( 2014.01.27 )
● アクリフーズの冷凍食品農薬混入事件について
マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品に農薬が混入していた問題
( 事件の経緯 )
2013年
・ 11月13日 冷凍食品を購入した顧客から、異臭がするとの苦情が寄せられる。
・ 11月15日~12月3日
この間、購入した製品(冷凍食品)に関する苦情、問合せが合計9件届く。
・ 12月 4日 製品の異臭成分の分析・検査を外部検査機関に依頼する。
・ 12月13日 製品より酢酸エチル、エチレンベンゼン、キシレンなどの成分が検出される。
・ 12月27日 残留農薬検査の結果、農薬の「マラチオン(マラソン)」が検出される。
・ 12月29日 アクリフーズ社、記者会見で製品への農薬混入と製品回収を発表する。
(回収対象商品=ミックスピザ、チキンナゲット、クリームコロッケなど49商品640万パック)
・ 12月30日 館林保健福祉事務所による群馬工場の立ち入り検査を実施。
(・ 工場内での使用薬剤リストにマラチオンは無い)
(・ 検出されたマラチオンが高濃度(通常の残留農薬レベルを遥かに超える濃度)であったことから原材料に由来するとは考えられない)
(・ 商品への汚染が均一でない(異なる商品、個数、製造工程で汚染が確認されている等)
以上の内容などから考えて、通常の製造工程上で汚染された可能性は低いと判断。
2014年
・ 1月10日 アクリフーズ社、「食品への農薬混入によって業務を妨害された」として、大泉署に被害届を提出。
・ 1月13日 商品を口にし、体調不良を訴えた人、全国で2572人。(厚生労働省発表。1月13日時点)
大沢正明群馬県知事や森雅子消費者相は、ともにアクリフーズからの報告の遅れを批判。
さらに最初の苦情が寄せられてから商品回収に踏み切るまで、1カ月半を要した。
この対応の遅れが、被害を拡大させたとの批判も。
・ 1月25日 群馬県警は、偽計業務妨害の疑いで、アクリフーズ社・群馬工場勤務の契約社員(男性:49歳)を逮捕。
アクリフーズ社の親会社であるマルハニチロホールディングス社の社長、記者会見で「3月末で引責辞任」を表明。
アクリフーズ社/群馬工場は、事件以来、操業停止状態続く。
(農薬・「マラチオン(別名:マラソン)」とは)
有機リン系の殺虫剤、殺ダニ剤の一種。国内では農薬取締法に基づき、穀類や野菜、果実などに使用されている。
低毒性ながら高濃度に含まれる商品を一定量摂取すると、中毒症状が引き起こされる可能性がる。
主な中毒症状は、吐き気やおう吐、下痢、腹痛など。たとえば、マラチオンが高濃度で検出されたコーンクリームコロッケの場合、体重20kgの子どもが8分の1個のコーンクリームコロッケを食べると、吐き気など健康に影響が出る恐れがあるレベルだと公表されている。