日本の公害



1.公害とは何に!

 (1).公害の定義
   公害とは何に!
 (2).公害の分類
   公害の発生源、場所、事象から分類すると!
 (3).過去の公害の実態と問題点その1
   公害は、なぜ無くならないのか?
 (4).過去の公害の実態と問題点その2
   公害は、なぜ無くならないのか?
 (5).公害の日常化と広域化
   公害から環境破壊へ、より深刻化していく


2.日本の公害年表

   明治から現代にいたる日本の主な公害事件年表


3.日本の主な重大公害事件の概要

 (1).足尾銅山鉱毒事件 (明治・工場廃液/水汚染)

  (明治期・足尾銅山 (栃木)の鉱毒で渡良瀬川流域に被害。
   後に「日本の公害運動」の原点といわれる。)

 (2).別子銅山煙害事件 (明治・ばい煙/大気汚染)

  (別子銅山(愛媛) の煙害被害発生。)

 (3).水俣病事件 (昭和・工場廃液/海水汚染/日本の四大公害病

  (水俣湾沿岸(熊本)における水銀汚染により、重大な健康被害。
   水俣病と呼ばれ「日本の公害病」の原点となる。)
   ・ 熊本県水俣市のチッソ水俣工場から排出された有機水銀により水俣湾の魚介類を
   汚染、それを摂取した多くの住民に重大な健康被害を与えた。
   苦しみながら亡くなった人も多く、半世紀以上に至っても、被害の全容の把握もできず。
   今も被害者認定を含め、補償問題で裁判継続中の人々もいる。

 (4).神通川イタイイタイ病 (昭和・工場廃液/水汚染/日本の四大公害病

  (神通川・中/下流域(富山)でカドミウム汚染による被害。)
 ・ 富山県の神通川流域で1910年代頃より、骨がもろくなり骨折を繰り返す住民が続出、
   なかには「痛いよ、痛いよ」と叫びながら亡くなっていった方々も。
   原因は、神通川上流(岐阜)にあった神岡鉱山の廃水に含まれていたカドミウムが、
   長い年月にわたり、下流域の水や田畑の土壌を汚染、カドミウムに汚染された水や
   米などの農産物を日常的に飲食したことなどにより、重大な健康被害をもたらした。

 (5).四日市コンビナート公害事件 (昭和・工場廃液・ばい煙/大気・水汚染/日本の四大公害病

  (四日市コンビナート周辺(三重)で大気汚染や海水汚濁による健康被害が多発。
   後に「四日市ぜんそく」と呼ばれ、わが国有数の都市における公害問題の代表例として、
   全国的な住民運動に発展するきっかけとなる。)
 ・ 三重県四日市で、1959年より巨大石油化学コンビナートの操業が開始されて以降、
   工場から排出されるばい煙などで、ぜんそくの症状を訴える住民が増加、患者住民が
   原因とされる企業を加害者として提訴。 1972年、津地方裁判所・四日市支部は、
   排煙が健康被害の原因と認める判決を下した。
   これ以降、神奈川県川崎市臨海部コンビナート、岡山県水島コンビナートなどの
   工場群から排出される汚染物質や阪神・首都圏などの大都市での車などから排出
   される汚染物質が健康被害をもたらすとして、いわゆる都市型大気汚染が、重大な
   環境問題として注目されるようになる。

 (6).阿賀野川第二水俣病 (昭和・工場廃液/水汚染/日本の四大公害病

  (阿賀野川下流域(新潟)において、メチル水銀を原因とする健康被害が発生。
   第二水俣病(通称:新潟水俣病)と認定。)
 ・ 新潟北部を流れる阿賀野川流域で、昭和電工・鹿瀬工場の廃液にふくまれた
   メチル水銀を原因とした公害病。1965年に初の患者認定。

 (7).サリドマイド薬害事件 (昭和・薬害)

  (妊産婦のサリドマイド(睡眠・鎮痛剤)服用により重大被害。)

 (8).カネミ油症事件 (昭和・食品汚染)

  (食用米ぬか油のPCB汚染により消費者に食品中毒被害拡大。被害実態は現在も不明)

 (9).スモン病薬害事件 (昭和・薬害)
  (整腸剤・キノホルムで一万人以上が知覚障害などの被害を受ける。)

 (10).薬害エイズ事件 (昭和・医療被害)
  (血友病治療薬(非加熱製剤)による、エイズ病感染被害。)

 (11).雪印乳業集団食中毒事件 (平成・食品汚染)

  (日本の食中毒事件としては、過去最大級の集団食中毒事件。

 (12).C型肝炎薬害訴訟事件 (昭和/平成・薬害)

  (C型肝炎ウイルスに汚染された血液、血液製剤(フィブリノゲン)/(第9因子製剤)
  により、輸血や臓器移植手術、大量出血時の止血剤として投与された結果、
  300万人以上ともいわれる感染被害者を生んだ。)