2016/12/13

中国・名物「上海ガニ」の深刻な薬物汚染


( 2016.12.13 )

● 日本産「モクズガニ」を中国人が“爆買い”、背景に上海ガニの深刻な薬物汚染


 中国人が日本の「モクズガニ」目当てに襲来し、爆買いしている。産地の1つ栃木県・那珂川では中国語が飛び交っているという。背景には、かの国に出回る「上海ガニ」の深刻な薬物汚染が…。

 栃木県北部、那須岳を源とし、関東随一の清流と呼ばれる那珂川。その中流域で最近、どういうわけか、やたらと中国語が飛び交っている。

 「彼らの目当ては今が旬のモクズガニです。東京の中華料理店の仕入れ担当の人から一般の人まで、中国系のお客さんが大勢訪れている。5、6キロ買っていく人も珍しくなく、昼過ぎに在庫がなくなってしまうこともしばしばです」

 そう話すのは、モクズガニを扱う地元の水産業者の従業員だ。

 モクズガニとは淡水域にすむ食用のカニで、同じく今が旬の上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)と同属異種とされている。この従業員によると味もそっくりで、上海ガニが大好物の中国人にも支持されているという。

 モクズガニの相場は平均的なサイズの個体だと1キロ当たり3000円前後。一方の上海ガニは、「最も有名な産地である江蘇省陽澄湖産のホンモノなら、最低でも1キロ8000円くらいはする。

 さらに日本のお店で食べるとなると、その3~4倍」(ジャーナリストの周来友氏)というから、中国人が日本でモクズガニを爆買いするのもうなずける。

 ちなみに周氏が「ホンモノ」と強調するのは、中国ではニセ上海ガニの横行が問題となっているからだ。陽澄湖の上海ガニの年間漁獲量は2000トン強だが、インターネット上では陽澄湖産をうたう上海ガニが、毎年1万トン以上販売されているという。

 同時に、毒上海ガニも横行している。今年11月、香港の食品衛生当局は、江蘇省の業者らが持ち込んだ上海ガニから基準値を超えるダイオキシンが検出されたとして、約800キログラムを回収している。

 また同月、広東省在住の女性は、上海ガニを食べた直後に体調を崩して病院で検査を受けたところ、骨格筋が融解・壊死(えし)する横紋筋融解症と診断された。心筋障害・筋疾患を示す血中クレアチニンキナーゼの値は、基準値の180倍に達していた。

 ほかにも、中国ではここ2~3年の間に、上海ガニからカドミウムなどの重金属が検出される例が続出している。

 前出の周氏も「私もそうですが、中国ではここ数年は上海ガニを避けるという動きも広がっている」と話す。

 こうして広がる「上海ガニ不信」の一方、故郷の味を忘れられない中国人の間で、日本のモクズガニ人気が密かに広がっているようだ。