2017/08/16

韓国でも殺虫剤汚染タマゴ、出荷全面停止へ


( 2017.08.16 )

● 韓国産鶏卵からも殺虫剤成分 政府、全養鶏場を検査


 韓国産の鶏卵から15日までに殺虫剤フィプロニルの成分が検出され、農林畜産食品省は同日午前0時から全ての養鶏場で鶏卵の出荷を中止させた上で、全養鶏場の検査を始めた。

 同省や聯合ニュースによると、フィプロニルは犬や猫のノミやダニを駆除するために使用される。人間が大量に摂取すると、内臓に悪影響を与える恐れがあり、鶏への使用は禁止されている。

 フィプロニルはオランダなど欧州の養鶏場で相次いで使用が確認され、欧州連合(EU)欧州委員会は、汚染された疑いのある鶏卵や加工食品が域内10カ国以上とスイス、香港で流通した恐れがあるとしている。

 韓国では今回、残留農薬の一斉検査中にソウル近郊、京畿道南楊州市の養鶏場から検出された。さらに別の養鶏場からは、フィプロニルとは別の殺虫剤の成分が基準値を上回って検出された。

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 今般、韓国国内でもフィプロニルが鶏卵から検出されたことがニュースで伝えられると、鶏卵だけでなく鶏卵を材料とするパン・菓子・マヨネーズなどの食品全般に対して消費者が不信感を抱き、波紋が広がっている。

 全国で約400店舗を抱える「Eマート」「ホームプラス」「ロッテマート」などの大手スーパー3社は15日、全店舗で一斉に鶏卵の販売を中止した。一日平均で鶏卵約100万個を販売するEマートは同店147店舗と系列ディスカウントストア「トレイダーズ」11店舗に陳列された鶏卵を同日午前、一斉に撤去した。

 大手スーパー関係者は「問題になっている農家の『殺虫剤に汚染された鶏卵』を取り扱ったことはないが、消費者の不安を考慮して当面は販売しないことにした」と説明した。

「CU」「GS25」「セブンイレブン」などの大手コンビニも全国3万店舗で鶏卵の撤去を開始した。CU関係者は「15日午前から陳列台の鶏卵と、鶏卵を材料に作った弁当などを撤去している」と語った。昔ながらの市場や一部の小規模商店では鶏卵製品を販売していたが、購入する人はほとんどいなかった。一般市民は「家にある鶏卵は捨てた方がいいのか」など、情報を求めて混乱した。韓国のり巻きなどを売る飲食店では「卵を入れないでほしい」と注文する客が増えた。

 韓国・農林畜産食品部(省に相当)の金瑛録(キム・ヨンロク)長官は同日、関係機関対策会議を開き、「すべての韓国内採卵鶏農場(1456カ所)の鶏卵出荷を中止させた」と述べた。当初は採卵鶏3000羽以上を飼育している農場のみ出荷停止としたが、これを拡大適用したものだ。

 これまでの検査で、鶏に対する使用そのものが禁止されているフィプロニルが検出された事例は、京畿道南楊州市内のマリ農場1カ所だけだ。この農場では6日にフィプロニルを散布してから14日の検査結果が出るまで少なくとも約15万個の鶏卵が出荷されたものと推定されている。別の殺虫剤で発がん物質の「ビフェントリン」も京畿道広州市のウリ農場で残留許容基準を超えた数値が検出された。全羅北道淳昌郡の農場でもビフェントリンが検出されたが、基準値を下回っていた。

 農林畜産食品部は殺虫剤検査で適合と判定された農場にのみ検査証明書を発行し、鶏卵の出荷を許可する予定だ。不適合と判定された農家は出荷禁止を続け、6カ月間にわたり2週間おきに検査を実施、該当の農場主を畜産物衛生管理法違反の疑いで告発する方針だ。

 金長官はまた、鶏卵の需要があるため「採卵鶏20万羽以上を飼育している大型農場(47カ所)に対する検査をきょう(15日)中に完了させる。あす(16日)からは通常の約25%を流通させられるようにしたい」と述べた。












2017/08/13

欧州で殺虫剤汚染の鶏卵


( 2017.08.13 )

● 欧州で鶏卵に殺虫剤=17カ国・地域に波及


 オランダやベルギーなどの養鶏場から欧州を中心に出荷された卵から殺虫剤フィプロニルが検出され、消費者の間で不安が強まっている。

 欧州連合(EU)欧州委員会によると、汚染の疑いのある卵や加工品の出荷先は、英、フランスなどEU15カ国に域外の香港、スイスを加えた17カ国・地域に及び、各国で数百万個の卵が回収される事態となっている。

 フィプロニルはノミやダニの駆除に使用されるが、人が大量に摂取した場合、腎臓や肝臓に悪影響を与える恐れがある。ただ現時点で健康被害の報告はなく、EUや各国当局は「少量では健康への影響はない」と説明している。

 EUは、畜産などでのフィプロニルの使用を禁止しており、オランダの当局は汚染問題に関与した疑いで養鶏関連企業の幹部2人を拘束した。 



( 2017.08.12 )

● 香港でも発見 欧州から影響拡大


欧州の養鶏所から出荷された卵が殺虫剤に汚染されていた問題で、欧州委員会は11日、汚染された卵が欧州連合(EU)に加盟する15か国の他、香港とスイスでも見つかったことを明らかにした。

 同委員会の報道官によれば、殺虫剤「フィプロニル」による汚染卵の問題に見舞われているのは、ベルギー、オランダ、ドイツ、フランス、スウェーデン、英国、オーストリア、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、デンマークのEU諸国。さらにEU非加盟国のスイス、そして香港が加わった。

 また、フィプロニルを違法に使用したと確認されたことからベルギー、オランダ、ドイツ、フランスの養鶏場が閉鎖されたという。他の国々はこの4か国から卵を輸入していた。

 同委員会はまた、EU加盟国の関係閣僚らがこの問題について議論するため、来月26日に会合を開く予定だと明らかにした。

 問題が公になった今月1日以降、欧州内のスーパーマーケットからは数百万個の卵および卵製品が回収されている。




( 2017.08.11 )

● 欧州で卵に殺虫剤混入 食品不安10カ国に広がる


 デンマーク家畜食品局は10日、殺虫剤の成分が混入した20万トンのゆで卵製品がデンマークで販売されていたと発表した。

 同局は発表文で、問題の20万トンの卵は主にカフェテリアやカフェ、仕出し業者へ販売されたと述べた。

欧州で殺虫剤フィプロニルの成分が混入された卵が発見されたのはデンマークで10カ国目。最近では、ルーマニアやルクセンブルグでも同じ殺虫剤の成分が卵から検出されている。

 フィプロニルを大量に摂取すると、人の腎臓や肝臓、甲状腺の機能を損なうおそれがある。

 だが、デンマーク家畜食品局は冷静を保つよう呼びかけ、ダナグ・プロダクツの卵を消費しても人体へのリスクはないと述べた。

 同局は、「オランダ国内で実施された分析でフィプロニルが卵から検出されているが、健康への害はない」とした上で、「成分は違法であるため、ダナグ・プロダクツは顧客から卵を回収しなければならない」と述べた。

 問題の卵の大半はオランダで生産されたが、ベルギーやドイツでも生産された。

 オランダとベルギーの当局による合同捜査で、会社名をチックフレンドと地元メディアに報じられたオランダの会社の幹部2人が逮捕された。

 オランダ検察によると、同社に対しては自社の養鶏場でフィプロニルを使用した疑いがかけられている。

 検察は発表文で、ベルギーの供給者と「ベルギーの供給者と結託した」別のオランダの会社も捜査していることを明らかにした。

 EU規制はフィプロニルの食品業界での使用を禁止している。

 AFP通信によると、ベルギーの捜査当局は複数箇所で捜索を実施し、26の個人と企業を容疑者として特定した。

 ベルギーでは、約6000リットルの「禁止製品」が押収された。

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● 英国の店頭から卵サンドイッチを回収


 英食品基準庁は、約70万個の卵が殺虫剤が含まれている可能性のあるオランダの養鶏場から英国に輸入されたと公表した。前回の公表数は2万1千個だった。しかし、健康へのリスクになる可能性はほとんどないと述べた。

 ただ、サンドイッチやサラダなど卵が使われた11商品がスーパーマーケットから回収された。

 オランダは欧州最大の卵の生産国で、卵や卵を使った食品の世界最大規模の輸出国。

 毎週数百万個もの卵を生産する約180カ所の養鶏場が一時的に閉鎖され、さらなる検査が実施されている。

 フィプロニルは赤ダニの駆除に使用されたと考えられている。

 殺虫剤混入の問題は今月初旬にドイツでスーパーマーケットのアルディが店頭から全ての卵を回収したことを受けて、明るみに出た。

 その後、ベルギー当局者が今年6月に殺虫剤混入について知っていたものの、不正行為に関する捜査のため情報を公開しなかったことが明るみに出た。

 一方、ベルギーはオランダがこの問題について2016年の11月から知っていたと非難した。オランダ当局はこれは否定している。



( 2017.08.08 )

● 殺虫剤汚染の卵、英仏にも流入 欧州で影響拡大


 欧州で殺虫剤に汚染された卵の被害が拡大する中、英仏両政府は7日、汚染された卵が国内に流入している恐れがあると明らかにした。オランダでは多数のニワトリが殺処分される可能性も出てきている。

 この汚染問題をめぐっては、ベルギー当局が6月時点で、人体に害を与える恐れのある殺虫剤のフィプロニルが卵などから検出されたことを把握していたものの、公表していなかった。当局は公表しなかった理由について今後、情報を徹底的に開示していくと明言している。

 ベルギー当局は7月20日に初めて欧州委員会に汚染問題を報告。以来、同国をはじめ、ドイツ、オランダでは多数の卵がスーパーマーケットの売り場から回収され、スウェーデン、スイスの小売業者も同様の措置を講じている。

 欧州委員会は7日、殺虫剤汚染が疑われる卵はドイツ経由でフランスと英国にも流入したことが確認されたと発表。同委員会の報道官は記者団に対し、すべての卵のトレーサビリティー(生産・流通過程の追跡可能性)を確保しているため、スウェーデン、スイス、フランス、英国の各国に検査を委ねたいとした。

 英食品基準庁(FSA)は、国内での流通状況を緊急調査しているとしながらも、流通した卵の数は非常に少なく、消費者に健康被害が出る可能性は極めて低いと説明。具体的な数字は挙げていないが、汚染卵は年間輸入量の0.0001%だと述べた。

 フランス政府は、オランダから輸入されたフィプロニルに汚染されている卵が中西部の食品加工場2か所で見つかったと発表。ただ同国農業省は、汚染された卵が既に出荷されたかどうかについては即答できないとしている。



( 2017.08.02 )

● 卵から殺虫剤成分か 180の家禽農場が休業に オランダ


 オランダで、多数の卵などに毒性のある殺虫剤の成分が含まれているとみられることが分かり、全国約180の家禽(かきん)農場が休業に追い込まれている。当局が1日、明らかにした。

 オランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)によれば、殺虫剤のフィプロニルとみられる成分が「卵、ふん、鶏肉」のサンプルから検出され、7月26日以降、180の家禽農場が休業している。オランダからドイツに輸送中だった約100万個の卵も国境で回収されたという。

 検出された殺虫剤は、チックフレンド(Chickfriend)というドイツ企業のものとみられ、ニワトリに寄生する厄介なシラミの一種を駆除するために使用された。鶏肉など食用の家畜への殺虫剤の使用は禁じられている。

 AFPの取材に応じたNVWAの広報担当者は、現在、影響を受けた農場数の概算を出しており、600のサンプルについて分析を進めていると明らかにした。一方、ANP通信は、影響を受けた農場は全国でおよそ1000軒に上ると伝えている。

 世界保健機関(WHO)によれば、フィプロニルを大量に使用した場合の毒性は「中程度」で、人の腎臓、肝臓、甲状腺に悪影響をもたらす恐れがある。


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フィプロニルとは

 「フィプロニル(英:fipronil)」は、バイエルクロップサイエンス (de:Bayer CropScience) の前身であるローヌ・プーランが開発したフェニルピラゾール系殺虫薬の1つ。
 神経伝達物質であるGABAの作用を阻害することによりノミ、ゴキブリ、アリ、アルゼンチンアリ、シロアリなどの駆除に使用される。遅効性の毒物であるため、混ぜたエサを摂食した昆虫が致死するまでに巣やコロニーに戻る時間余裕があることが特徴である。ゴキブリやアリの場合、その死骸やフンを摂食した巣の仲間にまで効力を発揮するため巣の集団全体へその効果が広がっていく。







2017/08/12

フィリピンで初の鳥インフル発生


( 2017.08.12 )

● フィリピンで初の鳥インフル発生


 フィリピン政府は11日、同国で初めてH5型の鳥インフルエンザが発生したと発表した。ただし、人間への感染は報告されていないという。

 エマヌエル・ピニョル農相によると、首都マニラの北サンルイスで確認された感染した家禽(かきん)から1キロ以内にいるすべてのニワトリ、アヒル、ウズラの処分が即座に命じられたという。

 一方、保健当局は感染した家禽に接触した農場の従業員らの健康状態を監視しているという。

 ピニョル農相は、感染した家禽はH5亜型のA型鳥インフルエンザウイルスで陽性反応が出たと述べた。