻に捉えている」との見解を示した。鳥インフルエンザをめぐっては、ここ数年でH5N1型などの流行が起きているが、これまでヒトからヒトへの感染は確認されていない。

 一方、H7N9型もこれまでのところ、ヒト同士の感染はないとみられている。研究はまだ初期段階だが、これまでの分析でH7N9型は、鳥が感染しても病気になりにくい低病原性(LPAI)だとされる。ただ、ヒトに対しても同様だとは必ずしも言えないと警鐘を鳴らす。


・ 感染源は依然分からず

  専門家によると、H5やH7の亜型が特に鳥の間で感染を繰り返すうちに、低病原性からより危険な高病原性に変異していると説明、「われわれは無関心ではいられず、注意が必要だ」と語る。 鳥にとって危険性が低いということは、H7N9型が静かに拡散する可能性も意味する。そうなると、野生の鳥や家禽(かきん)が大量死し、目に見えて影響が分かるH5N1型のような高病原性に比べて発見が難しくなる。

 これは、「両刃の剣のようなもので、高病原性なら全てのニワトリが死亡し、養鶏業者にとっては非常にまずい事態だが反面、ウイルスがどこにあるかは分かりやすくなる」と指摘。
 ただ、「今のところ、このウイルスの感染源は分かっていない。どの動物が感染源かも分からない」として、事態を憂慮した。

 現在、中国や世界の研究者にとって最優先の課題は、感染源を突き止め、ウイルスがヒトとヒトとの間で大流行を引き起こすタイプに変異するかどうかを監視することが重要だという。

  WHO(世界保健機関)は、中国政府が監視体制の強化のほか、感染者と接触した人の追跡調査や医療関係者の訓練など、重要な各種対策を取ることで事態に対処していると評価するも、専門家は、H7N9型が確認後、速やかに報告されたという事実や世界中の研究者が分析できるように遺伝子情報が既に提供されているということが、かっての中国とは状況が変わってきた兆しだと指摘する。

  2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際、中国政府は当初、その事実を隠ぺいしようとした。 猛威を振るったSARSは世界中で約8000人が感染し、その10%が死亡した。 インフルエンザ自体への意識や、通常とは異なる呼吸器系疾患が新たなインフルエンザかもしれないとの懸念が高まることで、医療機関にはさらなる事例が集まるようになると期待する。
 
 世界・各国から批判を浴びたことで、中国は「いまだ発展途上国で医療体制も不十分でしかたがなかった」などと、訳の分らない言い訳で責任逃れをすることは、いまやゆれされる事ではない。









2014/01/27

H5N8型鳥インフルエンザ、韓国で急速に拡大


( 2014.01.27 )

● H5N8型・鳥インフルエンザが韓国で急速に拡大 


 今年になり、韓国ではH5N8型・鳥インフルエンザの鳥への感染拡大が確認されていて、1月16日に南西部・全羅北道のアヒル農場で最初に感染の疑いが報告されて以降、17日には農場近くの貯水池でも渡り鳥のカモが大量死しているのが見つかり、いずれもH5N8型・鳥インフルエンザの感染が確認されたという。
 その後、全羅南道や忠清南道の農場へと感染が広がり、26日には首都圏である京畿道の湖で採取された野鳥のフンからもウイルスが検出されており、当局はさらなる感染拡大を防ぐため、26日までに43の農場のアヒルとニワトリ計約64万羽が殺処分された。

 H5N8型・鳥インフルエンザは極めて毒性の強い高病原性のウイルスであり、渡り鳥の媒介により感染が拡大している可能性が指摘されていて、日本の農林水産省によると、冬季越冬のためシベリアからの渡り鳥は朝鮮半島を経由して日本に来ることが多く、過去にも韓国で鳥インフルエンザが流行した後に日本で発生したことがあり、日本政府も国内へのさらなる感染拡大が懸念され、警戒を強めている。

 我が国における鳥インフルエンザの状況については、平成22年11月以降、9県24農場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたが、平成23年3月24日、全ての防疫措置が完了し、国際獣疫事務局(OIE)が定める基準に基づいて、鳥インフルエンザ清浄国に復帰したことを宣言。
 なお、アジア周辺諸国では、依然として高病原性鳥インフルエンザが発生しており、我が国においても水際検疫の体制強化、感染の早期発見、ウイルス侵入防止に向けた徹底した対策が望まれる。

 鳥インフルエンザのウイルス自体は通常、人には感染しないが、感染した鳥と濃厚な接触を持つことにより、ウイルスが変異することで人にも感染する危険性があり、新型インフルエンザの中には、鳥のインフルエンザ・ウイルスが変異し、人へから人へと感染を拡げ、人類の脅威となった事例が多くある。








「アクリフーズ」冷凍食品農薬混入事件


( 2014.01.27 )

● アクリフーズの冷凍食品農薬混入事件について


 マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品に農薬が混入していた問題

( 事件の経緯 )

 2013年
 ・ 11月13日 冷凍食品を購入した顧客から、異臭がするとの苦情が寄せられる。

 ・ 11月15日~12月3日
     この間、購入した製品(冷凍食品)に関する苦情、問合せが合計9件届く。

 ・ 12月 4日 製品の異臭成分の分析・検査を外部検査機関に依頼する。

 ・ 12月13日 製品より酢酸エチル、エチレンベンゼン、キシレンなどの成分が検出される。

 ・ 12月27日 残留農薬検査の結果、農薬の「マラチオン(マラソン)」が検出される。

 ・ 12月29日 アクリフーズ社、記者会見で製品への農薬混入と製品回収を発表する。
  (回収対象商品=ミックスピザ、チキンナゲット、クリームコロッケなど49商品640万パック)

 ・ 12月30日 館林保健福祉事務所による群馬工場の立ち入り検査を実施。
  (・ 工場内での使用薬剤リストにマラチオンは無い)
  (・ 検出されたマラチオンが高濃度(通常の残留農薬レベルを遥かに超える濃度)であったことから原材料に由来するとは考えられない)
  (・ 商品への汚染が均一でない(異なる商品、個数、製造工程で汚染が確認されている等)
   以上の内容などから考えて、通常の製造工程上で汚染された可能性は低いと判断。

 2014年
 ・ 1月10日 アクリフーズ社、「食品への農薬混入によって業務を妨害された」として、大泉署に被害届を提出。

 ・ 1月13日 商品を口にし、体調不良を訴えた人、全国で2572人。(厚生労働省発表。1月13日時点)
   大沢正明群馬県知事や森雅子消費者相は、ともにアクリフーズからの報告の遅れを批判。
   さらに最初の苦情が寄せられてから商品回収に踏み切るまで、1カ月半を要した。
   この対応の遅れが、被害を拡大させたとの批判も。

 ・ 1月25日 群馬県警は、偽計業務妨害の疑いで、アクリフーズ社・群馬工場勤務の契約社員(男性:49歳)を逮捕。
   アクリフーズ社の親会社であるマルハニチロホールディングス社の社長、記者会見で「3月末で引責辞任」を表明。
   アクリフーズ社/群馬工場は、事件以来、操業停止状態続く。




(農薬・「マラチオン(別名:マラソン)」とは)

 有機リン系の殺虫剤、殺ダニ剤の一種。国内では農薬取締法に基づき、穀類や野菜、果実などに使用されている。
 低毒性ながら高濃度に含まれる商品を一定量摂取すると、中毒症状が引き起こされる可能性がる。
 主な中毒症状は、吐き気やおう吐、下痢、腹痛など。たとえば、マラチオンが高濃度で検出されたコーンクリームコロッケの場合、体重20kgの子どもが8分の1個のコーンクリームコロッケを食べると、吐き気など健康に影響が出る恐れがあるレベルだと公表されている。