( 2016.01.21 )
● 終息宣言後のシエラレオネでエボラ熱の新たな感染者を確認!
世界保健機関(WHO)と西アフリカのシエラレオネの保健当局は21日、シエラレオネでエボラ出血熱の感染者が新たに1人確認されたと発表した。先週の西アフリカのエボラ終息宣言から2例目となる。
感染者は、12日にエボラで死亡した22歳の女子学生のおばにあたる女性(38)で、隔離施設で観察下に置かれていた20日に発症が確認された。
( 2016.01.15 )
● 終息宣言直後のシエラレオネで、エボラ感染疑いの女性死亡!
西アフリカ・シエラレオネの保健当局は14日、同国北部で死亡した女性がエボラ出血熱に感染していた疑いがあると発表した。
当局によると、12日にギニアとの国境に近い北部バモイルマで、女子学生1人が体調を崩して間もなく死亡した。初期診断検査でエボラウイルスの陽性反応が出たという。
この発表の数時間前、世界保健機関(WHO)は西アフリカ地域でのエボラ出血熱流行の終息を宣言したばかりだった。
( 2015.12.30 )
● エボラ出血熱、ギニア終息か? WHOが宣言!
世界保健機関(WHO)は29日、西アフリカ・ギニアでのエボラ出血熱感染が終息したと宣言した。 これにより、終息宣言が出されていないのはリベリアのみとなった。
エボラ熱の潜伏期間は最長21日で、感染者がいなくなってから最長潜伏期間の2倍に当たる42日間、
新たな感染者が出ていないことから、WHOが終息宣言を出した。
「エボラ熱感染」は、2013年12月にギニアで流行が始まり、昨年3月にエボラ熱と確認。
感染は主にギニア、リベリア、シエラレオネなどの西アフリカで拡大した。
感染者が最多のシエラレオネでは先月、終息宣言が出されたが、死者数が最も多いリベリアでは、今年5月と9月の2度、終息宣言が出されたものの、その後に新たな感染者が発症したために、終息宣言が取り消されている。
ただ、今月3日に最後の感染者が退院し、新たな感染者も確認されていないことから、このままいけば3度目の終息宣言が出される可能性もある。
WHOによると、今回のエボラ熱流行では疑い例も含め2万8000人以上が感染し、1万1000人以上が死亡したとしている。
( 2015.07.31 )
● エボラ出血熱、予防ワクチンの開発で朗報となるか!
世界保健機関(WHO)は今月31日、西アフリカのギニアで続けてきた「エボラ出血熱」のワクチン「VSV―EBOV」の臨床試験に関し、「目下のところ100%の効果を示している」と発表した。
エボラ熱にはこれまで有効なワクチンや治療薬はないと言われていたが、今回、カナダ政府系研究機関が開発したワクチン「VSV―EBOV」が、エボラ出血熱対策で一大転換点となる可能性があると発表、WHOのチャン事務局長も、「極めて有望な進展だ」と発言している。
現在、このワクチン「VSV―EBOV」の臨床試験は、エボラ出血熱の流行が続くギニアで行われ、患者と接触した4千人以上が参加し、中間結果ではあるが、「100%の効果」が確認されたと発表。
ただし、最終的な結論を得るには、さらなる臨床試験や研究が必要だとも言われている。
( 2015.02.05 )
● エボラ出血熱、新規感染者数、今年初の増加!
世界保健機関(WHO)は4日、ギニア、リベリア、シエラレオネの西アフリカ3か国で確認されたエボラ出血熱の1週間当たりの新たな感染者数について、1月最終週の感染者数が前週より増加し、今年に入って初めて増加に転じたと発表した。
2月1日までの1週間で、エボラ熱感染の中心地となっている西アフリカ地域の3か国全体で新たに確認された感染件数は124件に上った。
新規感染者に関する最新のデータによると、ギニアでは前週の30人から39人に、リベリアでは前週の4人から5人に、シエラレオネでは前週の65人から80人に、それぞれ増加しているという。
最新の数字によると、世界全体ではこれまでに9か国で2万2525人がエボラウイルスに感染、うち死者は9004人に達したという。
新規患者発生数の増加など、(エボラ出血熱への)対応はいまだに重大な難題に直面しているとWHOは述べている。
( 2014.12.21 )
● エボラ出血熱、シエラレオネ、リベリア、ギニアの3カ国で死者、7000人超す!
世界保健機関(WHO)の19日付の統計によると、エボラ出血熱による死者(疑い例含む)は、西アフリカのシエラレオネ、リベリア、ギニアの3カ国で7373人、感染者は1万9031人に上っている。
このうち大半がシエラレオネで確認されたもの、国連は全体としては感染の勢いが鈍化してきたとみているが、シエラレオネを中心に未だに感染拡大を続け、強い警戒を維持している。
今回の感染は、今年2月頃にギニア、リベリアで感染確認されて以来、10か月を過ぎようとしているが、いまだ終息の目途は立っていない。
( 2014.10.17 )
● エボラ出血熱、スペインとフランスへ拡大か!
スペインでは、リベリアと、シエラレオネで感染した2名の神父が帰国し、治療を受けていたがその後死亡、その際看護師として看護に従事していた女性が2次感染をした事が報告されたが、16日になり、エボラ出血熱が疑われる症状が新たに4人に確認されたと発表した。
一人は最近リベリアに渡航していた神父で、さきに死亡した2名の神父と同じ団体で活動していた。
さらにパリからマドリード・バラハス空港に到着したエールフランス機内で16日、乗客の1人がエボラ出血熱の可能性がある症状を発症した。 スペイン国営放送局(RTVE)によると、体調の悪化したこの乗客は、ナイジェリア国籍で、ナイジェリアのラゴスから移動していたと言われている。
残る1人は、カナリア諸島でウイルスへの感染が疑われる症状を示していて、保健当局によると、この他に2人が予防的監視のため病院に入院しているという。
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また、フランスでは、エボラ熱に感染した人道活動家と接触した看護師1人が、2次感染した疑いでパリ近郊の病院に入院したと伝えた。
看護師は、リベリアで感染後に先月帰国していた「国境なき医師団」のフランス人ボランティアと定期的に接触していたという。
フランスの「ル・パリジャン」紙によると、看護師は高熱を出し、パリ郊外のオードセーヌにある自宅からベジャン軍病院に運ばれた。
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国連のエボラ出血熱対策チーフ、アンソニー・バンバリー氏が14日、NYであった国連安全保障理事会に西アフリカからテレビ中継で参加し、「エボラ出血熱を今止められなかったら、世界は完全に未曽有の事態になる」と警告。
世界保健機関(WHO)は15日、西アフリカで、疑い例を含む感染者数が8997人、死者数が4493人に達したと発表。医療従事者の感染者数は427人で、236人が死亡したといいます。エボラ出血熱の感染率は下がってきており、一部地域では拡散が抑止できているものの、米では医療関係者で2人目の感染が確認されるなど予断を許さない状態が続いています。
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( 2014.10.15 )
● エボラ出血熱、12月には新規感染がこれまでの10倍の週1万人にも!
世界保健機関(WHO)は14日、西アフリカで流行しているエボラ出血熱の死者は感染者の70%に上っており、12月初旬には1週間の新規感染者数がこれまでの1000人から10倍の1万人に達する可能性があるとの見方を明らかにした。
WHOのエイルワード事務局長補は、エボラ熱ウイルスは「依然として地理的に広がり」、一部の大都市では感染者の増加が続いていると述べた。エイルワード氏は、エボラ熱が現在感染の中心地となっているシエラレオネ、ギニア、リベリアと国境を接する国々にも広まる恐れがあり、特にコートジボワールが危険だと話した。
WHOによると、疑い例を含めた感染者数は8914人、死亡者は4447人。この数字に基づくと、死亡率は50%弱だが、エイルワード氏は、患者を最初から最後まで見守った結果、実際の率は70%になると述べた。
同氏はさらに、報告されている感染者数はこの3〜4週間、1週当たり1000人程度で、今週中にはこれまでの感染者数が9000人を超えるとみられると語った。
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( ドイツでも初の死亡者 )
エボラ出血熱に感染し、ドイツ・ライプチヒの病院で治療を受けていたスーダン国籍の国連職員(56)が13日夜、死亡したことが明らかになった。 ドイツでエボラ熱による死者が出たのは初めて。
リベリアで勤務していたこの男性は、当地の病院の隔離病棟で9日から治療を受けていた。
同職員はエボラ熱の治療のためドイツに搬送された3人目の患者だった。ハンブルクの病院で治療を受けた1人目の感染者は回復し、退院した。 残る1人のウガンダ人医師は今月3日にドイツに搬送され、フランクフルトの病院に入院している。
( 2014.10.13 )
● エボラ出血熱、アメリカでも国内で初の感染か!
米国で2人目(ただし国内で感染した初めて事例)のエボラ出血熱患者と診断されたのは、ベトナム系米国人看護師のニナ・ファムさん(26)であることが明らかになった。
家族は敬虔(けいけん)なキリスト教徒で、ニナさんの職業を誇りに思う一方で健康を気遣っている。
ファムさんは、米国で初めてエボラ出血熱の診断(リベリアで感染し、アメリカ入国後に発症したと推定される事例)を受けたリベリア出身のトーマス・エリック・ダンカンさん(42)(10月8日に死亡)の治療を手伝っており、週末にエボラ出血熱の検査で陽性判定を受けた。家族の広報を務める人物が13日に事実を認めた。
ファムさんはダンカンさんが9月28日に病院に収容されてから10月8日に死亡するまで治療に当たっていた病院関係者の1人で、体温を観察するよう指示されていた。
その後、10月10日に軽度の発熱があり、自らの運転で勤務先のテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院に到着して以来、同病院で隔離されている。
これらの病院関係者は全員、エボラ出血熱に感染するリスクは低いとみられていた。しかし、米疾病対策センター(CDC)が12日に行った検査でファムさんの感染が確認された。当局によると、ファムさんはダンカンさんの治療の際にはマスクやガウン、防護服、手袋を着用していたという。
米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は13日、米国はエボラ出血熱の感染防護策を見直すべきだと述べた。 CDCでは、医療従事者へのトレーニングの拡充を検討しているという。
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( エボラ懸念でスト、米空港の機内清掃員 )
米ニューヨークのラガーディア空港で航空機客室の清掃を行っている労働者約200人は10月9日、エボラ出血熱に感染する不安があるとしてストを決行した。
スト入りしたのはデルタ航空と契約しているエア・サーブ社の従業員で、ストの主催者はこれが24時間続くとの見通しを示した。
清掃労働者は8日午後10時ごろに職場を放棄し、Dターミナルの外をデモ行進した。ストを組織したのはサービス従業員国際労働組合(SEIU)で、エア・サーブの従業員は今年初めにSEIUに加盟した。
ストの主催者は、これが長期的な労働条件改善要求の一環で、エボラ熱不安で前面に躍り出たとしている。機内のごみなどを清掃する労働者は十分な保護を受けていないと話している。
米連邦当局は8日、ニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)空港やニュージャージー州ニューアークのニューアーク・リバティー国際空港など五つの空港で、西アフリカからの旅行者の体温測定を行う計画を発表した。
( 2014.10.08 )
● エボラ出血熱、スペインでも国内で初の感染か!
スペイン政府は6日、マドリード近郊の病院でエボラ出血熱の治療にかかわっていた看護師の女性(40代)が感染したと発表した。 国内での感染だとすればアフリカ以外で初の事例とみられる。
スペインでは、8、9の両月に、それぞれリベリアと、シエラレオネで感染した2名の神父が治療のため帰国してスペイン国内で治療を受けたものの死亡している事例が報告されていて、この女性は看護師として両方の事例の看護に携わっていたとされる。
西アフリカで感染が分かって帰国治療するのとは別に、米国ではリベリア国籍の男性がアメリカに入国後に発症してた事例も報告されているが今回は、感染そのものがスペイン国内だった可能性があり、アフリカ大陸以外で初めてエボラ出血熱に感染したとみられている。
この女性は、9月末にも体調不良を感じていたとも伝えられていて、感染の確認直前は休暇中だったという。
尚、スペイン保健当局は7日、このほかにエボラ出血熱の感染が疑われる3人(この女性の夫、アフリカからの男性旅行者、女性看護師の3名)を新たに隔離したと発表した。
いずれも、これまでのところエボラ熱への感染を示す症状などは見られておらず、経過観察中という。
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・ 「エボラウイルス」の感染経路としては、患者の血液、分泌物、排泄物や、唾液などの飛沫が感染源となり、死亡した患者からも感染するとされ、ウイルスの感染力は強いが、基本的に空気感染をしないため、感染者の体液や血液に触れなければ感染しないといわれ、そのため患者に近づかなければ感染することはないといわれている。
今回の感染経路の詳細については、今のところ発表されていないようだが、感染が拡大している西アフリカの混乱した医療体制の中での看護スタッフへの感染ではなく、今回は医療体制の整っていると思われるスペイン国内での感染に、従来考えられている感染経路(接触感染)、以外の感染経路(空気感染など)の可能性がないのか危惧されるところである。
( 2014.10.03 )
● エボラ出血熱、アメリカ国内で初の感染者確認!
9月30日、アメリカ疾病予防管理センター (CDC) は、アメリカ国内で初めてエボラ出血熱の感染がテキサス州ダラスで確認されたと発表。 さらにダラスのテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院は、西アフリカのリベリアから入国した患者の一人がエボラ出血熱の検査を受けていることを発表した。
患者はリベリア国籍の男性、リベリアからアメリカに住む家族を訪問するために、9月19日に現地を出発し、翌日の20日にアメリカへ到着したが、この間感染による症状はなかったという。
24日になって感染の兆候が現れ始め、26日には受診のために病院を訪れたがエボラ出血熱と診断されることもなく、帰されたという。 2日後の28日になり、症状がさらに悪化し、救急車を要請、診断の結果感染が確認され、それ以降は隔離された環境に置かれているとのこと。
26日の最初の受診後すぐに隔離されなかった理由について、アメリカ疾病予防管理センター (CDC) のフリ ードセン氏は「エボラ出血熱の症状は、発症初期においては、風邪など他の病気と非常に似通っているため」とは説明しています。
なお、同じ旅客機に搭乗していた乗客には感染のリスクはないとのことですが、9月20日以降に感染者と接触した可能性がある人物については当局による追跡調査が行われ、感染の可能性が疑われるためテキサス州で監視対象となった人数が約100人に拡大したことを米疾病対策センター(CDC)が10月2日に明らかにした。
また、9月23日には世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は、西アフリカで流行しているエボラ出血熱について、対策を大幅に強化しなければ感染者数が急増する恐れがあると警告、CDCは、来年1月には感染者がリベリアとシエラレオネだけで最大140万人に達する恐れがあると予測している。
尚、現在までに西アフリカ地域で報告されたエボラ出血熱の感染者はこれまで推定5800~6000人で、このうち2800~3000人超が死亡したとみられている。 しかしWHOは、状況が最も深刻なリベリアの統計がはっきりしておらず、この数字は実際より少ない可能性が大きいと警告した。 その理由として、リベリアの首都モンロビアの人口が密集しているスラム地域では、多くの遺体が近くの川に放り込まれた可能性があることなどを挙げ、感染の実態を詳細に把握できていない可能性があるとしている。
( 2014.09.07 )
● エボラ出血熱、死者2105人に1ヶ月で倍増、収束の兆しなし!
世界保健機関(WHO)は5日、西アフリカ諸国で猛威を振るうエボラ出血熱による死者数(疑い例を含む)が2000人を超えたと発表した。
WHOの9月5日時点の集計によると、疑い例を含む感染者数はギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア、セネガルの5カ国で3967人となった。うち半数以上の2105人が死亡した。
死者数の内訳はリベリア1089人▽ギニア517人▽シエラレオネ491人▽ナイジェリア8人。
8月9日時点の集計で死者数が1013人に達してから1カ月足らずで死者数が倍以上に拡大する事態となった。WHOは8月28日、感染を封じ込めるためのロードマップ(行程表)を発表したが、現段階では感染拡大に歯止めがかかっておらず制御不能状態といえる。
国連の潘基文(バンキムン)事務総長は5日、「感染拡大が早すぎて、対応が追いついていない」と述べ、国連内外の機関の連携強化を目的とした危機対策センターを設置する方針を明らかにした。また、対策費として6億ドル(約630億円)の支援を国際社会に呼びかけた。
WHOのキーニー事務局長補は5日、専門家会合後の記者会見で「多くの患者が出る一方、回復した者も多く、ほかの患者の治療のために血液や血清を提供できる」と述べた。回復した元患者の血液・血清にはエボラウイルスに対する抗体が含まれるため、この血液を感染者に輸血する治療法が使用できるとの見解を示したもので、1995年にコンゴ民主共和国で感染が起きた際には、この方法で8人が輸血を受け、7人が回復したとされている。
また、WHO専門家会合では、2種類のワクチンについて効果が期待されると判断した。11月までに欧米やアフリカの医療機関で安全性に関する臨床試験が実施され、結果を踏まえて、西アフリカ諸国での使用が認められる見通し。
治療薬に関しては、富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」など8種類の新薬の有効性、安全性についても検証されたようだが結果は未発表、開発段階の米国製治療薬「ZMapp」についても、さらに試験が必要との見方を示した。
● 2014・エボラ出血熱・感染状況 (9月5日WHO 発表)
・ 死者数 : 2105人 (2014. 3/ ~9/5現在)
・ 感染者数 : 3967人 (2014. 3/ ~9/5現在の推定)
《 主な感染拡大国の累計感染者数/死亡者数(2014. 3/ ~9/5現在) 》
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感染者数(8/4)
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死亡者数(8/4)
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ギニア
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リベリア
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シエラレオネ
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ナイジェリア
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セネガル
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サウジアラビア
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*サウジアラビアの死亡事例は、8/6現在で感染未確認の為、集計外です。
(参考資料:外務省 海外安全ホームページより)
( 2014.08.07 )
● エボラ出血熱、医師、看護師までが感染、死亡者もでる!
世界保健機関(WHO)は6日、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱による死者数が932人、感染が確認、あるいは疑われるケースは4日までに1711人に増加していると発表。
リベリア政府の関係者は27日、医療支援団体のリベリア人医師が、エボラ出血熱で死亡したと明らかにした。今月に入りウガンダ人医師も死亡している。 さらに米国人医師もエボラの感染が確認されて集中治療を受けている。
また、ナイジェリア保健省は6日、同国でエボラ熱により先月死亡した米国籍のパトリック・ソーヤー氏の治療に当たっていた看護師が死亡したと発表。別の5人もアフリカ最大都市でもあるラゴスの隔離病棟で治療を受けているとした。
ラゴスの保健当局は、医師がストライキを行っており、ソーヤー氏に接触した70人を追跡するため、ボランティアが直ちに必要だと指摘。これまでに追跡できた人数は27人だとしている。
一方、サウジアラビア保健省は、出張先のシエラレオネでエボラ熱に感染した疑いがもたれていた男性が6日に死亡したと明らかにした。
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今回のエボラ熱流行は、ギニアの森林部で最初に確認され、隣国であるシエラレオネとリベリアに広がった。同3カ国は先週、ウイルス封じ込めを目指し、学校閉鎖や感染者の自宅の検疫などの強硬手段を取ると発表していた。
しかし、死者の数が最も急速に増加しているリベリアでは、院長がエボラ熱により死亡した病院が閉鎖されるなど、多くの住民がパニックに陥っており、首都モンロビアなどでは、亡くなった感染者の遺族らが政府当局の指示を無視し、遺体を適切な場所に移送するのではなく、路上に引きずり出し放置しているケースもあるという。
同国のルイス・ブラウン情報相は、患者の家のウイルス除染と感染者の周辺人物の追跡も義務付けた規則が、一部の人に不安を与えているかもしれないと説明。
「それゆえ、彼らは遺体を家から持ち出し、路上に置いている。彼らは自ら感染のリスクにさらしている」とし、「遺体は当局が収容するので、家の中に置いておくよう呼びかけている」と語った。
リベリア当局はエボラ出血熱で亡くなった人の火葬を3日に開始し、また、4日夜からは、感染地域を封鎖するために軍部隊も派遣されたという。
西アフリカの各国政府は、感染症に関する住民の知識不足や、遺体に接する旧来からの慣習などが、感染拡大の要因になっているとも言われ、ウイルス封じ込めのための対策強化に苦戦している。 また、西アフリカの感染地域内で感染した後に、航空機などで本国に帰国し、発症(症状が現れる)するケースなどが更なる感染拡大へとつながることが懸念されている。
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流行に収束の兆しが見えない中、WHOは、専門家による緊急委員会の会合をスイス・ジュネーブで開き、緊急事態宣言の必要性や、試験段階にある治療薬の利用などについて検討を始めたが、医療従事者らからは封じ込めに向けた緊急支援を要請する声が相次いだ。
緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」のウォルター・ロレンツィ氏は「今回の流行は過去に例がなく、制御不能だ」とし、「現場では人員が今すぐにでも必要となっている。それはオフィスの中や会議室ではなく、ゴム手袋をはめた人たちだ」と訴えた。
● 2014・エボラ出血熱・感染状況 (8月6日WHO 発表)
・ 死者数 : 932人 (2014. 3/ ~8/4現在)
・ 感染者数 : 1711人 (2014. 3/ ~8/4現在の推定)
・ 主な感染拡大国の累計感染者数/死亡者数(2014. 3/ ~8/4現在)
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感染確認
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感染の疑い
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ギニア
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リベリア
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シエラレオネ
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ナイジェリア
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サウジアラビア
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*サウジアラビアの死亡事例は、8/6現在で感染未確認の為、集計外です。
(参考資料:外務省 海外安全ホームページより)
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● 過去のエボラ出血熱・感染状況(1976~2012年)
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国 名
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感染者数
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1) 1976年
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2) 1976年
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3) 1977年
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4) 1979年
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5) 1994年
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* ザイールは現在コンゴ民主共和国 / コンゴはコンゴ共和国
* 1996年の南アフリカはガボンからの輸入症例(1人)
(参考資料、データ)
・ 厚生労働省検疫所ホームページ
エボラ出血熱に関する対応について(情報提供)PDF版
・ 外務省 海外安全情報ホームページ
西アフリカ地域のエボラ出血熱の発生状況(その4)/2014.08.07の情報
・
国立感染症研究所ホームページ
2014年第19号注目すべき感染症:海外の注目すべき感染症
・ WHO(世界保健機関)Disease Outbreak News サイト
西アフリカ地域のエボラ出血熱に関連ニュース
・
国境なき医師団日本 HPページへ (医療支援団体)
・
( 2014.07.30 )
● エボラ出血熱、過去最悪の感染はなぜ起きたのか!
アフリカ西部のギニア、リベリア、シエラレオネ、そしてナイジェリアへと拡大するエボラ出血熱の感染。「制御不能」となっている今回の流行ではすでに約700人が死亡、米国人医師2人を含む医療従事者も犠牲となった。
感染拡大の根底には、医療従事者に対する信頼の欠如があると言えるかもしれない。
エボラ出血熱は、感染者に接触したり、感染者の体液に直接触れたりして感染する。エボラウイルスは感染者の汗や血液、排泄物、吐しゃ物を介しても広がるため、適切な医療施設以外での封じ込めは困難だ。
現在エボラ出血熱が流行しているアフリカ諸国では、患者は、地元の医療制度を信頼していない。それには相応の理由がある。クリニックや病院は職員が不足しており、医薬品や治療設備も不十分だからだ。困難な労働条件下では医療従事者の士気も低い。そうした状況にあるため、人々は伝統的治療法に頼っている。伝統療法はウイルスを退治することはできないかもしれないが、現代医療が見落としがちな気遣いと共感を与えてくれる。
エボラ出血熱の流行に見舞われた地域社会では、外国人医師も信頼していないし、場合によっては、彼ら(外国人)が病気を持ち込んだと思われているケースもある。
感染の結末が過酷であることも、医療従事者への信頼醸成を妨げている。患者が病院に運ばれてくるときは末期症状であることも多く、その場合の死亡率は90%にも上るため、入院すると遺体となって帰ってくることの方が多いからだ。
患者の家族は感染拡大を防ぐため、看病や伝統的埋葬をしないよう言われているが、医療機関への信頼の欠如は結果として、地域社会が感染を隠すことにつながっている。「国境なき医師団」や赤十字の関係者が支援に訪れても、彼らの活動に懐疑的な現地の人たちから脅迫されたり攻撃を受けたりする事例もある。
言うまでもなく、人々が信頼していないのは医療制度だけではない。エボラ出血熱が流行している国々は政情不安や内戦に苦しみ、国民は役人のことも信頼していない。それが混乱に拍車をかけている。
エイズウイルス(HIV)や結核のような他の感染症への取り組みは、感染地域からの声が重要な役割を果たすことを教えてくれた。公衆衛生当局者は、回復した患者や家族に協力してもらい、自分たちの経験ついて語ってもらう必要がある。宗教指導者や伝統的な治療家にも協力を仰ぎ、エボラ出血熱の知識を広めることも大切だ。
信頼できる声が届かなければ、エボラ出血熱の流行は拡大し続けるだろう。感染を食い止めるには患者の隔離が必要となる。しかし、外国人の救援者がウイルスを拡散させていると思い込み、家族から離されてベッドで孤独に死ぬのだと信じているなら、誰も隔離には応じないだろう。
エボラ出血熱には確立された治療法や感染を防止するワクチンは今のところ存在しない。最善の対処は、重度の脱水症状を引き起こしかねない発熱やおう吐、下痢といった症状を緩和することだ。
患者は電解質溶液の経口補水や点滴が必要な場合があるほか、重症患者には集中治療が欠かせない。
だが、感染が拡大するギニアやシエラレオネ、リベリアは最もぜい弱な医療制度を持つ国として、国連の人間開発指数の下位にランクされている。世界最貧困地域の1つであり、公立の病院でも基本的な医療器具さえ不足していることが多く、衛生的な環境とも言い難い。
加えて、国境警備体制の不備や不衛生な環境、エボラ出血熱に対する無知が感染拡大に拍車をかけている。
英国・レディング大学のウイルス学者、ベン・ニューマン氏はエボラ出血熱についての知識を広め、治療を受けるよう促す広報活動が致死率低下に役立つとする一方で、「治療の向上が生存率を高めることは間違いないが、残念ながらそれを上回る勢いで犠牲者は増えていくだろう」と述べた。
( 2014.06.24 )
● 西アフリカのエボラ出血熱、死者350人超え、制御不能か!
西アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大している問題で、現地で治療に当たっている国際医療支援団体の「国境なき医師団」は、流行が前例のない勢いで広がり、制御できない状況に陥ったと発表した。
世界保健機関(WHO)の最新の統計によると、流行が始まった3月以降に確認された患者は567人で、死者は350人に上る。
過去のエボラ出血熱の流行は、都市から離れた地方部にとどまり、拡大を食い止めやすいのが普通だった。 しかし今回は状況が異なり、ギニア、シエラレオネ、リベリアの60カ所で患者が確認されているという。
原因の一端は、最初にウイルスが見つかった地点が、ギニアの首都コナクリなどの都市部に近いジャングルだったことにあるとみられる。 コナクリの人口は200万人で、国際空港もある。エボラ出血熱には2~21日の潜伏期間があるため、感染者が気づかないまま渡航している可能性もある。
エボラ出血熱は、感染すると頭痛や発熱など風邪のような初期症状が出て、やがて激しい下痢や嘔吐(おうと)に見舞われ、血液が凝固できなくなって体内や体外で出血する。 多くは平均10日で死に至る。
現時点で現地入りして治療に当たっている援助団体は国境なき医師団のみ。 3月の発生以来、300人以上を派遣し、40トンあまりの物資を送り込んできた。 しかしそうした対策は既に限界に達し、「もはや新たな流行が発生した場所にチームを派遣できなくなった」と説明。 流行を食い止めるためには、地元政府や支援団体などの大規模な動員が必要だと呼びかけている。
エボラウイルスのワクチンや治療法は存在しない。 しかし初期段階で手当てを受ければ命を落とさずに済むこともある。 致死率は通常90%に達するが、今回の場合は60%程度にとどまっている。
ウイルスに感染しても、発症していなければ他人に感染させる恐れはないとされる。 衛生当局などは住民に対し、かぜのような症状が出た場合は地元の医師や国境なき医師団の診察を受けるよう促している。
WHOは7月2~3日に衛生当局による高官級協議を開き、現地への物資輸送や専門家の派遣について話し合う。
( 2014.06.18 )
● 西アフリカのエボラ出血熱、死者300人超える!
世界保健機関(WHO)は18日、西アフリカでのエボラ出血熱流行について最新の統計を発表し、今年に入ってからの感染による死者はギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国だけで計337人に達していることを明らかにした。
このうちギニアが最も死者が多く、264人が犠牲になった。シエラレオネでは49人、リベリアでは24人がそれぞれ死亡した。
( 2014.04.09 )
● 西アフリカのエボラ出血熱、死者111人に拡大!
世界保健機関(WHO)は8日、西アフリカで前例のない規模に拡大したエボラ出血熱の流行は、医療関係者にとって最も困難な課題の一つになっていると述べた。
エボラ出血熱の感染拡大を食い止めるため多数の要員を派遣しているWHOのケイジ・フクダ(Keiji Fukuda)事務局長補は、今回の流行が始まったギニア南部の森林地帯からエボラウイルスが広がることに懸念を示し、「エボラ出血熱は、アフリカのこの地域ではこれまで流行していなかった」とした上で、「これまでに対応した中でも最も困難な流行の一つだ」と述べた。
ウイルスの種類によっては致死率90%とされ、ワクチンや治療法はおろか、対症療法もないエボラ出血熱についてフクダ氏は、「明らかに深刻な病気で、高い致死率を持つ感染症だ。一方で制御可能な感染症でもある」としている。
WHOが同日公表した最新情報によると、ギニアでこれまでに見つかったエボラ出血熱の疑い例は157人で、そのうち101人が死亡し、この中で67人がエボラ出血熱で死亡したことが確認されている。
また、近隣のリベリアでも疑い例が21人見つかり、うち10人が死亡し、死亡者のうち5人がエボラ出血熱だったことが確認されている。
この他にも、疑い例がシエラレオネで2人、マリで9人見つかっている。
尚、ガーナで疑い例とされた1人は、その後の検査でエボラ出血熱でないことが確認された。
・ ギニアでの「エボラ出血熱」の感染疑い例、157人見つかり101人が死亡、このうち67人がエボラ出血熱で死亡したことを確認。
・ リベリアでの「エボラ出血熱」の感染疑い例、21人見つかり10人が死亡、このうち5人がエボラ出血熱で死亡したことを確認。
・ マリでも「エボラ出血熱」が疑われる症例が9人確認され、現在、サンプルをアメリカに送って検査中。
・ シエラレオネでも「エボラ出血熱」が疑われる症例が2人確認、とされているが詳細は不明。
( 2014.04.04 )
● リベリアでも猟師死亡、エボラ出血熱の疑い、感染拡大か!
リベリアの保健当局は3日、同国東部のタピタ(Tapeta)で、エボラ出血熱の疑いのある患者が、エボラ出血熱が流行している隣国ギニアと全く接点がないのに同病にかかった疑いが初めて見つかったと発表した。
これまでリベリアで見つかった例は、いずれもエボラ出血熱で84人が死亡しているギニアでエボラウイルスに感染し、国内に戻ってきたという患者ばかりだった。
もし今回の症例の感染源がリベリア国内と確認されれば、エボラ出血熱のまん延を抑制しようとする取り組みの中で憂慮すべき事態といえる。
今回の症例は、「タピタ」に住む猟師で、森の中で気分が悪くなり、病院に運び込まれて30分後に死亡した。 「タピタ」は、リベリア東部のニンバ州にある小さな町で、ギニア南部で感染が確認されているエボラ出血熱の発症の中心地からは、400キロと離れており、車で少なくとも5時間はかかる。
さらに、リベリア国内でエボラ出血熱と疑われる症例が見つかった他の場所よりもギニア国境からの距離はさらに遠く、ギニアに行ったこともなく、ギニアから来た人とも一切接触がなかったのに病気になったと発表されている。
「エボラ出血熱」の原因となるエボラウイルスは、非常に感染力が強く、感染源の自然宿主の1つと考えられているオオコウモリは、ギニア、リベリア、シエラレオネにまたがる地域で珍味として食用にされてきた。
専門家によると、猟師らが捕らえた野生動物の肉が病気の感染源になっている恐れもあるとみている。
● 「エボラ出血熱」とは!
1976年6月、アフリカ中央部に位置するスーダン国の「ヌザラ」という町で、倉庫番を仕事にしていた男性が急に39度の高熱と頭や腹部に痛みを感じて入院、その後消化器や鼻から激しく出血して死亡した。
その後、その男性の近くにいた2人も同様に発症、それを発端にこれらの患者を治療した際の血液や医療器具を通して感染が広がり、最終的に「ヌザラ」での被害は、感染者数284人、死亡者数151人と言うもので、世界で初めてこのウイルスが発見された事例と報告されている。
この病気は、最初に確認された男性の地元地域を流れる「エボラ川」の名から命名され、ウイルスの感染により発症する伝染病(急性ウイルス性感染症)であることが確認、原因となるウイルスの名前を、「エボラウイルス」と名づけ、病気も「エボラ出血熱」と名づけられた。
ウイルに感染すると体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することでほぼ最悪と言える毒性を発揮し、体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症するといわれている。
潜伏期間は通常7日程度、発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振などから、嘔吐、下痢、腹痛などを呈する。
さらに進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられ、死亡に至る。
致死率は50 - 89%と非常に高く、死亡者の殆どに消化管出血が見られる。
感染経路としては、患者の血液、分泌物、排泄物や、唾液などの飛沫が感染源となり、死亡した患者からも感染するとされている。
「エボラウイルス」の感染力は強いが、基本的に空気感染をしないため、感染者の体液や血液に触れなければ感染しないといわれ、現在までの感染拡大も、死亡した患者の会葬の際(葬儀などに関し、地域の古くからの慣習や習慣に起因する感染懸念も指摘されている)、医療機関の医療器具の不足等(注射器や手袋、消毒薬など)により、患者の血液や体液に直接触れたことによりもたらされたものも多く、空気感染は基本的にないとされ、そのため患者に近づかなければ感染することはないといわれている。
そもそもの発生源は不明であるが、これらの地域では一般に野生の動物を食用とする習慣もあり、2005年12月1日付の英科学誌『ネイチャー』で、ガボンの「フランスビル国際医学研究センター」などのチームの調査による「食用コウモリからの感染」を疑う説が発表されている。
また、「エボラウイルス」に感染した野生のゴリラやサルなどの死体に接触したことで感染したと思われる事例も報告されている。
現在、これらエボラ出血熱ウイルスに対するワクチン、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効かつ直接的な治療法は、まだ確立されていないが、有効なワクチン開発の研究が進められている。
「エボラ出血熱」が知られるようになってから30年以上が経つが、アフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行を繰り返し、これまでの死者数は累計で1,389人(2012年5月現在)とされている。
これは、今日でも年間数十万人を超える死者を出している「マラリア」や「コレラ」と比較しても格段に少ない数で、これまでのところ発生地域も限定的(アフリカ中央部に位置する国々)とおもわれていたが、近年の世界経済のグローバル化にともない、人や物流がダイナミックに動くなかで他の感染症と同様に感染が拡大する懸念が指摘されるようになってきている。
(近年の流行事例)
・ 2007年から2008年にかけて、フィリピンのマニラ北部の養豚場など数箇所でブタが相次いで死亡、2008年10月にアメリカの研究機関が調べたところ、レストン株型のエボラウイルスに感染していたことが確認された。 家畜へのエボラウイルス感染が確認されたのは世界で初めてである。
・ 2008年、コンゴ民主共和国で流行、32人が感染し14人が死亡。
・ 2012年12月、ウガンダで10人感染で4人死亡。
・ 2014年2月からギニア、リベリアにおいて感染が確認。
(4月9日現在の疑いのある感染者は、両国で合計178人、死亡者は111人で、WHO、国境なき医師団などが緊急援助を行っている。)